書評:100歳までボケない101の方法―脳とこころのアンチエイジング

書評 100歳までボケない101の方法―脳とこころのアンチエイジング

[評者]長薗安浩 週刊朝日2010年12月3日

■帯を広告として徹底活用

 こりゃ売れる。

 書店でこの『100歳までボケない101の方法 脳とこころのアンチエイジング』(白澤卓二)を手にとってすぐ、私はそう確信した。

 まずはタイトル。「100歳」に「101の方法」を重ねてリズム感よくまとめ、ハウツーの王道らしく内容を要約している。既存の“めざせ長寿”本との差別化は、具体的な数字ではさんだ「ボケない」4文字で図り、長生きしたってボケたらしょうがないだろう、という昨今の中高齢者ニーズに対応。さらには、サブタイトルを使って「脳とこころのアンチエイジング」まで訴求するあたり、編集者はどこまでも貪欲だ。

 そして何よりすごいのは、帯だ。カバー表面の半分以上を占める帯の上部には、タイトルよりも著者名よりも大きい「日野原重明先生推薦!」の赤い文字が組まれている。しかも、学生服姿の20歳代の日野原先生、白衣を着た50歳代の日野原先生、99歳になった現在の日野原先生の写真がこちらを向き、「私の例も含めて、健康長寿のための最新知識をこうもわかりやすく書かれた本は他にない」のコメントが添えられているのだ。

 帯を広告面として徹底活用する狙いはその裏面にもおよび、「何歳からでも効果があります。ひとつからでも効果があります。ボケない人生を今日から始めましょう」なるコピーで明るく勧誘。その上で内容の一部、たとえば、「リンゴは皮まで食べる」とか「2日前の日記をつけよう」とか「誰よりも若々しく見える首の体操」といった、タイトルに相応しい項目を紹介してみせる。

 ここまで知恵をしぼった外面にうながされて中を開くと、「101の方法」がレッスン1~3に分類されて整然と並んでいる。それらのどれもが明快で実際的なのだから、中高年の男女はもうたまらない。ひょっとしたらこの本は年を越してロングセラーになり、日野原先生が百寿を迎えるころには、語呂よく100万部を突破するかもしれない。



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で、でかい~帯に、日野原医師アップ! 誰の書いた本・・・裏面もあるらしい。

100歳までボケない101の方法―脳とこころのアンチエイジング 文春新書
白澤 卓二【著】
文藝春秋 (2010/09/20 出版)

何歳からでも効果があります。
ひとつからでも効果があります。
ボケない人生を今日から始めましょう。

1 何を、どう食べるか?それが問題です 食事編(115歳の女性の大好物はニシンとオレンジジュース;脳のエネルギー不足にご用心;朝食抜きは肥満のもと ほか)
2 日常生活の一工夫で脳とこころが活性化します 習慣編(長寿遺伝子は誰でももっている;健康長寿の第一歩は階段の上り下り;ひとくち30回は噛もう ほか)
3 超簡単!アンチエイジング・トレーニング入門 運動編(世界一の長寿者カルマンさんがしていた運動;まずは足腰を鍛える;1万歩の目標も500歩から ほか)

野菜はブロッコリ、魚ならサケ。睡眠は7時間で2日前に食べたものを日記につける。アンチエイジングの第一人者による超実践レッスン。

◆朝食はパンよりご飯を
◆ネバネバメニューが老化を防ぐ
◆リンゴは皮まで食べる
◆魚の王様はサケ
◆野菜の王様はブロッコリー
◆真っ赤なトマトを食卓に
◆ザクロジュースが脳に効く
◆健康長寿の第一歩は階段の上り下り
◆2日前の日記をつけよう
◆笑顔を作るだけで脳は活性化される
◆7時間睡眠が長生きの秘訣
◆誰よりも若々しく見える首の体操
◆食べる力を作る舌出し体操   ---ほか

白澤卓二 [シラサワタクジ]
1958年神奈川県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。1982年千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所分子病理部門研究員、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダー等を経て2007年より現職。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。日本抗加齢医学会理事



・著者のインタビューを聞いていて、即刻調べた本です。目次がすべて手に入れば買う必要ないと踏んでいたが、やはり書かれていない。その上、上記の書評にあるように、計算尽くされた広告である。

著者の話では、長寿の要因の25%は遺伝だが、75%は生活習慣だというのが現代の医学常識だという。そして、彼らの疫学的な調査から、共通する生活態度を羅列し一つでも日常化することが、脳と身体のアンチエイジングだと語る。

聞いていて何やら嬉しくなってくる。ただ、何のために長生きするのだろうか!?という疑問に答えてくれるのだろうか。日野原医師は現役医師として活躍し、後進の指導よりも現在ではシルバー世代のお手本みたいな人だからマネできるものではない。

ということで、とにかくボケッとせずに何かに打ち込み、適度に身体を使い、パソコンなどよりも生身の人間付き合いをすれば・・・でもね、100歳生きられるかは分からないよ。

現在52歳の白澤医師だが100歳まで生きてね。それこそが書かれざる本になるのだ。

■ 白澤卓二 公式ホームページ
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