介護主夫日記:介護と疲労

† 介護疲れと思われる虐待・殺人・自殺など、報道されると身につまされる思いとなる。以下は、大阪での事件だが詳細は分からないのでアレコレいっても仕方ないのだが、これで良かったのだろうかと思うとともに家族の負担は計り知れないものがあり、自ら後追いした妻の置かれただろう疲労を感じる。良質な介護を提供すれば、それは長生きにつながって負担が継続していくというジレンマだ。疲れという悲鳴を誰にも相談できなかったのだと推測される。

‡ 家族を介護することと職業としての介護は全く異なると感じている。その援助方法は基本として同じかもしれないが、家族だからできること、プロだからできることは自ずと違うものだ。できれば、その関わる割合が偏らないことが良い介護ができるポイントだと思うのだが、こうした面を語れる研究者は少ない。その面では介護保険は極めて使いにくい制度であり、家族はやはり自己犠牲・負担をできないと良質の介護は望めないというのが日本の現状だろう。


「これ以上、介護できません」夫婦、無理心中か
2014年2月1日 読売新聞

 1月31日午後11時25分頃、大阪府豊中市新千里北町の府営住宅1階の一室で、この部屋に住む無職井上正三さん(69)が首に電気コードを巻かれた状態で倒れ、その横で妻洋子さん(61)が頭からビニール袋をかぶり、それぞれ死亡しているのを、府警豊中署員が見つけた。

 自宅は施錠され、室内から「これ以上、介護はできません」などと洋子さんが書いたとみられるメモが見つかったことから、同署は洋子さんが無理心中を図ったとみて調べている。

 発表では、井上さん方は夫婦2人暮らし。井上さんは認知症を患い、ほかに人工透析の治療も受けていたという。31日午後2時頃、利用していた訪問看護師が玄関先で洋子さんに追い返されたため、不審に思って市の福祉事務所に連絡し、同事務所が同署に通報した。



60代夫婦、遺体で発見 「介護できない」の遺書 大阪
2014年2月1日 朝日新聞

 31日午後11時半ごろ、大阪府豊中市新千里北町3丁目の府営住宅の一室で、住人の無職井上正三さん(69)と妻の洋子さん(61)が死亡しているのを豊中署員が発見した。正三さんの首には電気コードが巻かれ、洋子さんはポリ袋を顔にかぶっていた。「これ以上は介護できません」と洋子さんが書いたとみられる遺書が残されており、府警は無理心中を図ったとみて調べている。

 同署によると、正三さんは慢性腎不全で人工透析を受けていて、介護が必要な状態だった。見つかったときは仰向けで、布団が掛けられていたという。洋子さんはそばに倒れていた。

 正三さんは1月28日に透析を受けたが、30日に病院の関係者が自宅を訪ねた際に洋子さんが「(正三さんは)外に出て、いない」と話した。31日に訪問看護の担当者が訪れた際にも正三さんに会えず、市の福祉事務所が警察に連絡した。

 近くに住む主婦(51)は、井上さん夫婦がいつも一緒に、支え合うように歩いているのを見かけたという。「なぜ、こんなことになってしまったのか」と話した。


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バチカンは「条約違反」=国連「子供の権利委」―児童性的虐待の対応批判

バチカンは「条約違反」=国連「子供の権利委」―児童性的虐待の対応批判
2014年2月5日 時事通信社

 国連の「子供の権利委員会」は5日、バチカン(ローマ法王庁)に対する審査報告で、カトリック聖職者による世界的な児童性的虐待問題に深刻な懸念を表明した。「バチカンは犯罪の規模を認識していない」と対応の甘さを厳しく批判。犯罪に関わった聖職者の即時排除や、問題の全容調査と結果の公表を求めた。

 サンドバーグ委員長はジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、バチカンは子供の人権保護を目的とした「児童の権利に関する条約」(加盟193カ国・地域)に違反していると明言した。

 報告書は、性的虐待で問題となった聖職者が繰り返し教区を変えるなど、犯罪の「隠蔽(いんぺい)」が行われたケースがあったと指摘。多くの国で虐待に関わった聖職者がいまだに子供と接触していると強い懸念を示した。

 また、児童性的虐待が聖職者の間では道徳的な罪とされ、「沈黙のおきて」が再発防止を妨げていると強調。聖職者が規範とする教会法を改め、児童性的虐待は「犯罪」と明記するよう求めた。 【ジュネーブ時事】


・そうだバチカンは国家なので、条約として児童の権利条約を批准していれば違反を指摘されても仕方がない。

バチカンの報道では関係者への処分をしたという立場だろうが、国連の専門委員医会の見解は対応が甘いとして、隠ぺいの実態を上げている。

国連の指摘でもあるように、これは犯罪なのであって、聖職者のモラル違反という勝手な解釈を止めて真に子どもの立場に立った対応を求めているといえよう。

バチカンは、これを受けて無視するのかが注目される。ただ国連の専門委員会の指摘は、国家にとっては参考程度のものなので、新法王の本気度が試されていくことになろう。


子どもの性的虐待で法王庁の隠蔽批判
2014年2月6日 NHK

各国でカトリックの聖職者が子どもへの性的虐待を行っていた問題で、国連の委員会は5日、ローマ法王庁の隠蔽体質を厳しく批判するとともに、再発防止策の徹底を求める報告書をまとめました。

国連の「子どもの権利委員会」は先月、スイスのジュネーブで、子どもの権利条約の締約国の1つであるローマ法王庁に対する審査を行い、5日、報告書を公表しました。この中で委員会は、各国でカトリックの聖職者が子どもに対する性的虐待を行っていた問題について強い懸念を示しました。

そのうえで、性的虐待を行った聖職者を、罰することなく別の国へ配置換えにしたり、虐待の事実について通報が行われないようにしたりするなど、ローマ法王庁の隠蔽体質を厳しく批判しました。

そして、第三者も含めた独立の機関によってすべての虐待のケースを調査し、その結果を公表するよう求めるとともに、虐待を知った関係者が司法当局へ通報することを義務化するなど再発防止策の徹底を求めています。

この問題でフランシスコ法王は去年12月、法王庁としての対応を検討するための委員会を設立していますが、国連による報告書で厳しく批判されたことを受けて、より徹底した対策を迫られることになりそうです。

これについてローマ法王庁は5日、声明を発表し、「法王庁はカトリックの教義によって示される価値と条約の趣旨に沿って、子どもの権利を守ることを改めて約束する」としています。

その一方で、ジュネーブに駐在するローマ法王庁のトマージ大使は、バチカンラジオのインタビューに「われわれは国連の委員会に、法王庁が子どもを保護するために行ってきた改善策を説明したが、報告書に反映されていない」と述べ、強い不満を表明しています。



「聖職者の性的虐待を隠蔽」 国連、バチカンを非難
2014年2月6日 産経新聞

 スイス・ジュネーブからの報道によると、国連の「子供の権利委員会」は5日、世界各地でのカトリック聖職者による未成年者への性的虐待問題に関する報告書を公表し、ローマ法王庁(バチカン)の対応は不十分と厳しく非難した上、関与した聖職者の即時解任や司法の捜査を求めた。

 報告書は、バチカンが事件を起こした聖職者の教区を替えるなどして隠蔽(いんぺい)を図っているとする一方、問題の聖職者がさらなる虐待を犯す危険を招いていると指摘。「子供を守るのに必要な手段」をとっていないと「重大な懸念」を示した。

 報告書はまた、教会内の「沈黙のおきて」が司法当局への通報を妨げていると指摘した。バチカンが昨年末、対応の検討のため設置を決めた諮問委員会に外部専門家らも招いて問題の解明にあたるべきだとした。

 要請に強制力はないが、バチカンは「子供の権利条約」の締約国で、サンドバーグ権利委員会委員長は「条約に違反している」と強調。一方、バチカンは声明で、子供の権利を守る意向を示すと同時に、報告書が同性愛などをめぐる教会の立場にも言及したことに「教義への干渉であり遺憾だ」とした。
【ベルリン=宮下日出男】



聖職者の児童虐待問題で国連委、バチカンを批判
2014年2月6日 読売新聞

 カトリック聖職者による児童の性的虐待が世界中で発覚した問題で、国連子どもの権利委員会は5日、ローマ法王庁(バチカン)が「必要な措置をとっていない」と厳しく批判し、過去の事件について調査報告を求める勧告を出した。

 勧告は「数万人の子どもの虐待に聖職者が関与してきた」と深い懸念を示し、疑惑のある聖職者を即刻処分することや、教会関係者に司法機関への通報を義務付けるよう求めた。

 バチカンは1990年、国連子どもの権利条約を批准しているが、勧告には法的拘束力はない。

 児童虐待問題を巡っては、同委員会が先月、バチカンへの聴聞会を開き、カトリックの総本山として世界的な対策を求めた。だがバチカンは「各国で起きた事件は国内法で対処される」として内部調査結果の公表には消極的で、被害者から「事実を隠している」と批判されてきた。【ローマ=青木佐知子】


NHK、脱原発テーマに難色=大学教授がラジオ番組降板

NHK、脱原発テーマに難色=大学教授がラジオ番組降板
2014年1月30日 時事通信

 NHKラジオ第1放送の番組に出演予定だった東洋大の中北徹教授(62)が「原発事故のリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などと話す意向を事前に伝えたところ、担当ディレクターから「東京都知事選の期間中はやめてほしい」と難色を示され、テーマの変更を求められていたことが30日、同教授への取材で分かった。中北教授は同日朝の出演を拒否し、番組を降板したという。

 番組は午前5~8時の「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。

 中北教授によると、29日午後にシナリオを作成しディレクターに送付。原発の稼働コストが上昇し、石炭や石油による発電コストと差が縮小しているほか、事故の発生確率を減らしても、1件当たりの損害額が巨額になる点を経済学者の観点から話すと伝えた。

 これに対し、ディレクターは「有権者の投票行動に影響を与える」「(脱原発は)選挙が終わってから扱ってほしい」などと答え、テーマのさしかえを求めてきたという。中北教授は「特定の立場に立っていない」と主張したが、受け入れられなかったとしている。

 中北教授は「長年出演してきたが、こんなことを言われたのは初めてだ」と話している。

 NHK広報部の話 意見が対立する問題を扱う場合、双方の意見を伝えるなど公平性を確保するよう努めている。今回の番組では演出上そうした対応を取ることが困難だったためテーマの変更を求めた。

 
・非常にびっくりとしている。

このNHKラジオ第一のビジネス展望だが、ほとんど欠かさずに視聴している。この番組は、電話か事前収録で18人の経済評論家や大学教授などが交代で時の経済問題を中心にして、批判的な見方を提示する数少ないNHKの良心というべきものである。

番組を聴いていると分かるが、登場する識者にNHKのアナウンサーが合いの手を入れる構成であり、識者が一人で語り切ることはない。アナウンサーが経済の専門家でないことからも、事前に打ち合わせしていることは自明であった。

この記事にあるように、シナリオをディレクターにファックス等で送付して、ディレクターが7~9分程度の番組内に収まるようにアナウンサーの合いの手を考えるのだろうと思う。

記事では、都知事選の主要テーマである原発ゼロを後押しするような内容が知事選期間中は相応しくないという意向を伝えられたということだ。NHKの理屈はそれで分かるとしても、この番組を長年視聴している立場として、その奇異さを感じざるを得ないのは中北教授のコメントと同じ感想を持ったためだ。

原発リスクに対しては、厳しく主張される番組出演者は多くて、中北教授の論調は異質ではないのだ。例えば、慶応大学の金子教授はもっと厳しい内容を、この番組でしゃべるのだ。

中北教授も、過去から学者としての立場から政権に批判的な見方をするのだが、それは当然のことだろうと思う。今回の中北教授の主張も、特定の立場でないことは明らかであり、原発の非効率性を経済学者としての分析から語る内容に過ぎない。政治的な意図はない。

加えて、NHK新会長の従軍慰安婦問題の認識や領土問題に対する報道姿勢が大問題となり、慌てて主張を個人の考えとぼかしたが、当然に職員らに対する政権寄りの報道を強要する可能性があることを浮き彫りにしている。

この中北教授の番組降板も、自らの主張が何らかの制限を受けたという思いからだろう。それは担当ディレクターの自主規制なのだが、それが多くの職員の深層意識に左右することになれば、本当に必要な情報を制限するという事態に拍車かかることに違いない。

国民の多くは、情報の信頼性という点からはNHK報道を一番信頼しているわけであり、そのNHKの会長人事や経営委員人事に政治家が介入しているとするならば、報道の自由はなし崩しになり政権寄りの言論機関に成り下がることだろう。

NHKは、この問題についてコメントすることは、これ以上ないだろう。ただ、現在出演している識者の方も呼応して出演を躊躇するようになる可能性がある。自分自身の主張が言えないならば、この番組の存在価値はないと思っても仕方ない。早朝にわざわざ安い出演料で厳しいことをしゃべることもないからだ。

個人が自主規制を行うことが進んでいるが、それがさらに生きずらい日本を形成していくことになる。何も特定秘密保護法を厳格に運用しなくても目的は達するのだ。

なお、記事では詳しく説明されていないので、以下に出演者リストを作成してみた。NHKのホームページにも出演者リストはない。放送時間は、NHKラジオ第一放送で「ラジオ体操」後の午前6:43~6:52で月~金曜日に放送されている。

追記
2015年度から、番組名を変えて放送を開始。ラインナップをみると30人のコメンテーターが日替わりということで、ビジネス展望時代は月に2回出演する人が多かったが、出演回数が減ることになる。

内容も科学やスポーツなど、およそ関連の薄いものも含まれており、内容を薄めたいという意向があるのかもしれない。政治・経済に批判的な見方をできた番組が、どのように変貌するのかしないのか、今後とも視聴を続けたい。


「ビジネス展望」出演者リスト 2014年1月現在(出演回数は異なる)
  
  経済アナリスト 森永卓郎
  早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功
  慶應義塾大学教授 金子 勝
  キャノングローバル研究所研究主幹 山下一仁
  同志社大学大学院教授 浜 矩子
  日本総合研究所理事長 寺島実郎
  野村資本市場研究所シニアフェロー 関 志雄
  明星大学教授 関 満博
  経済評論家 内橋克人
  立教大学経済学部教授 山口義行
  経済アナリスト 藤原直哉
  嘉悦大学教授 黒瀬直宏
  京都大学大学院経済研究科教授 諸富 徹
  (株)日本総研調査部長 山田 久
  評論家 田中直毅
  東洋大学大学院教授 中北 徹 ⇒降板へ
  日本エネルギー経済研究所研究顧問 十一 勉
  信州大学経済学部教授 真壁昭夫



2014年度に入っての新しい出演者リスト
  作家 幸田真音
  (株)双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦
  現代中国研究家 津上俊哉
  法政大学大学院教授 坂本光司
  早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授 川本裕子
  日本エネルギー経済研究所主席研究員 小山 堅
  九州大学大学院経済学研究院教授 篠﨑彰彦


▼「ビジネス展望」
世界経済の動向を見据えながら、日本経済の現状や再生に向けての動きを、第一線で活躍する18人の大学教授やエコノミスト、経済アナリストなどが、分かりやすく解説します。



NHK新番組 2015/3/30 から
NHKマイあさラジオ
社会の見方・私の視点
 月〜金 午前6時43分頃~

複雑化する社会、グローバル化の波、少子高齢化……ニュースだけでは分からない事象の背景を、どんな視点で考察すればいいのか、レギュラー専門家30人が日替わりで解説します。
政治・経済・福祉・科学・スポーツ……様々な分野の第一人者が、今の社会を読み解きます。


「社会の見方・私の視点」出演者一覧 (順不同) 2015年4月現在

  立教大学経済学部教授 山口義行
  消費社会研究家 三浦  展
  淑徳大学総合福祉学部教授 結城康博
  慶応義塾大学経済学部教授 駒村康平
  (財)日本総合研究所理事長 寺島実郎

  同志社大学大学院教授 浜 矩子
  京都大学大学院経済学研究科教授 諸富 徹
  (株)双日総合研究所チーフエコノミスト 吉崎達彦
  コンサルティング会社共同経営者 吉川尚宏
  経済アナリスト 森永卓郎

  法政大学経済学部教授 小黒一正
  経済評論家 内橋克人
  (財)日本エネルギー経済研究所常務理事 小山 堅
  嘉悦大学大学院教授 黒瀬直宏
  評論家 田中直毅

  一橋大学大学院経済学研究科教授 齊藤 誠
  法政大学スポーツ健康学部教授 山本 浩
  慶應義塾大学経済学部教授 金子 勝
  作家 幸田真音
  東京大学大学院教授 川島  真

  大和総研副理事長 川村 雄介
  宮城大学名誉教授 大泉一貫
  サイエンス作家 竹内 薫
  中央大学文学部教授 山田昌弘
  同志社大学学長 村田晃嗣

  筑波大学医学医療系教授 斎藤 環
  ジェトロ北京事務所次長 真家陽一
  福山大学経済学部客員教授 田中秀征
  放送大学 教授 高橋和夫
  東京大学公共政策大学院客員教授 増田寛也


追記 NHKのHPにやっと出したリスト
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追記 2016年度

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NHK、都知事選中の脱原発論に待った 大学教授が降板
2014年1月30日 朝日新聞

 NHKの朝のラジオ番組に出演予定だった中北徹・東洋大教授が、番組内で脱原発をテーマに取り上げようとしたところ、NHK側にテーマ自体の変更を求められ、番組を降板していたことが分かった。「都知事選中は原発問題はやめてほしい」と言われたという。

 番組は月~金曜の午前5~8時のラジオ第1放送「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」というコーナーに20年来出演しており、30日朝も「原発の再稼働のコストと事故リスク」をテーマに出演する予定だった。だが、前日に原稿案を見せたところ、ディレクターに「テーマを変えてくれ」と言われたという。

 原稿案は「事故発生時の損害額が桁外れに大きい」として、原発稼働におけるコストの増大を指摘する内容だった。中北教授は外務省を経て研究者となり、第1次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理も務めた。「選挙期間中だからこそ本質的な議論をするべきだ。過剰に自主規制するNHKの対応は問題意識が欠けている」と話す。



NHKが原発テーマ変更求め、教授が出演拒否
2014年1月30日 産経新聞

 NHKラジオ第1の番組で、脱原発に言及しようとした東洋大の中北徹教授(62)が、NHK側に東京都知事選期間中を理由にテーマ変更を求められ、出演を拒否していたことが30日、分かった。

 NHKなどによると、番組は30日午前5時放送の「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」のコーナーで「原発稼働のコストとリスク」について解説する予定だった。NHK側が29日、中北教授の原稿案についてテーマの変更を求め、教授が出演を拒否した。

 NHK広報局は「意見が対立する問題を扱う場合、双方の意見を伝えるなど公平性を確保するよう努めている。都知事選では原発問題が争点の一つとなっており、より公平性を期す必要がある。今回の番組では演出上、そうした対応が困難だったため、テーマ変更を求めた」としている。



NHK、脱原発論に難色 「都知事選中はやめて」
2014年1月30日 東京新聞 朝刊

 NHKラジオ第一放送で三十日朝に放送する番組で、中北徹東洋大教授(62)が「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などとコメントする予定だったことにNHK側が難色を示し、中北教授が出演を拒否したことが二十九日、分かった。NHK側は中北教授に「東京都知事選の最中は、原発問題はやめてほしい」と求めたという。

 この番組は平日午前五時から八時までの「ラジオあさいちばん」で、中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定だった。

 中北教授の予定原稿はNHK側に二十九日午後に提出。原稿では「安全確保の対策や保険の費用など、原発再稼働コストの世界的上昇や損害が巨額になること、事前に積み上げるべき廃炉費用が、電力会社の貸借対照表に計上されていないこと」を指摘。「廃炉費用が将来の国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性がある」として、「即時脱原発か穏やかに原発依存を減らしていくのか」との費用の選択になると総括している。

 中北教授によると、NHKの担当ディレクターは「絶対にやめてほしい」と言い、中北教授は「趣旨を変えることはできない」などと拒否したという。

 中北教授は外務省を経て研究者となり、第一次安倍政権で「アジア・ゲートウェイ戦略会議」の座長代理を務めた。NHKでは「ビジネス展望」だけでなく、二〇一二年三月二十一日の「視点・論点」(総合テレビ)で「電力料金 引き上げの前に改革を」と論じたこともある。

 中北教授は「特定の立場に立っていない内容だ。NHKの対応が誠実でなく、問題意識が感じられない」として、約二十年間出演してきた「ビジネス展望」をこの日から降板することを明らかにした。

◆詳細は答え控える

<NHK広報局の話> 中北さんに番組に出演していただけなかったのは事実です。詳細は番組制作の過程に関わることなのでお答えを控えます。

<解説>公平公正 裏切る行為
 中北徹東洋大教授のNHK降板問題で、中北教授はNHK側に「都知事選期間中は原発の話はやめてほしい」と迫られたという。再稼働を進める安倍晋三政権の意向をくんで放送内容を変えようとした可能性は否定できない。

 選挙期間中であっても、報道の自由は保障されている。中北教授は予定原稿で「現状では原発稼働がゼロでもアベノミクスが成果を上げている。原発ゼロでも経済成長が実現できることを実証した」「経済学の観点から、巨大事故が起きた際の損害額のリスクをゼロにできるのは、原発を止めることだ」と指摘した。

 NHK側が問題視した中北教授の原稿は、都知事選で特定の候補者を支援する内容でもないし、特定の立場を擁護してもいない。

 NHKの籾井(もみい)勝人新会長は就任会見で「国際放送で日本政府の意向を伝える」としている。原発再稼働を強く打ち出している安倍政権の意向を忖度(そんたく)し、中北教授のコメントは不適切だと判断したとも推測できる。

 原発政策の是非にかかわらず受信料を払って、政府広報ではない公平公正な報道や番組を期待している国民・視聴者の信頼を裏切る行為と言えるのではないか。 (中村信也)



NHKコーナー休止 ラジオ 脱原発の教授拒否番組
2014年1月30日 東京新聞 夕刊

 NHKラジオ第一放送の番組で、中北徹東洋大教授(62)が原発の問題を話そうとしたところ、同局が「東京都知事選中は原発の話はやめてほしい」と難色を示したために番組を降板した問題で、同局は三十日、中北教授が出演予定だったコーナーを休んだ。

 このコーナーは、月~金曜の各日午前五時から放送される番組「ラジオあさいちばん」の中で、六時半台に設けられる「ビジネス展望」。

 三十日は男性アナウンサーがコーナー休止を告げ、コーナーと無関係の聴取者からの便りを読み上げた。休んだ理由は説明しなかった。三十一日以降は通常通り放送するという。

 「ビジネス展望」は、経済評論家の内橋克人氏や日本総合研究所理事長の寺島実郎氏らが交代で出演し、ニュースや話題を約十分で解説。中北教授は約二十年間にわたり出演していたという。

 NHK広報局は「都知事選では原発をめぐる問題が一つの争点になっており、選挙期間中はより公平性を期す必要がある。今回の場合、中北教授が出る翌日などに、別の視点を持つ方に出演してもらうことなども考えられたが、選挙期間中の出演者は既に決まっており、テーマの変更を求めた」としている。

◆言論封殺おかしい
 戸崎賢二・元NHKディレクターの話
 選挙期間中は、特定の候補を推薦しない限り、争点となっている問題の論評を控える必要はない。放送が民主主義の発達に資するべきだという放送法の精神からすれば、この期間中こそ有権者の判断に役立つ意見や情報を豊かに伝える必要がある。原発は意見が対立している問題だが、多角的な視点は編成全体で実現すればよく、出演者の言論の自由を封殺する対応はおかしい。政権側の批判を恐れた疑いも捨てきれないのではないか。



「選挙中テーマ変更求めた」 脱原発降板でNHK会長
2014年2月5日 朝日新聞

 NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長は5日午前、参院予算委員会に参考人として出席した。同局の朝のラジオ番組に出演予定だった中北徹・東洋大教授が、脱原発をテーマに取り上げようとして認められずに降板した問題について「1月30日に放送する予定だったが、今回は(東京都知事)選挙期間中でもあり、テーマの変更を求めた。コメントそのものを修正するような注文はしていない」と答弁した。

 民主党の有田芳生氏が「脱原発を語ろうとした教授が『それを話すな』と言われた。事実か」と質問したのに答えた。



NHK会長、理事らの辞表預かる 就任初日に要求、人事権を強調か
2014/02/22 共同通信社

 NHKの籾井勝人会長が1月25日の就任初日に理事らに辞表を預けるよう求め、会長の人事権を強調していたことが21日、複数のNHK関係者への取材で分かった。現在までに任期途中で辞任した理事はおらず、辞表は籾井氏が預かっているとみられる。

 関係者によると、1月25日午前、臨時役員会が開催され、籾井会長は就任のあいさつなどとともに「あなた方は前の会長が選んだ。今後の人事は私のやり方でやる」という趣旨の発言をし、辞表を預けるよう出席者に求めた。



<記者の眼> NHK新会長決定の裏 
2014/2/4 中日新聞夕刊

 NHKの新会長に元日本ユニシス特別顧問の籾井勝人(もみいかつと)氏が就任、会見で持論を展開して問題になっているが、そもそもNHKの会長になぜ外部の財界人が就くのかと思う読者も多いのでは。実は、会長選出の仕組みには政治との密接な関係があった。

 次期会長人事を取材し始めた昨年八月。翌年一月に一期三年の任期を終える松本正之前会長は続投するだろうと考えていた。受信料を値下げしたにもかかわらず収支を改善させたこと、誰も手をつけられなかった職員給与の引き下げに着手し、震災を乗り越え危機防災体制を構築・強化したこと-など、その手腕は高い評価を得ていたからだ。

 しかし、秋になると状況は一変。安倍晋三政権は、会長を外部の別の経済人と交代させたい意向が強いようだとの情報が流れるようになった。この動き、何か不思議な気がしないだろうか。

 一般の会社なら、トップは内部昇格が多そうだ。売り上げ増やリーダーシップが評価の対象だろう。関連会社やメーンバンクから送り込まれるというのもよくある話だ。NHKは営利目的でない特殊法人だから単純に比べられないにしても、人事情報が局周辺でなく「政権から」出て、現役幹部の人物や能力の評価をする前に「外部起用」が既定路線のように流れてくるのは果たして当然のことなのか。

 カギは、会長の任免権を持つNHKの最高意思決定機関・経営委員会にある。会長は十二人の委員のうち九人以上の合意で決められるが、その委員一人一人は国会の承認を受け、首相が任命して選ばれる。つまり経営委員会は、その時々の政権が望めば政治的思惑を反映させることも可能な組織であり、間接的に会長選びも影響を受ける可能性が高い。

 実際、昨年十一月に任命された五人の新経営委員のうち、再任の一人を除いた四人は安倍首相と極めて近い間柄とされる。次の会長選びが佳境に入る時期でもあり、十二月に松本氏が突然退任の意向を表明したのも、この経営委人事が影響しているとみるのが妥当だろう。

 松本氏は、退任理由についてほとんど語っていない。だが、寡黙で実直、失礼な言い方をすれば面白みのない発言に終始した松本氏が、会見で三年間を振り返り「やるべきことはやった」と、珍しく色のついた発言をしたのは、仕事をやり遂げた職人のプライドと、それでも追われる無念さの表れではなかったか。

 経営委員の中には、松本氏の続投を望む声も少なからず出ており、職員からも信頼を寄せられていたと聞く。惜しまれつつ去った松本氏は、新会長の発言や、組織の行方をどうみているのだろうか。 (東京放送芸能部)


雷で「負傷」=リオのキリスト像―ブラジル

雷で「負傷」=リオのキリスト像―ブラジル
2014年1月18日 時事通信社

 リオデジャネイロで16日、ブラジルの観光名所として知られる巨大なキリスト像に雷が直撃し、親指と中指の一部が欠けた。17日、地元メディアに対し、像を管理する教会の神父が明らかにした。

 キリスト像は、コルコバードの丘に十字架のように両手を広げてそびえる。避雷針が設置されており、神父によると、年3〜5回は雷が落ちる。2月には修復を始めるという。【サンパウロ時事】

 
・親指だけか、中指もなのかは画像では分かりにく。

こうしたハプニングに対してオカルト好きな皆様は、何か不吉なことが起こると言い始めることだろう。

コルコバードのキリスト像 公式サイト  http://www.corcovado.com.br/


リオの巨大キリスト像 雷雨で指欠ける
2014年1月19日 NHK

ブラジルのリオデジャネイロで、街のシンボルになっている巨大なキリストの像の指先が激しい雷雨のあと欠けていたことが分かり、像を管理する教会では修復作業を急ぐことにしています。

20140119 1136

ブラジルのリオデジャネイロで街を見下ろす山の上に立つ高さおよそ40メートルのキリストの像について、像を管理する教会は17日、右手の親指の先端部分が欠けていることを明らかにしました。

20140119 1134

現地の気象当局によりますと、リオデジャネイロでは16日、激しい雷雨に見舞われ、州全域で合わせて4万回を超す落雷が観測されたということで、指が欠けたのは落雷によるものとみられています。

このキリストの像は1931年に建てられ、世界各地から大勢の観光客が訪れる観光名所としても知られています。4年前にはひび割れが目立つなどしたため、4か月をかけて修復が行われました。

ことし6月に開幕するサッカーのワールドカップブラジル大会を前に、巨大なキリストの像が不運に見舞われた形で、教会では修復作業を急ぐことにしています。


児童に性的虐待で聖職者、倍増384人…解任

児童に性的虐待で聖職者、倍増384人…解任
2014年1月19日 読売新聞

 ローマ法王庁(バチカン)は17日、児童への性的虐待が原因で2011~12年に解任処分(辞任も含む)などを受けた聖職者が384人に上ったことを明らかにした。

 AP通信によると、08~09年に同様の理由で処分されたのは171人で、11~12年は倍増したことになる。

 背景には、世界のカトリック教会で09年前後に聖職者の虐待事件が相次ぎ発覚したことがあるとみられる。被害者団体は、当時のローマ法王ベネディクト16世が事実を認識しながら隠蔽していたと非難している。【ローマ=青木佐知子】


・この数字からも単におかしな聖職者がいたというだけにとどまらないだろう。

こうした事件の背景に何があるのか、それを見極めて対処しないとトカゲの尻尾切りのようなことでは済まされない。これらのために欧米ではカトリック離れが加速し法王の交代に拍車がついた。

ローマ法王:新枢機卿に19人叙任へ…最貧国の聖職者も

ローマ法王:新枢機卿に19人叙任へ…最貧国の聖職者も
2014年1月13日 毎日新聞

 フランシスコ・ローマ法王は12日、新たに叙任する19人の枢機卿を発表した。最貧国の中米ハイチや西アフリカ・ブルキナファソの聖職者も含まれ、法王が掲げる「貧者のための教会」路線を象徴する人事となった。2月22日に叙任式が行われる。

 枢機卿は法王に次ぐ高位聖職者で、法王を補佐する役目を負う。法王が枢機卿を叙任するのは昨年3月の就任以来初めて。19人のうち法王選挙会議(コンクラーベ)に参加できる80歳未満は16人。【ローマ福島良典】

 16人の出身・在任国の内訳は欧州6人(イタリア、ドイツ、英国)、中南米5人(ニカラグア、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ハイチ)、アフリカ2人(コートジボワール、ブルキナファソ)、アジア2人(韓国、フィリピン)、北米1人(カナダ)で、非欧州組が多数派を占めた。

 また、16人中12人が世界各地の教区をつかさどる聖職者で、ローマ法王庁の高官は4人にとどまった。アルゼンチン出身のフランシスコ法王の誕生以来、欧州域外に信徒が拡大したカトリック教会の実態に沿う形でバチカンの「脱欧州」の流れが進んでいる。


・年明けから教会の刷新人事が始まったようだ。ローマ法王は、人事をもとにして法王庁の改革を進めるということだ。まあ数の論理は宗教の世界でも通用するらしい。

以下の記事では、不透明な資金洗浄の疑いが晴れない銀行の透明性を上げようというもの。このようにカトリック教会が抱える問題にメスを入れられるのか期待される。


「バチカン銀行」監督体制刷新=枢機卿4人更迭-ローマ法王
2014/01/16 時事通信社

 バチカンからの報道によると、フランシスコ・ローマ法王は15日、マネーロンダリング(資金洗浄)関与の疑惑が消えない「宗教事業協会」(通称バチカン銀行)の監督体制を刷新、担当の枢機卿5人のうち4人を任期途中で入れ替えた。

 5人は、有力者のベルトーネ前国務長官(首相に相当)ら前法王ベネディクト16世に任命された枢機卿で、任期はまだ1年残っていた。しかし、フランスのトゥーラン枢機卿を除く4人が事実上更迭され、パロリン国務長官らが新たに任命された。

 カトリック教会への寄付金などを管理するバチカン銀行は、不正な金融取引に関与している疑いが消えず、欧州評議会は2012年、取引の透明性評価で「不合格」の判定を下している。【ジュネーブ時事】


『真冬の夜の偉人たち』第5夜 「六・八コンビよもやま話」永六輔

『真冬の夜の偉人たち』第5夜 「六・八コンビよもやま話」永六輔
2014年1月6日 NHK-FM
進行:加賀美幸子

第5夜は永六輔さんが、戦後、日本のポピュラーミュージックの礎を築いた作曲家でピアニストの中村八大さんを語ります。

お二人といえば、「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」「黒い花びら」をはじめとする、数々の国民的ヒットソングやテレビ番組のテーマ曲などを生み出した“六・八コンビ”として語り継がれる存在。日本のポップスのスタンダードともいえる名曲を聴きながら、二人の出会い、ヒットソング誕生秘話、ピアニスト・中村八大の才能など、永六輔さんだからこそ語ることのできる、中村八大さんの人物像に迫ります。

番組では、1979年~82年にかけてNHK総合テレビで放送された『ばらえてい テレビファソラシド』で永六輔さんと共演していた、加賀美幸子さんが進行役を務めます。どうぞお楽しみに!

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※番組で放送された曲

「ラヴァー」 (中村八大)
「黒い花びら」 (水原弘)
「黄昏のビギン」 (水原弘)
「夢であいましょう」 (坂本スミ子)
「上を向いて歩こう」 (坂本九)

「遠くへ行きたい」 (ジェリー藤尾)
「こんにちは赤ちゃん」 (梓みちよ)
「おさななじみ」 (デューク・エイセス
「ウェディング・ドレス」 (九重佑三子)
「娘よ」 (益田喜頓)

「さよなら東京」 (坂本九)
「テレビファソラシド」 (近藤真彦)
「生きるものの歌」 (永六輔)
「生きているということは」 (永六輔)


・正月限定企画番組。120分。

昨年番組を聴いて今年も内容が良かったので聴いた。ずいぶんと内容の深い番組構成であり、大人が聴くに耐える数少ないものだろうと感じる。今年のシリーズでも、他にも取り上げたいものもあるが、やはり日本の放送史に欠くことのできない永六輔さんを迎えた番組は貴重なものとなったろう。

内容は、上記にあるように主に中村八大氏との関係を語ったものだが、それが日本の放送史そのものであり、永六輔さんが語っているように黎明期にあったことを証言できる人が少なくなった現在では語る価値のあるものだ。

特にバラエティ番組として放送された『夢であいましょう』を中心として流行した曲を中心に、戦後の記憶に残る歌手たちや喜劇人らの話は、他でも語られている逸話もあったが、当事者から聴くわけあるから内容も確度が高いものだ。

印象的なことは、中村八大氏と永六輔さんは先輩・後輩という非常にきちんとした上下関係で最初から結ばれており並列で捉えることはできないということだ。永六輔さんが語ったように、中村八大氏の作曲したものに、自らは詞を当てるという作業をしていたと自嘲気味に語っていた。その主導権は当時、大スターだった中村八大氏にあったようである。

中村八大氏と、いずみたく氏という異なった個性に出会うことで永六輔さんは良かったと言っていた。

永六輔さんが語るところでは、『夢であいましょう』の企画前にNHKで教育があったという。当時のNHKにはGHQの担当部署があって、その指導によって日本に民主主義を根付かせるために、アメリカで流行っていていたバラエティを担当者に見せて、これに倣った番組作りを求められたという。永六輔さんもアメリカのバラエティを見せられたということだ。

この番組の進行を務めた加賀美幸子さんだが、さすがである。番組の構成にきっちりと踏まえて、話者に話しやすい問いかけをすることで話を引き出している。永六輔さんも、話者としては抜群な方なのであるが相乗効果というべきもので、ラジオでじっくりとしゃべりを聴けることは幸いなことだ。

私自身はテレビは見なくなって久しいしラジオ番組もテレビの悪影響を受けて軽薄な内容をタレントが語るものになってしまった。そんな中で、じっくりと中身のあるものを大人が真摯に語るような番組が稀になっていることが残念でならない。

テレビ黎明期など、何事も試行錯誤しながら良いものを作り出そうという意識がなければ面白いものが作られることはないだろう。現在のテレビ番組は、あまりに意識し操作され過ぎたために大事なものを失っているように感じる。

永六輔さんもTBSラジオで長年放送された番組を降板し老いも隠せないのだが、彼のような豊かな才能のある人材は他にもいるのだと思うが、それを育てる環境がなくなってしまっているのではないだろうか。

永六輔さんによると中村八大が活躍できた背景に、戦前国家を礼賛する作曲ばかりをした作曲家が戦後すぐは活躍できなくなり、中村八大のようにクラシックの基礎をしっかりと学びジャズの洗礼を受けた新進作曲家が活躍できる環境を整えたということだ。

戦後、多くのものを失った日本人が自信を付けていくために彼らがなしたことは重要だったろう。日本という国は、残念ながら戦前の体制を今も引きずっているわけであり上からの民主主義が達成できているわけではない。

放送が国民の教育水準を上げることや民主主義を涵養することに大きな役割を果たすことは確かであり、何も娯楽番組だけではない。娯楽番組に偏った現在、放送は失くした教養の復権を求められるだろう。来年のシリーズも期待したいところである。


『生きているということは』
 作詞:永六輔 作曲:中村八大

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追記 2016年7月7日、自宅で死去

永六輔さん死去…放送作家・作詞など多方面活躍
2016年7月11日 読売新聞

 草創期のテレビ界で放送作家として活躍し、「上を向いて歩こう」をはじめ多数のヒット曲を作詞するなど多方面で才能を発揮した永六輔(えい・ろくすけ、本名・永孝雄=えい・たかお)さんが死去したことが11日分かった。83歳だった。

 東京・浅草出身。10代の頃のNHKラジオへの投稿がきっかけで放送作家の道へ進む。ラジオや草創期のテレビ番組に携わり、1961年から66年まで放送されたNHK「夢であいましょう」などの人気番組の脚本を書くかたわら、自らも番組に出演し、独特の早口なしゃべりで人気者になった。

 作詞家としては、中村八大さんが作曲し、水原弘さんが歌った「黒い花びら」が59年に第1回日本レコード大賞を受賞。以後も中村さんとのコンビで「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」「遠くへ行きたい」などの国民的ヒット曲を送り出した。


人生いろいろ:「人身事故」と報道

† 鉄道の人身事故とは、鉄道飛び込み自殺の言い換えなのだろうが特に首都圏では通勤通学に支障が出るので報道されることが多い。それにしても一昨年は自殺者が久しぶりに3万人を下回った。昨年は、年末になっても自殺者数の公表をマスコミがしなくなっている。これは、もしかすると意図的に報道しないことで誘引を減らしたいという国の意向があるとも読み取れる。

‡ 私は幸いにも通勤通学時に人身事故に遭遇したことはない。生命は尊いから死んではいけないなどと叫ぶつもりなくも最近は何も思わなくなった。ずっと精神保健分野に関心を持ってきて、人間が悩むことを見つめてきたが「あなたは死んではいけない」と断言できるのかと思う。つまり、その人自身になって生きることは不可能であり安易な慰めは本当に大事なのかと疑問を持つからだ。ただ自殺者の心理をみると明らかにウツ状態といえる思考判断停止状態に陥っており、正常に回復したならば同じ判断をすることは少ないということは言えるだろう。「自殺」を自殺と認めない報道しないことの功罪もでてくると思う。生きにくい世の中であることは間違いない。


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自殺者 2年連続3万人下回る
2014年1月16日 NHK

去年1年間に自殺した人は2万7195人で、前の年より600人以上減り、2年連続で3万人を下回ったことが分かりました。

警察庁によりますと、去年1年間に自殺した人は全国で2万7195人で、前の年よりも663人、率にして2.4%減りました。

年間の自殺者は平成10年以降3万人を超え続け、ピーク時の平成15年には3万4000人余りに上りましたが、おととしに続き2年連続で3万人を下回りました。

内訳は男性が1万8727人、女性が8468人で、都道府県別で自殺者が最も多かったのは東京都の2825人で、前の年より63人増えました。

次いで多いのが大阪府の1553人で187人の減少、神奈川県が1532人で112人の減少、埼玉県が1520人で51人の減少などとなっています。

一方、最も少なかったのは鳥取県の130人、次いで福井県が164人、徳島県が181人などとなっています。

自殺者を月別に見ると、12月を除いていずれも2000人を上回っていて、特に5月は2540人で最も多くなりました。

警察庁は、インターネットの掲示板などに自殺をほのめかす書き込みをした人を保護する取り組みなどをさらに進め、自殺者の減少につなげたいとしています。


瞑想の「うつ」などへの効用は限定的=米研究

瞑想の「うつ」などへの効用は限定的=米研究
2014年 1月7日 ウォール・ストリート・ジャーナル

瞑想は、不安や鬱(うつ)、痛みをある程度和らげるかもしれないが、薬物乱用や劣悪な食習慣、睡眠障害、肥満の抑制・改善などをもたらすという証拠はほとんど見つからなかったとする研究報告書が発表された。

この報告書は、6日発行の米医師会雑誌のJAMA内科に掲載されたもので、無作為に抽出された、合計3515人の成人を対象にした47の過去の治験を検証して分かった。

多くの人がストレスの緩和や健康の増進のために瞑想を行っている。研究リーダーのジョンズ・ホプキンズ大学のマドハブ・ゴヤル内科准教授は、報告書の狙いは、過去の治験を基にして医師が瞑想の効用と限界について患者に最適の助言を与えるのを手助けすることだったと述べた。

 参加者はマントラ瞑想法とマインドフルネス瞑想法のどちらかについて専門的な訓練を受けた。マントラ瞑想法は、言葉を繰り返すなどして注意を向ける対象がなくなる状態に気持ちをもっていくもの。これに対しマインドフルネス瞑想法は、注意を集中させる訓練を重視するやり方。

 報告書によれば、ある程度の効用があったのはマインドフルネス瞑想だけだった。例えば、軽い鬱の症状がある患者のマインドフルネス瞑想による回復は、抗うつ剤を服用した場合に期待されるものと同程度だった。マントラ瞑想法による治験はほとんどなく、そのためこの瞑想法の効用を示す証拠はほとんど見つからなかった。また、瞑想が有害であることを示す証拠もなかったという。

 研究者らは、瞑想に関する1万9000件近い研究から科学的なものを抽出した。ハーバード大学医科大学院(マサチューセッツ総合病院)のアラン・H・ゴロール教授はJAMA内科誌に掲載された解説文の中で、今回の研究は瞑想がストレスに関連した症状の軽減効果が恐らく一般に考えられているより小さいことを示唆すると述べた。同教授は「マインドフルネス瞑想が、小さいものの潜在的に有意義な精神的苦痛軽減をもたらしたという重要な例外があったものの、研究は全体として、苦痛軽減ないし全般的な健康状態の改善という点で瞑想がもたらす効果を示せなかった」と述べた。

 ただし、同教授は被験者が瞑想の訓練を30~40時間しか受けていないため、「瞑想はマスターするのに時間がかかる技能」であることを示唆している可能性があると指摘した。同教授は瞑想の効用に関する確固たる結論を出すには、より多くの証拠が必要だとも述べている。

 マインドフルネス瞑想を推進する「ニューヨーク・インサイト・メディテーション・センター」でインストラクターを務めるジョン・アーロン氏は、「人々は何かしら 苦しんでいるから瞑想のクラスにやって来る」と述べ、人々は瞑想を通じ、より生産的な手法でストレスと関わることを学ぶと話した。


・非常に興味深い内容である。

瞑想に関しては、有用性を説く人たちが多くいて、それらが実体験を元にしているだけに説得力もある。今回は医学的に瞑想から何らかの有効な結果を期待できるかを調べたものだ。

結論の前に、記事の最後にあるように瞑想の訓練を受けて30~40時間しかないとする指摘は重要であり、つまり生活習慣に瞑想がなっているのかという疑問はある。

結論としては、大きく宣伝されいるような医学的な効果はないと結論付けたとする。これは一部の人々にはショッキングな内容だろう。

瞑想についての多くの誤解があろうが、それは瞑想に対する意味づけがあるか否かの問題であろう。病気を治すために、悩みを消すために瞑想を利用するならば期待外れになることだろう。

競争社会に生きるためには他人よりも強いマインドを持ち、時間管理や脳の使い方をマスターするべきだという類の自己啓発本が溢れている社会では、常に強いストレスがかかる。つまり今のままでは競争に負けるという脅迫的な観念に支配されるからだ。

私は瞑想の熟達者でもなく生活の一部としているわけでもないが、少し経験してみて思うことは、自分自身の時間や居場所を一日の内で確保する重要性を感じる。居住まいを正して呼吸を整えることが、特に自律神経系にリズムを付加することで心身ともに調和することは知られている。

その程度のことに過ぎないのだと思う。ただ、そこから己の生活習慣を見直して健康的な生活習慣を身に着けていくことで生活が大きく変化する可能性は秘められていると感じる。

人間は動物である。ただ大脳が支配するために、この世の中に適応すべく多くのエネルギーを本来のところ以外に割り当てて使用している。過度の緊張や厳しい生活の中で、例えば動物ならば自己修復するような動きを忘れてしまっている。

そうした本来性を回復するためには、薬物やアルコールなどよりも害がなく費用も掛からない瞑想などの運動が必要なのだ。病気直しや悩み解消を目的とするならば、それは瞑想の意味すら分からない人たちの迷妄に過ぎない。

藤木正三・新刊『生かされて生きる』のご案内

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『生かされて生きる』 (いのちのことば社)

 2014/1/22 発刊予定 ⇒ 2014/1/10発売

目次 : 1(行きたくない所へ連れて行かれる)/ 2(野の花を思い、健気に生きる/ わかってこそ福音/ 風は思いのままに吹く)/ 3(宗教の心/ 信仰について―映画『ポー川のひかり』より)

内容紹介
 六十年に及ぶ変わった信仰の歩みを語った講演「行きたくない所へ連れて行かれる」、自ら「変わった牧師」と認め、自身が牧した教会や招かれた教会の会衆に向かって語った説教、島崎光正氏の姿を通して生の意味を考えるエッセイ「宗教の心」等を収録。信仰とは知識を超えるものであることを伝える。160ページ。¥1,365


・久しぶりの新刊となりますが、内容は過去に行った説教起こしや公表されている文章を再録したものとなりそうです。

個人的に藤木師の手紙で刊行を知っていましたが、アマゾンなどでも予約を始めているので公表してもよいと判断しました。

いのちのことば社発行ですが、昨今の出版事情もあるので必要な方は早めに購入されることをおススメいたします。

追記
非常に困ったことだが、アマゾンで先行予約をしていたのだが、それが発行予定日になっても発売未定状態となって入荷不可とされた。また現在では、「この本はお取扱いできません」と表示されている。

予約しておいたのに、この状況であり非常に悲しく思う。発行元のいのちのことば社のホームページでは、特に品切れ等の表示もないのであるが、一般向けの大手通販サイト・アマゾンでは上記のような状態が続いている。

一方で、キリスト教専門書を扱う書店に店頭在庫の確認をしたところあったので、わざわざ出向いて購入してきた。まだ新刊であるので平積みになっていたが、その冊数から全国のキリスト教専門店数を掛け合わせても発行部数が少ないと予想できた。

なぜ、このようなことをわざわざ書くのかというと、本書の刊行理由が、ある教会で自費出版された説教集を全国規模で読者に提供したいという藤木師の思いを受けて、関係する牧師が働きかけて出版したという経緯があるからだ。それも出版社の意向を受けて当初の内容を大幅に変えて構成された。

そもそも出版事情が厳しい時代なのだろうが、少なくとも予約者には配本できるように増刷していくべきだろう。印刷部数については勝手に申し上げれらないとしても、藤木師の思いは、過去に出版された書籍がほぼ在庫切れになっている状態にあり、それを補完するべき出版を希望されたことと思う。

その点で、極めて不十分な、つまり配慮のないものとなっている点が危惧される。今後は増刷されることとなると期待したい。

追記
Amazonでの取り扱いが再開され今のところ在庫があるようです。ネット通販でお求めになりたい方は早めに購入されることをおススメします。なお藤木師の他の著作に関しては極めて入手が困難な状態にあります。お探しの方は古書であっても見つけ次第購入されることが良いと感じます。

追記
Amazonでは、また取り扱いを停止している。発行からまだ2カ月だがすでに中古本が出品されているが価格は定価の3倍を超えるという暴利!? これももともとの出版数が少ないからこそなる現象だろう。いのちのことば社ではダイレクト通販(ゴスペルショップインターネット店、http://www.gospelshop.jp/catalog/)も行っているようで、そちらが確実かもしれない。


参考 (外部リンク)
ブック・レビュー 2014年4月号 月刊「いのちのことば」(PR誌)
真摯に神を求める信仰者必読の書
工藤信夫
平安女学院大学名誉教授/精神科医



公立図書館購入例
20140511
図書館に入った本のごあんない
2014年5月号 宇治市図書館


追記
・Amazonで購入可能であった時期 (恐らく10冊+α程度)
 2014/1/10-1/31、2/20-3/12 定価

・Amazonマーケットプレスでの中古出品 (2冊)
 2014/3/12-3/25 最高額3955円

追記
愛知県内公立図書館横断検索

断想神の風景人間と世間 所有機関: 名古屋市鶴舞中央図書館

系図のないもの聖書的独白録 所有機関: 豊田市中央図書館

追記
この本のカバーそで部分にある、藤木師の略歴だが過去に刊行された多くの書籍にあるデータと異なっており誤記の可能性がある。

「1964年、日本基督教団京都御幸町教会に転任。」 ⇒他の書籍では「1965年」

「1992年、病気引退。」 ⇒他の書籍では「1993年」

追記
誤植
65頁 11行目 『命はどこでも輝く』 ⇒『命はどこででも輝く』
68頁 10行目 「…最後の断想を欠きました。」 ⇒書きました

追記
67頁 8行目 補足
「奈良女子大学の清水氾(ひろむ)教授」

 ⇒ 東京基督教大学教授・図書館長を歴任。奈良女子大学名誉教授。歌人。故人。

  一九二八年群馬県生。日本医科大学予科に一時在学。その後、東京大学文学部で英文学を学ぶ。そのキリスト教信仰に根ざす誠実な批評姿勢と堅実なテキスト・クリティークによる文芸批評は、キリスト教文学の可能性を追求するという大きく重いテーマへの答えとして意味を持ち続けてきた。

追加情報
 1964年に最初の著書『作家と信仰』が、1965年には『狭き門』が刊行された。定年まで奈良女子大学の教授として勤務し、その後は東京基督教大学教授、聖契神学校教授等を歴任され、1997年に69歳で亡くなられた。

追記
Christian Book Center ロサンゼルスのキリスト教書店
生かされて生きる  God is the Auther of My Life

This book is a collection of essays and speeches by Rev.Fujiki Shozo.Born in Osaka in 1927, he talks about his journey as a Christian and as a Spiritual Leader her in Japan. Referencing John 21:28, Fujiki expresses his life as led by God, including places he did not want to go. He even shares that he was made to be a pastor and not on his own will. Withe lectures titled "Taken to a place where I did not want to go" and "Heart of Religion", he touches on topics dealing with faith and knowledge.


追記
2014/9/4-  Amazonに取扱い表示を再開、だが入荷時期未定となっている。
いのちのことば社のHPでは、在庫僅少と表示されている。


追記
誤植 20頁 4行目
大河内昭爾(武蔵野女子大学本学長)  ⇒(武蔵野女子大学学長)

「文芸評論家の大河内昭爾」 補足
昭和63年4月 武蔵野女子大学学長(平成8年3月まで)
平成3年4月 武蔵野女子学院学院長(平成6年1月まで)
平成10年3月 武蔵野女子大学文学部教授定年退職、同大学名誉教授
平成18年 武蔵野大学名誉教授(武蔵野女子大学から学名変更)
平成25年8月15日 逝去

窃盗:さい銭泥、初詣の警官に見つかり逮捕 徳島

窃盗:さい銭泥、初詣の警官に見つかり逮捕 徳島
2014年1月4日 毎日新聞

 徳島市内の神社のさい銭箱から現金を盗んだとして、徳島北署は3日、住所不定、無職の男(53)を窃盗容疑で現行犯逮捕した。初詣に来ていた県警地域課の男性警部補(48)が偶然発見し、その場で取り押さえた。

 逮捕容疑は、3日午後0時10分ごろ、徳島市内の神社にあるさい銭箱の引き出しから現金5551円を盗んだとしている。容疑を認めているという。

 徳島北署によると、さい銭箱から取った現金を男が上着のポケットに入れているのを、家族で初詣に来ていた警部補が発見。職務質問したところ逃げたため、約100メートル先の市道まで追いかけて取り押さえた。同署が動機や余罪について調べている。【加藤美穂子】


・昼間からの大胆な犯行。最近はさい銭箱を監視する防犯カメラなども設置されているようだが、現行犯でないと逮捕は難しいのかもしれない。

初詣のさい銭だが、今年の景気を占う意味でも額が知りたいところであるが公表している神社・仏閣は僅かだろう。過去にも公表したニュースで見たが、運営経費に消えていくということだ。確かに稼ぎ時は神社は少ないだろうからね。

例えば、赤い羽根運動や地域の社会福祉協議会で半ば強制徴収されている寄附金が本当に有効に使われているかは全く分からない。むろん大雑把な数字は出ているが詳細は闇の中であり、何かの項目で目的外に使われていても当人らにしか分からない。

つまり日本の公的組織は基本として非公開主義。成立した特性秘密保護法のように、秘密を幾重にも守るものは作っても、国民にありのままに真実を伝える気持ちはさらさらないのだ。

このように個人の犯罪は罰さられても、組織として行う巨額の目的外使用や流用は発覚しても「会計上のミス」とか言い訳されて誰も責任を問わない。つまり基本、日本は個人が主役でない国家体制を江戸時代から墨守している。

5551円は想像できても、国の借金の残高は1008兆6281億円(2013/6末時点)。国民1人あたり792万円の借金は見当もつかないということなのだ。税金泥棒は、官僚や大企業だけでなく広く既得権益を持つ私たちであるだけに手をつけられないのがもどかしいところだ。

二度と戻らぬ火星移住、候補に日本人10人も

二度と戻らぬ火星移住、候補に日本人10人も
2014年1月1日 読売新聞

 2025年からの火星移住を目指すオランダの民間非営利団体「マーズワン財団」は12月30日、約20万人の移住希望者の中から1058人の候補者を選んだと発表した。

 この中には、男女5人ずつ計10人の日本人が含まれているという。

 今後、医学的な検査や訓練などを経て最終的に24人に絞り込む。25年には最初の4人が火星に住み始め、その後、2年ごとに4人ずつ増やしていく計画だ。移住者は二度と地球に戻らない。地上での訓練や火星に居住している様子をテレビ放映し、資金を集めていく考えだ。

 同財団は2013年4~8月に移住希望者を募集。技術力や安全性を疑問視する声もあったが、世界中から20万2586人が応募した。希望者が提出した1分間のビデオメッセージや書類などを審査し、107か国・地域から1058人を選んだ。【ワシントン=中島達雄】


・1/1の配信記事は大きく夢のあるものだ。前人未到の火星移住計画。人類が月に降りる計画をしたことで大きく技術が進歩し、新たなる知見を得たことは過去の事実。

これは国家プロジェクトでなく民間の事業のようであり実現は大きな壁がありそうで、すんなりと計画通りになるとも思えない。

それでも、こうしたことに夢を感じる人は確かにいるに違いない。人間が地球を離れた惑星で暮らすならば、もはや地球人ではなくなるだろう。

SFドラマ好きとしては、例えばスタートレックでは、人類が惑星間航行の基礎となるワープ航法が確立した際に宇宙の文明人が人類とファーストコンタクトを果たすという設定になっている。それは第三次世界大戦後の殺伐とした時代を経験してからのこととされている。

今年も民族紛争や宗派間対立によるテロなどが年始から報道されている。また人類が生存するための環境悪化や水・食糧資源などの偏在が引き続き大きなテーマとなっている。そうした課題も何一つ解決できないうちに、果たして火星で助け合って暮らしてゆけるのだろうかという疑問が起こる。

宇宙船地球号の乗組員としての自覚を説く知識人も多い。人間がエゴを乗り越えて隣人と和解し、地球との共生を実現することが大きな目的であるのが宗教などの思想である。

過去、日本人も南米や満州など、北海道も入植して困難な土地を開墾し生きてきた歴史がある。それは一旗揚げようという意気込みと住んでいる土地では生活苦であるという現実から始まった。彼らも二度と故郷に戻らぬ決心をして赴いたに違いないだろう。

生物は適応性が高く、時間をかけて慣れていくことになろう。居住地から離れることで改めて自分自身のアイデンティティを確認できるように、大気圏外から地球を見ること、そして木星から地球を見ることで何か新しい発想や思いを共有できれば素晴らしいことに違いない。

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