米国で「緑の聖書」が静かなブーム

米国で「緑の聖書」が静かなブーム
2010年12月30日 alterna

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2008年に米国で出版された「緑の聖書」をきっかけに、聖書を環境の視点から読み直そうとする試みが静かに広がっている。「ノアの方舟」のエピソードから環境問題を論じるなど、今までにない発想が受けているようだ。京都議定書を巡る国際交渉では消極的な米国だが、緑の聖書はその流れを変えるだろうか。

■人間の自然への「支配」の意味とは?

「偉大なる神は、私の同胞である大地を、自然を、森を、生き物を作られた」――。『緑の聖書』の冒頭には、愛の深さゆえに鳥獣にも慕われ対話したとされるカトリックの聖人であるアッシジの聖フランチェスコ(1182―1226)の詩が掲載されている。

「キリスト教は自然、そしてすべての生き物へ責任を果たすことを、あなたに求めている」。前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世(1920―2005)が1990年の世界平和デーに公表したメッセージが続く。

聖書の記述はこれまでの英語版とほぼ同じだが、約1400ページのうち解説と索引で約200ページを占める。

その中には聖書を読む誰もが持つ疑問について答えたものがある。ウィスコンシン大学で環境学を教えるカルビン・ドウィット教授の『緑のレンズを通して聖書を読む』という文章だ。

同教授は「『神はすべての被造物に人間がしたいことをする権利を与えた』と解釈する人がいるのではないか」と問題を提起した。

世界の創造を記した聖書の『創世記』には、「神は彼ら(注・人間のこと)を祝福して言われた。産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ」(1章28節、日本聖書協会新共同訳)という一節がある。

答えは次の通りだ。「『支配』とは他をまったく顧みない圧制ではない。(中略)創世記の文章は聖書の他の個所や文脈から切り離して理解してはいけない。ここでの『支配』とは『責任を持ち管理する』という意味だ」。

また「環境より人間が大切だ」という考えに、同教授は創世記のノアの方舟の物語を引用して反論する。この説話では、けがれた世界を浄化するため神は大洪水を起こしたが、ノアに生物の雄雌を方舟に乗せて救うることを命じた。「神の救いは、人間だけでなく、すべての生き物を含む」。このように環境に配慮した、現代的な視点で聖書を読み直そうとしている。



・いろいろな聖書がある。もちろん翻訳の違いは大きいが、子ども向けにしたり、イエスの言葉だと思われている箇所だけを別色にしたり、「緑の聖書」では環境関連と思われる聖句が緑色に印字されている。

記事に書かれていることが重要なのは、欧米人の環境や自然に関するものの見方が、アジア特に日本人のような自然に対する感性とは全くことなるということだろう。

キリスト教の影響もあり、自然を神から与えらた人間に服従すべきものという捉え方や、人間と自然を対峙させる考え方が未だに強い。だから、環境保護などの運動も起きるのだろう。

日本人は、土地柄か自然と共生するという生き方を有史以来してきており、自然物に対する崇拝もある。巨大都市・江戸が、エコライフの鏡のような循環型社会を形成していたことは知られている。

欧米人の聖書観が、このように環境重視の姿勢を見せるのは時代の流れだろう。ただ、保守的な信仰を持つ人たちには受け入れられないと感じる。


・「Reading the Bible through a Green Lens」(緑のレンズを通して聖書を読む)

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DeWitt, Calvin B.
University of Wisconsin-Madison Professor, Nelson Institute for Environmental Studies

Land stewardship, purchased development rights, local government environmental policy, wetland ecology, environmental stewardship, faith-based stewardship
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