人生いろいろ:私的ニュースの見方

† お気づきだろうがニュースは日によってアクセントが異なる。ここでいうアクセントとは重大ニュースがいくつかあると一般的なニュースは割愛されるという時間的な制約のことだ。放送には時間枠があり特にテレビの場合は1分単位で細かく構成され、映像とアナウンス原稿、そして司会者やゲストの会話まで制約される。そこで、あまり知らせなくない情報がある場合はニュースが多くなる日やニュースをあまり見ない日を選んで報道する傾向がある。ニュースウオッチをしていて某自治体は、必ずと言っていいほど週末金曜日午後に記者会見する。それが配信されるのは夕方ニュース以降で、金曜日の夕方はサラリーマンなら一杯やっていたり、娯楽番組も週末に向けて面白い企画番組を編成するからだ。記者会見といってもできるだけ知らしめたくない意向がはっきりと読み取れる。

‡ テレビ朝日「報道ステーション」2015年3月27日放送分で、司会の古館伊知郎氏と元官僚の古賀茂明氏のバトルが放送された。それ以降も、場外で政府、与党やテレビ朝日局などさまざまな波紋を投げかけた。実は、この生放送を偶然に視聴していた。古賀氏の発言を聞いていて、これはかなりヤバイなぁ~と実感。ところが古館氏がそれに反論を始めたから、さらにスタジオが凍りついた。当日、別番組でテレ朝局にいた経済評論家は、スタッフらがテロだと言って大騒ぎとなったと楽屋裏を書いている。古賀氏の真意は、その短い出演時間では分からないと思うが後々に語っている。例の慰安婦問題や福島第一原発の吉田調書の誤報で、前から狙い撃ちしたかった政府から横やりが入った時期で、テレ朝はかなり神経過敏になっていた時期だけに、スタッフがテロと叫んだのも理解できる。これを経て、批判的な大手マスコミ論調は政権に対するスタンスを批判から協調に換えた。ただ、ゲストが自分の主張を述べることさえ事前検閲のような形で自己規制することはジャーナリズムの死につながることは欧米標準からすれば当たり前のこと。戦前のような自己規制と横並びで、伝えないといけない報道を自粛することが禍根を残すことは歴史が証明している。ニュースが面白くなるには、古賀氏のような予定調和を崩す装置を設けるしかなく地上波テレビでは今後とも期待できないだろう。


古舘報道ステを元官僚古賀氏が“ジャック”
2015年3月28日 日刊スポーツ

 元経済産業省官僚の古賀茂明氏(59)が27日、テレビ朝日系「報道ステーション」に生出演し、番組を“ジャック”した。古舘伊知郎キャスター(60)と自身の番組“降板”を巡って、口論のような形に発展した。

 番組中盤、緊迫する中東情勢を伝える場面で、古舘が古賀氏に解説を求めると、この日が最後の出演になるという古賀氏が切り出した。

 古賀氏 ちょっとその話をする前に。テレビ朝日の早河(洋)会長と、古舘プロジェクトの佐藤(孝)会長の意向で今日が最後ということに(なりました)。

 これまで古賀氏は同番組で、「I am not Abe」などと安倍政権に批判的な発言を繰り返していた。

 古賀氏 これまで本当に多くの方に激励していただいた。一方で菅官房長官をはじめとして、官邸のみなさんのバッシングを受けてきた。それを上回る応援で楽しくやらせていただきまして、本当にありがとうございました。

 降板した理由を話すと、古舘も「ちょっと待ってください。今の話は承伏できません」と対抗したが、古賀氏は「古舘さんもその時におっしゃりました。『この件に関してはお役に立てなかった。本当に申し訳ない』と。全部録音させていただきましたので、そこまで言われるなら全て(データを)出させていただきます」と引かない姿勢で、いったん収束した。

 しかし、その後も「自分で作ってきました」と、「I am not ABE」と書かれた手製の紙を広げた。古舘は「番組ではこれまで川内原発に対する指摘や、辺野古の問題についても取り上げてきたじゃないですか」とたしなめると「私もツイッターでぜひ見てほしいと書きました。でも、それを作ってきたチーフプロデューサーが更迭されます」と反論。これには古舘も「更迭ではない。私は人事のことまでわからないけど、それは違う」と否定した。

 さらに古賀氏は安倍政権について「原発復権・官僚復権・行革埋没」と指摘するフリップを見せたが、古舘が「ちょっと時間もないので」と制止すると、古賀氏は「そういうことは言ってほしくなかったのですが」と渋々フリップを降ろした。続けてマハトマ・ガンジーの言葉をフリップで出し、「私が言いたかったのは、言いたいことはそのまま自然に言いましょうということ。裏で圧力をかけたりはやめましょう」と話した。


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人生いろいろ:時計と時間と人間

† 極めて精度の高い時計が開発された。「時」そのものを見直すきっかけになるという。開発チームの東大教授自身、これがどのように活用されるか分からないという。記事の説明では、現在時間は原子の振動で定義されているという。理解したいが、そのだけで思考が止まってしまう。

‡ そうした時間とは別に人間の経験する「時」は、楽しい時は長く感じ、辛い時はゆっくりと進むと感じるという独特の感覚がある。人間は、何歳まで生きるかで悲喜こもごもとなるが、短い人生ならつまらなく、人生経験が長ければ楽しくなるとは限らないことがアイロニーである。結論として導かれるのは、この瞬間は二度と帰ることないもので、その瞬間にも人生の全てを凝縮したものを感じることも可能であるということだ。だから短い人生を強いられた人にも人生の醍醐味を感じられないと即断することはできない。時計は精確に計測できるかもしれないが、人生にはそれが適応できない。人生とは不可思議なもので問いの答えは永遠に与えられない。嗚呼!


宇宙年齢で1秒も狂わない光格子時計 (外部リンク)
2015年2月10日 サイエンスポータル 科学技術振興機構

「160億年で1秒しか狂わない」時計を開発
2015年3月3日 NHK

160億年動かし続けても1秒しか狂わない、極めて精密な時計の開発に、東京大学などの研究チームが成功しました。現在、1秒の基準となっている時計の100倍以上の精度があり、宇宙が誕生した瞬間から動かし続けても、0.8秒しか狂わない計算です。

この極めて精密な「光格子時計」と呼ばれる時計を開発したのは、東京大学大学院の香取秀俊教授の研究チームです。この時計は、レーザー光によって作ったごく小さな空間に、ストロンチウムの原子を閉じ込めて振動する回数を数え、それを基に時間を計測する仕組みです。

従来の「光格子時計」は、周囲の熱の影響で原子の振動数にばらつきがあり、精度に問題がありましたが、氷点下178度まで冷やすことにより、振動数が一定し、画期的な精密さが実現できたということです。

現在、1秒の基準となっているセシウム原子を使った時計は、3000万年に1秒の誤差がありますが、今回開発された時計は、160億年に1秒の誤差という100倍以上の精度で、宇宙が誕生した138億年前に動かし始めたとしても、0.8秒しか狂わないということです。

こうした精度の高さは、世界でも例がなく、1秒の定義の見直しにつながる可能性があるほか、この時計を離れた場所に置くことによって、新たな測量技術の開発にもつながるということです。

香取教授は「『1秒』がセシウム原子時計で定義されて半世紀がたとうとするなかで、秒を測る精度を格段に上げることができた。日本由来の光格子時計で、基礎科学への貢献だけでなく、時計の概念そのものすら変える可能性がある」と話しています。

1秒とは
1秒という時間は、かつて、地球が自転するのにかかる長さ、つまり1日の長さによって定められていました。1日を24分割した時間を1時間とし、それを60分割したものが1分に、それをさらに60分割することで、1秒の長さが決められていました。

しかし、19世紀から20世紀にかけての天文学の発達で、地球の自転周期は、潮の満ち干や季節の変化などによって僅かに変動していることが明らかになりました。

このため、いったん地球の公転周期を利用するようになり、その後、1967年の国際度量衡総会によって、原子核が持つ普遍的な現象を1秒の基準として採用することになりました。

具体的には、セシウム133の原子が吸収するマイクロ波の振動数を利用する、「セシウム原子時計」によって1秒は定められています。

しかし、その「セシウム原子時計」にも、原子の熱運動やほかの原子との相互作用によって、3000万年に1秒の誤差が生じます。今回、東京大学のチームが開発した光格子時計は、その100倍以上の精度があり、160億年で1秒の誤差だということです。



追加 初めての世界標準時の物語
2015年5月26日 NHKラジオ第1
大英博物館連動企画「モノが語る世界の歴史」27

大英博物館展  http://www.history100.jp/

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「ビーグル号のクロノメーター」 Ship's Chronometer from HMS Beagle (NHK音声解説・期間限定)

正確な時計作り、特に海洋王国英国では、航海での正確な時間測定の必要があった。

海洋クロノメーター (Marine chronometer) ←英国ジョン・ハリソンの開発で普及

簡素化されたクロノメーターが搭載された英国軍艦ビーグル号は、1831年に正確な南米の海岸線作りのために南洋航海に出た、それは加えてダーウィンが「種の起源」を書く航海ともなった。

英国の正確な世界海図は、英国グリニッジを起点とした時間、子午線を確定させた。この時から、世界はグリニッジ標準時とグリニッジ子午線により国際的に利用され1884年、ワシントン会議で国際的な利用が決定された。標準化されて時間の理解が大きく変わった。

マザー・テレサ、来年にも列聖か

マザー・テレサ、来年にも列聖か
2015年5月20日 時事通信社

 イタリアのメディアは19日、インド東部コルカタを拠点に貧困者救済に尽力したマザー・テレサ(1910~97年)について、2016年9月にカトリックで最高位の崇敬対象である「聖人」に認定されるとの見通しをフィジケラ枢機卿が示したと伝えた。

 マザー・テレサは1979年にノーベル平和賞を受賞。03年に「聖人」の前段階の「福者」に叙せられている。

 一方、バチカン(ローマ法王庁)報道官は、列聖はまだ承認されておらず、「この日程で決まったと述べるのは時期尚早」と指摘した。【バチカン市AFP=時事】


・確報でないが、人気あるマザー・テレサだけに話題性はある。

カトリック信者でない人は聖人に対しての思い・憧れは薄いと考えるが、どうなのだろうか。


追記

シスター・ニルマラ・ジョシー死去
2015年6月23日 時事通信社

マザー・テレサが創立した女子修道会「神の愛の宣教者会」の後継総長、シスター・ニルマラ・ジョシーが23日、インド東部コルカタで死去した。81歳。報道などによると、心臓病を患っていた。



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Mother Teresa's Successor Sister Nirmala Dies at 81
2015年6月23日 バチカン放送局

Sister Nirmala Joshi, the first to lead the Missionaries of Charity after Mother Teresa, died Monday night, in Calcutta. She was 81 years old. She had suffered from heart problems for the past few years. After a kidney failure, on Friday, June 19 the doctors wanted to hospitalize her to undergo dialysis. The nun, however, preferred to stay with her sisters: After a Mass celebrated by a Jesuit priest in the hospital, she was discharged. Her funeral is scheduled for 4pm (local time) Wednesday at the headquarters of the Congregation.

Tuesday her body will be laid in the Church of St. John, before being transferred by evening to the Missionaries’ home in Tengra, a Calcutta suburb.

Sister Nirmala was born in 1934 in Ranchi, capital of Jharkand, which at the time, was a part of the province of Bihar and Orissa under the British Empire. His parents were from Nepal and her father was a British army officer, until India’s independence in 1947. Although her parents were Hindus, Nirmala was educated by Christian missionaries in Patna, capital of Bihar state.

It was then that she first met Mother Teresa and expressed her desire to share in her work. She soon became a Catholic and joined the Missionaries of Charity.

A graduate in political science and after a period spent as a lawyer, she became one of the first sisters of the congregation to lead a foreign mission, when she was sent to Panama.
In 1976, Sister Nirmala started the contemplative branch of the Missionaries of Charity, of which she remained in charge until her election as successor to Mother Teresa in 1997, six months after the death of the founder.

January 26, 2009 (Republic Day) the Indian government awarded her the Padma Vibhushan, the second highest civilian award of the country, for services rendered to the country.

Her term as superior general of the Missionaries of Charity ended March 25, 2009: she was succeeded by German Sister Mary Prema Pierick, who is still at the head of the congregation of Mother Teresa. (AsiaNews)



追記

ローマ法王庁 高山右近を「福者」認定へ
2015年6月25日 NHK

国外に追放されながらも信仰を貫いた戦国時代のキリシタン大名、高山右近に、ローマ法王庁は「福者」の敬称を与える方針を決め、25日、手続きを担当する神父が大阪を訪れて、高山右近の生誕の地を見て回りました。

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キリシタン大名の高山右近は、大名の地位を取り上げられ、国外に追放されながらも信仰を貫き、フィリピンでその生涯を閉じました。

それからちょうど400年に当たることし、ローマ法王庁は日本からの申請に基づいて、右近を死者への敬称で最高位の「聖者」に次ぐ「福者」に認定する方針を決め、手続きを担当するアントン・ヴィットヴェル神父がローマから来日しました。

ヴィットヴェル神父は、右近の生誕の地、大阪・豊能町を訪れ、右近が生まれた場所を示す石碑や石像などを見て回ったほか、豊能町の町役場も訪れて、茶人としても知られる右近にちなんで茶のふるまいも受けました。

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ヴィットヴェル神父は「右近がどういう場所で生まれ、育ったかを知ることができて、とてもよかったです」と話していました。ローマ法王庁は、法王による承認の手続きを経て、ことしの末から来年初めごろに高山右近の「福者」の認定を正式に発表する見通しです。



キリシタン大名・髙山右近研究室  http://www.hi-ho.ne.jp/luke852/ukon.html


追記

マザー・テレサが「聖人」に 来年9月にも列聖式
2015年12月18日 中日新聞

 ノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサが、カトリック教会で最高の崇敬対象である「聖人」に認定されることが決まった。ローマ法王庁(バチカン)が18日までに明らかにした。バチカンの列聖省が17日に最終決定し、法王フランシスコの承認を得たという。

 列聖式の日程は後日発表されるが、来年9月4日との報道もある。

 列聖には、その人が死後に起こした奇跡の認定が必要。イタリアメディアによると、2008年にブラジル人男性が脳の手術中、助かる見込みはないとされていたものの、男性の妻がマザー・テレサに祈って回復したという出来事が奇跡と認められた。【ローマ共同】



追記

高山右近を「福者」に認定 殉教とローマ法王庁
2016年1月22日 中日新聞

 ローマ法王庁(バチカン)は22日、1615年に死亡したキリシタン大名、高山右近がカトリックで最高の崇敬対象とされる「聖人」に次ぐ地位の「福者」に認定されることが決まったと明らかにした。認定儀式「列福式」の場所や日程は未定という。

 バチカンによると、福者となるために必要な条件である殉教と認められた。列聖省のアマート枢機卿が21日、法王フランシスコに面会して承認を得た。

 大阪で生まれた右近は父の影響で洗礼を受け、織田信長や豊臣秀吉に仕え、高槻(大阪府高槻市)や明石(兵庫県明石市)を治めた。【アテネ共同】


ムー公認「オカルトかるた」出た “極秘資料”満載

ムー公認「オカルトかるた」出た “極秘資料”満載
2015年5月6日 朝日新聞

 UFOや超能力、怪奇現象といった「世界の謎と不思議」に果敢に挑戦し続ける月刊誌「ムー」(学研パブリッシング発行)――。そんなムー公認の「オカルトかるた」が発売された。「縄文時代の宇宙飛行士」「世界統一をたくらむ秘密結社」といった怪しげな読み札で、「遊ぶほどにオカルト教養を高められる」グッズだ。

 ムーは1979年に隔月誌として出発。オカルト雑誌の草分けとして知られる。創刊号の巻頭は「総力特集 異星人は敵か、味方か?」だった。

 80年代初頭のニューエイジ思想ブーム、オウム真理教事件によるイメージダウンなど取り巻く環境の浮沈があったものの、「謎」「不思議」に対して、仮説を立てて推理や解釈を楽しむコンセプトは変わらないままだ。

 鳩山由起夫元首相も愛読者として知られ、「ムー民」と呼ばれる熱心なファンがいる。

 ムー公認なだけに、「あ」から「ん」まで46組の絵札は、誌面で使われた“本物”のイラストや写真を採用。読み札の文言は、ムー独特の世界観に満ちている。

 【あ】アーノルドが目撃したフライング・ソーサー
 【し】縄文時代の宇宙飛行士
 【せ】世界統一をたくらむ秘密結社
 【と】時をかける伯爵
 【に】2本の角があるネス湖の怪獣
 【ん】ンザンビ信仰とゾンビの呪術

■編集部で飛び交う用語の面白さ

 企画したのは、ムー編集部スタッフの望月哲史さん(38)。小さい頃から「ノストラダムスの大予言」シリーズ(祥伝社)で読書感想文を書くほど熱心なオカルトファンだった。

 そんな望月さんですら、2012年12月にムー編集部で働き始めると、「ムー的な言葉が飛び交うのに慣れるのに大変で、何を聞いても今で言う『ラッスンゴレライ』のように聞こえた」という。

 こういった編集部内で何げなく交わされるオカルト用語を聞くにつれて、「ユニークさ、世間とのズレ、異常性が面白い。その異常な視点自体がムーのコアではないか」と思い至り、そんな魅力をうまく伝えられるグッズを作れないかと考えた。

 編集部が収蔵する“極秘資料”である図版と、たとえば遮光器土偶に対して「古代の宇宙飛行士だ」と切り込む、ムー的な面白さ。その両方を、絵札と読み札で同時に表現できる商品として、かるたが思い浮かんだという。

■「“真実”は一つではない」

 学研の教育グッズとしての商品化も模索したが、「規模的にも内容的にも難しい」という理由で、望月さんの個人事業としてオカルトグッズ製作サークル「PLENLUNO(プレンルーノ)」から発売することになった。

 望月さんは「写真の札に『わかんねぇよ!』とツッコミながら笑って遊んでもらえれば。オリジナルの読み札を考案するのもオススメ。“真実”は一つではありませんので……」と話している。

 価格は税込み2160円。ネット通販や一部書店で販売している。数百セットずつの少量生産で品薄状態だが、5月末に再入荷するという。(北林慎也)


・いわゆるオカルト・精神世界の雑誌の老舗として、未だに残っている。マスコミへの浸透度は高く、中でもテレビ番組への元編集長、編集長の頻繁の出演でお馴染みだろう。そうした番組では、いわゆる肯定派の中心として、否定派の学者・タレントとバトルを展開し、結論を出すことはない。

私は、こうした雑誌をかなり以前は興味を持っていた時代もあるが、それは学研や徳間書店などきちんとした出版社が出しているからだ。ところがずっと見てきて、かなり確信犯的に人を惑わす出版が分かってからは距離感を大きくとっている。

こうした編集に携わる人たちの本音対談・インタビューを何度も見ているが、彼らは編集している内容が事実であるかではなく、売れるための話題性があるか否かだけなのだ。つまりヨタ情報であることを承知で、読者の利益をはかることはない。そうした業界のライターも売れるための文章を書いているだけに過ぎない。

例えば、オウム真理教信者はこのような雑誌・テレビ番組を契機として入信しているという報道を読んだこともある。リテラシーのない青年や子どもをターゲットとして、危険な内容を含む情報を、それが正しくないかもしれないと分かっていて提供することは出版社として正しいのか疑問がある。

彼らの根拠は、すべては科学で解明されたわけでなく、1%でも疑わしいことがあれが常識的なことも信じることはできないというスタンスである。これがより科学的な態度であるという主張に基づくのだろう。また実証されていないが新しい科学の知見を有していると主張する自称・研究家を重用する。

特に世紀末には、世界が終るという言説を振りまき社会を混乱させたことの罪は大きい。その検証も反省もないままに、流布した本人やマスコミは相変わらずに誤魔化しながら生きているのである。

こうしたことを取り上げなかったNHKだが、「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」という番組でリテラシー教育を行った。この番組では、上記のような不可思議な現象を不思議現象!?と科学現象と分けて構成することで、視聴者に疑うことを教える。

例えば同じ映像を使っても、民放特番では最新UFO映像なるものが、NHKではCGによって合成されたものであることを説き明かしつつ、それがどう撮影されたかを検証することで解明をめざした。

このNHK番組では、いくつものYoutubeに動画を掲載している会社が、映像を売る会社であること示唆した。その会社へのメール取材で日本からの引き合いが特に多いことを暴露した。「極秘の情報では・・・」というのが、実は動画掲載サイトにある怪しげな映像である場合も多い。

科学的な見方をできないからこそ騙される。騙す人はきちんとした科学知識もないままに自説を述べる。そして、それを通して儲ける人たちが多く存在するということだけだ。

陰謀論にまじめに取り組むほど偏向して考え方そのものがおかしくなるように、こうしたオカルト情報も笑いとばすためと割り切れば面白い(⇒「と学会」ように)が、それを支える情報の信頼性が著しく欠ける場合は、いくら周辺情報を集めてもらちがあかないのである。

そこで一足飛びに、誰かが・大きな闇の組織が情報をコントロールし人類を支配するという大きな妄想体系にはまり込んでいくのである。世の中の現象、一つ一つは自分との関わりに存在するだけであって何か隠されたものがあったとすることは余りにも短絡的なことだ。


月刊ムー公認「オカルトかるた」

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[内容物]
読み札/取り札:46組
終末カード:8枚
遊び方解説書:1枚



82年ぶり大改修 横浜海岸教会、バリアフリー化

82年ぶり大改修 横浜海岸教会、バリアフリー化
2015年5月12日 神奈川新聞

 日本人信徒が参加した最初のプロテスタント教会として知られ、横浜市認定歴史的建造物でもある横浜海岸教会(横浜市中区日本大通)が82年ぶりの大改修を終えた。耐震やバリアフリーにも対応し、15日を皮切りに今後は毎月第3金曜日に一般公開も始める。上山修平牧師(60)は「改修を機に、より人々に親しまれる教会に」と話している。

 開港後の横浜では、宣教師らが私塾を開いて英語を教えながらキリスト教を伝道した。このような私塾兼礼拝所として、現在の教会所在地に小会堂が建てられ、1872年に祈とう会を始めたのが同教会の始まり。その3年後に「横浜海岸教会」と改称して本格的な会堂を建設したが、1923年の関東大震災で倒壊。33年に再建した会堂を80年近く使ってきた。

 近年は礼拝に訪れる信者の高齢化が進み、建物の耐震面にも不安があったため、2013年秋から大改修に踏み切った。歴史的建造物のため、ろうそくをイメージした細長い窓やステンドグラスを組み込んだ扉などの外観は細部まで極力変更せず、壁を厚くするなどして補強。車いすにも対応したトイレやエレベーター、授乳コーナーもある「親子室」などは新設した。

 改修費用の約3億3千万円のほとんどは信者の献金でまかなった。改修工事期間中の約1年半は近隣のミッションスクールの礼拝堂などを借りて、日曜礼拝を続けながら、新会堂の完成を待ちわびてきたという。

 バリアフリー化などに対応したのを機に、毎月第3金曜日の一般公開も始めることにした。上山牧師は「7年後には創立150年を迎える。これからも横浜の人々とともに歴史を刻んでいきたい」と話している。

 初回の一般公開は15日午前10時~午後3時。午後0時10分から30分間は初心者向けの礼拝も行う。


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・教会の耐震化、バリアフリー化、そして補修と建物の維持には必要なお金がかかる。

信者数の減少からか献金だけで済ませるのは大変なことで、歴史的な建造物はいっそうメンテナンスが必要になるのだろう。

一方で、建物という器だけでなく日本人が信仰を受け入れて生きていくことに主眼を置いた伝道も必要なこと。信仰においてもメンテナンスを自ら行うことを期待したい。


日本キリスト教会 横浜海岸教会  http://www.kaiganchurch.or.jp/

大浦天主堂  http://www1.bbiq.jp/oourahp/


大浦天主堂が拝観料値上げ
2015年5月4日 長崎新聞

 来年の世界文化遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産で、国宝の大浦天主堂(長崎市南山手町)の拝観料が7月から、大人で300円から倍額の600円になるなど、大幅に値上げされることが3日、分かった。教会群は多額の維持保全費が必要で、修繕費の確保が主な理由という。

 値上げは、構成資産である7教会を所有するカトリック長崎大司教区の関係者でつくる「国宝 大浦天主堂保存委員会」で決まった。構成資産の一つで、国重要文化財の黒島天主堂(佐世保市)は近く大規模改修が必要で、国や県の補助を充てても、同大司教区の負担は1億円近いと見積もられている。黒島天主堂以外の教会も過疎化による信者の減少などで修繕費の確保が見込めず、多くの観光客が訪れる大浦天主堂の料金引き上げを余儀なくされた形だ。

 新拝観料は中高生400円(現在250円)、小学生300円(同200円)。団体割引の対象人数を今までの「30人以上」から「20人以上」に引き下げるが、団体割引料金も大人が500円(同250円)、中高生が300円(同200円)、小学生が200円(同150円)となる。

 大浦天主堂には昨年、約60万人の拝観者が訪れた。同天主堂の諸岡清美神父は「世界遺産登録を見据えた便乗値上げではない。教会群全体を守るための苦しい決断」と話している。


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国府宮の神職を逮捕 自宅で家出少女と淫行

国府宮の神職を逮捕 自宅で家出少女と淫行
2015年5月11日 中日新聞

 愛知県警愛知署は11日、児童福祉法違反の疑いで、同県稲沢市の尾張大国霊神社(国府宮)の神職、森亮太容疑者(28)を逮捕した。

 逮捕容疑は3月10日ごろ、稲沢市の自宅で、愛知県日進市の無職少女(16)とみだらな行為をしたとされる。

 署によると、森容疑者はインターネットの掲示板で家出中の少女と知り合い、2カ月ほど自宅に住まわせていたという。少女の家族が警察に相談した。森容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。

 国府宮は、「はだか祭」を行うことで知られる。同神社によると、森容疑者は権禰宜で、お守りやお札を渡す仕事をしていた。


・さまざまに考えさせられる、つまり空想を膨らませる内容である。

容疑者がたまたま有名な神社で神職をしているので大きく報道されたと思う。容疑者は少なくとも基礎的な神職の勉強か、大学で本格的に神道を学んでいるはずだ。

家出少女はネットで知り合った容疑者宅に泊まって居候し、どこにいるかも家族と連絡をとっていたのだろう。誘拐や監禁ではなく、家族か学校か周囲かとの折り合いが悪くて家出した少女を容疑者は不憫に思ったのかもしれない。

容疑を認めている彼と彼女は今後どうなっていくのか。彼は仕事を続けられるのだろうか。彼女は彼に何を求めていたのか。そして家出を止めて実家へ帰るのだろうか。28歳にしても16歳にしても、まだ若い。二人に何か真実のものがあったのだろうか・・・それとも、はだかの付合いに終わってしまうのか。

近くで行われている「はだか祭」だが、興味もなく地元テレビが伝える準備からの様子を見るくらいだ。調べたらでてきた資料には伝統ある寺社であることが分かる。

神男に触れて禊をすませて再度復帰し、困っている人のために生きることができることを期待したい。

追記
2015年3月、当時16歳の少女にみだらな行為をした児童福祉法違反の疑いが持たれている。
森容疑者は、「神待ち」と呼ばれる、家出した少女が、宿泊場所や食事の世話をしてくれる男性を求めるインターネットの掲示板で少女と知り合い、2015年1月から、およそ2カ月間、自宅に住まわせていたという。
(FNN)

尾張大國霊神社 国府宮  http://www.konomiya.or.jp/main/


実用日本語表現辞典 (Weblio 辞書)
権禰宜  読み方:ごんねぎ

神職の職階の一つで、禰宜の下位にあたる最も一般的な職階。宮司および禰宜が一般的に、1社に1人ずつと決められているのに対して、権禰宜には人数制限は特に設けられていない。権禰宜の下位に「出仕」などの職階が置かれることもあるが、それらは神職には含まれない。


愛知芸術文化センター愛知県図書館 貴重和本デジタルライブラリー
【神道】 国府宮神記  慶応4年(1868年)頃
https://websv.aichi-pref-library.jp/wahon/detail/10.html

少女に淫行疑い、神職の男逮捕
2015年5月12日 デイリースポーツ

 愛知県警愛知署は11日、家出中の無職少女(16)にみだらな行為をさせたとして児童福祉法違反の疑いで、同県稲沢市の神職森亮太容疑者(28)を逮捕した。

 愛知署によると2人はインターネットの掲示板を通じて知り合い、今年1月から4月まで森容疑者の自宅で同居していたという。少女の母親から相談があり分かった。

 逮捕容疑は3月10日ごろ、同県日進市の少女が18歳未満と知りながら、みだらな行為をさせた疑い。



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介護主夫始末記:「年寄りだまして大もうけ」群がる業者

† 団塊の世代が高齢者になる中、多くのビジネスが豊かな老後を演出し利益を得ようとしている。今やお金を持っている最後の世代である。加えて悪徳商法や詐欺行為をする人たちも無慈悲に同じことを考えて実行している。記事の一部にあるように、特に認知症様など判断能力に問題のある人を探して徹底的食いものにする。そうしたルートができあがっている。

‡ これに対して何ができるのだろうか。私の介護の中心は、本人の利益を守るための防波堤となるべく、24時間常時介護という選択をした。それができる人は限定されるとともに職業を制約する事態になる。家族が少ない現代では、こうした選択するしかない社会制度的な欠陥がある。介護は社会的な支援を必要とする時代に変わり、家族で対処は不可能なのだ。一般的に「騙される方が悪い」と言われる、確かにそうだ。ただ騙すことでしか生きられない人たちを心底から哀れな人たちだと思う。一方で、騙される人を守る人たちもいる。それが救いだ。


「年寄りだまして大もうけ」群がる業者 認知症社会
2015年5月10日 朝日新聞

 判断力が不十分なまま、業者から高額な商品を買わされたり、お金をだまし取られたりして財産を失ってしまう認知症のお年寄りが後を絶たない。

■営業電話「主人よりよっぽどやさしい」

 「認知症」「ボケ」「頭ヤバ」――。高血圧や糖尿病にも効果があるなどとうたい、高齢者らに電話で勧誘していた健康食品販売会社(東京)の顧客名簿には、住所、氏名、電話番号の下に、こうした走り書きが残っている。「認知?」とメモされた顧客には、3カ月間に4人の営業担当者が9回、電話をした記録もある。

 消費者庁は4月、この会社に対し、うその説明をしたほか、「認知症の消費者の判断力の不足に乗じ、売買契約をさせた」などとして、3カ月の一部業務停止を命令した。認知症の人に分割払いで約8万円の健康食品を売るなどしていた。顧客は31都道府県に広がり、5割以上は80歳以上のお年寄りだったという。

 「団塊の世代が定年を迎える。年寄りをだまして大もうけができる」。同社の元従業員は、幹部が言い放った言葉が忘れられない。

 元従業員らによると、営業方法はこうだ。過去に他社で健康食品を購入した高齢者ら23万人以上の名簿をもとに、パートが電話をかける。割安のサンプルを買った顧客には、社員が電話で販売攻勢。「以前に電話したこと自体を忘れているなど、10分話せば認知症かどうか分かった」という。

 営業担当の社員は約10人いて、高齢の女性2人が電話口で友達のように「もう少し飲む回数を増やしたら」と勧誘し、契約を重ねるのを見聞きした。一度に数十万円分を販売することもあったという。

 元従業員はいま、自らが加担してしまったことを後悔している。

 消費者庁によると、商品の成分はコラーゲンやビタミンなどで、メーカーからの卸売価格は1箱120粒で70円。これを別の会社を通して1万8千円で仕入れ、顧客には8万8千円で売っていた。だが、同庁の調査にこう語る高齢者もいたという。「頻繁に電話をくれて、主人よりよっぽどやさしい」

 同庁の処分について販売会社は今月8日、取材に「判断力不足に乗じた契約は断じてない。認知症の疑いのある顧客には販売せず、リストから抹消する作業をしてきた。後にそのような事実が発覚した際も真摯(しんし)に対応している」などと文書で回答した。

■90代女性、被害ほぼ1億円

 金融商品などを次々に売りつけられ、財産を失った認知症の高齢者もいる。

 2012年、東京都心に住む認知症の90代女性に代わって財産を管理する「成年後見人」に就いた司法書士は、女性の部屋をみて驚いた。投資や社債、健康食品、化粧品などのパンフレットがあふれていた。少なくとも1億円近くあったとみられる財産は、約100万円に減っていた。

 一人暮らしの女性には月4万円の年金と、所有するビルのフロアのテナント収入も月40万円あった。だが、10年ごろに異常が発覚する。女性が銀行でお金を振り込もうとしているのを、「振り込め詐欺」を疑った行員が止め、警察に通報したのだ。疎遠だった親戚に連絡が入ったが、すでに預金の大半は失われていた。女性は「6千万円振り込んじゃった」と話した。

 財産の大半を失った後も、女性には月々40万円以上の収入があった。

 女性は預金を失った後も投資会社の男性営業マンと頻繁に会い、お金を引き出したいときに通帳を渡していた。女性は「30万円を私が受け取り、残り10万円を定期預金にしてもらっているの」と話したが、定期預金の記録はない。司法書士が男性にただすと、「おろした金はすべて渡した。私は一銭ももらっていない」。お金の行方は分からないまま、女性は13年夏、老衰で息を引き取った。

 国民生活センターによると、「認知症等高齢者」の契約などのトラブルは昨年度、全国で9965件と、ここ数年、1万件程度で推移している。統計がある04年度の約1・5倍だ。8割は家族ら本人以外からの相談で、リフォームなどの訪問販売、健康食品などの電話勧誘が多い。

 センターの担当者は「高齢者の相談は年々増えているが認知症の場合は、本人からの相談が少なく、被害が潜在化しやすい。契約の経緯を覚えていないことも多く、被害の回復も難しい。被害を防ぐには、親族や地域など周囲の見守りが大切だ」と話している。

 実際、地域の「目」が被害の一部回復につながったケースもある。

 神奈川県内の認知症の一人暮らしの男性(89)は08年秋、リフォーム業者をかたる男2人に勧められ、実態のない工事に約500万円支払った。さらに「追加工事費680万円」を迫られ、支払う代わりに家と土地を差し出す契約まで結ばされた。男たちは男性をアパートに転居させて家を壊し、土地を売り払った。

 住民からの連絡で異変に気づいた地元の民生委員は、登記簿から男たちと関係する業者を割り出し、法的トラブルの解決を助ける「日本司法支援センター」(法テラス)に相談した。男性の後見人は預貯金や土地の返還を求めて提訴し、業者側が計1千万円を払う和解が成立した。男性はいま、そのお金をもとに別のアパートで静かに暮らす。(小寺陽一郎、松田史朗、本田靖明)

■認知症高齢者らを見守る家族や周囲へのアドバイス ※国民生活センターへの取材による

①日ごろから、本人の家の様子や言動におかしな点がないか気をつける
  《見守りから相談まで》
 ・不審な契約書や請求書、宅配業者の不在通知などはないか
 ・同種の商品、通信販売のカタログやダイレクトメールなどが大量にないか
 ・生活費が不足するなど、お金に困っている様子はないか
 ・預金通帳などに不審な出金の記録はないか

②変化に気づいたら声をかけ、経緯を確認。消費生活センターなどに相談する
  《トラブルを防ぐために》
 ・地域の見守り活動や、成年後見制度の利用も検討する
 ・市販の通話録音装置や、不審な電話番号からの着信を拒否する装置を使う
 ・認知症などの症状があれば、トラブルに備えて医師の診断書を得ておく


「墓じまい」自分の代で 少子高齢で維持困難、無縁墓も増加

「墓じまい」自分の代で 少子高齢で維持困難、無縁墓も増加
2015年5月3日 神戸新聞

 少子高齢化による後継者の不在などで、墓を撤去し、寺などに遺骨の管理を任せる永代供養に切り替える動きが広がっている。「閉眼」「お性根(しょうね)抜き」などの法要から撤去までを総称する「墓じまい」という言葉も浸透。時代の流れと言えるが、「墓の文化が廃れていくのは寂しい」との声も聞こえる。(黒川裕生)

 神戸市兵庫区の井上元子さん(71)は昨年10月、両親と父方の祖父母、2人の兄が眠る同市須磨区の墓を処分した。立つのは長い階段のある傾斜地。年を重ねるごとに「しんどい」「来られるのはこれで最後かも」と思い悩んだ末の決断だった。

 夫の幸一(ゆきかず)さん(77)との間には一人娘がいるが、とうに嫁いで墓を継ぐ人はいない。元子さんは姉(75)と相談して、元気なうちに墓じまいすることを決意。同区にある菩提(ぼだい)寺の住職に墓前で読経してもらい、同寺の納骨堂に遺骨を納めた。墓の撤去も含め約20万円かかった。

 「昔は墓がないと恥ずかしいと思われたが、魂を大切にしていれば形にこだわる必要はない。肩の荷が下りました」

 「閉眼法要は、ここ4~5年で目に見えて増えてきた」と語るのは、7年前に納骨堂を設けた瑞龍寺(同市兵庫区)の矢坂誠徳(せいとく)住職(63)。2012年に10件余りだったが翌13年には30件を超え、14年も40件以上。「子や孫に墓の管理を任せるのは申し訳ない」「遠方で墓参りが難しい」などの理由で処分する人が多いという。

 一方で管理費などが要らない納骨堂の人気は高く、約千のうちすでに約800が埋まった。「墓の時代は終わったとすら感じる」

 市営の鵯越墓園(同市北区)などに約8万区画を備える神戸市によると、墓じまいして区画が市に返還される数は10年度の275件から微増傾向が続き、14年度は324件。同時に急増しているのが、管理者の死亡などで使用料が払われない「無縁墓」だ。立て札などで親族に連絡を呼び掛けるが反応は鈍く、雑木が生い茂るなど荒れ放題になった区画が点在する。同市斎園管理課は「中途半端に残されるのが一番困る」とこぼす。

 墓石の処分を担うのは石材店。新たな商機と見て広告で打ち出す店もあるが、中野石材(同市須磨区)の中野隆司社長(71)は「心を込めて作った墓石をつぶすのは商売抜きで悲しい」と漏らす。維持できない事情に理解を示しつつ、「先祖供養が死語にならないよう願うばかり」と話す。


・以前の記事に次いでダブルショックかな。

「墓じまい」なんて言葉が出てしまった。墓の時代は終わった、先祖供養は死語に!?

葬送文化が瓦解する理由が少子高齢化なのかというと違うだろう。それはモノ・人を大事にしない時代に、過去の遺産を継ぐ意志のない私たちの姿だといえる。

そこで失われていくものは人間の営みであり、受け継いだ心である。

個人的には、供養する心が大事で物理的な墓や儀式が大事でないことは明らかだが、供養する空間が実は自分や家族を振り返る時間でもある。墓参りに意味は、その工程における気づきにあろう。

墓不足の中国で価格急騰、A4サイズで160万円 – TBS News
2015年04月06日
 都市部では墓地が不足していて、中国の人たちはお墓の価格急騰に頭を抱えています。例えば、上海ではA4サイズの面積の小さなお墓がなんと160万円になってしまいました。中国政府は、海への散骨を促進する異例の政策を打ち出しました。


先月の報道では、中国のお墓事情を伝えた。わずかA4サイズの土地にしてである。散骨は人気がなく、やはりお墓を持つことがステータスなのが都市部の状況だそうだ。

最近、テレビ東京系番組でリサイクル業者のものを見ていた。お墓が粉々にされて道路の舗装材などになっている。これにも費用がかかる。以下の記事とも符合する。

管理されていない墓が目立つようになっており、勝手に手を出すことは誰にもできない。急速に消えていくものを止めることはできないのだろうか。それが自然の理なのか。


長年放置された無縁墓はリサイクルされている
2015年4月22日 マイナビスチューデント

日本人は信仰心が深いと言われている。先祖代々の墓を守り、お彼岸、お盆、正月と年に平均3回は墓参りに行くとされていた。しかし、近年核家族がどんどん進み、全国的に無縁墓が増えているという。無縁墓とは、長年誰もお参りにこないお墓のことで、持ち主もわからず、荒れ果てて、近隣住人や、自治体は困っている。

行政が動き出したところもあるが、費用もかかる上に手続きが必要で、なかなか進まない。

「ちちんぷい」(関西テレビ)では、無縁墓はどうなるのかを追った。長年放置された無縁墓は、まず骨を取り出して、その骨は合同墓に入れられるそうだ。そして、墓石はリサイクルセンターへと運ばれ、建築廃材になり重機を使って粉々に粉砕。

その後は砂利の建築資材として再利用され、駐車場などの土台として使われるそうだ。和歌山にあるリサイクルセンターには、年間2000トン~3000トンの墓石が集まってくるとか。リサイクルセンターには、墓石を扱うため敷地内に観音様が祀られている。もちろん無縁墓でも、骨を取り出す時には魂を抜く儀式を行う。

最近は無縁墓になる前に親族が「墓閉まい」をするケースが増加。とはいえ、撤去するためには埋葬許可証が必要で、一体数十万円から数百万円かかるため、簡単ではない。

その一方で、自分が死んだ後に入るために新たにお墓を購入する人が増えている実態もある。高齢化が進む日本。死んだあとのことも考えなくてはならないとは…。


NHKラジオ“ぼっち”を楽しめ~孤独のススメ~

“ぼっち”を楽しめ~孤独のススメ~
2015年5月6日(水・振休) NHKラジオ第1 午後5時05分〜6時50分

「“ぼっち”になるのが怖い」という風潮の中、「ひとりぼっちを笑うな」と大胆に提言したのは漫画家の蛭子能収さん。一人を楽しみ、孤独を力に変えて社会と折り合いをつけるには?明治大学教授の齋藤孝さん、タレントの光浦靖子さんと語り合います。

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【出演】蛭子能収,光浦靖子,齋藤孝
【司会】出田奈々


・孤独であることを恥じずに中身を深めていくことをテーマにするというトーク番組。出演者の生き方、事前の街頭インタビュー、番組Webアンケートを引用しながら進行。

本当は独りでいたいけど誘われると断れないの、行っても乗りが悪い・・・
話の輪に入って行けない・・・
友達を作るために自分を変える必要はないのか・・・

蛭子能収さんの著作『ひとりぼっちを笑うな』が6万部発行という。同じ第一放送のラジオあさいちばん「著者に聞きたい本のツボ」(2014/10/12放送分)で本人自身が紹介されたのを偶然聞いていた。彼はテレビに登場する機会も多く特異なキャラである。その彼が処世術を語ったのが同書で彼なりの哲学があることが分かる。一方で周囲のタレントの蛭子能収さんの評価はかなり厳しく、その行動を奇行として感じている向きもある。

以下に、出演者の言葉から気になるところを拾う・・・と(要旨)

蛭子能収
平和島ボートによく独りで行く。特に誰ともしゃべらずに競艇、映画を楽しむ。「友達はいらない」自分のしたい行動をすることが一番。友達がいると断わりにくい。テレビに出ている人はテンション高くしているだけ。社会との関わりはきちんとする。ひとりぼっちである前に自分のやりたいことを見つけること。

光浦靖子
仲がいい少人数の飲み会は大好き。エロス、欲が人を動かすパワーに。誘われるって嬉しい。2回誘ってみる。他人の意見がすべて否定的に聞こえるときは自分が間違いだ。自分が折れる、バカなふりをできる生き方、道化を演じることができる人がカッコいい。

齋藤孝
「人づきあい体力」がある人ない人。今の人は、気を使い過ぎ。本当の友達ならば断われる。SNSばかりで本を読む時間がないのじゃないか。友達とコミュニケーションをするだけで一日が終わってしまうのはもったいない。現在「合コン」は死語になっている、なんとなく緩やかにつながっている。今の若者は消極的で優しいので誤解されやすい。人慣れしていない。最近若い女の子が男の子に「話が面白くない」という、テレビの影響か…。ヘンな人の方が面白い、学生たちにはヘンな人ばかりが登場するドストエフスキーの作品を読ませている。年齢が上がるにつれて友達の位置が変わる。独りになっても本があるから大丈夫。本には人格があり、著者が直接語りかけてくれる。「偏愛マップ」趣味を書き出してみる。何気ない雑談でもできる人・機会を作る。独りになったら楽しめること・時間をどんどん作っていく。

番組はベストセラー本の深読みということであるが、孤独は楽しむ、勧めるものなのだろうか。この放送を聞いていて最後のまとめで語られた、「一人ぼっち」の問題よりも単に人間関係の問題に触れているだけという発言が的を得ていた。

同調性社会の日本は知らない間に同調することを強要し、できない人を排除する傾向が強く、意志とは異なっても利益のためには相手に合わせることを良しとする文化。何かじゃれ合っていることで安心を得たいという心理が働くのだろう。

一方で、独りを楽しめる人は社会との軋轢を感じながらも、自らの個性を評価しマイペースを貫くほかないことを経験から学んでいる。だから独りでいても怖いという気持ちはない。

アウトサイダーを自認する私も、青年期までは悩みが多く孤立と感じる場面も多々経験した。その個性が正当に評価できるようになったのは、社会人になってからの経験からだ。ただ孤独は勧めるものでない。

テレビを見れば分かるが、そこで重用される芸能人に感心はしても尊敬の気持ちは起こらない。何か違うものを感じる。彼らは自分を主張する術に長けているが、その実はあるのかと思ってしまう。

齊藤先生の話を踏まえていえば、中身のない人間どうしがコミュニケーションばかりしても何か生まれるのだろうかということだ。

こうした番組がラジオでひっそりと放送されるのも頷ける。孤独と孤立は違うと言った人も過去にいたが、集団で生きる場、個人で生きる場は自ずと違い、その集団と個という繋がりさえあれば濃淡はどうでもいいように思う。蛭子能収さんの結論のように、好きなことに打ち込めば孤独であることは問題にならないし、光浦靖子さん、齋藤孝先生のように本を大事にして内省を深めることが重要だということだろう。


ひとりぼっちを笑うな (角川oneテーマ21)

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新書: 229ページ
出版社: KADOKAWA/角川書店 (2014/8/18)

角川書店 特設サイト  http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/ebisuyoshikazu/

第一章
群れずに生きる
「つながる」は本当に必要?
大皿料理は大の苦手
食事会や飲み会はムダ話の宝庫
葬式が〝喜劇〟に見えてしまう
合作は手を抜く
友達はいらない


第二章
自己主張はしない
人の思考は十人十色
贅沢品・高級品で自己表現しない
誰かに「嫌われている」と思わない
余計なことしなければ嫌われない
「個性」は自分で決めない
自分を低く見積もっておく
「自分探し」と「自由」は違う


第三章
すべては自由であるために
いまの時代は生きづらくない
ときに友だちは自由を奪う存在になる
人生に「勝ち組/負け組」はない
自由でいるには稼ぎが必要
お金はとても大事なもの
限界に近づいたら迷わず逃げる


第四章
「孤独」と「死」について
幼少期からの孤独
ひとりだけどひとりでない空間
趣味は孤独を紛らわすもの
狂気は孤独の裏返し?
「死」は「孤独」よりも怖いもの
愛する人がいれば本当の孤独はない



制作担当
全画面キャプチャ 20150507 145858.bmp
株式会社すずまる  http://www.suzumaru.co.jp/



「献体」希望が高齢化で増加…「火葬費を負担してくれる」の声、終活ブームも

「献体」希望が高齢化で増加…「火葬費を負担してくれる」の声、終活ブームも
2015年5月1日 産経新聞

 死後に自らの体を大学の医・歯学部に提供する「献体」を希望する高齢者が増えている。専門団体によると、献体希望者の全国累計は10年前から6万人以上増えた約26万人(昨年3月時点)で、高齢者の増加が数を押し上げたとみられている。解剖に対する抵抗感の薄れや死生観の変化、終活ブームといった時代の流れが要因とされるが、「火葬費用などを大学が負担してくれる」とする希望者も目立つといい、経済的に厳しい状況にある高齢者の現実も浮かび上がる。

 「家族に迷惑を掛けたくない」

 近畿大医学部(大阪府大阪狭山市)の献体受け付け窓口には数年前からこんな申し出が増えたという。毎年百人程度が新規登録し、登録者は今年4月時点で累計約2200人に上る。

 献体運動を推進する公益財団法人「日本篤志献体協会」(東京)によると、統計を取り始めた昭和45年度の登録者は約1万人。当時は全国の医・歯学部の解剖で必要な数を満たすことはできず、引き取り手のない身元不明者の遺体を活用するなどしていたという。

 だが、その後は時代とともに数は増加。同協会によると、平成元年度に10万人を突破し、26年度に26万人を超えた。要因は、昭和58年に献体に関する法整備がなされ、認知度が高まった。さらに、臓器移植の普及で解剖への抵抗感が薄れた▽阪神大震災や東日本大震災を経験し、自分の最期を自らの意思で決めようという人が増えたーなどが考えられるという。

 統計はないものの高齢者の増加が目立つといい、葬儀費用などへの不安を理由に挙げる人が少なくないという。献体登録をすれば、死後、遺体の搬送費用や火葬費用は大学側が負担する。遺骨を引き受ける先がない場合は、共同墓地などへの納骨も行うからだ。

 奈良県立医科大(同県橿原市)では昨年度、過去10年で最多の約90人が新規登録。火葬後の遺骨を高野山に納骨することも可能で、「そういった最期を希望される方も少なくない」(同大担当者)という。

 日本篤志献体協会理事で杏林大の松村讓兒教授は、過去に海外で献体をめぐり、遺体が売買されたケースを念頭に、献体は見返りを求めるものではないとして、「福祉の代行になってはならない」と指摘。医学の発展のため献体するという制度の趣旨の理解を求めている。

家族に迷惑かけたくない
 献体増加の背景にあるとみられる死生観の変化。多様化する“死”は、さまざまなシーンに現れている。

 葬儀では、近親者だけで執り行う「家族葬」が、核家族化が進む都市部で主流となりつつある。通夜・告別式を行わず、火葬場で荼(だ)毘(び)に付すだけの「直葬」は費用が安く、故人が生前に強く希望するケースが少なくない。樹木を墓石の代わりとして埋葬する「樹木葬」も、死後に自然に回帰できるスタイルとして人気を集めている。

 葬儀の簡素化ととれるが、神戸医療福祉大学の近藤勉教授(高齢者心理)は「極力意味のない儀礼をやめ、家族への負担や迷惑を軽減することを美徳とする現代人の考えが見て取れる」と指摘。献体も含め、「生や死の形に執着しない人が増えた」という。

 「近年の『虚礼廃止』の傾向や、年金減額などの厳しい経済情勢も重なった」としながらも、自分の人生を見つめ直し、人生の終末に向けた準備を進める「終活」ブームの影響もあると分析。「終活は、よりよい最期を願う人にとってごく自然な考え。高齢者が献体を望むのも無理はないのだろう」としている。

《献体》解剖学教育などに役立てるため自らの遺体を提供する。生前に、医・歯学部がある大学や「白菊会」などの献体団体に申し込み、死亡すると、親族らの連絡を受けた大学側が遺体を引き取る。献体前に葬儀を済ませることも可能。遺骨が遺族に返還されるのは通常で1~2年、長い場合で3年以上かかることがある。


・時代は変わったものだと感じる。

記事の分析で論点は出ているので、これが時代の風景というべきのものなのだろう。ただ、それでは自分自身はどうするかということを、いつの時点で決めるのかということだけだ。

問題は、残された遺族の感情の処理まで考えてはいないことで、遺族の心の整理のあり方は、それぞれの家族の問題となるのだろう。

このブログでは、さまざまな葬送周辺の話題も取り上げてきて、それが市場として成長していく度に精神性がすっぽりと削ぎ落とされていくのを見てきた。それは結婚式と同様に、過剰な演出や形式だけのものに変化しイメージだけのものになる。その反動として、形式のない思いつきのような形態も起こってしまい、本来性がなくなってしまった。

結婚も葬儀も家族を中心に考えるべき営みなのだが、それが社会にもつながっており、相互承認することで長い関係を維持発展できるもの。つまり社会の一員としての自覚と責任を感じる場でもある。

その節目節目に大切なことが抜けてしまうことで、人間関係が変化せざるを得ない。少子高齢化という時代に、長い伝統を持った日本人が変わっていくことをどう考えるのか。

なお、これを書いている本人は儀礼が嫌いで苦手という立場で、アウトサイダーを自認しているため心苦しい感があるが、大勢の日本人がこれからどうなっていくのかは興味があるところである。


公益財団法人 日本篤志献体協会  http://www.kentai.or.jp/

岐阜大学医学部 献体に関するQ&A  http://www.med.gifu-u.ac.jp/kaibou/shitumon.html


違った視点では、このブログでも書いた医学部法医学(解剖学)教室の抱える問題だ。つまり、献体された遺体を解剖教育に活かすことができなければ意味がない。詳しいことは分からないが、解剖(正常解剖実習)を実際に体験しているのは医歯学部生だけではないかと思う。全国でも解剖できる医師は150人前後であると思う。

医療系には看護系や理学療法士などスタッフが多い、この学生らが授業で実際に解剖に立ち会えることはないのではないだろうか。通り一遍の教科書の知識で、器官の名称を必死に覚えるだけで肉体に対する生身の感覚を得られているのか疑問がある。

つまり献体数は増大しても医学教育のニーズが少なく要望に応えられない状態になるのではないだろうか。医学教育に資させるとは、モノとして扱われ切り刻まれていくことで厳粛なことだ。単に経済性や手軽さを目的として考えることは止めた方がいい。


「終活」事業は盛んだ。以下の記事は、産経新聞出版の宣伝であるが、いろいろなサービスが出てきている。ただ葬送は葬儀だけでなく、その後の煩雑な手続きや供養という長い時間と労力を必要とし、外部サービスで補えることは極限される。

葬送を考えることは、自分自身の終わり方、家族への配慮、社会への義理をどう調和させ、限られた予算の中で行うことになるのか。その根底となるのは、死生観であり宗教的な信念といいたいところであるが、そこまでいかずに終わってしまうのが残念である。


その時に着る「エンディングドレス」 自分らしい「死装束」で迎えたい
2015年3月31日 産経新聞

 いつか迎える「その時」に身につける「死装束」。20年前には想像もつかなかったような華やかなデザインの装束が広がっている。名づけて“エンディングドレス”。女性を中心に、問い合わせが増えている。

 ◆“晴れ着”で旅立つ
 「最期ぐらいはピンクの服でと、生前にご自身のドレスを選ばれる方と、大切な家族に最期のドレスとして贈られる方がいらっしゃいます」

 エンディングドレスの専門店「ファイナル・クチュール」(東京都、電話=03・6273・1224)。マンションの一室にシルクやオーガンジー(透明感ある生地)の気品のある美しいドレスが並び、オーナーの中田久子さん(76)がほほえみながら語る。

 自身の「終活」の一環として訪れる70、80代の女性たちの8割がピンクを選ぶという。自分の両親を「美しく送りたい」と願う50、60代の女性たちは白のドレスを選ぶ。

 「お母さまへの贈り物や、急逝されたご家族の方のために、白のドレスを選ぶ人が多いです」

 病院から死期を告げられ、「おしゃれだった母のために」と駆け込んできた娘さんがいた。

 「母娘で暮らしていて、お母さまは長く闘病で寝たきりだったようです。そこで『二重ガーゼの柔らかいもので“産着”のようにお母さまをくるむようにしては?』と提案しました。娘さんも『最後の親孝行ができました』と、とても喜んでくださいました」

 ◆終活ブームで
 エンディングドレスを扱う業者の多くは、平成12年から10年ほどの間に事業を立ち上げている。

 婦人服製造卸販売「ルーナ」(福岡県、(電)092・737・3930)は、19年から「さくらさくら」ブランドで死装束を扱っている。花の刺繍(ししゅう)やレース、ふんわりとした生地。ドレス、着物の両方があり、価格は約3万~27万円。代表の中野雅子さんは「薄い素材を重ねて美しく見えるような清潔感ある、フォーマルなものを用意しています。一番大切なのはお顔映り」と話す。

 死装束を扱うにあたり中野さんは、遺体への着付けやエンバーミング(遺体保存や化粧)などを学び、「おみおくりには、ふさわしい作法と尊厳を保つ輝ける正装が必要」と強く思ったという。

 「残念ながら、生前のお気に入りの服は実際着せられないことも多い。『ジーンズがいい』『趣味のフラダンスの衣装が好き』と希望されても、生前に似合うものが亡くなってからも似合うとはいえません。非日常でのおみおくりは、自然と遺族に死を受容させ、悲嘆からの早期回復にもつながります」

 死後、時間が経過すると遺体が「死後硬直」してしまい、普段の服を着せることが困難になるという現実がある。硬直した遺体を無理矢理に動かそうとすると、遺体を傷めてしまうことにもなりかねない。闘病生活で弱った皮膚から体液が染み出ることもある。目を背けてはいけない現実だ。

 ◆元気な頃の姿で
 死装束としてドレスを着ることのメリットの一つが、闘病や事故などによって細くなったり、傷ついたりした体を隠してくれるところにある。

 「肌の露出を少なく」「手術痕を目立たなくするような首周りのデザイン」「胸元にボリュームのあるレースをつけ、華奢(きゃしゃ)になった人でも元気な頃と変わらぬように」…。

 「天使服」のブランドでエンディングドレスを提案している「姉妹ソーイング」(秋田県、(電)0182・37・3581)の深田弘子さんは、ドレスを作る際の気遣いをそう話す。

 「ドレスに帽子を付けることで、“女性の命”ともいえる髪が、闘病や年齢によって細くなったとしても、表情がきれいにみえます」

 むくみがあってもはける靴下も用意されている。

 「ドレスの広がりが、一時の流行であるとはとらえていません。ドレスは『正装』であり、『故人を考えた必然性あるデザイン』なのです」と深田さんは考えている。



終活読本 ソナエ vol.8 2015年春号 (NIKKO MOOK)

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ムック: 111ページ
出版社: 産経新聞出版 (2015/3/13)



放送予定

クローズアップ現代 No.3649
増える献体 “死の現場”で何が
2015年5月12日 NHK総合

出演:橳島次郎(東京財団研究員)

遺体を医学部の解剖実習などのために提供する「献体」。解剖への抵抗感などから少なかった登録希望者がいま増え続けている。背景の一つが、人口減少が進むなかで深刻になっている墓の問題だ。大学の中には、献体した人の遺骨を納める納骨堂を用意しているところもある。このため墓の管理で家族に迷惑をかけたくないという人たちが献体を選ぶケースも出ている。医学への貢献という目的だけでない献体の増加に、関係者のとまどいも広がっている。一方、献体で死後のあり方を決めたことで人生が前向きに変わったという人もいる。献体希望者を追い、日本人の死生観や地域社会、家族意識の変化を見つめる。


タイトル変更
「私の遺体 提供します ~増える献体 それぞれの選択~」

・番組を視聴したが産経新聞のような視点は薄く、新しい生き方・生き甲斐を得たい人の決断というリポートになっていた。

題名の変更を見て分かるだろうが、「死の現場」から「私の遺体提供します」という凡そ題名に相応しくない変更も、内容を通してのものなのだろう。

ゲストの話は非常に単純で、献体の持つ社会貢献の意味づけが、本人や家族、周囲に比較的容易に理解されることで選択肢と選べる時代になった意識変化が要因という分析だろう。

むろん葬儀や墓の管理といった不安が根底にあるにしても、従前に比べて口にしても問題視されない時代になったのだろう。

愛媛大、東北大、香川大での取材があったが、ゲストが最後に話した、解剖された大学内の納骨堂での管理に関して、本当に大学敷地内に納骨堂がある大学ばかりなのだろうかという疑問は残った。

ただ社会貢献という問いをたてるならば、他にも様々な生き方はできるだろうし、献体必要数から見ても別の行動を考えることも必要なのではないだろうか。

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