藤木正三 師の言葉から学ぶために④

藤木正三 師の言葉から学ぶために④
~〈納得の福音・限定性の福音〉をめぐって~


言葉・概念化の問題
人間は言語を使って生きているが大きな問題を抱えている。言語は概念という抽象化した認識体系を用いる。ところが、その語感のイメージは誰もが同じではないのである。すべての事柄が概念と言われるもので意思疎通される。その概念化という作業が、科学・技術の発展には不可欠であったことも事実である。物事の背後に隠されている法則を明らかにすることが文明の進歩に与えたインパクトは大きい。ただ概念は実体と同じものとは言えない。つまり言葉は概念であることを熟知して応用できる人でないと間違った使い方になり、それを受け取る人も影響を受けてしまうのだ。割り切って使っている何でもない言葉を深く考えれば分かるが、結局、言語を説明するのには言語を用いるという矛盾から解き放たれることはない。概念をめぐって堂々巡りの状態となる。それが学問の限界となっていくだけでなく私たちの生きることにも影響を与えてしまう。

さきに掲げた「隣人を自分自身のように愛せよ!」で、「隣人」とは、「愛」とは、「愛する」とは……その言葉を突きつめていくと結局分からなくなってしまうのではないだろうか。それよりも大事なことは、目の前に困っている人がいたら、自然に起きる衝動に従って手を添えてあげることの方が重要なことは分かるだろう。

つまり「野の花を見なさい!空の鳥を見なさい!」と言われたイエスは、抽象的に一般的に花や鳥を想起されたのではなく、具体的に目の前にある一つ一つの鳥や花のことを語ったことに注意を払いたい。聖書の言葉は、万人に書かれたものではなく、あなたのために書かれたものと受け取ることができて初めて分かるものなのだ。

神学者や宗教指導者がする神学論争とは概念をめぐる問題に過ぎない。一方で、信仰とは自分自身の身の処し方、つまり具体的な生き方なのである。その区別ができていないからこそ、概念に封じ込まれて身動きできなくなってしまうという現象に陥ってしまっている。それを打破するには、言葉の概念化という作用を熟知して応用できるような気づきが必要なのである。藤木師が専門用語を用いない理由の一端も言葉遊びに陥る弊害を分かっているため、そして一般用語でも語り尽くせる稀な言語能力があるからだ。

究極的人生態度の確立
藤木師は「究極的人生態度の確立」が信仰の目指すものであるとされる。人間は基本的に自由意志で考えて行動することが許されている。その際に、何を生きる基準として生きるかが課題となる。例えば、相いれない二つの選択肢があった場合にどちらを選んでいくのか、それを毎回ごとでなく首尾一貫したものに備える場合には軸となるものが必要であり、生き方を具体的に整える思索(=究極的な人生態度)が必要となる。その主体としてあなた自身の生きることを裏付けるようなものが宗教的古典である。

宗教的古典には、生きる上での選択肢を考える際に、過去の人間たちの抱えた問題と対処法、その結果を記すことで活きた教訓とする役目がある。聖書には社会的にも倫理的にも違反する人たちが多く登場する。信仰厚い人たちばかりではないのだ。それは人間の抱える問題の共通性であり、罪意識の共有・理解こそが人間同士を融和できる唯一のものであるからだ。

藤木師の著作は自分自身の立ち位置を正確に見抜く必要性を読者に問いかけてくる。そして新たな視点で自己をもう一度見つめてほしい。あなたはあなたそのままであっていい、それしかない、そこから全て始まるのだという思いが届いてくるだろう。(了)

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藤木正三 師の言葉から学ぶために③

藤木正三 師の言葉から学ぶために③
~〈納得の福音・限定性の福音〉をめぐって~


生命という神秘性
「隣人を自分自身のように愛せよ!」ということが完璧にできる人が、この世にいるだろうか。律法の意味は、「それを順守せよ、そうすれば神の庇護が得られ幸福になれる」ということではないのだ。たった一つの課題さえも人間は達成できないほどに未熟な存在なのだという自覚が全ての出発点となる。

そして自分自身の力ではどうにもならないと悟った時に、実は自分の知力・能力・才能・財産・信仰・努力……など自分自身の力で生きていると思っていたことが大きな間違いであったことに気づく。生かされ、許され、支えられてかろうじて人間としての体裁を保っているに過ぎない自分の存在に気づくときに、被造物としての自覚を得ることになる。藤木師は生命の神秘性に気づくことが宗教心の根底にあることを見抜いている。

自分が選ばれているからではない、自分の行動が聖いからではない、自分の信仰が強いからではない、ただただ生かされているに過ぎない。家族も隣人も、そして動物たちも植物たちも……、その気づきが意識転換を起こす。すると今までこだわっていた自分自身に対するこだわりが少なくなる。なぜなら自分の命は自分のものであっても自分のものではないことが分かるからだ。すると「野の花を見なさい!空の鳥を見なさい!」というイエスの言葉の真意が分かるだろう。イエスの言葉が、聖書解釈の結果ではなく、あなたの心へ直に届くときに、それが福音ということになるのだろう。

自己への納得性
藤木正三師は、神秘的な生命をとても大切にされているからこそ、人を断罪するような言葉を投げかけない。福音をめぐって争うことの愚かさに気づかない多くの宗教指導者たちは、イエスによって何が批難されているかの理由が分からなかった。現代においても教職として語る説教には、当然に教義・教理に準じた内容が含まれおり中には理解できないものもある。それを秘跡や恩寵と言ってありがたがるのだが、それが納得できるものなのかという自然な疑問を抑圧してしまう。理解できないのは不信仰で熱心でないからだと自分自身を恥じ卑下するという結果になる。

ただ藤木師は、あくまでも自分自身のこととしてしか問題にしない。それを「信仰の射程」という言葉で表現されている。つまり普遍性や正統性よりも大事なことがあり、それが自分自身への納得性という表現で、あくまでも限定的に語られる時にのみ何とか成立するものに過ぎない。この距離感が不完全な人間には適当なのではないだろうか。

藤木正三 師の言葉から学ぶために②

藤木正三 師の言葉から学ぶために②
~〈納得の福音・限定性の福音〉をめぐって~


政治と宗教心
政治と宗教の関わりは深く、古代から宗教が政治を司っていた時代が長く続き、職業としての政治・行政制度が形作られてからは相互に作用しながら密接に影響し合っている。日本においても昭和に起きた第二次世界大戦という国家体制の下で宗教合同し戦争協力の道を宗教者らは選んだ。戦後はこの反省に立って再出発したはずであったが、宗教者の戦争責任を巡る問題でキリスト教界は長い大きな混乱の時代を経験した。

藤木師は、その時代に生きた教職として、一人の信仰者としての懊悩・煩悶があったことで、さらにご自身の思想を磨き上げたということがいえる。そこで問われるのは宗教とは何なのか、信仰とは何なのかという根本的な問いになる。藤木師の書かれたものに、その葛藤の末に辿りついた心境が見事に表れている。これら著作を素通りできる感覚の持ち主は藤木師を理解する糸口を失ってしまう。同じような疑問を感じて何とか整理しようとしてもがき苦しんだ人しか分からない心境だからだ。

普遍性と限定
そして人は困難な時にどう対応するのだろうか。①分からないままでも信じる。理解できないのは自分の能力が足りないと判断し指導者に従う。②分からないことから逃げる。自分が分かる程度に理解しているものを求めてさまよう。③分からないを分かろうと思索を繰り返す。ただ結論まで至ることができないので不安が残る。この③を成し遂げることが、信仰を得るという道標であると私は考えるのだが、常人では指導者からヒントを与えてもらうことが必要である。その指導をできる信仰者は極めて少ないのだ。

藤木師の場合は非常に稀ではあるが、この過程を突破して思索を続けることができた。その思いは、あくまでも限定されたものとして理解されており、その姿勢は一貫している。つまり自分自身の納得は、所詮それだけのことだと、人類普遍の真理ではないという思いがある。普遍でないという限定が大事になる。一般的に普遍性が誤解され教条となり、人を束縛する要素となり、できない人を排除することに陥りやすいのだ。

藤木正三 師の言葉から学ぶために①

以下の小論は、藤木正三牧師の思索を分かりやすく紹介したいと思って作成したものである。他にも論点はあろうがコンパクトに藤木師の考え方の根底にあると思われるものを書き記すものである。

現在のところ、藤木師の著作のほとんどが入手できない状況にあり、各自が直に言葉に触れる機会が少ないことは非常に残念なことだ。

それでも藤木師の考え方に興味を持たれる方や共感される方は、心の中でいつか出会えるようにと思い続けてほしい。するとどこからか著作が入手できるようになる。

毎日、いろいろな事件・事故があり多くの難題を抱え将来はあるのかと不安な状態にある。ただ人間は日々の生活を丁寧に引き受けて生きるときに時間の制約を超えて生きている実感を得ることは可能であり、それが全てであるといえる。

それぞれの方が、ご自身の読み方で藤木師の著作と対話され、現実の奥に秘かに隠されている神秘に触れて頂ける時間を持ってほしいと願うものである。

たれプーさん♪


藤木正三 師の言葉から学ぶために①
~〈納得の福音・限定性の福音〉をめぐって~


著作集への招き
藤木正三師の著作を読んで、自分自身の信仰のあり方にホッとしたという方が少なからずいる。心が和らぐとは、それに福音の本質たるものが内在されているからだろう。宗教本来の持つ安らぎのようなものであろうか。

藤木師の説教を聴く機会を持った人は限定される。それでは、それが他の説教者と大きく違うのはなぜなのだろうという疑問が湧きあがる。弱いものが集う礼拝が、かえって信者の心を傷つけるという現象がある。一般的に聖書に記されていることを教えとして受け入れて実行せよと講壇から語る。ところが、それが簡単にできない弱さを抱える人間に対して、さらに追い打ちをかけることにも至る場面がある。それができないのは罪深いからとか悪霊というものが作用しているとか説明をされても納得できるものではない。それは教会において教勢拡大こそが神の御心であり教職は指導者で信者は道具という見方があり、信仰に必要な安らぎを実感できないところから生ずる。

これに対して藤木師の著作に書かれた信仰心のあり方に、ふと従来から正しいと教えられていることの奥に潜む何か暴力的なものを感じ、新しい気づきを与えてくれるのではないだろうか。福音とは何か、そうした問いを自ずと感じさせるものである。信者らは聖書の厳格な説き明かしと厳しいメッセージを期待しているのだろうか、それとも日々の暮らしを後押しする安らぎを感じる生きた糧を求めているのだろうか。

思想家としての側面
藤木師の著作に世界宗教のエッセンスを超えたものを見いだしていくことができるのではないだろうかという気持ちがする。それは思想家として側面といって良いものだろう。難解な思想が多くの人にとっては理解不能であり実用ではないのに比べると、藤木師の著作にある生き方の在りようは、現在の生き方の延長として見通すことのできるものを想起させる。だからこそ人の心に響くものがある。人間の限界があるからこそ、神秘的な生命力たる神なる存在に委ねることが人間のできる唯一のことなのだ。

断想集においては、まるで詩のように短くリズムをもって描写した含蓄ある言葉により、さらに深みのある思いを抱くことができることは幸いしている。藤木師の説教そのものも良く準備されたもので品よく練り上げられた論理性の高いものだ。精錬されたものを直に味わうことで詩を読むような感動が起こる。他の書物では感じたことがない気づきを得られるということこそ卓越した思想の賜物だと感じる。

弔いの輪:1人暮らしの生活保護受給者も寂しく死なせない

弔いの輪:1人暮らしの生活保護受給者も寂しく死なせない
2014年3月8日 毎日新聞

 住民の4分の1が生活保護を受けている大阪市西成区で、身寄りのない1人暮らしの保護受給者が亡くなったとき、当事者同士やボランティアの支えで葬儀を営む取り組みが始まった。同区でボランティア活動をする僧侶の杉本好弘さん(70)=奈良市在住=らが「釜ケ崎見送りの会」を結成し、区役所も必要な情報を提供して協力、弔いの輪を広げつつある。

 西成区では、日雇い労働者が集まる釜ケ崎地区(あいりん地区)を中心に約2万8000人が生活保護を受給している。うち6割は65歳以上で、大半が1人暮らしだ。亡くなっても連絡がつく親族がおらず、市が葬儀業者に委託して火葬し、共同墓地などに埋葬している例が少なくない。

 杉本さんらは昨年8月に見送りの会を結成した。「1人暮らしの生活保護受給者を孤独に旅立たせたくない」との思いからだ。昨年11月には、受給者の死亡情報を共有できるようにしようと、区役所に死亡情報の提供を申し入れた。区役所内には個人情報の提供に慎重な意見もあったが、生前に本人が希望した場合に限って見送りの会に提供することになった。

 見送りの会は、葬儀の希望者を募って委任契約を結んで会員とし、契約書の写しなどを区役所に提出した。これまで実施例はないが、既に約25人が会員となり、区役所に届け出た。

 会費は月100円。自立を促すため、運営にはボランティアに加えて受給者自身も参加している。会員が互いに葬儀に参列して見送るのが原則だ。

 契約を結んだ池田一安さん(70)は約30年前、福岡県から西成区に移り住み、1人で暮らす。故郷の高知県には兄弟がいるが、今はほとんど連絡を取っていない。「みんな本音では、死んだ時には誰かに見送ってほしいと思っている」と話し、入会を考えている知人も多いという。杉本さんは「同じような境遇の高齢者は全国にいると思う。我々のような試みが各地に広がっていけば」と話している。 【杉本修作】


・孤独死や孤立死など独居高齢者の記事が目につく。この記事にあるように、日雇い労働者が集まる地区では過去から様々な保健医療活動や福祉ボランティアが行われいる。

看取りをめぐっては、マザー・テレサの活動が参考になるだろう。彼女は、どの宗教の信仰を持っていても等しく介護し最期を共に過ごした。それは家族とは疎遠になり暮らさざるを得ない人たちにとっては大きな救いになったことだろう。

宗教者の本来の仕事は私はここにあると考えているのだが、多くの宗教家は汚い仕事や世間から疎外されている人に近づこうともしない。立派な身なりをし良い生活環境に甘んじている。マザー・テレサの活動では、まず貧しい人とたちと同様な生活をすることから始まる。それはイエス・キリストの生涯を模したものだ。

さて西成区の活動だが、以前から活躍している僧侶らが役所の協力も得て行うものだ。葬儀を出すということよりも生前から助け合っての仲間作りや助け合いこそが、このシステムの中心であろう。独り切りでは死なせないという思いは力強いと感じる。日雇い労働者に限らず、生前から死後の取り扱いについて対応するNPOなども徐々にできている。ただ西成区の活動のような触れあいや暖かさは欠けているのかなと思う。

介護主夫日記:ショートステイ利用

† 理由あってショートステイの利用に踏み切った。いくつかの施設の説明を聞いて、複数の施設と契約し利用を開始。それからさらに常時使用する施設を絞り込む作業をしてきた。デイケア・デイサービスは近頃はお泊りも非公式やっているにしても安全面が担保されていない状態がある。厚労省はデイケア・デイサービスに介護報酬を厚くする政策をとることで、特別養護老人ホームのような施設ケアを大幅に抑制し続けている。

‡ さてショートステイを利用して、そのサービスのレベルの低さについて愕然としている。詳細はここでは書かないが、複数のきちんとした社会福祉法人や民間の施設を利用してみて悲しいくらいの気持ちになった。個人的に介護保険制度導入以前からのことを知っているので、全体として介護保険制度に有用な人材が集まらなくなっている現状を憂う。つまり安価な労働には、それなりの人材しか集まらないし責任感もないという当然の結論になる。なお、この実感は複数の専門職とも意見を同じくしているので勝手な思い込みではない。

雷で「負傷」=リオのキリスト像―ブラジル

雷で「負傷」=リオのキリスト像―ブラジル
2014年1月18日 時事通信社

 リオデジャネイロで16日、ブラジルの観光名所として知られる巨大なキリスト像に雷が直撃し、親指と中指の一部が欠けた。17日、地元メディアに対し、像を管理する教会の神父が明らかにした。

 キリスト像は、コルコバードの丘に十字架のように両手を広げてそびえる。避雷針が設置されており、神父によると、年3〜5回は雷が落ちる。2月には修復を始めるという。【サンパウロ時事】

 
・親指だけか、中指もなのかは画像では分かりにく。

こうしたハプニングに対してオカルト好きな皆様は、何か不吉なことが起こると言い始めることだろう。

コルコバードのキリスト像 公式サイト  http://www.corcovado.com.br/


リオの巨大キリスト像 雷雨で指欠ける
2014年1月19日 NHK

ブラジルのリオデジャネイロで、街のシンボルになっている巨大なキリストの像の指先が激しい雷雨のあと欠けていたことが分かり、像を管理する教会では修復作業を急ぐことにしています。

20140119 1136

ブラジルのリオデジャネイロで街を見下ろす山の上に立つ高さおよそ40メートルのキリストの像について、像を管理する教会は17日、右手の親指の先端部分が欠けていることを明らかにしました。

20140119 1134

現地の気象当局によりますと、リオデジャネイロでは16日、激しい雷雨に見舞われ、州全域で合わせて4万回を超す落雷が観測されたということで、指が欠けたのは落雷によるものとみられています。

このキリストの像は1931年に建てられ、世界各地から大勢の観光客が訪れる観光名所としても知られています。4年前にはひび割れが目立つなどしたため、4か月をかけて修復が行われました。

ことし6月に開幕するサッカーのワールドカップブラジル大会を前に、巨大なキリストの像が不運に見舞われた形で、教会では修復作業を急ぐことにしています。


ウルトラマン本を発禁、宗教的理由で マレーシア

ウルトラマン本を発禁、宗教的理由で マレーシア
2014.3.7 産経ニュース

 マレーシア内務省は7日の声明で「ウルトラマン」のマレー語版のキャラクター本の発行禁止を、地元の出版元などに命じたことを明らかにした。登場するキャラクターをイスラム教の「アラー(神)」になぞらえたことが「公共の秩序に有害」と判断したとしている。

 この本は「ウルトラマン ウルトラパワー」。キャラクターの一人であるウルトラマンキングがウルトラヒーローの最年長だとし「『アラー』と見なされ、尊敬されている」と紹介していた。

 内務省の声明は、発禁の理由について「ウルトラマンは子供たちにとってアイドルであり、アラーがウルトラマンキングに結びつけられると、子供の頭が混乱する」と指摘。「イスラム教徒の子供の信仰心が損なわれかねない」と懸念を示した。(共同)


・日本のアニメも海外輸出される場合は現地の習慣に配慮しないと視聴されることはない。

この記事に詳細は分からないが、本の内容の一部のようであり誤解を招くような表現があったという。一神教の国においては、当然日本のような神様の序列はないだろう。

なお今までにも教祖らを皮肉ったり揶揄しただけで生命を奪われたり狙われる人も数多い。神格化されたものには本当に有無を言わさない重圧を感じることがある。そうせざるを得ない人間側の問題としても、ちゃんとした教祖らは迷妄するなと教えているはずなのにね。

戦前は天皇を神格化したことで、それを利用して自己の利権や権威を高めた人たちこそ批難されるべきだろう。権局、神格化されたものとの距離感をかさにして己の満足を追求する。そうした組織・個人の仕組みが分かっているがゆえに自らを蔑まれた形にした教祖たちは偉い。

自らを神格化し政治・経済を牛耳ろうとする輩があちらこちらにいる。ただ裸の王様を見抜くなら子どものような純な目で見ればいいだけだ。そんなことが大事な時期である。

人生いろいろ:アダルトサイト「登録完了」画面で高齢者に請求トラブル

† パソコンでは様々なトラブルが起こる。特にパソコンをテレビと同様に単純なものとしか理解できない高齢者や青少年らが、画面に表示されるままにクリックしたり、安易に個人情報やクレジットカード情報を入力することで被害にあうことが後を絶たない状況である。

‡ 以下の事例のように画面に現れる表示を消すことは慣れた人でも簡単ではない。特に高齢者にとっては、恥ずかしさもあるだろうから一刻も早く消そうと慌てることで業者と連絡をとり、さらなる被害にあうということになってしまう。(独)情報処理推進機構(IPA)のホームページを見ても、内容が難しくて理解できないかもしれないので、まずはパソコンに精通した人や消費者相談等に連絡することを期待したい。


見守り新鮮情報 第185号     平成26年3月7日
◇発行:独立行政法人国民生活センター◇

  思わぬ落とし穴!?高齢者にもアダルトサイトの請求トラブル

パソコンで湿疹の薬について検索していた際、一覧に出たサイトをクリックし
たところ、アダルトサイトにつながった。無料とあったので、サンプル画像を
クリックすると「登録完了」画面が表示され、「正規料金は9万8千円だが、2日
以内に支払うと6万8千円になる」と書かれていた。あわてて、サイトに記載さ
れていた業者の携帯電話に非通知で連絡すると、「電話番号を通知して連絡し
直すように」と言われてしまった。請求画面も消えず、混乱して夜も眠れない。
どうしたらよいのか。(80歳代 男性)

<ひとこと助言>
☆アダルトサイトで、無料だと思ってクリックしたところいきなり料金請求画
 面が出た、という相談が高齢者からも多く寄せられています。
☆このようなサイトでは、有料であるという表示が分かりにくい場合も多く、
 安易にアクセスしないことが第一です。また、むやみに同意ボタン等をクリ
 ックしたり、ダウンロードしたりしないようにしましょう。
☆業者に連絡をしても、「間違えたなら支払わなくてよい」とは言われません。
 個人情報等が知られてしまう危険性もあるので、自分から連絡してはいけま
 せん。
☆請求画面の削除には、
(独)情報処理推進機構(IPA)のホームページが参考になります。
 情報セキュリティ安心相談窓口http://www.ipa.go.jp/security/anshin/

☆困ったときは、まずお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談くださ
 い。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)


ローマ法王:8月に韓国訪問、日本立ち寄りは困難

ローマ法王:8月に韓国訪問、日本立ち寄りは困難
2014年3月7日 毎日新聞

 フランシスコ・ローマ法王(77)が今年8月中旬に韓国を訪問することが固まった。複数のバチカン(ローマ法王庁)当局者が毎日新聞に明らかにした。昨年3月の就任以来、初のアジア訪問。朝鮮半島はじめアジアにおける平和と和解を祈願する旅になる。旅程上の理由から、日本に立ち寄る時間は取れない見通しだという。

 法王は世界のキリスト教カトリック信徒約12億人の頂点に立つ最高位聖職者。8月13~17日に韓国・大田でアジアのカトリック教徒の若者のための祭典「アジア青年の日」が開かれるのに合わせて訪韓する予定だ。法王の訪韓は1989年のヨハネ・パウロ2世以来約25年ぶりとなる。韓国は人口の1割の約520万人のカトリック教徒を擁し、近年、信徒数が増加している。

 法王は「アジア青年の日」主要行事に出席し、18~19世紀の韓国人殉教者124人を「聖人」に次ぐ「福者」に認定する列福式を8月15日に行う見通し。8月15日は聖母マリアが天に召されたとの教義に基づくカトリックの祝日。韓国と北朝鮮の南北統一を祈願する特別ミサの開催も検討されているという。

 法王は訪韓に先立ち5月にヨルダン、パレスチナ自治区、イスラエルを訪問する。中東和平の推進を促すとみられ、今年の法王外遊は「平和」と「和解」がキーワードになる。

 法王は、日本にキリスト教を伝えた宣教師、フランシスコ・ザビエル(1506~52年)で知られる修道会イエズス会の出身で、アジアに強い関心を寄せている。日本全国のカトリックの司教で作る「日本カトリック司教協議会」は来年の法王訪日を招請している。【ローマ福島良典】


・ローマ法王の2014年アジア訪問国として韓国が選ばれたらしいという報道。信者数からしても日本が外されても仕方ないが、以下の記事にあるように長崎教会群の世界遺産登録に関して、2015年に「信徒発見」を記念する長崎県で、県知事が法王の長崎訪問を求めているという。

これ以上、日本にキリスト教信者数が激増する見込みもないだろう。ただ今後の観光資源として日本の初期クリスチャンの活動が評価されることは興味深く探求されるべきことだろう。


バチカン「長崎教会群を世界遺産に」 法王庁が登録支援
2014年3月5日 朝日新聞

 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について、ローマ法王庁が世界遺産への登録を支援する意向を伝えた文書が、長崎県の中村法道知事に届いた。4日の県議会で中村知事が明らかにした。

 県によると、中村知事は昨年10月、バチカンを訪れる神父らにフランシスコ法王への親書を託した。文書はその返事で2通届いた。

 中村知事は親書で、禁教下で潜伏していたキリスト教徒が大浦天主堂(長崎市)で神父と出会った「信徒発見」から150年となる2015年に、法王の長崎訪問を要望。教会群の世界遺産登録への支援も求めた。



外部リンク
長崎から世界遺産を「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」 (長崎県)
 https://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」キッズページ (長崎県)
 https://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/kids/index.html

世界文化遺産:文化審議会「長崎の教会群」を9月推薦
2014年07月10日 毎日新聞

 文化審議会は10日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界文化遺産」の2016年登録を目指し「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本両県)を推薦することを決めた。政府の関係省庁連絡会議を経て、9月中にユネスコに暫定版の推薦書を提出する予定。

 「長崎の教会群」は16〜19世紀のキリスト教伝来と信仰の歴史を示す資産。教会、城跡、歴史的景観の三つの特性を持ち、大浦天主堂(長崎市)▽「島原の乱」の舞台となった原城跡(長崎県南島原市)▽熊本県天草市の崎津(さきつ)集落−−など13件で構成する。

 今回は、長崎の教会群のほか、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群(北海道、青森県、岩手県、秋田県)▽宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)▽金を中心とする佐渡鉱山の遺産群(新潟県)▽百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群(大阪府)−−の計5件を対象に審査した。

 長崎の教会群を選んだ理由について、同審議会担当部会長の西村幸夫・東京大先端科学技術研究センター所長は、世界遺産の登録条件である普遍的価値と保存措置の両面で「推薦準備が他の4件より整っている」と説明。審議の過程で、4世紀にわたるキリスト教を通じた日本と西洋の価値観の交流を物語る▽地域固有の生活環境、地理的環境などを背景に独特の文化的伝統が形成された−−ことなどが評価されたという。

 西村部会長は、他の4件について「更なる調査や準備すべきことが残っている」と指摘した。

 各国からの世界文化遺産の推薦は原則として、年1件に制限されている。長崎の教会群は昨年、15年の登録候補として文化庁が推薦したが、内閣官房が推す「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡、長崎など8県)に競り負けた。「産業革命遺産」は長崎市の端島(はしま)炭坑(通称・軍艦島)や北九州市の官営八幡製鉄所など23件で構成される。【三木陽介】

 ◇長崎の教会群とキリスト教関連遺産の構成資産

 <1>大浦天主堂と関連施設(長崎市南山手町)
 <2>出津教会堂と関連遺跡(長崎市西出津町)
 <3>大野教会堂(長崎市下大野町)
 <4>日野江城跡(南島原市北有馬町)
 <5>原城跡(南島原市南有馬町)

 <6>黒島天主堂(佐世保市黒島町)
 <7>田平天主堂(平戸市田平町)
 <8>平戸島の聖地と集落(平戸市下中野町など)
 <9>旧野首教会堂と関連遺跡(小値賀町野崎郷)
 <10>頭ケ島天主堂(新上五島町友住郷)

 <11>旧五輪教会堂(五島市蕨町)
 <12>江上天主堂(五島市奈留町)
 <13>天草の崎津集落(熊本県天草市河浦町)

 ※天草市以外は長崎県


人々の悲しみに寄り添う「臨床宗教師」養成へ 震災機に龍谷大、西日本初

人々の悲しみに寄り添う「臨床宗教師」養成へ 震災機に龍谷大、西日本初
2014.2.27 産経新聞

 東日本大震災を機に認証が始まった「心のケア」を担う宗教者「臨床宗教師」を、龍谷大大学院(京都市下京区)が養成することになり、27日、同大が発表した。平成26年度に在学生向けの研修を始め、翌27年度以降は社会人にも門戸を広げる。全国2例目で、西日本では初の試み。

 臨床宗教師は、宗教や宗派の違いを超え、被災地や医療現場などで人々の悲しみに寄り添う宗教者。教会以外で活動する欧米の牧師「チャプレン」をモデルに、東北大大学院が24年度に養成講座を設けた。これまでに宗教者57人が認証されている。

 龍谷大大学院では4月から、東北大大学院と連携し、浄土真宗の教義を学ぶ既存の科目に加えてグリーフ(悲嘆)ケアを研究する必修科目を新設。実習で、東日本大震災の被災者や緩和ケア病棟の患者、広島の被爆者らへの傾聴を行う。

 1年間の研修後に修了証を交付。鍋島直樹教授(真宗学)は「苦しみや悲しみに全人的に向き合える宗教者を育てたい」と話した。


・「臨床○○○」という名称はさまざまある。この臨床宗教師なるものも分かりにくいものであるが、欧米のチャプレンを想定したものということである。

2012年4月から東北大大学院文学研究科に実践宗教学寄附講座が開設された。そして2014年4月から龍谷大大学院でも臨床宗教師を養成するという。以下の龍谷大学のプログラムを見ると必要なカリキュラムが分かる。

東北大はとりあえず3年間だけの寄付講座として開設された。龍谷大学は今後とも養成を続けていくことになるのだろう。この契機となったのは東日本大震災での宗教家やボランティア等の援助活動を支援するという目的があるようだ。

(龍谷大学、外部リンク)
心のケア」を実践する宗教者 「臨床宗教師」を養成 龍谷大学大学院実践真宗学研究科と東北大学大学院文学研究科が連携協力する大学院教育プログラムがスタート

日本では病院や施設に宗教家が入っていることは、まだ珍しいことで、欧米の文化とは違う。このような試みがあったことは知らなかったが、心理系には様々な民間資格があり特に死について重点を置くものも多い。近年、こうした研究も盛んであり別に驚くことはない。

グリーフケアにしても傾聴にしても、心理系や福祉系、医療系に加えて宗教系が加わることでさらに複雑な様相となっていくのだろう。ご承知の通り、日本にはカウンセラーの国家資格が未だに存在しない。学界認定や民間資格が乱立しており混乱してしまう。戦争に負けたことにより徹底的に解体された国家宗教と教育の仕組みの負の遺産に未だに苦しんでいるようだ。

他人の悲嘆を受け止めることと、こうした資格制度については直接的に結び付くのかは個人的には分からない。関連の研究成果を学ぶことや実習することで、そうした基本的な態度が身につくかは分からない。一定の宗教的な知識があるからこそ、相手に対して素直に対することがかえってできなくなるような気もする。


4月から「臨床宗教師」養成、東北大と連携- 龍谷大、全国2例目
2014年02月28日 キャリアブレイン

 龍谷大大学院(京都市)は4月から、宗教的な側面から心のケアを行う「臨床宗教師」を養成する講座を開く。初年度は、主に実践真宗学研究科の学生を教育し、次年度以降に社会人まで対象を拡大。既に養成がスタートしている東北大大学院と連携し、東日本大震災の被災地での実習も行う。臨床宗教師の教育プログラムは全国2例目。【敦賀陽平】

 東日本大震災の発生後、医療者や宗教者らが被災地で支援活動を行う中で、家族や友人を亡くした被災者の悲しみに寄り添う「グリーフケア」の重要性が高まった。

 東北大は一昨年春、教会以外の場所で活動する欧米の聖職者をモデルに、臨床宗教師の養成講座を全国で初めて開設。同大では、これまで57人が臨床宗教師の認証を受けている。

 新設される講座では、東日本大震災の被災地のほか、病院や社会福祉施設などでの実習を取り入れながら、学生自身の死生観や人生観などを養う。期間は1年間で、初年度は5-10人の受講生を予定している。

 臨床宗教師の認証を受けた卒業生は、終末期医療やリハビリテーションの現場などでの活躍が期待される。龍谷大によると、実践真宗学研究科には、医師や看護師の資格を持つ学生もいるという。同大では4月24日、講座の開設を記念するシンポジウムを京都市内で開く。



制度の背景と問題点
「臨床宗教師」の可能性を社会のニーズから探る~「臨床宗教師」をめぐる考察 前編~
2012/06/01 宗教情報センター

「臨床宗教師」資格制度の可能性を探る~「臨床宗教師」をめぐる考察 後編~
2012/06/07 宗教情報センター


追記

宗教者と医療・介護現場の橋渡し役に
2014年08月14日 キャリアブレイン

 関西の仏教者らでつくるNPO法人「ビハーラ21」は9月にも、一般社団法人「臨床宗教師・ビハーラ協会」を設立する。東北大などで養成が始まっている「臨床宗教師」と医療・介護現場をつなぐ橋渡し役を目指す。同大の実習先にも指定されている岐阜県大垣市の沼口医院に本部を置き、沼口諭院長が代表に就任する。【敦賀陽平】

 臨床宗教師は、患者や家族らの心のケアを担う宗教者で、2012年春に同大大学院で養成が始まった。今年4月からは、龍谷大大学院(京都市)でも養成プログラムが開設され、その動きは全国に広がりつつある。

 だが、修了者が医療や介護の現場で働きたいと思っても、仲介する組織がないため、個人がボランティアとして活動することが多かった。また、宗教に対する誤解などから、トラブルに発展するケースもあったという。

 ビハーラ21の三浦紀夫理事は、「臨床宗教師を必要としている病院や福祉施設などの声を集め、修了者とのマッチングなどの支援を行っていきたい」と話している。


キリシタン史料、バチカンで発見 1万点を公開へ

キリシタン史料、バチカンで発見 1万点を公開へ
2014/2/13 中日新聞 夕刊

 カトリックの総本山バチカンの図書館で、江戸時代のキリシタン禁制に関する史料約一万点が見つかったことが分かった。一九三二年から五〇年に大分県を拠点に活動したイタリア人神父が集めた臼杵(うすき)藩(現大分県)などの文書群で、世界的にも厳格だった近世日本のキリスト教弾圧の研究が深まりそうだ。

 これほど大量のキリシタン文書群が確認された例はないという。日本の研究チームとバチカンが合同で調査や史料整理を進めている。インターネットでの史料公開も目指す。

 文書群は二〇一一年、バチカンの図書館の改修時に見つかった。教会関係者から連絡を受けた大分県立先哲史料館(大分市)の職員が現地を訪問、大分の教会にいたサレジオ会の宣教師マリオ・マレガ神父(一九〇二~七八年)が集めた文書群と確認した。戦前、戦後の混乱期に処分されそうになった個人蔵の古文書などを集め、イタリアに送っていたとみられる。

 史料は藩が幕府や長崎奉行所と交わした文書などで、禁教が強化された江戸初期のものが多い。改宗した「転びキリシタン」の子孫が埋葬されたことを村の役人たちが藩に報告した文書もあり、改宗者の親族も徹底した監視の対象としたことがうかがえる。

 調査は、神父の名前にちなみ「マレガ・プロジェクト」と命名された。代表を務める国文学研究資料館(東京都立川市)の大友一雄教授(アーカイブズ学)は「時期的、内容的にも多岐にわたる史料だ。宗教の自由を制限された人々の生活がどのようなものか、現代を照射する研究の進展にも期待できる」と述べた。

◆人々の生活見える
 <大分県立先哲史料館の佐藤晃洋館長の話>
 これだけ大量の史料であれば、地元に残っている古文書や遺跡、遺物と合わせて研究することで、江戸時代に暮らしていた人々の生活が、より具体的にきめ細かく見えてくることが期待できる。また、デジタル史料として公開されたら、県民をはじめとして、広く郷土の歴史に興味を持ち、調べてもらうきっかけにもなる。


・日本関連1万点の資料が残されているという。すでに刊行されている「豊後切支丹史料」の原資料となったもので未整理のものが多数含まれている。

前に紹介したドキュメンタリーでバチカン市国図書館の資料保存についても触れていたが、バチカンが布教のために世界各地に赴いた宣教師らによって収集したものは単に宗教関連資料のみではないだろう。半ば原住民族から収奪したものもあるだろう。それら世界各地の資料保存が十分でないことを伝えていた。保存する資金と人材が不足しているためだ。

発見とは、つまり倉庫に無造作に入れたあったものを整理していたら出てきたということであり、つまり収蔵目録すらも整備できていないというのがバチカン市国図書館の現状なのだ。

記事に書かれていたことで面白いと思ったのは、「世界的にも厳格だった近世日本のキリスト教弾圧の研究」という見方だ。キリスト教を最初に信じた日本人たち、それは日本人だからというよりも最初に信じた人たちの思いを感じることになるだろう。

日本人が外来宗教を受容していく、それも国家でなく個人としての過程を知ることは現在の日本文化を考える意味で興味深いことだろう。この時代の大きな資料はイエズス会によって記録・収集された資料が中心だろうから、藩と幕府の見方を知るものとして価値はある。また江戸時代初期のキリスト信仰についても風俗を含めて学ぶことができるかもしれない。


記事に記された研究機関だが初耳である。国文学研究資料館は次のような組織の一部である。

人間文化研究機構  http://www.nihu.jp/

大学共同利用機関法人。国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、国際日本文化研究センター、総合地球環境学研究所、国立民族学博物館から成り、総合研究大学院大学を構成する。

国文学研究資料館  https://www.nijl.ac.jp/

大分県立先哲史料館  http://kyouiku.oita-ed.jp/sentetusiryokan-b/


バチカンで近世豊後のキリシタン文書発見
2014年01月25日 大分合同新聞

 カトリックの総本山バチカンのバチカン図書館で2011年に見つかった約1万点の文書が、マリオ・マレガ神父(1902~78年)が大分地区在任期間(32~50年)に収集した近世豊後のキリシタン関係史料だったことが24日までに、人間文化研究機構(東京都港区)などの調査で分かった。マレガ神父は集めた文書を基にして「豊後切支丹史料」を刊行していたが、原本の所在は長い間不明だった。見つかった史料には同史料集未収録の膨大な文書も含まれていて、今後は禁教下の豊後キリシタンの研究が進むと期待される。

 史料は臼杵藩や岡藩などの藩庁文書、豊後各郡での踏み絵や宗門改などキリシタン禁制政策の実施状況、改宗した元キリシタンの縁者や子孫の動向を監視した「類族調べ」など。マレガ神父の文書整理や刊行に関わるイタリア語のメモなどもある。大分県立先哲史料館の職員らがバチカンを訪れて確認した。

 バチカン図書館と人間文化研究機構(代表機関=国文学研究資料館)、県立先哲史料館、東京大学史料編纂(へんさん)所が連携し、2014年度から「マレガ・プロジェクト」に本格的に着手。6カ年計画で文書目録の作成、写真画像撮影などによるデータベース化を進め、公開して研究利用できるようにする。

 バチカンから大分地区に派遣されていたマレガ神父は豊後キリシタン関連の文書を集めて1942年に「豊後切支丹史料」、46年に同続編を刊行した。同史料集に収められた文書は江戸時代初期から幕末までを網羅し、研究者の間では近世豊後キリシタン研究に必須の史料といわれていた。

 同機構によると発見された文書は、防虫のために保存袋にガスを入れた状態で密封され計21袋あった。マレガ神父が古書店などで購入し、第2次世界大戦中から戦後にかけて、バチカン図書館に送付したと考えられるという。同史料集収録の文書の原本は2袋に収納され、他の19袋には未収録の文書が入っていた。

 プロジェクト代表の国文学研究資料館研究主幹の大友一雄教授(アーカイブズ学)は「これほどの規模のキリシタン関連文書は国内では確認されていない。近世日本のキリシタン禁制は厳格な仕組みであり、世界的なキリスト教史研究にも活用できる」と話した。

宗教統制解明も

 バチカン図書館で発見された近世豊後のキリシタン関係史料は主に、江戸幕府によるキリスト教の弾圧が激しかった時代のもの。1万点に及ぶ膨大な史料の研究によって豊後キリシタン史とともに、世界的にも珍しいとされる江戸幕府の徹底したキリスト教禁教システムの解明が進む可能性がある。

 キリシタン大名の大友宗麟の統治やフランシスコ・ザビエルの布教活動によって花開いた豊後のキリシタン文化は、近世に入ると厳しい弾圧・迫害にさらされた。大分教会に赴任し第2次世界大戦前後にかけて史料を収集したマリオ・マレガ神父は、特にキリシタン弾圧が進んでいった江戸時代初期に関心を寄せていたとみられる。

 マレガ神父が刊行した「豊後切支丹史料」には、殉教者や奉行所が置かれた長崎に連行された信者の情報、踏み絵の方法、キリシタンから改宗したことを示す証文などを収録。元キリシタンの子孫の動向調査は出生や結婚、転居、死亡、葬送法に至るまでを監視し、幕閣や長崎奉行、大名との間で情報をやりとりしていたことが分かる。

 既刊史料集には、今回発見された文書の一部分しか活用されておらず、県立先哲史料館の佐藤晃洋館長は「原本を調査できる意義は大きい」と話す。県内に多数残る庄屋文書などの古文書、キリシタン関係遺跡と合わせて調査研究を進めることで、近世の豊後キリシタン史と幕藩体制下の宗教統制の実態解明が進むかもしれない。佐藤館長は「史料の調査・研究、データベース化を進めて、将来的には県民の皆さんに役立ててほしい」と期待する。

 文書は2011年、バチカン図書館の改修作業中に偶然見つかり、ラッファエレ・ファリーナ前館長から、親交のあるカトリック・サレジオ会の溝部脩神父(別府市出身)に情報がもたらされた。12年に溝部神父と県立先哲史料館職員がバチカンを訪問して文書の存在を確認、13年11月に人間文化研究機構とバチカン図書館との間で史料の調査・研究協力に関する協定が結ばれた。

<ポイント>
 マリオ・マレガ神父
 1902年イタリア生まれ。ウィーンやトリノで教育を受け、カトリックのサレジオ会員になる。29年に来日し、大分・別府などで伝道。大分教会の主任司祭を務め、大分市のカトリック海星幼稚園を開いた。豊後に多かったキリシタンの歴史に関心を寄せ、史料の収集・紹介やキリシタン遺跡の調査に努めた。古事記など日本の古典文学のイタリア語訳もした。収集した日本の古典籍は、サレジオ大学(ローマ)でマレガ文庫として公開している。


極秘軍事施設 エリア51の真実

極秘軍事施設 エリア51の真実
ナショナル ジオグラフィック
原題:Inside: Area 51's Secrets
制作/2010年アメリカ 本編45分

政府にも存在を認められていない厳重に隠された軍事施設。その秘められた驚きの内情とは?

UFOや宇宙人の避難先と噂される極秘軍事施設、エリア51。
世界的に有名であるにもかかわらず、アメリカ政府もアメリカ空軍もその存在を認めていない。ところが今回、エリア51で働いていたことがあるという内部関係者数名が、その内情を暴露した。また番組では機密解除された情報を基に、驚くほどの進歩を遂げた技術についても検証。核兵器を積んで挑んだミッションは果たしてどのような結末を迎えたのか。長い間、誰もが口を閉ざしてきたエリア51。果たしてその真実の姿とは…?

チャプターリスト(抜粋)
衛星写真に写る極秘基地/職員に求められた資質/アクアトーン計画/UFO目撃談の真相/冷戦期の軍拡競争/オックスカート計画/世界初のステルス機/ソ連との偵察合戦/事故の隠蔽工作/一握りの真実


・以下の外電にあるように、つい最近米政府も、その存在を認めていたということで公文書公開が徹底している米国の仕組みを感じた。

この番組の内容は、それ発表以前に作られたものであるが冷戦下の米ソ関係が色濃く反映されたものとなっている。簡単に言うと、当時のエリア51施設では軍事偵察機の開発・実験を極秘裏に行う米国の施設であり、そのためにいろいろな憶測を呼んでしまったということだ。

よく報道されるのだが、1950年代の米ソ関係は現実的に核戦争を想定したと言ってよい。そのために当時は軍事偵察機による敵地の偵察が最重要任務となり、高度を超高速で飛びながら写真撮影をする機体が必要であったということだ。

番組に出演したエリア51施設で働いていた関係者らの証言からは、厳しい情報統制下でCIAと軍、ボーイング社が軍事偵察機製造を進めていた実態が分かった。ただ番組の最後に彼らが語っていたのは、今でもしゃべれるのは5%のことだと念を押していた。また兵器製造に参画していることを家族にさえ秘密にするという制約のなかで家族が破たんした人も大勢いたという。

さてUFOや宇宙人などと結び付けられて語られてきたエリア51施設だが、明らかになったことはU-2やオックスカートという軍事偵察機の製造・試験飛行を行う極秘施設であったという極めて分かりやすいことだ。情報開示が進めば1950年代以降に、どのような兵器開発が行われていったのかもいずれ明らかになることになるだろう。

SF好きな私としてはUFOや宇宙人の話題も面白いのだが、それを吹聴して生活している人たちに惑わされてきた経験から、自分の理解の範疇にないことはタッチしない方が良いと考えている。UFOを見たり宇宙人に拉致されたという人が山ほどいるのだが、その真偽は極めて怪しいものだと思う。人間は見たいものを見るのだ(見たと思い込む!?)と思う。

このエリア51施設で働いていた人たちすらも、自分の関わる業務以外の情報に接することはなかった。つまり全体として分かっている人はホンの一握りだということだ。それが情報統制の肝に違いないのだから。彼らはトップシークレットの中で国のために働いたということだ。現代でも、そうした人たちは大勢いることだろう。

軍事研究は実は科学・技術を発展させる重要なカギであることは知られている。第二次世界大戦を経ることで大きく発展したものが民生技術として現代に活かされるという側面が強い。インターネット技術もしかりである。国家が総力をあげて取り組むので当然のことだろう。

何か夢のある話かと思いきや、今も続く国家間の緊張を背景とした取引の一幕を見た思いが残った。どの国においてもエリア51施設に類するものは存在しているのだろう。


米当局が「エリア51」の存在認める、UFOや宇宙人に言及せず
2013年08月19日 ロイター

地球に飛来した未確認飛行物体(UFO)や宇宙人の研究がひそかに行われているという説の舞台となってきた米西部ネバダ州の「エリア51」について、米政府がこのほど、その存在を初めて認めた。

ジョージ・ワシントン大学の研究者による米偵察機に関する情報公開請求を受け、中央情報局(CIA)が機密指定を解除した公文書で明らかになった。

今回公開された400ページにわたる公文書によると、同州ラスベガスの北西約130キロに位置するエリア51は1950年代に建設され、CIAがU2偵察機など軍用機の開発を行ってきた施設とされている。宇宙人やUFOについては触れていない。

情報公開請求を行ったジェフリー・リケルソン氏は「エリア51という言葉やその正確な所在地を当局が認めたのは初めてだ」と話した。[16日 ロイター]


人生いろいろ:奇跡の詩人とニセ作曲家

† 聴覚障がいを持つ被爆二世、現代のベートーヴェンとマスコミが称賛していた作曲家作品が実はゴーストライターたる別の作曲家の作品であることが分かった。この件で本当の作曲者が記者会見をし私も共犯者だとし経緯を話した。その障がいにも疑義があるという。問題の作曲家は逃げ回っているようだ。NHKではNHKスペシャル、そして代表作とされた交響曲全曲を完全収録し放送し、いくつかのCD・DVD・本が出版されベストセラーになった。

‡ 完全密着として制作されたNHKスペシャルでは作曲過程をおっていたはずが、それが他人の作品であることを見抜くことができなかった。NHKスペシャルでは過去にも奇跡の詩人として紹介した子どもの作品が、実は親の創作である!?との疑問視された事件があった。クラシック音楽界では久しぶりの新星として異常なほど持てはやされたが、それはニセ作曲家自身の巧みな嘘と演出、業界の宣伝や評論家の力不足が裏目に出てしまった格好になった。彼の作品は封印され二度と公開の場で演奏されることはないだろう。放送された交響曲を聴いてみたが私は感動できなかったし理解できなかった。そして身の上についても障がい者だからといった見方はしなかったし関心すらなかった。これから更に真相が明らかになっていくだろうが、クラシック音楽界の汚点として記憶されることだろう。


追記 専門家による音楽内容に沿った解説

偽ベートーベン事件の論評は間違いだらけ
あまりに気の毒な当代一流の音楽家・新垣隆氏

2014.02.08 JPPRESS 伊東 乾
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39905

「クラシックの死」を招かないために~指揮者・大野和士氏の警告
2014年2月9日 YAHOO!ニュース 江川 紹子
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140209-00032494/


【社説】作曲別人問題 虚構だらけの罪は重い
2014年2月7日 中日新聞・東京新聞

 「現代のベートーベン」と称賛された作曲家の作品は、別人が書いた虚構の産物だった。原爆で傷ついた人や大震災の被災地の人々の希望や夢も、一瞬にして欺いたその罪はあまりに重い。
 広島出身で被爆者の両親を持つ作曲家として知られる、佐村河内(さむらごうち)守氏の「交響曲第一番 HIROSHIMA」など一連の曲は、東京の音楽大学に勤める非常勤講師が作っていた。
 音楽界では、作曲者が助手たちに譜面を書く作業を手伝ってもらうケースなどはある。
 しかし、十八年間、佐村河内氏の“影”に徹した講師が記者会見で明かした制作の実態は、驚くような偽りにまみれていた。
 佐村河内氏は講師に曲のイメージを言葉や図にした「指示書」を渡す。講師がそれを参考にしながら楽曲を完成させる。
 楽譜の書けない佐村河内氏は試作テープを聞きながら、「この音は少し高く」などと変更を指示するだけで、作曲には関与しない。
 「三十五歳で完全に聴力を失った」など、自伝に書かれていることはうそで、会うときは必ず二人だけになり、会話も普通にできたという。
 身代わりは一時で終わらなかった。精魂込めた曲が佐村河内氏のものとして発表され、「天才作曲家」として栄誉を集めるほどに、良心が痛んだと言う講師の気持ちは分かる。最初から二人の共同制作として発表していれば問題は起こらなかったろう。
 CD「交響曲第一番 HIROSHIMA」はクラシック界では異例の十四万枚余が売れた。「被爆二世」「聴覚障害」「震災被災地へのレクイエム」-。
 悲しいことだが、人の痛みや苦しみを逆手に取ったような作曲家の“物語”は、話題に頼りがちな業界にとって格好のビジネス文句だったのではないか。映像メディアも含めて虚像づくりを担った責任はある。
 「私は共犯者です」と謝罪した講師の姿は痛々しかった。受け取った報酬も二十曲でわずか七百万円。遅きには失したが、この告白がなければ、フィクションはこの先も続いたはずだ。佐村河内氏は逃げないで、真実を説明すべきだ。
 二人の作曲家は、原爆被爆者や被災地の人々、音楽ファンの信頼を損ねてしまった。だが、音楽の持つ力は失われない。絶望に光を当て、慰め、希望に変えていく力があると信じたい。



「視聴者におわび」とNHK会長 別人作曲問題で
2014/02/13 共同通信社

 NHKの籾井勝人会長は13日の定例記者会見で、「両耳の聞こえない作曲家」として知られた佐村河内守さんを取り上げた番組「NHKスペシャル」について、「結果としてだまされた、気が付かなかった。視聴者には真実と違う放送になってしまったことをおわびするしかない」と述べた。

 NHKは昨年3月、佐村河内さんに密着取材したNHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」を放送していた。

 籾井会長は「本人が作曲していないということにまで気が付かなかった」と説明。NHKは同番組のプロデューサーから聴き取った内容など、詳細については「調査中なので、差し控える」としている。



佐村河内さんの番組でおわび=NHK会長、検証番組も検討
2014年2月13日 時事通信社

 NHKの籾井勝人会長は13日の定例記者会見で、別人に作曲を依頼していた佐村河内守さんを取り上げたNHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」(昨年3月31日放送)について、「結果として真実と違う放送になってしまったことについては、おわびをするしかない」と陳謝した。

 同局は、詳しい制作過程について関係者への聞き取り調査を進めている。その結果を踏まえた検証番組を放送するかについて、籾井会長は「現場とよく相談して、検討させていただきたい」と述べた。



参考

佐村河内さんの謝罪文要旨 2014/2/12

 私の起こしたことについて深く謝罪したいと思いペンを取りました。すぐに説明できなくて申し訳ありませんでした。決断するのに時間がかかってしまったのです。CDを買った方々、応援してくださった方々、音楽関係の方々、私のうそによって番組を作った方々、本やインタビューの記事を出してくださった方々、大切な本番の直前に騒動に巻き込んでしまった高橋大輔選手、被爆者の人たち、被災者の人たち、障害者の人たち、広島市の関係者、友人、家族等、多くの人たちを裏切り、傷つけてしまったことをおわびします。

 新垣さんとの関係については、新垣さんが話しておられる通りです。私の音楽経歴についても大体、新垣さんが話された通りです。自分を偽って生きてきたことを深く恥じています。私の要求に18年もの間応じてきたことから、人生が狂ってしまった新垣さんに対しても、おわびしたい。ただ、耳のことについては、新垣さんが、出会った初めころから聞こえていたはずだと言われているのは事実と違います。耳が聞こえなくなって手話サークルに参加、聴覚障害2級で手帳を持っていることは間違いありません。耳が聞こえず、ひどい耳鳴りに悩まされ続けていたことは本当です。

 耳のことは、最初弁護士さんにも正直にお話しできなかったので、説明します。実は最近になって、前よりは少し耳が聞こえるようになっています。3年前くらいから、耳元ではっきり、ゆっくりしゃべってもらうと、こもってゆがむ感じはありますが、言葉が聞き取れるときもあるまでに回復していました。ただし体調に左右され、体調が悪いときは耳元ではっきりゆっくり話してもらっても聞き取れないこともあります。しかし2月4日に初めて弁護士さんに会った時は、今も全く聞こえないと言ってしまいました。新垣さんに作曲してもらったことがバレることによって起きることで頭がいっぱいで、耳のことについて本当のことを言えませんでした。音楽的経歴のこともそうですが、他のうそのことを話すと、引き受けてもらえないと思ったのです。

 新垣さんの会見で耳のことが問題になっていると聞き、本当のことを言わなくてはと思い、2月7日に、少し聞こえるようになっていると話しました。この時、人の言葉は聞き分けられないと説明したのですが、いろいろな情報が出ていると聞き、これ以上うそはつけないと思い、2月9日になって、人の言葉も聞き分けられるときがあることを告白しました。弁護士さんからは、最初から聞こえていたのではないかとも質問されましたが、それだけは違います。全然聞こえなくなって聴覚障害の認定を受けていたこと、3年前くらいまでは聞こえていなかったことは真実です。これ以上うそにうそを重ねるのはやめると決めました。

 ここに書いてあるのは天地神明に誓って事実です。耳の専門家の検査を受けてもいいです。2級ではないと判定されれば手帳は返します。

 私と新垣さんの関係は二人きりの秘密。うそがバレると身の破滅だと恐れ、誰にも話していません。妻も新垣さんを知っていますが、作曲の仕方などを教えてもらっているとしか説明していません。妻にもつらい思いをさせています。妻が望むなら離婚してもいいです。

 私が被爆2世であることも真実。両親は共に広島で被爆し、2人とも被爆者手帳を持ってます。

 私がやったのは売名行為と見られても仕方のないこと。しかし、ある時期からは被爆者や震災の被災者、障害者たちの助けになればという気持ちもありました。本当に取り返しのつかないことをしてしまいました。

 新垣さんに作ってもらった楽曲は、私のことさえなければ、後世に残るはずです。今はこの楽曲が生かされ、周りの方々の被害が少なくなるようにしてもらいたいと思います。気持ちが整理できましたので、近いうちに必ず公の場で謝罪をさせていただきます。



追加参考 外部リンク
【全文】佐村河内守氏、謝罪会見 「聴力障害は本当」「新垣氏はウソをついている」
2014.03.07 logmi(ログミー)


佐村河内氏ボロ儲け、著作権料返還免除へ
2014年2月14日 日刊スポーツ

 ゴーストライター問題の渦中にあり、現在の「全聾(ろう)」状態もウソだと告白した作曲家佐村河内(さむらごうち)守氏(50)が、これまで得た著作権料の返還を免れる方向であることが13日、分かった。

 今回の問題では、桐朋学園大非常勤講師の新垣隆氏(43)が、18年間にわたって佐村河内氏のゴーストライトをしていたことを発表。佐村河内氏もそれを認めているが、音楽の著作権を管理する日本音楽著作権協会(JASRAC)広報担当者によると、(1)新垣氏と合意がある(2)18年の長期間にわたっていることを考慮し、「JASRACが過去にさかのぼって佐村河内氏に支払った著作権料の返還を求める可能性は低い」という。

 佐村河内氏の名義で11年7月20日にリリースされた「交響曲第1番 HIROSHIMA」は、クラシックでは異例の18万枚の出荷があり、同作の売り上げやコンサート使用料などで既に数千万円を得たと推定。他に映画音楽、ゲーム音楽なども多数手掛けたことになっており、総収入は1億円超とみられる。一方、新垣氏は18年間で20曲以上を代作し、約700万円を得たことを明かしている。

 ただ、「全聾ながら自ら作曲している」と装っていた佐村河内については今後、CDや楽譜などを扱う会社などから損害賠償請求があるとみられ、展開によっては著作権料で築いた財産を差し押さえられる可能性もある。しかも、今後については、本当の作曲者の新垣氏が、「放棄する」と宣言していることから、それらの楽曲が「著作権なし」として扱われることが濃厚。関係者によると、現在は両氏の代理人が「曲を利用する人に迷惑をかけないように話し合っているところ」といい、JASRACは「権利の帰属が明確になるまでは、(佐村河内氏作品の)利用許諾を留保する方針」としている。



佐村河内氏の代理人が辞任 別人作曲問題
2014年2月15日 朝日新聞

 「全聾(ろう)の作曲家」と呼ばれ、別人による代作が問題になっている佐村河内守さん(50)の代理人を務めていた弁護士2人が「代理人を辞任した」と15日、報道機関あてのファクスで公表した。佐村河内さんのCDを出していた日本コロムビアにも連絡が入った。辞任の理由について弁護士は「守秘義務の問題があり、お答えできません」としている。

 辞任したのは、折本和司、若松みずきの両弁護士。これまでの両弁護士の説明では、今月4日、佐村河内さんからの依頼を受け、初めて面会し、「自作と偽り他人に楽曲制作を頼んでいた」とする内容の説明を受けた。その際、聴力について「今も全然聞こえない」との説明があったという。これを受けて、翌5日未明に代作の事実を報道機関に公表した。

 ところが、実際の作曲者である新垣隆さんが6日の記者会見で、「初めて彼と会った時から、耳が聞こえないということを感じたことは一度もありません」と発言。すると、翌日には佐村河内さんが弁護士に「実は3年前くらいから少しずつ聴力が回復している」と説明を変えたという。



佐村河内氏「作曲は神聖」とNHK撮影断る
2014年2月21日 日刊スポーツ

 NHK放送総局長会見が20日、東京・渋谷区の同局で行われ、作曲家佐村河内(さむらごうち)守氏(50)の問題について、複数の番組を放送したNHKの事情を石田研一放送総局長が説明した。

 「診断書とか障害者手帳を持っていた。手話通訳もいて疑いを持てなかった」「作曲場面の撮影も要求したが、『神聖なもの』と言われ、撮らせてもらえなかった」。また、騒音で健常者が大声を出すような状況でも同氏が同じ調子で話していたことも明かした。NHKは、事前にゴーストライター問題の情報を入手。公表前の今月4日に本人に面会して確認した際も手話通訳はいたという。



放送総局長会見 2014/2/20 NHK
Q:NHKスペシャル「魂の旋律」について
A:(石田総局長)
 結果として、佐村河内氏本人が作曲していなかったということや聴力について事前にチェックできなかった。番組の作り手としては大変重く受け止め、視聴者の皆さまや番組の制作に協力していただいた方々にお詫び申し上げる。番組の出演者や関係者の方々には、今、担当者が説明とお詫びをしている。検証番組ついては、調査した結果、考えることで、現段階ではまだ何も決めてない。

Q:担当ディレクターは知っていたのではないか?
A:(石田総局長)
 これまでの調査では知らなかったと言っている。番組を担当した他のディレクターやスタッフも今回のことに気づくことができなかった。

NHK、佐村河内さん番組を検証
2014年3月14日 時事通信

 NHKは14日、別人に作曲を依頼していた佐村河内守さんをNHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」(昨年3月放送)などで取り上げたことについて、放送に至った経緯の調査結果を16日午前11時から総合テレビで生放送する「とっておきサンデー」の中で伝えると発表した。

 同局はこれまで「スタッフは本人が作曲していなかったことを知らず、耳が聞こえるかどうかの疑いもなかった」(石田研一放送総局長)と説明し、事前にチェックできなかったことを謝罪している。

 

<NHK>佐村河内氏番組の経緯、16日報告
2014年3月14日 毎日新聞社

 佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんが主要曲を他人に代作させていた問題をめぐり、NHKは16日午前11時からの情報番組「とっておきサンデー」(総合)で、過去の番組が「放送に至るまでの経緯」を報告する。広報部が14日に発表した。「番組後半で放送するが、出演者や時間などは調整中」という。

 NHKスペシャル「魂の旋律〜音を失った作曲家〜」(昨年3月31日放送)をはじめ、同局は佐村河内さんが聴覚を失いながら作曲を続ける様子を再三取り上げた。しかし先月、佐村河内さんは代作者の存在と、全ろうではないことを認めた。籾井(もみい)勝人会長は同月の定例記者会見で「結果としてだまされた」と謝罪し、検証の必要を認めていた。



佐村河内氏番組検証でNHKが謝罪
2014年3月16日 日刊スポーツ

 NHKが16日、ゴーストライター問題を会見で謝罪し、現在の全聾(ろう)状態をウソだと告白した佐村河内(さむらごうち)守氏を取り上げた「NHKスペシャル」などの番組の検証結果について、発表した。同日放送された情報番組「とっておきサンデー」(日曜午前11時)内で報告した。

 同局生活・食料番組部の松本浩司氏が出演し、「心からおわびを申し上げます」とあらためて謝罪した。視聴者からの批判などを受け、再発防止に向けて、番組企画の提案からの過程を調査したという。制作チームやカメラマン、佐村河内氏本人にも聞き取りを行ったという。

 まず、佐村河内氏が自分で曲を作っていなかったことについて、制作チームが疑問に思わなかった理由について説明した。番組企画の提案段階では、「佐村河内氏はすでに音楽家から評価されていました」とし、「クラシック番組の担当者からも、専門家に取材をしました。佐村河内氏について、音楽界の中で評価は分かれているということでしたが、作曲をしていることについて、疑わせるような情報はありませんでした」と説明した。

 撮影中は、番組スタッフが、佐村河内氏に譜面を書くところを撮影させてほしいと何度も交渉したが、同氏から「神聖な作業である」として断り続けたという。同様の番組を制作する際、創作の現場を撮影できないことが少なくないことから、作曲シーンの撮影を断念することになったという。交渉のやりとりがあった翌日には、佐村河内氏の机の上に、音符が書かれている楽譜が置かれていたという。NHK側が今月8日に佐村河内氏に問いただしたところ、曲を作ったとされる前日に、18年間ゴーストライターをしていた新垣隆氏から譜面を送ってもらい、引きだしの中に入れておくことによって、一晩で書いてあるように見せかけたという。

 さらに、このような経緯があったにもかかわらず番組側が疑問を持たなかった理由については、佐村河内氏が書き上げた曲の構成イメージ図がポイントだったと説明。佐村河内氏は曲のイメージや全体構成をすらすらと書いたという。図の中には、アレグロ、超絶技巧など、具体的な言葉を使ったイメージがつづられていたため、当然本人が作曲しているものと判断したという。なお、完成した曲のイメージは、図に書かれていたものと同じだったという。

 また、佐村河内氏の聴力問題についても触れた。番組では、提案段階からたびたび疑問があがっていたという。だが、医療機関による診断書の存在や、撮影中の会話は全て手話通訳者を介して行われていたことから、全聾であると判断したという。途中、同氏が明瞭に話すことを不思議に思ったスタッフもいたが、手話通訳者から「途中から耳が聞こえなくなった人は、これくらい話せることもありますよ」と聞き、納得してしまったという。

 調査結果の報告を終えると、松本氏は「極めて厳しいご意見が寄せられ、深刻に受け止めています」と話した。さらに、「医師の診断書の確認は行いましたが、人道上の観点から、それ以上の確認はしませんでした。経歴に関しては、もっと取材範囲を広げていれば、虚偽を見抜けたかもしれません。社会的に、一定の評価が定着している人を番組で取り上げる時、経歴や評価について、どこまで確認をとるべきか、番組を制作するときの教訓として、重くとらえています」とした。今後は再発防止に向け「制作現場の全てのスタッフが、このようなことが起きうるということを認識し、チェックの精度を高める必要がある」とし、局内のさまざまな研修会や勉強会で今回の問題をとりあげていくという。



参考 NHK調査報告書PDF
佐村河内氏関連番組・調査報告書
2014 年3月16日 日本放送協会

http://www.nhk.or.jp/toppage/report/20140316.pdf

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