霊きゅう車シンプルに 「宮型」から「洋型」へ
2010年8月31日 神戸新聞
神社やみこしのような装飾を施した「宮型」の霊きゅう車が減り続けている。宗教色が薄い、費用が安い、目立たない‐などの利点がある黒塗りの「洋型」が増えてきたためで、外装を規制する国土交通省の基準改正も追い打ち。業界団体の調査によると、宮型の台数を洋型が上回るのも時間の問題のようだ。
宮型は1920年代に登場し、東京や京阪神などの都市部を中心に普及。白木や金箔(きんぱく)、黒檀(こくたん)など装飾には地域性があるが、全国で長く使われてきた。
一方、高級乗用車を改造したシンプルな外装の洋型は、90年代以降に浸透。昭和天皇の葬儀で使われた影響が大きいとみられる。また、宮型はいかにも葬儀という印象を与えるとして、周辺住民に配慮し、斎場への乗り入れを条例で禁止する自治体も現れ、洋型への切り替えが進んだ。
神戸市兵庫区の霊きゅう車運送業「ケーアール」は、この10年間で宮型を半減させた。川島弘丈社長は「不況の影響で、料金が割高な宮型は需要が少ない。重量があり、メンテナンスも大変」と話す。
さらに2009年1月、新しい「道路運送車両の保安基準」が適用開始。歩行者保護のため、基準値を上回る突起がある乗用車は17年3月までに改良が義務づけられた。
運行業者の約半数が加盟する「全国霊柩自動車協会」(東京)の勝基宏業務課長は「突起部分が特徴の宮型は、間違いなく基準違反になる。車を更新する際、宮型を選ぶ業者は減る一方だろう」と話す。協会によると、05年で1057台だった両者の差は、4年で40台にまで接近。今年の集計で逆転する可能性もあるという。
「宮型は日本の葬送文化の象徴。基準の適用について国交省と交渉を続けたい」と勝課長。同省自動車交通局の担当者は「国際基準に合わせた改正で、宮型だけを特別扱いできない。丸みを持たせたり、カバーを付けたりして対応してほしい」とする。
【葬儀、簡素化の一途 霊きゅう車についての著作もある国際日本文化研究センター(京都)の井上章一教授の話】
宮型は、行列で街中を練り歩いたという明治時代の派手な葬儀のなごり。葬儀は簡素化の一途をたどっており、外向きの演出に重点が置かれなくなった。交通事情も変化しており、宮型が減るのも自然な流れなのだろう。
社団法人全国霊柩自動車協会 http://www.09net.jp/
霊柩自動車のご案内 http://www.09net.jp/syouhisya/2.html
・芸能人などの葬儀で見られるのは洋型ばかりである。宮型の方が料金が高いと記事にある。
« 人生いろいろ:皮財布と小銭入れ | 福音はとどいていますか93 »
トラックバック
| h o m e |




