試験前に不安な気持ちを書き出すことでパフォーマンスが向上、「本番で実力を出せる」ように

試験前に不安な気持ちを書き出すことでパフォーマンスが向上、「本番で実力を出せる」ように
2011年01月14日 GIGAZINE

今週末には2011年度の大学入試センター試験が実施されますが、試験前になると「手が回ってない範囲から出題されたらどうしよう」「ド忘れしたらどうしよう」「この試験で失敗したら浪人だ」「浪人したら彼女に振られるかも」などと次から次へと心配してしまい、勉強が手に着かず食事はのどを通らず夜も眠れない……というような人もいるかもしれません。

そういった不安を感じやすく緊張する場面に弱い、「本番で実力を発揮できない」タイプの人は、試験直前にその不安な気持ちを紙に書き出すことで、不安が解消され成績が向上するそうです。

シカゴ大学の心理学者Sian L. Beilock准教授らの行った実験により、試験に関する不安を試験直前の10分間に紙に書き出すことにより、成績が向上することが明らかになりました。論文はScience誌に掲載されています。

Beilock教授によると、試験で問題を解く際に使える「ワーキングメモリ」(読んだばかりの設問を覚えたり、計算途中の式や数字を覚えたりする短期記憶)は限られていて、試験に関する不安を感じていると、そのワーキングメモリが心配事だけで手一杯になってしまうそうです。試験前にあらかじめ不安を書き出すことで、問題を解くことに使えるワーキングメモリが増えるというわけ。

Beilock教授らはまず、大学生の被験者20名に2セットの数学のテストを受けてもらいました。1回目のテストでは単純に「ベストを尽くすように」と指示したのみですが、2回目のテストの前には「成績優秀者には賞金が出る」「成績が悪ければ連帯責任としてチームのほかのメンバーに迷惑をかける」「試験の様子はビデオ撮影され、数学の教官に見られる」といった「プレッシャー」をかけました。そしてこの2回目のテストの前に、半数の学生は10分間「試験に関する不安」を書きつづってもらい、対照群は10分間静かに座ってもらったそうです。

その結果、試験直前に静かに座っていたグループでは、2回目の「プレッシャーのかかった」テストは1回目のテストと比べ正答率が12%下がったのに対し、試験前に不安を書き出したグループでは2回目のテストの方が1回目のテストより5%正答率が向上したとのこと。また、別の実験では「紙に何かを書く行為」に緊張を和らげる効果があるのではなく、特に「試験に対する不安について書くこと」に効果があると示されたそうです。

研究では次に、高校生活で初めての期末試験(生物)を受ける9年生(日本でいう中学3年にあたる学年、アメリカのハイスクールのフレッシュマン)を対象に実験を行いました。生徒たちは期末試験の6週間前にアンケートに答えてもらい「テストに対する不安の感じやすさ」を評価されたそうです。

そして、生物の期末テストの直前に、席についた生徒たちに「テストについての気持ちを書く」または「テストに関係ないトピックについて考える」よう指示したところ、テストについて書いた生徒たちの方が高い成績をおさめ、特に「不安を感じやすい」タイプの生徒では、テストについての不安を書いたグループの成績の平均が「B+」だったのに対し、対照群は「B-」と、明らかな差がついたそうです。

Beilock教授は、試験に対する不安を感じやすく「本番で実力が出せない」タイプの人は、特に教師や試験監督からの指示がなくとも試験前に自分で時間をとってノートなどに不安な気持ちを書き出すことで、パフォーマンスを向上させることができるだろうと述べています。また、このように不安を書き出す行為は、仕事でのクライアントに対するプレゼンテーションや、大勢の人の前でのスピーチ、就職のための面接など、プレッシャーを感じるさまざまな場面で役立つだろうとのことです。



・非常に分かりやすい説明で説得力がある。PCのメモリーも同じことで、余分なソフトとかがメモリーを奪っていると効率が悪くなるからね。頭の一時メモリーも、不安などの想いをスワップしておくことで、本来の使い方ができるというものだ。

こうしたことで、例えば5%アップすれば合格できる人たちは大勢いるだろう。そんな学生・社会人の皆さんには一度試して頂きたい。
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