人生いろいろ:公平性はどこに、どこへ

† NHK会長だが、お詫び会見がやはり口先だけであることが分かる。会長というポスト、つまり組織のトップは個別の事柄をいちいち判断する立場でなく、部下の行ったことを一身引き受けて責任を取る立場である。それができないなら中小企業のワンマン社長に転身すればよいだけのこと。いっそ国営放送と名前を変えて税金で運営し政府の代弁をした方が分かりやすいように思う。

‡ 不偏不党や公平・中立性などを実現するのは至難の業だ。つまり正反対の意見を必ず入れるならば放送局の報道姿勢のようなものがないということになる。意見の隔たりの大きな問題に対して、さまざまな情報を与え、あくまでも視聴者が判断できるようなことに配慮すればよいことである。どちらにしても報道が正しいなどと誰も信じていないし、ある断片を伝えているだけに過ぎない。形だけの公平が結局はNHKの信頼を失う結果になっていることが最大の問題。政権復帰与党の負の遺産だろう。


NHK会長「公平性は番組ごとに」 政府見解と相違
2014年5月2日 朝日新聞

 NHKの籾井勝人会長は幹部を集めた4月30日の理事会で、放送法が定める公平性の原則について「一つ一つの番組で、それぞれやるべきだ」という趣旨の発言をしたことが複数の関係者への取材で分かった。放送全体を通して判断すべきだとする従来の政府見解を踏み越えた現場への要求で、波紋が広がりそうだ。

 理事会では番組内容を検証する考査報告があった。籾井会長は4月の消費増税で不安を抱える高齢者を取り上げたニュース番組に対し、「(税率が)上がって困ったというだけではニュースにならない」「買いだめは無意味だと伝えるべきだ」という趣旨の発言をした上で、低所得者への負担軽減策の議論も紹介するよう求めた。

 部下の理事たちは、「努力しており、いろいろな観点を、様々な機会をとらえて報道している」などと反論したが、籾井会長はあくまで同じ番組内で違う意見を取り上げるべきだと主張し、理事会は紛糾した。


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国重文の二天門にいたずらで?押印 滋賀・西明寺

国重文の二天門にいたずらで?押印 滋賀・西明寺
2014/4/30 中日新聞

 滋賀県甲良町池寺の天台宗寺院・西明寺で三十日、国指定重要文化財の二天(にてん)門に「東京小岩こすげ」と記すはんこが押されているのが見つかった。

 門の柱、柱と柱をつなぐ腰貫(こしぬき)に計四カ所、注意の張り紙に一カ所押してあった。縦五センチ横一センチほどで油性インクとみられる。いずれも大人の目線よりやや低い位置。県警彦根署は器物損壊容疑で調べている。

 署や寺によると、朝七時半の掃除で発見した。二十九日朝の掃除で異常はなかったという。中野英勝住職(56)は「自分の体にいたずらされた気分。非常に不愉快です」と話していた。

 西明寺は紅葉の名勝として知られる湖東三山の一つ。二天門は一四〇七年建立で、寺が織田信長に焼き打ち(一五七一年)に遭った時、難を逃れた。

 一九一一年に重文指定を受けて以来、参拝者の千社札張り付けを禁止している。


・証拠がきちんと残っているので摘発されるのは時間の問題だろう。

こうした行為も器物損壊容疑とされ、汚したりすれば壊さなくてもOK。観光した記念なのかもしれないが、複数も残しておく心理が分からない。


西明寺(池寺) http://www.saimyouji.com/
滋賀県犬上郡甲良町池寺26

滋賀県観光情報
 本堂は、鎌倉時代初期に建立された建造物で、釘を一本も使わない純和風建築です。鎌倉の様式がよく保存され、国宝第一号に指定されています。

国重文の門などにスタンプ 滋賀・西明寺
2014年5月1日 朝日新聞

 30日午前7時30分ごろ、滋賀県甲良町池寺の西明寺で、国指定重要文化財の二天門の柱など5カ所にスタンプで押された文字があるのを、寺の職員が見つけ、滋賀県警に届け出た。彦根署が器物損壊容疑で調べている。

 署によると、文字はすべて同じ大きさでタテ6センチ、ヨコ1センチ。「東京小岩こすげ」と印字されていた。前日朝には異常はなかった。同寺は秘仏の本尊を公開中で、前日は250人ほどが訪れていたという。

 西明寺は平安時代から続く天台宗の寺。滋賀県教委や住職(56)によると、二天門は1407(応永14)年建立。1571年に寺が織田信長軍の焼き打ちにあった際に、僧侶と村人が協力して国宝の本堂や三重塔などとともに守ったと伝えられている。住職は「村人たちが必死に守った寺を汚す心ない行為はやめてほしい」と訴えている。


介護主夫日記:定年後、役に立つ資格ベスト7 !?

† 介護主夫を続けていると直面するのが生活費の問題と自身の将来設計である。社会人の経験を活かして介護の空いた時間を活用して資格でも取り自宅で細々と仕事をするという考え方をしたものだ。その考え方の甘さに気づいたのは勉強を始めてからしばらく経ったころだ。独立系の資格とは顧客が獲得できるか否かという取得後の現実を考えると大都市圏に住んでいるために、すでに開業しても生活することは無理。相当な僻地・離島ならざしらず資格を取ったからといっても意味はない。加えて国家資格レベルならば時間と多額の出費が必要である。何しろ若い20歳台の人たちが懸命に勉強しているところに参入するわけだから。加えて開業費用と当面の生活費も必要なのだ!!

‡ 以下の記事にあるのは、事例として50歳前に働きながら夜間専門学校に通って調理師免許を取得後に脱サラした成功例である。確かに成功できる人もいる一方で、それ以外の資格だけ持っている大多数の人たちが存在するわけだ。また国家資格を持っていても日々の情報収集をしないと単なる資格マニアになり実務はほぼ対応できないという状態になる。つまり資格を売りにする専門学校と受験予備校、そして出版社のみが大儲けし、夢を見させらえて搾取されるのが現実だということだ。これは定年後だけでなく若年者であっても事情は変わらない。蛇足だが社会福祉士は施設実習なども経て受験資格があるわけで、その後に国家試験受験となり容易ではない。定年後に役立つという見方はズブの素人の見方だ。この記事を見て間違った印象を持つことが歯がゆい。


定年後、役に立つ資格ベスト7
60歳からの働き方【3】PRESIDENT 2012年11月12日号


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ヨハネ・パウロ2世「聖人」に=2法王認定、80万人祝福―バチカン列聖式

ヨハネ・パウロ2世「聖人」に=2法王認定、80万人祝福―バチカン列聖式
2014年4月27日 時事通信社

 世界各地を精力的に外遊し「空飛ぶ法王」と親しまれた故ヨハネ・パウロ2世(在位1978~2005年)ら、20世紀に即位したローマ法王2人が27日、「聖人」に正式に認定された。バチカン市や周辺には世界各地から約80万人の信者が詰め掛け、列聖式を祝った。

 カトリックの頂点に立つ法王2人が同時に聖人認定されるのは初めて。フランシスコ現法王(77)はサンピエトロ大聖堂前に設けられた台座に座り「2人は(激動の)20世紀で悲劇に直面したが、屈することはなかった」と功績をたたえた。式典には昨年退位した前法王ベネディクト16世(87)も白い祭服姿で参列。身体を支えられながらフランシスコ法王と抱き合って祝福した。

 ヨハネ・パウロ2世と共に聖人に認定されたのはヨハネ23世(在位58~63年)。カトリック教会の近代化を決めた「第2バチカン公会議」を催した実績で知られる。【ジュネーブ時事】

 
・記事にもあるが信者からの要望もあり人気のあった法王らを利用することで勢力挽回を図りたいという意向が見え隠れする。

このように異例ずくめで長い伝統を変えることに抵抗を感じる信者もあるだろう。バチカンは転機にあるのだろう。


ヨハネ・パウロ2世 異例の早さで聖人に
2014年4月27日 NHK

バチカンでは、生前、敬けんな信仰を貫いた人をカトリック教会の最高の位である「聖人」とする式典が行われ、東ヨーロッパの民主化を後押しした法王としても知られるヨハネ・パウロ2世が、死去から9年という異例の早さで聖人に列せられました。

バチカンのサンピエトロ広場では、27日、大勢のカトリック信者が集まるなか、ローマ法王のフランシスコ法王と前法王のベネディクト16世が参加し、生前、敬けんな信仰を貫いた人をカトリック教会で最高の位である「聖人」とする式典が行われました。

この中でフランシスコ法王は、「ヨハネ23世とヨハネ・パウロ2世を『聖人』とすることを宣言する」と述べ、2人の元法王を同時に「聖人」と認めました。

「聖人」となるには、通常、死後、2つの奇跡を起こしたことが認定される必要があり、このうち、ヨハネ・パウロ2世は、フランスの修道女と中米コスタリカの女性を重い病から回復させたことが奇跡と認められました。

ヨハネ・パウロ2世は、信者の間から、早く「聖人」にしてほしいという声が強く、長い場合は数百年かかる認定手続きが異例の早さで進められ、死去から僅か9年で「聖人」に列せられました。

ヨハネ・パウロ2世は、1978年から2005年まで法王を務め、1980年代、当時のソビエトの強い影響下にあった出身地のポーランドで民主化運動を支持するなど、東ヨーロッパの民主化を後押しした法王としても知られています。



ローマ法王:2人同時に列聖式 2000年の史上初
2014年4月28日 毎日新聞

 フランシスコ・ローマ法王(77)は27日、先々代のヨハネ・パウロ2世(在位1978~2005年)と第261代のヨハネ23世(同1958~63年)をキリスト教カトリックで最高の崇敬対象である聖人とする列聖式をバチカンのサンピエトロ広場で開いた。元法王が2人同時に聖人となったのは、約2000年のカトリック史上初めて。信徒に広く敬愛されていた元法王2人を聖人と宣言したことでフランシスコ法王は就任から1年余でカトリック界における求心力を一層強め、バチカンでの地歩を固めた。

 聖人は生前、イエス・キリストの教えを模範的に実行した聖職者・信徒に与えられる最高位の称号。式典には昨年2月の退位で「名誉法王」となったベネディクト16世(87)も参列、現職と前任の法王が元法王2人をたたえる前代未聞の場となった。元法王が聖人となるのは1954年の第257代、ピオ10世(在位1903~14年)以来。

 ヨハネ・パウロ2世(ポーランド出身)は在位中に129カ国を歴訪して「空飛ぶ法王」の異名を取り、東欧民主化を後押しして「ベルリンの壁」崩壊と冷戦終結に道を開いたが、教義面では保守派だった。

 一方、ヨハネ23世(イタリア出身)は親しみやすい人柄で「善良な法王」と呼ばれ、カトリック教会を現代社会に合った形に改革するため、第2バチカン公会議(62~65年)を招集し、バチカン中心主義をただすよう提唱した改革派。

 聖人に列せられるには通例、科学的に説明できない病気の回復などの奇跡2件が必要となるが、フランシスコ法王は二つ目の奇跡が認定されていないヨハネ23世について死後50年の昨年、聖人とすることを決めた。ヨハネ・パウロ2世は死後わずか9年の異例の早さで聖人となった。

 聖人となった元法王2人は20世紀を代表し、カトリック教会の2大潮流である改革派と保守派を象徴する聖職者。フランシスコ法王による2人の「同時列聖」にはバチカン内の改革、保守両派を掌握する狙いがありそうだ。近年のスキャンダルで傷ついたカトリック教会の威信を高め、現代社会で進む宗教離れに歯止めをかけたい意向もうかがえる。

 昨年3月に中南米出身初のローマ法王となったフランシスコ法王は、社会的弱者に寄り添う「貧者の教会」を掲げ、格差是正や戦争回避を訴える外交を展開している。一方でローマ法王庁の機構改革に取り組み、「第2バチカン公会議の精神を実践している」(バチカン専門家)とされる。

 ヨハネ・パウロ2世時代にバチカン日刊機関紙オッセルバトーレ・ロマーノの副編集長を務めたジャンフランコ・ズビデルコスキー氏(77)は「フランシスコ法王は一般信徒や高位聖職者の枢機卿からは広く支持されているが、お膝元の法王庁は一枚岩ではない。列聖式でフランシスコ法王の地位が強まるだろう」と推測する。

 式典には34カ国の首脳、推定約80万人の信徒が参列し、イスラム教、ユダヤ教の聖職者も出席した。 【ローマ福島良典】

 ◇カトリック教会の「聖人」

 宗教的な崇敬の対象となる特別な人物。カトリック教会では、生前、類いまれな英雄的な徳を示した聖職者・信徒に死後、ローマ法王が称号を付与する。「聖人」になるにはそれに先立ち、「神のしもべ」、「尊者」、「福者」と段階を踏んで認定されなければならない。聖人、福者となるには殉教者の場合を除き、通例、その人物が死後に起こした「奇跡」の認定が必要とされる。日本には16~17世紀のキリシタン迫害で殉教した42人(日本人29人、外国人13人)の聖人がいる。


器物損壊容疑:国名勝庭園・渉成園で落書き 米国籍31歳

器物損壊容疑:国名勝庭園・渉成園で落書き 米国籍31歳
2014年4月27日 毎日新聞

 真宗大谷派の本山・東本願寺の飛び地境内の国名勝庭園「渉成園(しょうせいえん)」(京都市下京区東玉水町)の外壁にスプレーで落書きしたとして、京都府警下京署は27日、米国籍の京都市中京区壬生朱雀町、無職、カーペンター・丸九(まるく)・ブルース容疑者(31)を器物損壊容疑で現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は、27日午前11時25分ごろ、渉成園の北側の外壁に、青色ラッカースプレーを使って長さ約8メートル、幅約5センチの線を落書きした、とされる。「ストレス発散のためだった。どこでもよかった」と容疑を認めているという。同署によると、近くに住む女性(33)が目撃して110番した。この他、同じ外壁の別の3カ所にも同様の落書きが見つかったという。

 渉成園は1641年に江戸幕府三代将軍・徳川家光から東本願寺に寄進された土地に作庭され、「枳殻邸(きこくてい)」とも呼ばれている。

 真宗大谷派総務部は「門徒や市民の皆さんに支えられて維持されている庭園であり、心が痛む」としている。【花澤茂人】


・ネット上では桜の風景が多数アップされている。復元できれば問題はないが、動機もイマイチ分かりにくい。

記事では、青色ラッカーで線を引いたということで、特に何かを書いたり主張したかったわけではない。別のところですれば良かったろうし、何よりも午前11時過ぎに公然とやることではない。


渉成園 東本願寺
http://www.higashihonganji.or.jp/worship/shoseien/

東本願寺 渉成園(枳殻邸庭園) しょうせいえん(きこくてい) 京都市都市緑化協会

東本願寺渉成園の外壁に塗料、米国籍の男を逮捕
2014年4月27日 読売新聞

 国の名勝・東本願寺 渉成園(京都市下京区)の外壁にスプレーで塗料を吹き付けたとして、京都府警下京署は27日、米国籍の無職カーペンター・ 丸九・ブルース容疑者(31)(同市中京区)を器物損壊の疑いで現行犯逮捕した。「ストレス発散でやった」と容疑を認めている。

 発表では、ブルース容疑者は同日午前、渉成園北側の外壁に長さ約8メートルにわたって青色塗料のスプレーを噴射した疑い。近隣住民の110番で駆けつけた同署員が取り押さえた。吹き付けは全4か所で計約30メートルに及び、ブルース容疑者は、いずれも犯行を認めているという。

 渉成園は東本願寺から約200メートル離れた飛び地境内。同寺によると、1657年頃に造成されたが、2度の火災に遭い、現在の庭園は明治時代に再建された。外壁は土や瓦を重ねたもので信長塀と呼ばれる。



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NHKスペシャル 女性たちの貧困 ~"新たな連鎖"の衝撃~

NHKスペシャル
調査報告 女性たちの貧困
~"新たな連鎖"の衝撃~
2014年4月27日 NHK総合

10代20代の女性の間で深刻化する貧困の実態を描いた今年1月のクローズアップ現代「あしたが見えない」。放送後、番組サイトが異例のページビューを記録した。通常8千程度のページビューが、60万を超えたのである。そして、寄せられたのは「他人事では決してない」という切実な声だった。いま、若い女性たちの間で何が広がっているのか。取材を進め見えてきたのは、親の世代の貧困が、子の世代へと引き継がれ、特に若い女性たちに重くのしかかるという“現実”だった。番組では、厳しい生活にあえぐ若い女性たちの知られざる実態のルポを通して、“新たな貧困”を見つめていく。

国谷裕子キャスター
ゲスト:宮本太郎(中央大学法学部教授)
取材協力:一橋大学院 山口研究室、岩田正美
ディレクター:宮崎亮希、丸山健司、旗手啓介


・貧困の連鎖が特に若年女性に影響を与えているという。昔見たドキュメンタリーを思い出して、また同じ展開かと思った。貧困状態にある人の生活の一部を映して問題提起をする。

高給取りのNHK取材スタッフが果たして分かるのだろうか。そんな思いが、過去の生活保護行政の矛盾を描いた番組で考えたことだ。

内容的には、その時の状況と同じだろう。貧困から何とか抜け出すために疲れ切っている女性たちが紹介された。

生活がきついというのは経験してみないと分からない。こうした支え合いの生活は、どこかで歯車が狂うとだめになる。女性や高齢者、障がい者らにシワ寄せがいくのが現実で、それは生活保護問題に如実に出ている。

一日1900円で長期滞在ができるネットカフェで生活する女性たち。カップめんをすすり缶詰から食べる映像は確かにインパクトあるのだが、そうしたものの奥にあるものを感じる。彼女らが、生活を放棄し生きることを放棄しないのだろうかと不思議に思えてくる。

いろいろな事情で生活が困難となり、それを契機として自転車操業のような生活を繰り返す。それが健康的ではないのは事実だろう。

それにしても、いつの時代でも子どもたちは親思いである。それは変わらない。一心に我慢し抑圧しながら生活する。それは親の愛よりも大きいのではないかと思うほどである。

取材ではなかったが、例えば犯罪すれすれの生活をしている女性もいるだろう。身を持ち崩す女性や精神を病んでいく女性もいるだろう。こうして取材に応じられる方はまだましかもしれない。

国が推進している政策が、大きく格差社会を招いていることは確かであり、その矛盾が表れている。こうした現実の一方で、富める人たちがいるのも現実だろう。私がスーパーで見る女性たちは、ショッピングカートに一杯に買い物をしていく。

最近、若い女性たちの結婚願望が増えているようだ。普通の生活でいいと漏らす言葉に嘘はなく、それほど厳しいのである。

いろいろな制度もあるが、それを縦割り行政が阻み有効に連携されていないという説明がゲストからあったが、そんな説明は聞き飽きたように思う。

私の子ども時代にも貧困家庭があった。その女の子はみすぼらしい恰好で、あばら家に住んでいた記憶がある。親が亡くなってしまったことで、彼女は小学校の学期途中で引っ越しして行った。養子になったんだと思う。

その彼女の名前を今でも覚えている。彼女は、その後幸せになったのだろうか? ふと、彼女のことを思い起こすことがある。

貧困の連鎖という社会学上の用語が大事なのではなく、健全な社会にあるように再起できるチャンスのある社会を作らなければ社会は分断されていく。

取材した女性たちが、例えば生活保護制度や雇用関係の制度を使えば、マシに生活できると思うのだが、そうした知識も十分でないことは分かる。そうした教育を受けたこともないはずだから。

この4月からの増税の影響は、彼女らに直撃だろうが、そんなことには一切触れていなかった。あくまでも社会という実体のないものに訴えることの虚しさを取材者らは感じているのだろうか。

貧困研究の第一人者である岩田先生の名前が協力者にあったが、彼女の後を継げる研究者は育っていないのだろうか。

それから、○○の衝撃といような安易なタイトルの付け方が多いが、もっと考えた表現を考えてもらいたい。

この番組が終わってから次回の番宣があり、華やかな宝塚歌劇を描く内容(「宝塚トップ伝説~熱狂の100年~」)であり、この番組内容との落差を嘆いた!


NHKの2番組に批判殺到、なぜNHKは社会保障の問題点を批判できず、世間とズレる?
2014年05月09日 ビジネスジャーナル

 NHKの2つの番組がインターネット上などで話題になっている。

 1つ目は4月27日放送のテレビ番組『NHKスペシャル 調査報告 女性たちの貧困~“新たな連鎖”の衝撃~』(NHK総合)だ。同番組は、ネットカフェで暮らす家族(母と14歳と19歳の姉妹)や、病気で収入の少ない母親を含め家族4人の生計を月8万円のアルバイト料で支える19歳の女性など、貧困状態にある女性たちの現実を明らかにした。

 生活保護問題対策全国会議事務局次長である司法書士の徳武聡子氏は、自らのブログの中で『NHKはなぜ生活保護のことを伝えないのか~NHKスペシャル「女性たちの貧困」を視て』と題し、NHKの番組づくりに疑問を呈している。

「(番組に登場した)たいていの家庭が、生活保護を利用できる(制限以下の)所得であるように思える。NHKは、なぜそういうことを伝えないのだろうか。(略)もし、最低生活費以下で生活しているのなら、本来は生活保護を利用できるはずだ。生活保護の利用に至ることなく貧困に陥っていると、少なくとも、そこまで放送しなければならないんじゃないのか」と、行政の責任についての視点が完全に抜け落ちていると指摘する。

 また、国家公務員一般労働組合は、4月28日付ブログ紹介サイト「BLOGOS」で、『ネットカフェで2年半暮らす母親姉妹にチャンスと詰寄るNHKスペシャル女性たちの貧困のパラドクス』で、「生活保護で生存権を保障することが必要なのに、そのことを一切指摘しなかった番組内容に怒りを覚えます」と批判。番組の結論も「何とかして自らの力で困窮した生活から抜け出したい」と頑張る女性たちの「自ら働いてつかんだスタートライン」などと、安易な新自由主義者的な自己責任論に終始したことに疑問を呈している。さらに、番組で「ピンチをチャンスに」「資格を取るなど努力している女性に未来を感じる」「女性を活用しよう」などというような抽象的な指摘に終始した宮本太郎中央大学教授を「優しい新自由主義者」だと斬って捨てている。

 低所得者向けの家賃補助制度があるイギリスでは、生活保護も充実している。世界的なベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズ(静山社)の著者、J.K.ローリングは離婚し、生活保護(イギリスの所得援助)を受け、母子家庭で子どもを育てながら毎日喫茶店で『ハリー・ポッターと賢者の石』の原稿を執筆。それが世界的なベストセラーになり、女性高額納税者の世界ナンバー2にまでなった。「イギリス政府は多額の税金をそこから取れたわけで、年間たかだか150万円くらいの生活保護費を出したおかげで、数十億円の税金を取り戻せた」。一方で「母子世帯で30代の母親だったら真っ先に就労支援の対象になります。『毎日、就活しなさい』『月給5万円でも働いた方がマシです』」という姿勢の日本の行政は国民を搾取するだけではないかと、同記事は指摘する。

●問題点のズレるNHK
 話題になっている2つ目の番組である4月28日放送の朝の情報番組『あさイチ』(NHK総合)では、「奨学金が返せない!?」と題して、日本学生支援機構(以下、支援機構)の奨学金の問題を取り上げた。有利子の奨学金を借り、大学卒業後に1年契約の非正規職員となった若者が、生活の見通しが立てにくい中で、長年にわたって返済の負担を背負わざるを得ない状況を紹介したのだが、この内容に関して支援機構が、「奨学金について著しく誤解を招きかねない内容があった」とホームページで反論文を掲載するなど、物議を醸している。

 ネット上では、「いいテーマの番組なのに、ほとんど突っ込みなし」「学費が高すぎる、返済なしの奨学金がない、不安定雇用は、構造的問題」などの書き込みが見られたように、NHKの問題意識は視聴者とずれがあった。本来、奨学金問題で取り上げるべきは、返還期限の到来した未払い元金がある場合、その未払い元金に対して、毎年10%の延滞金が発生し、返済をすると延滞金にまず充当されるために、未払い元金はなかなか減らない消費者金融並みのビジネスモデルを持つ支援機構の利潤追求一辺倒の姿勢と、「失われた20年」で大量に生まれた低賃金の非正規雇用などの問題なのだ。

●NHKが抱える問題点
「女性の貧困」問題では生活保護を解説せずに、自己責任論に終始。「奨学金」問題でも、利潤追求一辺倒の支援機構の姿勢には触れない。このように、奥歯にモノが挟まったようなジャーナリズムしかできないNHKの問題はどこにあるのか。

 2つの理由が考えられる。1つ目は取材記者たちが社会保険に疎いという単純な現実だ。確かに、自分たちはNHKというぬくぬくとした環境にいれば、生活保護に思いが至らないこともあるだろう。しかしそれはNHKだけではない。例えば、社会保険労務士が執筆した『知らないと損をする 国からもらえるお金の本』(井戸美枝著/角川SSC新書)の中でも、国からのおカネが完全網羅されているように見えて、生活保護の解説は見当たらない。

 2つ目として、安倍政権の影響が挙げられる。「自己責任」「利潤追求」という新自由主義的な思想は日本政府が1980年代以降、アメリカから着々と輸入しているものだ。現在の安倍政権は、その思想を忠実に反映させようとしている。安倍政権の露骨な人事介入を受けるNHKが、新自由主義的な思想を批判することは難しいのではないか。

 この2つの理由がややこしくからまって、現在の社会保障制度を批判しないようにしているのではないかと邪推したくなる。

 さて、最近、そんなNHKの職員にも読んでほしい、日本の社会保障を考える上で重要な本が出ている。『誰も知らない 最強の社会保障 障害年金というヒント』(中井宏監修/三五館)だ。「もしも、あなたやご家族が病気やケガが原因で仕事を失った、いや失ってはいないけれど、もはや限界だ、日常生活に大きな支障が出ている。そうした状況に陥っているのであれば、どうか『障害年金』という制度を知ってください、請求してください。自分を責めるのはもうやめて、まわりにいる味方とともに、手続きの一歩を進めませんか?」という、世間にあまり知られていない障害年金の受給マニュアルのような本だ。

 三五館は一時期の出版不況による大リストラの後、裏モノ的な出版物にウェイトを置いているので、「賢く儲けよう」という狙いの本かと思っていたが、執筆者は年金制度に詳しい社会保険労務士陣だ。

 監修の中井氏は家族支援協会代表理事を務めている人物で、「私自身も、脳脊髄液減少症という病の患者なのですが、自分が障害年金を請求する資格があった発症当時、その存在を知りませんでした。(略)行政からの案内もなく、自分で請求しないかぎり、誰も教えてくれないのです。年金事務所に相談に行っても、職員ですら制度の内容をきちんと理解しておらず、間違った情報を教えられるケースが後を絶ちません。(略)障害年金の受給者は195万人と推定(2012年3月末現在)されていますが、受給要件を備えているにもかかわらず、受けていない人はその数倍ともされています」と出版理由を明らかにする。

 うつ病、糖尿病、がんといった症状でも、要件(初診日要件、保険料納付要件、障害状態要件)を満たせば受給できるという。

「障害年金は、国が定めた制度であり、一定の障害の状態に該当すれば、受け取る権利があるのです。人は皆幸せに生きる権利があるのですから、自分らしく、希望をもって生きていける社会であってほしい(略)当たり前に正々堂々と障害年金を請求することができる世の中になることを望みます」(同書)

 特定の対象者だけを救う「選別主義」ではなく「普遍主義」への転換を促す同書にならって、NHKがこの「障害年金」を特集して、世間に広く認知されることを望む。
(文=松井克明/CFP)


介護主夫日記:介護離婚

† 新聞広告にあった有料老人ホームの宣伝にあった言葉。そこに、「最悪の場合、介護離婚も・・・」と書かれていた。介護離職は当たり前の用語となった。そして介護離婚か。

‡ 認知症の増加でさらに拍車がかかる。離職・離婚をせずに暮らし続けられる社会制度を作れなかったことに対する思いに応える政治家や官僚はいないだろう。そして最悪は介護殺人か。



鶴田浩二 - 傷だらけの人生

佐賀大に賠償命令=准教授の統一教会批判で-佐賀地裁

佐賀大に賠償命令=准教授の統一教会批判で-佐賀地裁
2014/04/25 時事通信社

 佐賀大学の男性准教授が世界基督教統一神霊協会(統一教会)を侮蔑する発言をし、信仰の自由を侵害されたなどとして、信徒の元女子学生(24)と両親が佐賀大と准教授を相手取り、440万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁(波多江真史裁判長)は25日、大学に計8万8000円の支払いを命じた。

 波多江裁判長は「配慮を欠いた発言で、信仰の自由を侵害した」と指摘。国立大学の職員としての発言であり、大学が賠償責任を負うと述べた。

 一方で、女性が大学側とのやりとりを録音していたことなどを挙げ、「攻撃材料にする目的があったと推認できる。精神的苦痛はさほど大きいとは言えない」と判断した。

 判決によると、准教授は2011年12月から12年2月の間、研究室内で統一教会について「犬猫の教え」などと言い、脱退を勧めた。


・このような裁判があることは知らなかった。裁判は一応原告勝訴となっているが、内容的には痛み分けといったところだろう。

記事で気になった点として、大学側とのやり取りを録音しているという姿勢はカルト団体には多い。身を守るためというよりも相手のあら探しする目的だろう。そこで不要な発言をすれば名誉棄損で訴えると脅かすわけだ。

NHKの報道では書かれていないが、「犬猫の教え」というのは例えとして良くないかもしれない。統一教会が社会問題を引き起こしていても、犯罪者集団ではないし個人の信仰は自由である。

それでも大学内で布教活動を活発にされてカルト団体に入信させられることを問題視する教員もいるだろう。詳細が分からないので具体的なことは言えないが、宗教をめぐって意見を交換するような雰囲気は必要であったろうし、どんな宗教でも理屈はあるもので頭ごなしに抑圧すべきではないだろう。


”信仰侵害”大学に賠償判決
2014年04月25日 NHK佐賀放送局

佐賀大学の元学生とその両親が信仰している宗教をめぐりゼミの指導教員から繰り返し侮辱されたなどとして、あわせて800万円余りの損害賠償を求めていた裁判で、佐賀地方裁判所は、25日、信仰の自由の侵害を認める一方、精神的苦痛はさほど大きくないなどとして大学に対し8万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。

この裁判は、おととし、佐賀大学の学生だった女性がゼミの指導教員から信仰している宗教をめぐって繰り返し侮辱されたなどとして元学生と両親が大学などを相手取りあわせて800万円余りの損害賠償を求めていたものです。

25日の判決で佐賀地方裁判所の波多江真史裁判長は「教員は不適切な表現を繰り返し用いて信仰の自由を侵害した」と指摘する一方で、諸事情から考慮すると元学生が被った精神的苦痛はさほど大きいものとは言えないなどとして佐賀大学に対し8万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。

判決について元学生と両親の弁護士は「大学の責任が認められたことは高く評価している。賠償額が少ないことについては、今後、原告らと相談して控訴するかどうか決めたい」と話しています。

一方、佐賀大学は「教員が問題発言をしたと判断されたことは重く受け止めている。控訴するかは弁護士と協議して判断したい」とコメントしています。


こころの時代~宗教・人生~「生きる意味を求めて」

こころの時代~宗教・人生~「生きる意味を求めて」
2012年4月22日 NHK-Eテレ

哲学者・山田邦男さんは、ナチスの強制収容所を体験した精神科医ヴィクトール・フランクルの思想を追い続けてきた。出口のない苦悩の中でなお、人は、いかに生き抜くことができるのか。フランクルは、自らの体験を通して「生きる意味」を見つめる重要性を説き続けた。禅や西田哲学など東洋思想にも照らして、フランクルの哲学を読み深めてきた山田さんに、震災後の私たちがいかに生きていけばよいのか、手がかりを語ってもらう。

哲学者・山田邦男
【きき手】山田誠浩


内容
①人生には無条件に意味がある
②ニヒリズムの克服

観点の転回
苦しみに意味が与えられる
生きる意味はどこから
精神的無意識

・フランクルの研究者による話で期待して見た。

編集が難しかったのだろうが、話に一貫性がなく、難解な術語を用いたこともあり極めて分かりにくい番組となってしまった。話者の話が混乱していたのか、編集者が構成をできなかった可能性が大きい。特に最後は、尻切れ状態で終わってしまった。

話者は、自分自身の経験から、フランクルと京都学派の思想の共通性に触れていた。それでは、この番組を見て何か残ったかというと、残念ながら何も残らなかった。

外来思想が分かるということは、翻訳ができる如何の問題では恐らくないと思う。フランクルの心理まで理解した人が、こなれた日本語を使って苦労して表現することが未だ日本ではできていないのだということだろう。

フランクルを理解するには基本的な考え方を知る必要があるだろうが、それが十分に紹介されていないので止まってしまう。

幸いにして、過去に生前のフランクルに野田正彰(比較文化精神医学専攻、元・関西学院大学教授)がインタビューした番組がある。幾度か見返している。

フランクル本人への直接の問いかけであり、非常に貴重な対談となっている。このようなビッグな人に対するには相応な人物が必要であり、どんな優秀なインタビュアーでも無理があった。非常に限定された質問であり全体像は分からなかった。ただ存在感がある人物であると感じた。

その当時は、フランクルの随想集『それでも人生にイエスと言う』春秋社 (1993/12/25)がベストセラーとして脚光を再び浴びた時だった。「生きる意味」「自分の価値」など、人生の本質に迫る探求は宗教家以外では珍しいだろう。

そんなわけでフランクルの全体像を示すことができる方が、今後現れてほしいものだと思う。


ETV特集
ビッグ・インタービュー ヴィクトール・フランクル第1回 「夜と霧」を越えて
放送日1994年9月14日
ETV特集
ビッグ・インタービュー ヴィクトール・フランクル第2回 それでも人生にイエスと言おう
放送日1994年9月15日

アウシュビッツの大量虐殺とその中で生きる希望を失わなかった人間を描いた「夜と霧」の著者、ヴィクトール・フランクル。 2夜にわたり、フランクルが自らの90年の人生を振り返る。今夜は、精神医学者として現代を”意味喪失の時代”と見るフランクル。こうした状況において私たちの「生きる意味」はどのように発見されるか。また、20世紀の精神的遺産とは何かを尋ねる。

聞き手 野田正彰教授
朗読 小室正幸
語り 広瀬修子アナウンサー


介護主夫日記:認知症徘徊者は見守りより軟禁せよ!?

† 関係者は関心を持っていた事故賠償の控訴審判決が名古屋高裁であり、地裁に続いて家族の責任を認めた格好になった。今後、マスコミが意見を出すだろうが混乱は続くだろう。争点は、見守りを怠った家族(事故当時85歳の妻に対して!)に重大な瑕疵があったのかということだろう。通常の見守りが行われていたら徘徊を阻止でき事故は起こらなかったという解釈だ。裁判官は介護実態をまったく考慮できないことが明らかになった。つまり見守りできなければ軟禁しておけというメッセージにしか受け取れない。預けられる施設も十分に整備されていない状況で24時間見守ることは不可能である。例え玄関のセンサーをつけていても、それで十分に対応できるわけはない。

‡ 私が問題と思っているのは、こうした人身事故に対する補償が交通機関各社によって対応がまちまちなのだ。その額も明らかにされているわけでなく個別に処理されているのが実情だ。運行ストップや清掃、代行輸送など電車が止まるとかなりの損害が発生する。自死の場合と事故の場合は違うと思われるが、なかなか分からない。加えて認知症の徘徊は本人の認識力がないわけであり責任能力があるのかも問われるべきだろう。NHK解説では、新たな賠償責任保険制度の必要を示唆した。


JR徘徊事故で妻に賠償命令 長男責任なし、名古屋高裁
2014年4月24日 共同通信社

 2007年12月、愛知県大府市で徘徊症状がある認知症の91歳男性が電車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海が遺族に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は24日、「見守りを怠った」などとして男性の妻に賠償を命じた一審名古屋地裁判決に続き、妻の責任を認定し359万円の支払いを命じた。長男の責任は一審判決を変更し、認めなかった。

 昨年8月の一審判決に対しては、介護関係者らから「認知症高齢者の閉じ込めにつながる」「介護の現場を分かっていない」との批判が続出。高齢化社会が進む中、認知症患者が起こした事故の責任の在り方をめぐり議論を呼びそうだ。



認知症で列車にはねられ死亡、遺族の賠償額半減
2014年4月24日 読売新聞

 愛知県大府市で2007年、認知症の男性(当時91歳)が列車にはねられて死亡した事故で、JR東海が男性の遺族に遅延損害など約720万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、名古屋高裁であった。

 長門栄吉裁判長は、男性の妻と長男に全額の賠償を命じた1審・名古屋地裁判決を変更し、妻のみに約360万円の賠償を命じ、長男への請求は棄却した。

 1審判決などによると、男性は07年12月、同居の妻がうたた寝をした間に大府市内の自宅から外出して徘徊。JR東海道線の共和駅構内で、通過列車にはねられ死亡した。

 1審の名古屋地裁は、重度の認知症だった男性には責任能力がないとしたうえで、横浜市に住む長男が民法上の「監督義務者」にあたると認定。男性の徘徊を許した妻にも過失があるとして、2人に請求通りの賠償額を支払うよう命じた。長男らは「1審判決の認定は、認知症患者の家族にいちぶの隙もなく24時間監視を義務づけるのと同じだ」などとして、名古屋高裁に控訴していた。



認知症 2審は妻のみに責任
2014年04月24日 NHK名古屋放送局

愛知県の91歳の認知症の男性が、電車にはねられて死亡し、JRが事故による損害の賠償を遺族に求めた裁判で、2審の名古屋高等裁判所は、1審が認めた、男性の妻と長男の責任について、妻の責任だけが認められると判断して、約360万円の支払いを命じました。

平成19年、愛知県大府市のJR共和駅の構内で、近くに住む、認知症の91歳の男性が、電車にはねられて死亡し、JR東海が、事故で生じた振り替え輸送の費用など、約720万円の賠償を遺族に求めました。

去年、1審の名古屋地方裁判所は、事故は予測できたとして、遺族である男性の長男と妻の責任を認め、JR東海の主張通り賠償を命じたため、遺族側が控訴していました。

24日の2審の判決で名古屋高等裁判所の長門栄吉裁判長は「長男は、20年以上も男性と別居して生活しており、監督義務がなかった」として長男の責任は認めませんでした。

一方、妻については「配偶者として男性を見守り、介護する、監督義務があった。はいかいを防ぐため、出入り口のセンサーを作動させるなど、簡単な措置も取っておらず、監督が十分でなかった」として責任があると判断しました。

そのうえで、駅での監視が十分でないなど、JR側にも事情があると指摘して、妻に対し、請求金額の半分にあたる、約360万円の支払いを命じました。

愛知、岐阜、三重の3県で認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に、計1072人にのぼりました。県別では、愛知県が735人、岐阜県が243人、三重県が94人となっています。また、このうち死亡が確認されたり、行方不明のままとなっている人は、61人で、愛知県が36人、岐阜県が13人、三重県は12人となっています。



【社説】認知症事故訴訟 介護への影響は甚大だ
2014年4月28日 中日新聞・東京新聞

 認知症の男性の事故で鉄道会社に生じた損害を家族が負担すべきかが争われた裁判の控訴審は、妻のみ賠償責任を問われた。認知症が急増する社会に沿った判断か。公的な賠償制度も検討すべきだ。

 家族側に全面的賠償を命じた一審の判断は適正か。介護現場の注目を集めた裁判だった。

 愛知県大府市で二〇〇七年、認知症の男性=当時(91)=が徘徊(はいかい)中に列車にはねられ死亡し、JR東海が男性の遺族に振り替え輸送代など約七百二十万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は男性の妻(91)と長男(63)に全額支払いを命じた一審判決を変更し、妻に対してのみ約三百六十万円の賠償を命じた。

 遠方で暮らす長男への請求を棄却し、新たにJR側に対して、「駅の利用者への監視が不十分だった」などと安全対策の不備に言及し、賠償を半分に減額した。この点は一定評価ができるだろう。

 しかし、妻だけであっても、家族に賠償責任を負わせる点は一審と変わらない。民法が定める監督義務者として配偶者の責任は免れないという考え方である。

 夫婦が互いに協力し、助け合っていくことが大切なのはもっともだが、配偶者というだけで常に責任を負わされるなら、精神的にも、経済的にも追い詰められる。在宅介護は立ちゆかなくなる。

 認知症を患う人は、今や高齢者の七人に一人、予備軍もあわせて四人に一人に上る。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」も増え、高齢ながらできる限りの介護に尽くしている人は大勢いる。

 事故で亡くなった男性は「要介護4」だった。妻がまどろんだ数分の間に家を出た。

 同じような事故はほかでも起こる。認知症の徘徊対策として玄関に開閉センサーをつけても、ヘルパーに頼んでも、行動予測の難しい人を二十四時間、一瞬も目を離さず見守ることは不可能だ。在宅であれ、施設であれ、部屋に閉じ込めることなどできない。

 この判決が前例になれば、ほかの事故でも損害賠償裁判で責任を問われる。亡くなる人は被害者でもある。家族だけに賠償を押しつけない、鉄道会社の責務や、社会的な救済制度が考えられるべきだ。保険料は運賃に上乗せし、事故の時は保険から支払われる仕組みがあってもいい。

 認知症の事故は列車に限らず、自動車などでも起きる。事故による負担を社会全体で分かち合う、そんなシステムをつくりたい。



徘徊事故 多くが和解「訴訟は珍しい」
2014.4.25 産経新聞

 認知症高齢者らの電車事故が起きた場合、鉄道各社は通常、振り替え輸送の費用や人件費などを合わせた損害額を本人や家族側に請求している。ただ家族らが支払いに応じるなどして和解する事例が多く、鉄道関係者は「訴訟に至るケースは珍しい」と話す。

 国土交通省によると、平成24年度に全国で発生した鉄道事故は811件で、死者は295人に上る。認知症患者の事故件数に関する統計はないが、高齢者の事故も、たびたび起きている。

 近畿日本鉄道(大阪)と名古屋鉄道(名古屋)は、線路や駅ホームへの立ち入りによる死亡事故について、認知症などの病気に起因しているかどうかにかかわらず損害額の賠償を遺族らに請求。JR東日本(東京)や小田急電鉄(東京)も「事故の原因や状況などを総合的に判断し、必要であれば損害賠償を請求する」と説明する。

 名鉄では通常、人身事故発生後は警察を通じて家族に連絡し、損害賠償額について協議。JR東日本などによると、賠償額には振り替え輸送の費用や人件費だけでなく、列車の運休による機会損失費、設備の修理費などが含まれることもあるという。

 ただ近鉄の担当者は「遺族が相続放棄している場合などは、例外的に請求を取りやめることもある」としている。



徘徊事故訴訟でJR側上告 遺族は「検討中」
2014.5.8 産経新聞

 認知症で徘徊(はいかい)中の91歳男性が電車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海が遺族に振り替え輸送費など損害賠償を求めた訴訟で、JR側は8日、一審判決より賠償額を減額し男性の妻に359万円の支払いを命じた名古屋高裁判決を不服として最高裁に上告した。遺族側は、上告するかどうか検討中という。

 JR東海は「遺族側の判断に影響を与えかねないため、コメントは差し控える」としている。判決をめぐっては、認知症高齢者が絡む事故の責任の在り方が議論になった。

 高裁判決は「男性の監督義務者の立場にあった」と妻の責任を認定し「出入り口のセンサーを作動させず、監督不十分な点があった」と指摘した。一方、公共交通機関の社会的責任に言及し、妻と長男にJRの請求通り約720万円の賠償を命じた一審判決を変更し、減額した。



JRの徘徊事故訴訟で妻が上告 「家族に責任」不服
2014/05/09 共同通信社

 愛知県大府市で認知症により徘徊中の男性が死亡した電車事故をめぐり、JR東海が遺族に損害賠償を求めた訴訟で、男性の妻は9日、監督義務者として妻の責任を認定し359万円の支払いを命じた名古屋高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

 妻の代理人は「家族が十分介護してきた中で義務が尽くされていないとされ、承服できない」とのコメントを出した。

 JR側は8日、一審判決より賠償額を減額した高裁判決を不服として上告している。

 男性は2007年12月、大府市のJR共和駅構内で電車にはねられ死亡した。



認知症事故訴訟 判決に「正義」がない
2014年5月31日 産経新聞

 まだ、こんな判決を出すのか。

 市民感覚を反映させるため、刑事裁判に裁判員制度が導入され5年。民事裁判は適用されないとはいえ、刑事法廷に定着した常識感覚が裁判所の中でもっと浸透してもいいはずだ。

 認知症の男性が徘徊(はいかい)中に電車にはねられて死亡し、JR東海が遺族に遅延損害の賠償を求めた裁判が名古屋で審理されていた。1審判決はJRの請求をほぼ全面的に認め、妻(91)と長男(63)に約720万円の賠償を命じた。妻側が控訴した2審の判決が4月24日、名古屋高裁であった。

 控訴審判決は妻が介護に努めていた事情を考慮し、JR側にも過失があったと認定して1審判決を変更。妻の責任を軽減し、賠償額を約360万円に半減した。1審に比べ、介護する側の苦労に配慮を示した内容だ。それでも違和感を拭(ぬぐ)えない。介護の現場からは「無慈悲」との声が聞こえてくる。民意との乖離(かいり)は大きい。

 ◆妻1人の責任か

 事故は平成19年12月7日、愛知県大府(おおぶ)市で起きた。男性は要介護4と認定されていた。自宅で介護する妻も要介護1。典型的な老老介護である。

 事故当日は妻と長男の嫁がいたが、わずかな間に男性は外出した。事故によって列車に遅れが生じた。JR東海が名古屋地裁に提訴して妻らに支払いを求めたのは、遅延に伴う振り替え輸送費や人件費などの損害賠償である。

 裁判の争点は「遺族の責任をどこまで認定すべきか」だが、介護する人の感じ方や見方は違う。「老老介護で疲れ果てた高齢の妻に、高額賠償を本当に命じるのか。他に解決策はないのか」ということであろう。

 昨年8月の1審名古屋地裁判決は、遺族に全面的に責任を負わせる、とした。男性が外出すれば事故が起きる危険性を妻は予見できていたとし、「夫から目を離さずに見守るのを怠った過失」がある、と認定した。これを賠償全額支払い命令の根拠とした。

 法律的には教科書通りかもしれない。が、世間はどう思うだろう。徘徊症状の夫と暮らす要介護度1の91歳女性に「あなたが夫を管理していなかったのが悪い。だから720万円全額を支払え」と迫る判決は、納得できる裁きだろうか。

 妻が夫の外出に気づかなかったのは、うたた寝していたことが理由だった。夜中、介護に何度も起きる妻は昼間、睡魔に襲われて数分間まどろんでしまった。1審はそうした事情を酌むどころか、「過失」だとしたのである。

 2審判決はさすがにそんな過失認定は取り消した。JRに「(男性が立ち入ったとみられる)フェンスに施錠していれば事故を防げたと推認できる」と落ち度を指摘した。それでも妻には「監督義務者」としての賠償責任を課して、半額の360万円の支払いを命じた。

 しかし、妻1人に責任を収斂(しゅうれん)させる判決に「正義」は感じられない。家族が目を離さずに監視するなど、現実には不可能だ。それを求める両判決は、認知症の家人を拘束したり、監禁するよう求めているに等しい。

 ◆不条理はどこにある

 結局は介護者に全責任を帰する判決は、家庭での介護を忌避する風潮を生みかねない。介護施設も「現場が萎縮(いしゅく)する」と懸念を示す。そういう危惧(きぐ)を生む判決だと司法は自覚すべきだ。

 法廷は、JRと妻ら遺族の双方が納得しあえるような和解案を導き出せなかっただろうか。それが無理なら、賠償や支払い方法についてもっと現実的な内容を示すことはできないものか。せめて、家族ら介護者だけに負担が集中する現在の仕組みを早急に変えるべく、判決の中で、行政に対し「付言」してほしかった。

 認知症はもはや社会問題である。65歳以上の7人に1人、約462万人が認知症といわれ、厚生労働省推計では同規模で認知症予備軍の患者が存在する。施設はとても足りていない。警察庁資料では、認知症が原因で行方不明になった届け出は年間9607人(平成24年)。359人が事故に巻き込まれるなどして死亡した。

 そういう社会環境の中で今回の裁判はあった。大局的に見れば、司法が正すべき不条理は、社会・地域全体で取り組む態勢にない現状の不備であり、行政や政治の怠慢であるはずだ。

 平成19年に群馬県館林市で保護され、身元不明のまま今月まで介護施設に入所していた東京の認知症女性(67)について、館林市はこれまで支出した7年間分の経費全額約1千万円を家族に請求しないと決めた。「認知症は社会全体の問題。人道的見地から請求すべきでないと判断した」(安楽岡(やすらおか)一雄市長)。問題意識は広がりつつある。

 「夫が乗客の皆さんにご迷惑をかけたことは事実」。妻は、迷いながら控訴していたという。その心情を司法に酌み取ってほしかった。妻ばかりに責任を押し付けるのはおかしい。かといってJRだけが悪いわけでもなく、損害の補填(ほてん)を求めることが批判されるのも筋違いだ。「どちらにいくら責任があるか」の判定ではなく、今回の悲劇を生んだ不条理の所在をえぐり、是正を促すことこそが、判決という形で司法が示すべき正義だったと思う。

 それが1、2審ともに判決から欠落している。残念でならない。(編集長・井口文彦)


人生いろいろ:東大よりも医学部志向、それでいいの!?

† 入学シーズンも終わり本格的に学校生活が始まっている時期だ。希望の大学に入って今までとは違った生活に慣れて、早々に燃え尽きないことを期待したい。最近のトレンドは、東大よりも医学部に入りたいのだそうで、同じ学力があるならば「東大卒」よりも「医師」になりたいということらしい。ただ医師になって患者を治したいという理由よりも、何となく安定しているという漠然とした印象しかないようだ。これを受けて優秀な学生の文系離れと理系でも医学部以外の進学に支障をきたしているらしい。

‡ 街の開業医の方は、地元の医学部出身者が多い。お世話になっている内科医は名古屋市立大学卒業である。名市大といっても知らない方は全国に多いと思う。臨床的にはピカイチだと思う。彼なども高校ではトップだったろうし、超進学校であれば上の下くらいの位置にいたろう。個人的に感じるのは地方国公立大学医学部へ入れる頭脳ならば、東大の人気のない学科へは十分入れるだろう。そこで東大の肩書を選ぶのか医師の肩書を選ぶのかという選択となる。つまり東大の肩書が官僚世界以外では通じなくなってきた証ともいえよう。その東大生も結局は人気企業に入りたいだけで自分の考えを持っているとは思えない。答えのない時代に時代をリードするには本当の思考力を身に着ける以外にはないが、詰め込みと模範解答丸暗記では対応できないことは目に見えている。だが国家の仕組みが大きく変わることはないのが偽らずところ。真のエリートは海外に行くか自分の好きなことだけに熱中するしかない。


東大より医学部をめざす受験生たち 合格後悩んで退学するケースも
2014年4月21日 dot. ※週刊朝日  2014年4月25日号より抜粋

 東大よりも医学部へ。究極の「資格」を手に入れられる医学部人気が過熱し、志望者が増え続けている。文科省はこの6年で、定員を1400人増やし、地域や診療科目によって生じている医師不足解消を図ったが、それも医学部人気の加速につながっている。

 その背景について、河合塾の近藤治教育情報部長はこう解説する。

「やはりリーマンショック以降の『理系シフト』が影響を与えていることは否定できません。それ以前であれば文系に進んだであろう高校生も、高1の段階で理系を選び、最難関である医学部にチャレンジするようになったという指摘は一面の真理といえるでしょう」

 経済や社会の情勢が不安定な中で、文系に比べて就職が安定した理系に進み、将来を見据えて何か資格を取得したい。そんな思いを抱いた受験生や親にとって、その資格のトップに君臨するのが「医師」なのだ。

 もっとも、ある教育関係者は、この医学部人気を批判的に見る。

「かつては、『医者になりたいから医学部』という受験生がほとんどでした。しかし現在は『成績がいいから医学部』という受験生が増えています。さらに高校側も、進学実績を上げたいとの思惑で、成績優秀者に医学部受験を勧めるところも一部あるといいます」

 以前であれば東大の文Iを受けていたような受験生が、今では、どの大学でもいいので医学部を目指す。あるいは、成績優秀者がたまたま医学部受験をし、合格を果たす。こうしたケースは、決してまれではないという。東日本のある国公立大学の医学部教授が、こんな懸念の声を上げる。

「有名私立高校でも、最近は東大より医学部の合格者数を宣伝に使います。そうすると一定数、成績がいいだけの高校生が入学してしまうんです。そうした学生は受験勉強しかしていませんから社会性に乏しい。せっかく入った医学部で勉強するうち、将来に悩んで退学する学生も存在します」



東大より医学部人気 予備校に1千万円の医学部用コースも
2014/4/19 dot. ※AERA 2014年4月21日号より抜粋

 医学部入試の人気が過熱している。2013年度は、全国の医学部の総定員9041人に対し、のべ13万172人が志願した。1999年度の志願者数は7万7940人。この年以降、志願者はほぼ毎年上昇し、13年度までに7割近くも増えた。

「不況になると、就職に強い理系が人気になります。理系のなかでも成績上位層は、やりがいがあって、生活が安定する医師を目指す生徒が増えています」

 こう話すのは、昨春、国公立大医学部に1905人の合格者を出した駿台予備学校の石原賢一情報センター長だ。

 ここ数年、東京大学の合格者数ランキングの常連校で、「東大ではなく医学部」を目指す生徒が増えている。進学校では理系が人気で、例えば国公立大医学部に多数の合格者を出す東海高校(愛知)では、11クラス中9クラスが理系だ。

 これは同校に限った現象ではなく、さらに成績トップ層は医学部を目指す傾向にある。以前なら東大や京大の工学部、理学部、農学部などに進んだ生徒たちが医学部に集中すると、人材が偏り、将来的には他分野の人材不足まで懸念されるとの見方もある。

 駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナールなど大手予備校には、国公立大医学部受験者向けのコースや講座があるが、50以上ある「医学部専門予備校」のほとんどが私大医学部受験者のためのコースを充実させている。

「6年間の学費が約350万円の国公立大の受験者が、大手予備校で1年間学ぶ学費は、70万円から100万円くらいです。一方、6年間の学費の平均が3千万円を超える私立大医学部の受験者向けの予備校では、年間の学費が500万円を超えることも珍しくありません」(小林室長)

 代々木ゼミナール個別指導スクールの医学部専門のコースは、年間の学費が540万円。さらに、学費を含む総費用が年間1千万円という「私立大学医学部合格オールパックコース」もある。このコースには、学費、講習会授業料、特訓合宿参加費などのほか、新宿駅から徒歩5分の代ゼミタワー上層階にある寮の費用(2食付き)も含まれるという。



東大生から見放された朝日新聞 今春「入社ゼロ」に幹部ら衝撃 (抜粋)
2014年04月18日 J-CASTニュース

大学生の就職先として人気が高いマスコミ。なかでも朝日新聞といえば、東大を始め「銘柄大学卒」ばかりが入社する、と思われていた。

ところが、2014年春に同社に入社した東大生はなんと「ゼロ」。東大生から、朝日新聞は見放されたのだろうか――。

多いときは3分の1が「東大」だったことも
2014年4月1日、朝日新聞の木村伊量社長は入社式で新入社員に向けて、「朝日新聞に携わる誇りと覚悟をもって、失敗を恐れずに挑戦してほしい」と気構えを説き、「広い視野をもったプロフェッショナルの新聞人を目指してほしい」などと激励した。

2月以降に同社に入社した新入社員は、男性50人、女性28人の計78人。ここから編集部門に53人、ビジネス部門18人、技術部門7人が配属された。

京都大、大阪大、一橋大、早稲田大、慶応大… どの新人もいわゆる有名大学の出身者。そこから競争の激しい採用試験を突破してきた。しかし、そこに「東大卒」はいない。

朝日新聞の編集部門には、「20、30年前は、多いと配属された記者の3分の1が東大生だったこともある」と元幹部は明かす。

昨年の採用試験が進んでいる頃、朝日新聞の幹部は、面接に東大生が一人もいないことがわかり、愕然としたそうだ。人気の凋落ぶりに、「ここまで…」と唇を噛んだとか。

優秀な人材、他社にとられた?
インターネットの普及などで、出版や新聞・テレビ、広告は厳しい経営環境にさらされている。マスコミ業界について、前出の石渡嶺司氏は「全体的には採用人数を大きく減らしているのは事実ですし、そのために門戸が狭くなり、以前に比べれば人気が落ちていることはあります」と話す。

ただ、「それでもマスコミは人気がないわけではない」という。「斜陽産業」などと言われても、あすにもどうにかなるようなことはない。職業を聞かれて、「新聞社です」「新聞記者です」といえば世間体も悪くないし、給料も高い。「新聞社なら、文句を言う親はいません」。

「東大生のエントリーが減っているのかもしれませんが、(朝日新聞で)ゼロというのは考えられません。おそらく眼鏡に適わなかったのか、(志望者は)複数のマスコミを受けているはずですから、他社との競争に敗れたのではないでしょうか」と、石渡氏は推測する。

それにしても就職戦線での朝日新聞の「凋落」は隠せないようだ。


少女を車庫で犬や猿と共に9年間監禁 養父母はカルト教団の信者か

少女を車庫で犬や猿と共に9年間監禁 養父母はカルト教団の信者か
2014.4.18 サンケイスポーツ

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、養父母に車庫の中で9年間、犬や猿と共に監禁されていた15歳の少女が救助された。少女はパンや水しか与えられず、体重は約20キロしかなかった。捜査当局は40歳前後の養父母を拘束した。同国メディアが17日報じた。

 少女は2001年、きょうだいが多かったことから養父母に預けられ、当初からベルトで打たれるなどの虐待を受けた。車庫での監禁は05年に始まり、2度しか外に出ることを許されなかった。

 犬や猿に与えられた餌の残り物を食べて飢えをしのいでいたという。少女は病院で手当てを受けている。

 実の姉が少女の元を訪れて監禁が発覚した。養父母はカルト教団の信者で、当局は教団の思想が監禁の背景にある可能性もあるとみている。(共同)


・カルト教団の信者という記事に興味を持った。この記事以上の情報もないが、救出された少女が今後、精神的なリハビリと教育機会を与えられていくことを願うのみである。

いろいろな考え方の人たちがいる。最近も親類縁者を殺しながら生活していたグループの事件があったが密室空間での上意下達のシステムを巧妙に仕組み、飴と鞭で洗脳するのはカルトと同じやり方だろう。

少しずつ報道されるようになったが児童虐待の捜査で、全国には居住地不明の児童が驚くほどいるのだ。健康診断も受けず健康保険にも加入していない、中には義務教育すら受けていない子供たちがいる。

報道で明らかになるのは事件性を持った時だけであり、それ以外にも隠されていることはあるだろう。プライバシーが余りにも強調され、情報が共有できなくなっていることが元凶としても、お節介をする人たちが減っている現在では、こうした人間関係の破たん事件は増えることは確実だろう。


9年間少女を監禁=養父母、犬猿と車庫に-アルゼンチン
2014/04/17 時事通信社

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、車庫の中で犬や猿と共に9年間、監禁されていた少女(15)が救出された。地元紙クラリン(電子版)が16日、報じた。病院に運ばれた少女の体重は20キロと痩せ細っており、餓死寸前だった。

 少女はパンと水しか与えられず、ドッグフードなど犬や猿のえさの残りを食べて飢えをしのいでいた。「9年間で車庫の外に出られたのは2回だけ」と話しているという。

 幼い母親の元に生まれた少女は2001年、きょうだいが多く育てられなくなったとして、養父母に預けられた。監禁は05年から始まり、ベルトでむち打たれるなどの虐待も受けていた。

 長く連絡を取っていなかった実姉が少女に会いに行き、監禁が発覚。通報を受けた司法当局が踏み込み、少女を救出するとともに養父母を逮捕した。

 養父母は「聖なる死」と呼ばれる南米南部のカルト宗教の信者だったという。【サンパウロ時事】


介護主夫日記:徘徊と行方不明・事故

† 認知症の症状に徘徊があり、その実態をNHKが全国取材した。結果は連日ニュースで放送され5/11にNHKスペシャルで現状を伝える。今回は、家族や関係者に直接取材することで資料上数字としか把握できていない現実を見据える上で重要な内容であろう。本気で国や自治体が認知症対策をしているとは全く思っていない。すでに家族介護は限界を超えているから、こうした問題が起きる。加えて独居で認知症という方が少なからず地域で生活しており、詐欺や安全上の不安を抱えて放置されているのが偽らざる実態だろう。

‡ 私も介護していて行方不明になったことがあり当時は本人に携帯電話を持たせていなかったために全く所在が分からなくなった。行動範囲内を探したが見つからず、徐々に日は暮れて暗くなっていく段階で近くの交番に相談してから110番通報。親族や介護事業所にも手伝ってもらっていたが、幸いに本人は自宅へ帰ってきた。私が想像していたところとは全く違う区域に間違えて行ってしまい、シニアカー(電動車いす)が道路の溝にはまって動けなかった。近所の方が気づいて助けてくれた。その後暫くは、外出する時は携帯電話を所持させ必ず同行し見守るようにしていた。現在では位置情報を示すサービスもあるだろう。現在は足が不自由で徘徊の心配はないにしても、足腰がしっかりしている認知症の見守りには神経を使うことは理解できる。地域のつながりが希薄になったことがさらに拍車をかけている。


認知症で行方不明 1年で1万人近くに
20104年4月16日 NHK

認知症やその疑いがあり、「はいかい」などで行方不明になったとして警察に届けられた人が、おととし1年間に全国で延べ1万人近くに上り、このうち死亡が確認されたり行方不明のままだったりする人が合わせて550人を超えることが、全国の警察本部への取材で分かりました。

こうした実態が明らかになるのは初めてで、専門家は「まだまだ氷山の一角で、国は詳しい分析を行い有効な対策を打ち出す必要がある」と指摘しています。

NHKは、ことし2月、おととし1年間に認知症やその疑いがある人が「はいかい」などで行方不明になったケースについて全国の警察本部を対象にアンケート調査を行いました。

その結果、行方不明になったとして警察に届けられた人は全国で延べ9607人に上ることが分かりました。このうち、川に転落したり交通事故にあったりして死亡が確認された人は351人に上りました。さらに、その年の末の時点でも行方不明のままの人も208人いたことが分かりました。

都道府県別で死者数が最も多かったのは大阪で26人、次いで愛知が19人、鹿児島が17人、東京が16人、茨城が15人となっています。

行方不明のままの人の数は愛媛が最も多く19人、次いで愛知が17人、兵庫が16人、東京が15人、大阪が14人となっています。

警察への届け出はいずれも延べ人数で、家族などから通報があれば原則受け付けている大阪が最も多く2076人、次いで兵庫が1146人に上りましたが、最も少ない長崎で7人、山梨が8人と大きな開きがありました。

正式な届け出前に保護されたり死亡が確認されたりする人もいるほか、神奈川、千葉、埼玉の3つの警察本部では、いち早く捜索を行うため、正式な届け出前に電話などでの連絡と同時に一時的所在不明者として受理する制度もあり、実際の死者や行方不明者の数はさらに多いとみられます。

こうした実態が明らかになるのは初めてで、認知症の問題に詳しい認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は「今回明らかになったのはまだまだ氷山の一角で、今後、認知症による高齢者は増え『はいかい』の問題はより深刻化していくことが予想される。国は、正確な実態を把握するとともに詳しい分析を行って、有効な対策を打ち出していく必要がある」と話しています。

はいかい 国の施策は
「はいかい」は認知症の症状のひとつです。自分のいる場所や時間の見当がつかなくなる認知機能の障害が主な原因とされ、長年の生活習慣などと結びつき、いろいろなパターンの「はいかい」を引き起こすとされています。

初期のころは、方向感覚が薄らいでも周辺の景色をヒントに道を間違えないで歩くことができますが、暗くなると道に迷うこともあります。症状が進行すると、近所で迷子になったり、夜、自宅のトイレの場所が分からなくなったりするほか、到底歩いていきそうにない距離を歩いて出かけようとすることもあります。さらに不安や緊張などが加わるとその傾向が一層強くなり、自宅で暮らし続けることが難しくなるケースもあります。

国は、認知症になっても病院に入院せずできるだけ自宅で暮らし続けられるよう、訪問介護や訪問看護のサービスの充実やグループホームなどの施設の整備を進めています。

さらに行方不明になった場合、警察や行政、それに地域が連携して地域ぐるみで捜す「SOSネットワーク」と呼ばれる取り組みも行われています。この取り組みは、平成7年警察庁が全国の警察本部に呼びかけたことをきっかけに全国的に広がり、厚生労働省も自治体に財政支援をするなどしてネットワーク作りを促しています。

しかしネットワークの中にはほとんど稼働していないケースもあり、認知症の人が安心して外出できる街をどのように実現していくのか課題となっています。

おととし時点で高齢者の15%と推計
厚生労働省の研究班によりますと、国内の認知症の高齢者はおととしの時点で462万人に上り、高齢者の15%に達すると推計されています。

また、認知症の予備軍とされる「軽度認知障害」の高齢者は400万人に上ると推計され、国内の認知症とその予備軍の高齢者は合わせて860万人余り、高齢者の4人に1人に上っています。

厚生労働省によりますと、このうち介護サービスを利用する認知症の高齢者は305万人と推計されています。高齢化が進むにつれて今後も増え続けると予測されていて、来年には345万人、6年後には410万人、団塊の世代が75歳を迎える11年後、2025年には470万人に増加する見通しです。

認知症で行方不明後に死亡 約3割が独居
2014年4月17日 NHK

認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが、行方不明となり死亡した人の家族などを取材した結果、1人暮らしの人が全体のおよそ30%に上ることが分かりました。専門家は「認知症になっても自宅で暮らし続けられるようにしようという、国の政策が実現されていないことを示すもので、早急な対策が必要だ」と指摘しています。

認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして、警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ9600人に上り、このうち351人の死亡が確認されています。

NHKは詳しい実態を調べるため、過去5年間に全国で行方不明になったとして警察や自治体に届けられた、およそ400人について取材しました。このうち死亡が確認された112人について、家族や介護関係者などから当時の状況を詳しく取材した結果、1人暮らしの人が33人と、29%に上ることが分かりました。

なかには、症状から1人暮らしが困難だと介護関係者が判断したものの、すぐに入所できる施設が見つからず、そのまま自宅で暮らした結果、行方不明となり死亡した人もいました。

国は、認知症になっても精神病院に入院せず、できるだけ自宅で暮らし続けられるよう、訪問介護や訪問看護のサービスの充実や、グループホームなどの施設の整備を進めていますが、こうした国の対策が、増え続ける認知症の人を十分に支えることができていない実態が浮き彫りになりました。

これについて、認知症の問題に詳しい本間昭医師は、「国の政策を実現するための手立てや資源が不足し、現場が追いついていないことを示している。早急に対策を考え、問題を解決していく必要がある」と話しています。

認知症で不明 まず身近な場所捜して
2014年4月18日 NHK

認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが、行方不明となり死亡した人の家族などを取材した結果、自宅から1キロ以内の比較的近い場所で遺体が見つかったケースが全体のおよそ60%にの上ることが分かりました。専門家は「先入観を持たずに、身近な場所から丁寧に捜してほしい」と指摘しています。

認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になったとして警察に届けられた人は、平成24年の1年間に全国で1万人近くに上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。

NHKは、この5年間に全国で行方不明となり、そのあと死亡が確認された人のうち、家族や自治体などから当時の詳しい状況を取材できた94人について、遺体の発見状況を分析しました。その結果、自宅と遺体の発見場所の距離は、1キロ以内と比較的近い場所が55人と最も多く、全体の59%に上ることが分かりました。次いで1キロから5キロ以内が22人、5キロを超えたのが17人でした。

また、見つかった場所の中には、水がほとんど流れていないふたが閉まった用水路の中や、住宅と塀の間の狭い場所など、通常、入り込むと思わない所で見つかるケースも少なくないことが分かりました。

認知症に詳しい認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は、「認知症の人は、症状によっては狭い場所に入る傾向もみられるため、捜す際はこんな所に行くはずがないと先入観を持たずに、まずは身近な場所から丁寧に捜してほしい」と指摘しています。


参考 認知症徘徊者が事故を起こしたら賠償責任は家族に・・・杜撰な裁判判断!?
くらし解説 「どうする?認知症の人の徘徊事故」
2013年11月06日 NHK 解説委員室ブログ 飯野奈津子解説委員


関連参考

認知症男性:身元不明のまま仮名で2年 大阪の路上で保護
2014年4月19日 毎日新聞

 2年前に大阪市の路上で警察に保護されたが、名前や住所など身元が全く不明のまま、仮の名前が付けられ介護施設で暮らす重い認知症の男性がいることが分かった。男性は自分の名前が分からず、該当する行方不明者届もない。専門家は「高齢化が進み、今後このような人が増えていくのでは」と危惧している。

 大阪市は男性に対し、保護された場所にちなんだ名字に「太郎」という仮の氏名を付けた。福祉の保護を受ける手続きなどで必要なためだ。容姿などから70歳と推定して仮の生年月日も決めた。現在推定72歳になったが、入所する同市内の介護施設の職員には「実際はもう少し若いかもしれない」との見方もある。

 記者は4月上旬、介護施設を訪ねた。「お元気ですか」と声をかけると、太郎さんは「ああ」とうなずき笑顔を見せた。判断能力が不十分な人を守る成年後見人に、市長申し立てで選任された山内鉄夫司法書士らによると、太郎さんの要介護度は3。言葉を発するのが難しくトイレも介助が必要だが、足腰は丈夫でひとりで歩くことができる。

 2012年3月11日午前8時前、日曜の朝だった。同市西部にある住宅街の歩道でしゃがんでいたところを警察に保護された。水色のダウンジャケットにグレーのスエットズボン、黒の運動靴。身なりに汚れはなかった。お金や所持品はなく、名前を尋ねても「分からん」と答えた。

 保護された際にはズボンの下に介護用の紙パンツをはいており、保護前に介護を受けていた可能性がある。介護施設の職員も「介護なしで生活ができるレベルではなかった」と話す。

 その日のうちに大阪市による緊急一時保護の手続きが取られ、太郎さんは市内の保護施設に入所した。規定の保護期間(14日間)を過ぎても身元が分からず、同年3月末から現在の介護施設に入った。

 介護施設は通常、本人の経歴や病歴、家族構成などを踏まえてケアにあたる。例えば夕方に歩き回る人がいれば「子供の夕食を作るため家に帰ろうとしているのか」と理由を推測し、不安を取り除くよう努める。だが、太郎さんには保護前の情報がない。山内さんによると、30ほどの施設が入所を断り、受け入れ先は容易に見つからなかった。

 太郎さんは特殊なケースなのか。認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子研究部長は「超高齢社会では人ごとでなく、同様のケースが身近で増えることは確実だ。これまでも太郎さんのような存在と対面しているが、実態把握も対応も進んでいない。一刻も早く本名を取り戻し家に戻れるように、国や自治体が本格的に対策に乗り出すべき時期だ」と話している。【銭場裕司、山田泰蔵】



特養待機52万人 「椅子取りゲーム」状態…曖昧な要件が競争生む
2014年4月20日 産経新聞

 特別養護老人ホーム(特養)の入所待機が全国で52万人に上ったとの報道を受け、読者からさまざまな手紙が届いた。今国会に提出されている法案が通れば、特養の入所は来年度以降、原則要介護3以上の人に重点化される。合わせてお伝えする。(佐藤好美)

 ◆椅子取りゲーム

 特養の入所が「要領の良いもん勝ち」の競争になっていると感じている人は多い。

 西日本在住の女性(61)は「軽いうちから申し込んでいる人や、あっちこっちに申し込んでいる人もいる。『椅子取りゲーム』状態で、軽い人が入ると、後の人はなかなか入れない。要介護度が重く、今すぐにでも特養入所が必要な人が待たされるのは気の毒やと思う」と言う。

 女性の母親は80代で要介護3。今までは介護サービスもほとんど使わず、1人暮らしをしてきたが、最近、調子を崩して入院。生活の見直しをしなければならなくなった。

 当面は介護保険のサービスを使って1人暮らしの予定だが、不安は大きい。日中はリハビリの手厚い施設でサービス(デイケア)を受けて過ごしてもらおうと考えたが、施設側から「要介護3では毎日は使えません。デイケアの前後に訪問介護を組み合わせると、限度額をオーバーします」と言われた。在宅の生活も難しく、かといって、適切なタイミングで入所できる感じもしない。

 「虐待を受けた人はすぐに入所できると聞きます。でも、要介護度が軽いなら、そういう人が集まって暮らせる場所があれば、代わりに重い人が特養に入れるかなぁと思ったりします」と話す。

 京都市の男性(66)からは「希望があれば、軽い人でも重い人でも、すぐに特養に入所できるように施設整備をすべきだ」という声が届いた。10年ほど前に認知症の母親の介護をした。「軽い人でも入れるようにしないと、家族は働くこともできない。その結果、日本の経済も衰退する」

 ◆必要性の高さとは

 特養は本来、「待ったら入れる」ものではない。必要性の高い人が優先的に入所するのが原則。自治体ごとに入所基準があり、要介護度や緊急性の高さで点数化されている。

 だが、施設側にも事情がある。「重い人ばかりだと、介護職が疲弊してしまう。手のかからない人も一定程度いないと運営できない」(ある特養の施設長)のも現実。また、「全く面識のない人よりも、できればデイサービスやショートステイで本人と家族の状況がある程度分かる人を入れたい」(同)という意向もある。

 このため、利用者や家族からは「顔つなぎのためにデイサービスやショートステイを使っている」「いざというときのために施設のケアマネジャーと親しくしておく」という声が絶えない。膨大な待機者リストの背景には、入所が激戦で、要件が透明化しきらないこともありそうだ。

 ■自治体で異なる整備率と入所状況

 厚生労働省の調査では、特養の待機者は全国で52.4万人。同省は特に「要介護度4、5」の重度で、自宅にいる8.7万人の待機が問題とする。

 「もっと特養を」との声もあるが、特養の整備率は自治体によって事情が大きく異なる。65歳以上の高齢者1人当たりの定員を見ると、不足が著しいのは、愛知、千葉、大阪、埼玉、東京、神奈川などの大都市が並ぶ。地価が高く、高齢化のスピードが遅い地域で施設整備が遅れたためだ。だが、この地域は今後、急速に高齢化する。

 都道府県によって、新規入所者に占める要介護度の軽い人の割合も異なる。奈良県や北海道では、要介護1、2の人が新規入所の2割を超えるが、富山県や愛媛県では5%に満たない。

 軽い人の入所で多い理由は、(1)認知症で常時の見守り・介護が必要(2)家族による虐待がある(3)老老介護で経済力がない(4)独居で孤独感があり、本人も家族も入所を希望する-などが挙がる。だが、地域差の理由ははっきりしない。

 厚労省はこうしたデータを踏まえ、特養の利用を要介護度が重い人に重点化したい考え。今国会に提出中の法案に、入所を原則要介護3以上の人に重点化する方針を盛り込んだ。ただし、「やむを得ない事情で特養以外での生活が著しく困難と認められる」場合は例外とした。具体的には先の(1)、(2)のような事例のほか、知的障害・精神障害などがあって地域での安定した生活が困難なケースなどを挙げる。今後、詳細を検討し、指針を作成する。

 法律が成立すれば、来年4月から実施されるが、既に入所している要介護度の軽い人に退所を求めることはしない。

 特養も変わりつつある。複数の利用者が交互に特養の1ベッドを使うことで家での生活を支える施設もあれば、大規模施設を分散化した所もある。在宅サービスの充実や低価格の住まいの整備に並んで、柔軟な施設利用も課題になっている。



緊急一時保護:認知症高齢者ら546人 5人が「仮名」
2014年04月22日 毎日新聞

 認知症などの疑いで警察に保護された高齢者らのうち、名前が分からないために自治体が介護施設に暫定入所させるなど「緊急一時保護」の対象となった人が、2008年度からの約6年間に少なくとも546人いたことが毎日新聞の調査で分かった。本人が氏名や住所を話せず、引き取る人も見つからないために取られた措置で、年間の対象人数はこの間にほぼ倍増していた。大半はその後、身元が判明するが、現在も身元不明のまま仮の名前が付けられた人が少なくとも5人いることも判明した。

 毎日新聞は2〜3月、全国の政令市と県庁所在地の市、東京23区の計74自治体を対象に緊急一時保護の実態を尋ねた。

 現在も身元不明のままの人は、大阪市で12年3月に保護されて「太郎」という仮名が付けられ毎日新聞が情報提供を呼び掛けている男性のほか、目黒区で保護された男性、葛飾区の女性、横浜市の女性、松山市の男性。認知症や記憶障害などの疑いがあり、緊急一時保護の期間(自治体ごとに異なりおおむね1〜2週間)を過ぎても身元が分からず現在は生活保護などを受けて施設や病院で生活している。

 緊急一時保護が実施されたのは32自治体の計546人。認知症以外の病気や詐病と判明した人なども一部含まれる一方、豊島区、川崎市、名古屋市など統計的に実施件数を把握していない自治体も多いため、実際の人数はさらに膨らむ可能性が高い。

 内訳は、23区中14区の計315人と、12政令市と政令市ではない6県庁所在市の計231人。23区は新宿126人(一部に高齢者虐待対応も含む)▽北54人▽葛飾28人▽荒川24人−−の順で、新宿はターミナル駅の新宿駅近くの交番で保護される人が多い。市は大阪71人▽神戸49人▽横浜46人▽福岡20人−−など大都市に集中していた。

 年度別にみると、08年度は65人で、以後は09年度76人、10年度87人、11年度85人、12年度111人。13年度(14年2月までの集計)は122人に増加した。

 ◇家族、引き取り拒否も
 道に迷った高齢者を家族が引き取りに来るようなケースは大半が警察の保護段階で解決しており、緊急一時保護に至るのは、氏名が言えないほど症状が重く身近に家族がいないなどさまざまな事情が重なった場合だ。ある自治体の担当者は「身元判明後は親族らに引き継ぎ、その後の生活は把握できていない。在宅生活を続けることが難しく施設に入る人が多いのではないか。家族や元々いた施設に引き取りを拒否されたこともある」と話している。【山田泰蔵、銭場裕司】

 ◇緊急一時保護

 道に迷った高齢者などを見つけた警察は法令上、原則24時間を超えて保護できない。それを超える場合は、自治体が健康と安全を守るため施設に預けるなどの対応を取っている。「徘徊(はいかい)高齢者緊急一時保護」などと呼ばれるが、法律に明確な定めはなく、自治体がそれぞれの手法で対応している。介護施設に最大1〜2週間の預かりを頼むケースが多く、病院や一時宿泊所を使う場合もある。

 ◇緊急一時保護され現在も身元不明でいる仮名の人

保護年月   保護場所 性別
11年 9月 横浜市  女性
12年 3月 大阪市  男性
 同  6月 目黒区  男性
 同 10月 葛飾区  女性
13年 6月 松山市  男性
(記憶障害などの人も含む)



認知症 鉄道事故で64人死亡
2014年04月23日 NHK首都圏放送センター

認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが鉄道会社が国に報告した鉄道事故を分析した結果、認知症の人が徘徊するなどして起きた事故は、この8年あまりの間に少なくとも76件にのぼり、このうち64人が死亡していたことがわかりました。

認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に全国で1万人近くにのぼり、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。

NHKが鉄道会社が国に届け出た鉄道事故の報告書を情報公開請求して分析した結果、「認知症」ということばが使われるようになった平成17年から去年までの8年あまりの間に、認知症の人が徘徊するなどして起きた事故は、少なくとも76件にのぼり、このうち64人が死亡していたことがわかりました。

さらに死亡した人の遺族を取材した結果、少なくとも9人の遺族が、事故のあと鉄道会社から振り替え輸送などの名目で、数万円からおよそ720万円の損害賠償を請求されていたこともわかりました。

このうち、愛知県で起きた事故をめぐっては、JR東海が死亡した認知症の男性の遺族に賠償を求めて裁判を起こし、1審は、去年家族が注意を怠ったなどとしておよそ720万円の支払いを命じ、認知症の人の家族などの間には「24時間見ていることはできず、実態を理解していない」などという波紋が広がっています。

これについて東北大学の水野紀子教授は「家族の責任が問われると、認知症の人を外出させなくなるおそれがある。社会全体の問題としてどう負担するか考えていく必要がある」と話しています。



“認知症”で行方不明 何度も繰り返す実態
2014年5月11日 NHK

認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人に上っている問題で、NHKが、行方が分からなくなったことがある120人余りの家族にアンケートした結果、行方不明になった回数は平均で6.3回に上り、何度も繰り返されている実態が明らかになりました。

認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして、警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ1万人に上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。

NHKは詳しい実態を明らかにするため、行方が分からなくなったことがある全国の125人の家族にアンケートを行いました。その結果、行方不明になり、警察に通報したり家族などで捜したりした回数は、平均で6.3回に上ることが分かりました。また、全体の78%が行方不明を複数回経験していて、最も多いケースで70回あったと答えるなど、行方不明が何度も繰り返されている実態が明らかになりました。

また、捜す際、警察や周囲に協力を求めることに、ためらいがあるかどうか尋ねたところ、「大いにある」と「どちらかと言えばある」を合わせると74%に上りました。実際、警察のほかに誰に協力を求めたか複数回答で尋ねたところ、「家族・親戚」が68%と最も多くなっているのに対し、「ケアマネージャー」や「近所の人」といった家族以外はいずれも20%台にとどまっていました。

認知症に詳しい、認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は、「行方不明が繰り返されているにもかかわらず、SOSを出せず苦慮している家族の姿が浮き彫りになった。問題を家族だけに押しつけず、社会全体で解決を図っていく本格的な対策を、国や市町村は急ぐべきだ」と話しています。


人生いろいろ:懐かしいけど、新しい!?

† カセットテープが注目を集めているという。過去にも、いろいろと記憶媒体の廃り流行りがあったことは長年生きていると分かるだろう。時代は、高速・大量情報処理に向かい、それに適する記憶媒体の研究が進んでいる。一枚のチップに大型図書館資料すべてが収まることも夢ではなくなった。

‡ 以下の記事の最後に書かれているように磁気テープは、この時代にも見直されている。むろんカセットテープが復権していくことはないだろうが、手間のかかるものに憑かれるというのも人間心理。オートマテック車よりもマニュアル車を愛するドライバーが潜在的にいることは、どこかに操作しているという気持ちが欲しいのだろう。


なぜ今さら? 若者がカセットテープに注目する理由
2014年04月15日 日刊SPA!

なぜ今さら? 若者がカセットテープに注目する理由  音楽はダウンロードして聴くスタイルが主流になりつつある現代。一方で、昔懐かしいカセットテープがブーム再燃の兆しと聞く。今さらカセットテープ?と思ってしまうところだが、カセットでのリリースに力を入れているインディーズレーベル「ZOMBIE FOREVER」の森幸司氏は言う。

「アメリカのインディーズレーベルやバンドが、カセットテープにダウンロードコードを付けて売る方法が流行っていて、日本でも音楽好きの人の間で徐々に注目が高まっています」

 このようにCDのおまけとしてカセットテープを付けたり、テープにダウンロードコードを付けたりするリリースが増えているそうだ。今年1月には、気鋭のレゲエバンド、TAMTAMが「謎のカセットテープ」をタワーレコードで無料配布したことも話題に。

「作り手側としては、自分で作れて500~1000円で売れるので、在庫を抱えず、身の丈に合った音楽販売ができるのが利点です。一方、聴く姿勢の違いもあって、カセットテープは頭出しできないので、一曲一曲ちゃんと聴くんですよね。耳なじみいいノイズも温かみがあるし、一生同じ形で残るデータと違い、聴いた数だけ状態が変わるのも魅力です」

 また、若い世代にとっては、存在自体が新しく、「めんどくさいけど、カッコいい」そうだ。

 ちなみに、経済産業省の統計では、データ記録用磁気テープの生産量が’10年以降3年連続で増加中。震災後、データ保存用としての信頼性や、大容量化などから、磁気テープが見直されているという。

※現在発売中の『週刊SPA!』4/15発売号では、「’80~’90年代[懐かしのブーム]が再燃する理由」という特集を掲載中。エアマックスにミニ四駆、セーラームーンにサバゲーといったものが再び注目している理由を紐解いている。<取材・文/週刊SPA!編集部>


参考
カセットテープが将来的に大容量ストレージの主流に返り咲く可能性
 2012年10月22日 Gigazine

~抜粋~
データセンターなどで主に用いられているのはハードディスクですが、富士フイルムとIBMは2010年に磁気テープにバリウムフェライト磁性体を採用することで、現行テープ比約44倍の35TBの大容量カートリッジ開発を可能にしました。この磁気テープは、実際に2016年に建造が始まる世界最大の望遠鏡であるSquare Kilometre Array(SKA)で使用される予定となっています。

記録トラックの幅を縮め、アクセス用の記録再生ヘッドをより正確にポジショニングするシステムにすることで、データを100TBまで格納できるようにする予定。テープを使用することで、エネルギー消費を劇的に減らすことができます。

磁気テープなぜ復活? 生産量3年連続プラスに
 2013/6/8 日経プラスワン

20140418.jpg

なぜ?“磁気テープ”が復活
 2013年11月20日 NHKおはよう日本

磁気テープ「復権」で新技術 富士フイルム、ソニーが大容量化を加速
 2014.5.6 SankeiBiz

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