人生いろいろ:警部補の不祥事が増えた理由

† どの組織でも不祥事が露見する時代にあるが、警察官でも警部補という地位の人の報道が目につくのだがご存じだろうか。現場の課長補佐くらいの立場であるが、なぜ、そんな人たちに問題が山積するのだろうか。中間管理職のストレスと言いたいわけではない。

‡ 実は、警察組織は高学歴化が進み過ぎて大卒採用者が増加したこと、加えて一定率に制限していた管理職登用を大幅に緩和したということだ。現場にいた人たちに言わせると、警部補は捜査の中核として、それなりの人たちがなっていたというのだが、最近では実力の伴わない警部補クラスも多数であるという。団塊世代の大量退職で捜査技能の伝播が課題とされているだけに、警部補クラスの人選ができていないことへの危惧と信頼へのダメージは大きい。
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教会が虐待被害者と和解、ロス 枢機卿が隠蔽の疑い

教会が虐待被害者と和解、ロス 枢機卿が隠蔽の疑い
2013/3/13 中日新聞

 カトリック教会のロサンゼルス大司教を務めたマホーニー枢機卿が、神父による子どもへの性的虐待を隠蔽したとして訴えられ、教会側が被害者4人に計約1千万ドル(約9億6千万円)を支払うことで和解したことが12日、分かった。米メディアが被害者の弁護士の話として報じた。

 枢機卿は、12日に始まった新たなローマ法王を決める選挙(コンクラーベ)に参加している。

 問題の神父は1974~2000年の間、子どもたちを虐待。86年にマホーニー枢機卿に虐待を告白したのに、神父としての仕事を続けた。引退後に訴追され、07年に有罪判決を受けた。【ロサンゼルス共同】


・聖職者だって隠ぺいする。そうなのだ。

人生いろいろ:スポーツと体罰

† 文系人間の私にとってはスポーツ自体に魅力がないし根性論が中心で練習時間を増やせば勝てるという指導者にはゲンナリする。昨今発覚したナショナルチームでの各種の暴力だが、その深層には日本的な慣行があるという指摘があり最近聞いたラジオ番組では核心に迫る論議をしていた。

‡ それは日本の学校スポーツ教育には、生徒指導という側面が強くあり、純粋にスポーツ競技だけではないことだ。確かに生徒指導の先生らが生徒指導と称して荒れる生徒らをスポーツも使って鍛え直すという側面がある。だから純粋にスポーツには暴力反対ということが現場ではピンとこないということなのだ。部活として朝から晩まで生徒を拘束していくことにも違和感がある。スポーツと生徒指導が不可分にある学校現場の改善こそが、まず一歩となるのではないだろうか。

サイエンスZERO 「UFO!科学的に“あり”?“ナシ”?」

サイエンスZERO
UFO!科学的に「あり」?「ナシ」?(No.428)
2013年6月9日 Eテレ

UFO。その謎は多くの人の心を捉える一方、あくまでもSFやファンタジーの話であり続けてきた。ところが今、UFOの正体を「科学的に」白黒つけようという本気のチャレンジが世界中で進行中だ。結果、UFO目撃情報の8割は、自然現象などで説明がついたものの、残り2割は「科学でも説明不可」! はたしてUFOは「あり」なのか、「ナシ」なのか? 日本の宇宙物理の第一人者、佐藤勝彦さんを交えて徹底追求する!

毎年、世界中で目撃される「UFO」。実はその2割までもが、今の科学では「説明不可」!長年の水掛け論に決着をつけるべく、宇宙物理の第一人者による驚きの新事実です!

【ゲスト】佐藤勝彦(自然科学研究機構機構長)
【出演】南沢奈央, 竹内薫(科学ジャーナリスト), 中村慶子アナウンサー
【語り】土田大
【ディレクター】坂田能成


・UFO現象について滅多に取り上げないNHKの科学番組だが、今回は冷静に報道しようという意図が感じられた。民放局では、動画投稿サイトから選び出した映像を元に取材しつつも、誤解を与えやすいことは変わりない。

特に問題となるのは、物理現象や科学現象を理解できないことによる半ばオカルト的な状況に陥ってしまうことだ。理解できないから一気に精神世界や宗教っぽいものにのめり込むリスクが大きくある。ただ、まともな科学者は相手にしない現象であり社会に対する啓蒙にも活発ではないのが実情である。

番組でもUFO現象に対する解明が2割はできないということだ。反対に言えば8割は証明できることなのだ。

私は個人的にSFテレビ番組が好きで宇宙空間でのストーリーは夢があると感じている。ただ、それは他の惑星や宇宙人などという隠喩を用いて、自分自身らを見つめるという作業をしていると思っているからだ。

また将来問題視されるだろう科学と倫理問題を先取りして提示してくれている。機械やコンピュータとの共存も重大な問題だ。

番組では、過去に話題を呼んだUFO写真が実は撮影者のトリックだと明かした事例を実名で上げていた。本当に、こうしたことは多いのだ。冗談でやったが周りが大きく取り上げて引くに引けないということはよくあるだろう。

物理学者が最後に、今発見されている水が存在する地球型の惑星について話をしていたが、実はそうした普通の科学者の説明でないものを一般視聴者は求めているのだろうと思う。

上記に記したように、未知のところから救世主が現れたりヒーローが出て自分たちの問題を解決してくれるような願望があるのではないだろうか。

そして良く知られているのは心理学的なトラウマと異常現象の親和性の関係である。宇宙人にレイプされたと証言する人たちには、実は実生活上の大きな問題を抱えていたりすることは知られている。

人間の知覚とは本当に微妙なものであり、いいかげんなものだとも言える。その知覚を用いることと判断する脳機能にも限界があることで極めて個人的なものだとも言える。2割の未解明現象があることは、実は人間という存在を考えると納得できたりすると思えるのだがいかがであろう。


<番組で取り上げられた機関>
★仏国立宇宙研究センター(CNES) 未確認大気宇宙現象情報研究グループ(GEIPAN)

★全米航空異常現象研究センター(NARCAP)

 アメリカのUFO調査 (詳細不明)
   天文現象(惑星・流星など)21.8%
   航空機 21.6%
   気球 15.4%
   情報不足 10.9%
   その他(幻覚など)10.6%
   正体不明 19.7%

NHK-FM 日曜喫茶室 “ふるさと再発見 日本の昔話の魅力”

『日曜喫茶室 “ふるさと再発見 日本の昔話の魅力”』
2013年5月26日 NHK-FM

日本の各地に伝わる民話、祭事の由来や神話・伝説など庶民の文化を支えてきた“昔ばなし”は、今も子供から大人まで、世代を超えて愛され続けています。東日本大震災の後、日本古来の人と人との絆を求める風潮も強まり、昔ばなしへの注目は高く、アニメ化や本やビデオの販売が話題を集めています。今回の『日曜喫茶室』は「ふるさと再発見・日本の昔話の魅力」と題し、日本の昔ばなしに思いを寄せる、アニメ「まんが日本昔ばなし」の語りでおなじみの女優の市原悦子さんと小澤昔ばなし研究所所長の小澤俊夫さんをゲストにお迎えして、日本各地に伝わる昔ばなしの面白さや魅力についてお話を伺います。

【ゲスト】市原悦子(女優)
     小澤俊夫(小澤昔ばなし研究所所長)
【ご常連】安野光雅(画家)
【司会】(マスター)はかま満緒、(ウェイトレス)小泉裕美子


・日本の昔ばなしについて楽しい話を聞くことができた。ゲストの市原悦子さんの生での語りもあった。日本の昔ばなしと対比されるものは、例えばグリム童話などの世界の昔ばなしとされるもので、小澤俊夫さんは、その研究をされてから日本の昔ばなしの研究と採話や普及に努力されている。

日本の昔ばなしの種類は1000と言われている。教訓的な話が日本には多い。小澤さんにとって「三年寝太郎」は、人間の育つ姿を正直に見ていて気に入っている話である。「むかしむかし・・・」というのは時代も場所も人物も不特定である、つまり嘘の話である、信じないでくださいという宣言である。

小澤さんが考える昔ばなしのメッセージとは①人間と自然との関係(人間が自然とどう付き合ってきたか)②人間が育つ姿③いのちの在り方(弱肉強食の世界という実相)

市原悦子さんは「(番組を20年やってきて)終わってフーッと思った時に、まあ人間ってちっぽけだなぁという感想がものすごく大きかったです。そして教訓的教育的な・・・心掛けが良ければ良いことがあるとか、努力すれば実るとかはほとんどないということが感じられました。そして誰かに良い心を持ちなさいというのことはほとんど無力だという感じで。人間がちっぽけだなぁって、この自然と宇宙とこの世の営みは残酷だなって。そして努力してもしようもないからと言って捨て鉢になってもいけないし、やっぱり一つ一つやっていくんだな、一日一日生きていくんだな、それがものすごい感想でした」と語った。

この市原さんの話が核心を突くものだと思う。一般的に良い爺さんと悪い爺さんの対比で、良いことをすれば幸せが訪れると話されるかと思ったら、人間はちっぽけで残酷なものという感じたという。これこそが昔ばなしの深層として極めて大事なことなのではないかと思う。

仏教的な因果応報でなく、どうしようもないが、でも丁寧に生きていくしかないことを教え伝えているならば昔ばなしが語られる値打ちがあると思われる。

また、このブログの項目であるジョーゼフ・キャンベル教授は神話学の世界的権威であるが、神話と昔ばなしの関連を考えると非常に興味深いものがある。小澤さんの語る昔ばなしのメッセージに加えれば、神話とは、自然との付き合い方、人間の成長と社会との調和の在り方を教えるものだとも言える。

昔ばなしとは、単にこれこれの出来事がありましたという事実を伝えているわけでなく、あくまでも隠喩ととして広く自然と人間との関係、そして人間の成長と社会の在り方について考えるヒントを与えてくれるものだと思う。

文字か発明される前から、親から子・孫へ代々語り伝えるべきことが、単なる教訓でない人間の生きる難しさをそれでも肯定するところに大いなる価値があると改めて感じた次第である。


追加

市原悦子がNHK番組で差別語連発 有働アナ謝罪、視聴者からは擁護や評価の声
2015年5月23日 J-CASTニュース

 女優の市原悦子さん(79)が出演したNHKの番組で「かたわ」「毛唐」という言葉を口にし、アナウンサーが後で謝罪する一幕があった。

 いずれも体が不自由な人や外国人に対する表現で、メディアなどでは使用が避けられている。しかしネット上では市原さんの発言を非難する声はほとんどなく、「前後の文脈上問題ない」「差別意識はない」と擁護する意見が多い。

■「やまんば」への思い入れ語る場面で…

 市原さんは2015年5月22日に放送された「あさイチ」にゲスト出演。「まんが日本昔話」のナレーションを務めた思い出話に話題がおよび、「一歩一歩やっていくほかない」「風が吹いたらいい季節だなあと感じるようになった」と同番組に教えられたことが多いと振り返った。

 続けて、一番好きな話は「やまんば」だとし、

  「私のやまんばの解釈は世の中から外れた人。たとえば『かたわ』になった人、人減らしで捨てられた人、外国から来た『毛唐』でバケモノだと言われた人」

と発言。世間から疎外され、山に住んでいた人たちが「やまんばの原点」になったと思うと説明した。

 また、やまんばのキャラクターが「魅力的で大好き」な理由について、

  「彼らは反骨精神と憎しみがあって他人への攻撃がすごい。そのかわり心を通じた人とはこよなく手をつないでいく。その極端さが好き」

と笑顔で語った。井ノ原快彦さんも「虐げられているから愛情を欲しがるんですね」と応じ、スタジオは「日本昔話」トークで盛り上がった。

謝罪後、市原さんの表情がこわばった

 しかし番組の終盤、有働由美子アナが、

  「さきほどのコーナーで『かたわ』『毛唐』という発言がありました。体の不自由な方、外国人の方を傷つける言い方でした。深くお詫びします」

と謝罪。するとツイッターなどネットには番組の対応を疑問視する意見が相次いだ。

  「『当時差別された人』の文脈で使ってるんでまったく問題ないと思う」
  「昔話の解釈にちなみ、あえて使った表現だろう。綺麗な表現に置き換えたら、本質が伝わらない」
  「番組は見たけれど、悪意が無い分さほど気にならなかった」

など、あくまで「表現の一手法」「悪意はない」とする意見が多かった。

 また有働アナの謝罪後、市原さんの表情がこわばっていたと指摘する声があり、同情する書き込みも目立った。

 今回のような言葉は「放送禁止用語」などと言われるが、法規制がある訳ではなく、あくまでテレビ局などの自主規制による。

 たとえばNHKで「片手落ち」が使われなくなった経緯について、経済評論家で元職員の池田信夫さんは

  「けしからん」

と抗議を受けたからだと2006年のブログで明かしている。NHKは「かたおち」と言い換えている例が多いようだ。

 また作家の乙武洋匡さんは11年6月、ツイッターで、

  「『カタワ』はNGで、『障がい者』はOKと誰が決めたのか。誰の感情に合わせた線引きなのか。まったく分からない」

と疑問を呈したことがある。

 なお市原さんの発言に「浅草キッド」の玉袋筋太郎さんはツイッターで「かましまくる!」とはしゃいだ。自身もデビューから15年に解禁されるまでNHK出演時に番組から自主規制で「玉ちゃん」と名乗らされていた不満があったのかもしれない。


参考
著書『やまんば 女優市原悦子43人と語る』(2013年 春秋社)

活動・著書などについては
市原悦子オフィシャルホームページ」 http://wonderpro.sub.jp/profile/etsuko-ichihara

天台宗:専門用語解説の大辞典を初編集

天台宗:「前代未聞」も…専門用語解説の大辞典を初編集
2013年6月20日 毎日新聞

 比叡山延暦寺(大津市)を総本山とする天台宗が、教義などの専門用語などを解説する「天台学大辞典」の編集作業を進めている。宗祖・最澄(伝教大師)らの遺徳をしのぶ大法会(だいほう(え)(2012年4月~22年3月)に合わせた10年がかりの記念事業で、宗派としては初めての取り組み。上下2巻に計約1万語を収める計画だ。

 天台宗は6世紀に隋(ずい)で始まり、日本では平安時代、唐に留学した最澄が広めた。最澄が開いた延暦寺は以後、浄土宗の法然、臨済宗の栄西、浄土真宗の親鸞ら多くの宗祖を輩出している。

 これまで密教大辞典(真言宗)や浄土宗大辞典(浄土宗)、禅学大辞典(禅宗)などはあったが、天台宗には大辞典がなかった。天台宗典編纂(へんさん)所(同市)の荒槇純隆編集長(54)によると、手書きの文献が膨大にあり、整理されていなかったためという。

 天台宗は約80年前から文献を活字化する作業を開始。鎌倉~江戸時代に全国の有力な寺で開かれた勉強会の記録も調査してきた。作業は第二次世界大戦で一時中断したが、「天台宗全書」25冊と「続天台宗全書」全25冊中22冊を昨年6月までに出版し、辞典編纂の下地が整った。

 昨年11月、東京都台東区の寛永寺に「辞典編纂室」を設置。僧侶や大学教授ら約100人が、辞典に掲載する用語をカードに書き出す作業を続けている。これまでに約1万2000語を選んだ。中には天台宗の重要書物の一つ「摩訶止観(まかしかん)」に記載された「前代未聞」などおなじみの言葉もある。

 荒槇編集長は「天台宗の言葉は源氏物語などの文学にも教養として登場し、日本の文化や精神に影響を与えている。辞典で天台宗への理解を深めてほしい」と話している。【石川勝義】


・記事では辞典がいつ完成するのかは書かれていないが極めて重要な仕事であろう。言葉の定義を進めることは、言葉で成り立つ宗教には必要なこと。他の宗教成立にも影響するだけに丁寧に仕上げてほしいものだ。

TBS系列「赤ちゃんの行方~特別養子縁組という選択をした人々」

赤ちゃんの行方~特別養子縁組という選択
2013年2月17日放送 TBS 「報道の魂」枠

伝える'13「赤ちゃんの行方~特別養子縁組という選択をした人々」
2013年4月21日深夜 CBC

妊娠・出産をしても、貧困や暴力など様々な理由から、この世に生まれた命を手放さざるを得ない母親たちがいる。

愛知県に住むシングルマザーが託した生後10日目の男の子は、海をわたり、アメリカ・ロサンゼルスの家族に迎えられた。原発事故で住居と仕事を失った妊婦は将来の生活を悲観し、生まれてくる赤ちゃんを養子として人に託すことを決断。出産から2週間後、赤ちゃんは国内の養父母へと託された。

産みの親と育ての親を橋渡しするのは、民間の養子縁組斡旋団体だ。乳児の遺棄事件防止の観点から、「特別養子縁組」という制度を利用して支援に奔走する。

東京都内の夫婦は結婚9年目に不妊治療に見切りをつけ、男の子の赤ちゃんを養子として迎え入れた。3人で迎えた初めての正月、初詣に訪れた神社で母親は「物心がついた頃、子供には本当のことを伝えていきたいと思っています」と話す。

日本では、親が育てられない子供の9割が、乳児院や養護施設で育つ。そんな中、「特別養子縁組」という制度を使って家庭に託す、家庭で育てるという道を選んだ人々、それぞれの姿を取材した。

ナレーション:進藤晶子
取材・構成:桜井雄亮(TBS報道局社会部)



・3つの事例を通して3つの人生を綴る。原発事故の影響から経済的な理由で子どもを手放した福島県いわき市の女性。名古屋の一児のシングルマザーは、新しい男性と付き合ったが妊娠後に行方不明になり経済的に育てられない。そして東京都内の女性夫婦は、不妊治療の末に養子縁組を希望し新たに男児を受け入れた。

名古屋の事例では、その子供がロスアンジェルスの46歳女性夫婦のもとに引き取られていく様子を撮影した。

この番組は、下記のNPOの活動に同行取材したもので何か新たに取材をしたものではない。このNPOは職員4人で規模も小さく増えている相談に応えられる体制ではないという。そして養子希望者は、その行先を海外へが7割、国内へが3割という割合で希望しているという。海外との団体との提携で、養子縁組を行っているということだ。

この番組ではないが気になることは特別養子縁組制度という完全に関係が切れる制度を利用する産み親に十分に考える余裕があるのか、子どもを手渡して終わりなのだろうかということだ。産み親は出産に至る前に調べているが心変わりはないのだろうかということは、このような番組を見るといつも感じることだ。

涙があった。悲しい涙、嬉しい涙、感動の涙・・・、切っても切れないのが人間の縁であり身分関係は変化しても、その意識を持って強く生きて行ってほしいと思う。


NPOベビーライフ  http://babylife.org/

人生いろいろ:いろいろな「勧誘を止めさせる」という詐欺

† 訪問販売、通信販売で悪徳業者は過去に被害にあった人たちの名簿を共有していると思われる。騙されやすい人はいる。加えて認知症高齢者らは最適なターゲットなのだ。

‡ この情報にあるように被害者を救済するように装って騙す手口もその一つ。家族や友人は普段と違った様子や金銭的な問題を抱えていないかを常に知っておくべきだろう。


見守り新鮮情報 第165号 平成25年6月7日
◇発行:独立行政法人国民生活センター◇

  訪問販売の勧誘を止めてくれる?高額な手数料の請求!

親戚の高齢の女性が、金融機関で大金を引き出していた。どうしたのか聞いた
ところ、公的機関を名乗る男性が突然自宅を訪ねてきて、「あなたは過去に色
々な業者から寝具を購入しているため、今後も勧誘が続く。訪問販売業者が来
ないように手続きしてあげるので、その費用として150万円必要」と言われ、現
金を下ろしにきたということだった。この後その男性が自宅にお金を取りに来
るらしい。不審に思うがどうしたらよいか。(当事者:80歳代 女性)

<ひとこと助言>
☆過去に訪問販売でトラブルに遭った人が、電話や郵便、来訪などで「訪問販
 売業者の勧誘を止める」「被害者名簿から削除する」などと持ちかけられ、
 その後手数料を請求された等の相談が寄せられています。
☆実際に手数料を支払わされたり、別の商品を売りつけられたりして、二次的
 な被害が生じるケースも見られます。
☆仮に何らかの手続きをしたとしても勧誘が止まる保証はありません。特に金
 銭を要求された場合は、決して信用してはいけません。きっぱり断りましょ
 う。
☆高齢者が不審な勧誘を受けていないかなど、身近な人が日ごろから気を配る
 ことも大切です。
☆困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)


バチカン、金融取引で資金洗浄か 監視局、6件を認定

バチカン、金融取引で資金洗浄か 監視局、6件を認定
2013/5/26 朝日新聞

ローマ法王庁とバチカン市国の財務情報を監視する独立機関「聖座財務情報監視局」は22日、初めての年次報告書を発表した。バチカンの2012年の金融取引のうち、計6件にマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがあると認定した。

会見に出席した監視責任者のブルラート氏は、前年の1件から増加した点について「監視態勢が整備された結果だ」と評価した。うち2件について、バチカン検察に捜査を要請したという。6件とも「テロ資金とは無関係」とした。

疑わしい取引には、カトリック教会の資産を管理・運用する宗教事業協会(通称・バチカン銀行)が関わるものもあるという。約60億ユーロ(約7900億円)の資産を扱う巨大組織は10年、資金洗浄に関与したとしてイタリア当局の捜査を受けた。欧州連合や米国から、情報公開が不十分だとの指摘も受けてきた。【バチカン=石田博士】


・バチカンのもう一つの問題が資金洗浄など、不透明な資産問題。ただ宗教国家に情報公開をする義務はないとのことで極めて分からないことだらけ。キリストが生きていたら銀行に関わったり、政治に関わったりすることはなかったに違いないだろう。

思わず、本音ポロリ 「法王になりたくなかった」

思わず、本音ポロリ 「法王になりたくなかった」
2013年6月9日 朝日新聞

 「法王にはなりたくなかった」。ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は7日、自らが属するイエズス会系の学校の生徒たちとの交流行事で、思わず本音を漏らした。

 交流行事はバチカンであり、法王はスピーチの原稿を用意していたが、「5ページもあって、ちょっと退屈なんです。ぐっと縮めましょう」と、もっぱら質疑応答に時間を割いた。

 「法王になりたかったですか」という質問に、法王は「私はなりたくなかった」と打ち明けた。同時に「なりたがる人を、神は祝福しないんです」とも話し、法王に選ばれたコンクラーベでのやりとりを示唆した。

 法王宮殿ではなくバチカン内の質素な宿泊施設で暮らしていることについても、「一人は寂しい。みんなと一緒にいたいんです。心の健康のために」と答え、冗談めかしながらも、11億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会トップの孤独な立場をうかがわせた。

 また、「なぜイエズス会員になったのですか」という問いには、「布教にあたる宣教師になりたかった。神学生の時、日本かどこかに派遣してくださいとお願いした」と話した。だが、過去に肺を患っていたため、「激務は無理だろう」と聞き入れられなかったという。

 フランシスコ法王は、イエズス会出身の初の法王。1980年代に一度訪日したことがある。【ローマ=石田博士】


・外信で伝えられた新法王の報道である。写真を見ると相手は小学生くらいの子どもたち。むろん冗談ということで処理されているが、法王という孤独な立場を窺える記事である。

バチカンは、伝統と保守という問題を抱えて難儀しており前法王が途中で退位した理由も、そこらへんにあると噂されている。相次ぐ問題に教勢は滞り、かつ得意の外交も振るわない。

これからカトリック教会はどこへ行くのか、まだ道筋は見えない。


「法王なりたくなかった」 フランシスコが冗談
2013.6.8 産経ニュース

 イタリアのメディアによると、ローマ法王フランシスコは7日、バチカンでカトリックのイエズス会系の学校に通う子どもたちと交流して「法王にはなりたくなかった」と冗談を言い、子どもたちや関係者らの笑いを誘った。

 法王はことし3月に、コンクラーベと呼ばれる選挙で選出された。子どもの一人に、法王になりたかったかどうか尋ねられ「自分のことを大事に思っている人は法王になろうなんて考えない。そんな人は神に祝福されない」と冗談めかして語った。

 法王はバチカンのサンピエトロ広場に面した専用住居には入らず、コンクラーベの際に使用したバチカン内の宿舎で他の聖職者らと寝泊まりを続けている。その理由を「独りになりたくない。性格的な理由だ」と答えた。ローマ郊外の別荘も利用せず、夏の間もバチカンにとどまる。(共同)


スコットランドの大司教が辞職─性的虐待の報道後に

スコットランドの大司教が辞職─性的虐待の報道後に
2013年 2月 26日 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 ローマ法王庁のキース・オブライエン枢機卿が25日、スコットランド・セントアンドリュースとエディンバラの大司教を辞職し、ローマ法王ベネディクト16世の後継者を決める選挙「コンクラーベ」に出席しない意向を明らかにした。オブライエン枢機卿が数十年前に神学生たちと不適切な関係を持っていた疑いが公に表面化してから1日後の出来事だ。

 ローマ法王庁とスコットランド・カトリック教会は25日、法王が18日にオブライン枢機卿の辞職を受け入れ、それが25日付で有効になったことを明らかにした。

 事情に詳しい関係筋によると、ローマ法王庁当局は、今回の決断を下す前、神学校でオブライン枢機卿の配下にあった複数の男性が枢機卿と不適切な関係があったと相次いで申し立てた件について調査していた。

 オブライエン枢機卿によって「不適切な関係」を要求された、と匿名の司祭3人と元司祭1人がローマ法王庁に申し立てたことについて、英紙オブザーバーが24日に報じていた。

 オブライエン枢機卿は、辞職を発表する文書で、「ローマのメディアの注目がベネディクト16世やその後継者ではなく、自身に向けられることは本意ではない」と述べた。

 オブライン枢機卿は申し立てに異議を唱(とな)えているが、文書ではそのことについては言及していない。

 オブライン枢機卿は辞職にあたって、セントアンドリュースとエディンバラの大司教区の管轄権を放棄する。同職はスコットランド・カトリック教会で最高位の行政職に当たる。ただし、スコットランド・カトリック教会の広報担当者、ピーター・カーニー氏によると、枢機卿の位は「法王から授けられる個人的名誉であり、辞職することはできない」ため、枢機卿にはとどまることになるという。

 オブライエン枢機卿の辞職は、ベネディクト16世の2月末での退位に向けて既に態勢を整えつつあったカトリックの聖職者たちに衝撃を与えている。

 ローマ法王庁は数日前から、ローマ・カトリック教会枢機卿委員会によって、当局者の広範な性的・財政的に不適切な行為が発覚したとするイタリアメディアの報道を断固として否認してきた。ローマ法王庁当局は25日の記者会見で、枢機卿委員会が作成した膨大な報告書は法王の後継者が精査するために封印されたと述べた。

 ローマ法王ベネディクト16世は25日、自らの退任後に枢機卿たちがコンクラーベを迅速に開催できるよう、コンクラーベに関する規定を改正した。それにより、コンクラーベの日程は枢機卿たちによって3月上旬に設定されることになるだろう、と当局は説明している。

 アナリストらは、オブライエン枢機卿のコンクラーベ欠席の決定は極めて異例の措置だと話す。オブライエン枢機卿は投票年齢に達している英国唯一の枢機卿であり、しかも3月17日に教会の退職年齢である75歳になるため、それまで退任する予定はなかった。

 ローマ・カトリック教会の投票規定では、「病気またはその他何らかの重度の身体的障害によって出席を妨げられている場合でない限り」枢機卿がコンクラーベに出席することを義務付けており、欠席する場合も「枢機卿会議によってそれを認知してもらわなければならない」と定めている。

 オブザーバー紙の報道を受けて、スコットランドのローマ・カトリック教会の広報担当者は週末にかけて文書を発表し、オブライエン枢機卿は「それら申し立てに異議を唱(とな)えており、法的助言を受けている」と述べた。エディンバラにある枢機卿の住居で電話に応じた女性は、枢機卿は話すことはできないと述べ、スコットランドのローマ・カトリック教会の広報担当者に電話を回した。

 一部のアナリストは、オブライエン枢機卿のコンクラーベ出席辞退によって、世間の圧力が高まり他の枢機卿も辞退を迫られる可能性があるとみている。ここ数日、司祭による性的虐待の犠牲者らが、性的虐待問題の扱いに不手際があったことを認めた枢機卿に対して、コンクラーベへの出席を辞退するよう要求している。枢機卿らは辞退を拒否し、投票への参加を表明している。

 オブライエン枢機卿の辞職によって、「教会の利益のために辞退したほうがいいのではないか」と自問し始める枢機卿が出てくる可能性もある、と教会歴史家でコンクラーベに詳しいアルベルト・メローニ氏は話す。


・バチカンのセックススキャンダルは止まるところがない。高位の聖職者による行為は信者らの不信と反発を招きカトリックの地位を揺るがす。新法王がメスを入れられるのか・・・。


司祭らに「関係」迫る?英枢機卿が大司教職辞任
2013年2月26日 読売新聞

 英カトリック教会最高位のキース・オブライエン枢機卿(74)は25日、スコットランドのセントアンドルーズ、エディンバラ大司教職を辞任した。

 理由は明らかにされていないが、1980年代に複数の司祭らに「不適切な関係」を迫った疑いなどが浮上していた。

 オブライエン枢機卿は、ローマ法王ベネディクト16世の後任を選ぶバチカンでの法王選出会議(コンクラーベ)に英国からただ一人、出席する予定だったが、辞任声明で「メディアの注目が次期法王より、私に集まるのは望ましくない」として、出席見送りを表明した。

 英国は、16世紀に国王ヘンリー8世がカトリック教会に反発して創設した英国国教会を国教としており、カトリック教徒は全人口の9%前後とされる。【ロンドン=佐藤昌宏】


麻生、石破、山谷えり子ら安倍政権にクリスチャンが多い理由

麻生、石破、山谷えり子ら安倍政権にクリスチャンが多い理由
2013年2月2日 NEWSポストセブン ※週刊ポスト2013年2月1日号

 麻生太郎・副総理、石破茂・自民党幹事長、山谷えり子・政府開発援助特別委員長……いずれも安倍政権の中枢を担う保守政治家たちである。実は、彼らにはある共通点があることをご存じだろうか。

 答えは、「クリスチャン」だ。国内の1%に満たないキリスト教徒が、なぜ政界にこれほど多いのか。その謎を追った。

 キリスト教年鑑によれば、日本国内のキリスト教信者や聖職者は107万人で、人口比にしてわずか0.845%に過ぎない(2012年)。政治家のクリスチャンは、この比率からすると明らかに多い。

 クリスチャンの文芸評論家、富岡幸一郎・関東学院大学文学部教授が分析する。
「人口ではわずか1%に満たなくても、高等教育を受けたエスタブリッシュメントにクリスチャンが多いからです。明治期にキリスト教が解禁された後、札幌農学校に赴任したクラーク博士の門下で内村鑑三氏や新渡戸稲造氏がクリスチャンとなり、彼らが後に旧制一高(東京大学教養学部の前身)で教職に就いたことで、旧帝大のエリート層にはキリスト教が定着します。

 一方、関西ではNHK大河ドラマ『八重の桜』の主人公・新島八重の夫となる新島襄氏が同志社大学を設立してキリスト教を布教します。戦後、アメリカ文化とキリスト教が密接に結びつく中、そこで高等教育を受けた人々が政界に進出し、その結果としてクリスチャン政治家が増えていった」

 麻生氏の祖母、雪子さんは牧野伸顕・元外相の娘にあたるが、牧野氏は新渡戸氏を旧制一高の校長に推薦した人物だ。石破氏の曾祖父、金森通倫氏は同志社で新島氏からキリスト教の洗礼を受けた。麻生、石破両氏は、明治期に広がった“東西のエスタブリッシュメント系クリスチャンの本流”に属しているといえよう。

 また、新渡戸門下だった南原繁氏、矢内原忠雄氏というクリスチャン教育者が、戦後立て続けに東京大学総長に就いたこともあり、東大出身者、とりわけ官僚にはいまでもクリスチャンの割合が高い。

 民主党のクリスチャン議員はいう。
「国会では、米国でクリスチャン議員がやっている『朝の祈りの会』を日本でやろうということで始まった会を月一回で開催しているが、ここには議員だけではなく、財界人や官僚OBも集い、かなり幅広い情報交換をしている。

 財務省OBが事務局のような役割を担い、聖書の勉強だけではなく、政策の議論もするし、大震災のときは支援についても話し合いました。クリスチャンではないが谷垣さんもこの会の中心で、キリスト教をきっかけにした一種のサロンのようになっています」


・明治期に日本を形成した大物らがキリスト教を欧米文化とともに受容したことは系譜として現在にもある。そして、少なくともキリスト教に親和感を抱くエスタブリッシュメントは多いことだろう。

ただ信仰と政治は分離されており彼らの口から、そのような言葉を聞くこともない。信仰が彼らに何を与えたのかをじっくりと伺いたいものだ。

創価学会の信者数「実際はもっと少ない」と島田裕巳氏明かす

創価学会の信者数「実際はもっと少ない」と島田裕巳氏明かす
2013年02月11日 NEWSポストセブン ※SAPIO2013年3月号

 数ある宗教団体のなかでも、特に“集客力”と“集金力”を持つ巨大新宗教の最新動向はどうなっているのか。
 創価学会を支持母体とする公明党が政権与党に復帰し、同党の太田昭宏氏が国土交通大臣になった。宗教学者の島田裕巳氏が指摘する。
「創価学会の信者の中には建設や不動産に携わる自営業者がかなり多い。安倍首相が打ち出す経済政策で公共事業の大盤振る舞いとなれば、潤う人も多いはず」
 創価学会は日蓮系、法華系の在家団体である。高度経済成長期に急速に勢力を拡大した。島田氏はこう話す。
「当時入会した人の多くは東京や大阪などの大都市圏に出てきた地方出身者。生活基盤を確立できていない彼らに、創価学会は『信仰さえすれば豊かになれる』と説き、信者を増やしていった」
 現在、創価学会は信者数を827万世帯と発表している。なぜ個人単位でなく世帯単位なのか。島田氏は言う。
「学会に入ると、その証しとして御本尊の曼陀羅が一家に一つ授与される仕組みになっている。827万世帯というのは授与された御本尊の数。途中で信仰をやめてしまった世帯もカウントされているので、実際の世帯数はもっと少ないはず」



・公明党の母体である宗教団体だが、政治のキャスティングボートを握って久しい。

日本維新の会代表者の慰安婦発言により、再び存在感が増してホクホクしているとされる。巨大教団だから問題も内在しているだろうが、憲法改正や9条問題に対する姿勢により本質が分かることになるのだろう。

團伊玖磨:歌劇「夕鶴」 若杉弘/読売日本so. 伊藤京子(S)

團伊玖磨:歌劇「夕鶴」 若杉弘/読売日本so. 伊藤京子(S)丹羽勝海(T)他

「歌劇“夕鶴”第1部」 團伊玖磨・作曲 (1時間21分43秒)
「歌劇“夕鶴”第2部」 團伊玖磨・作曲 (29分39秒)

 つう…(ソプラノ)伊藤京子
 与ひょう…(テノール)丹羽勝海
 運づ…(バリトン)栗林義信
 惣ど…(バリトン)平野忠彦
 子どもたち…ビクター少年合唱隊、杉並児童合唱団
 (管弦楽)読売日本交響楽団
 (指揮)若杉弘

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発売日 :1997/04/23
発売元 :ビクターエンタテインメント(株)
商品番号:VICC-60001/2



・山本安英が演じた舞台での録画をNHK教育で放映していたことを思い出す。

このCDは、團伊玖磨が作曲したオペラ版でありスタジオ録音されたもの。海外のオペラというと言語の問題があるが、ここでは日本語で楽しむことができた。オペラ版の初演は1952年。

夕鶴そのものが日本人の心象風景に合致し、恩返しというテーマに金銭の誘惑ということが重なり感情移入しやすいものだ。

予ひょうは、最初から最後まで純朴な青年として描かれ、お金の誘惑にも屈しているが、その怖さについて感づいているということもない。母親のように逞しいつうに比較すると、幼子ような描かれ方だ。

作中で、つうが予ひょうに、「私よりもお金や都に行くことの方が大事なの!?」と尋ねる部分がある。つうにとっては貧しくても二人で暖かい家庭を築くことが大事だという思いがある。

最後に機を織る姿を見ないようにということを予ひょうが破ってしまうのだが、これはアダムとエバの時代から同じことの繰り返し。破ってはいけないこと、見てはいけないことなどは、簡単に破ってしまうのが人間の常らしい。

この物語は、役柄がはっきりと分かれており強欲な者はその通りに描かれている。この話の元となった「鶴女房」は、しごく簡単な話であり、つうと予ひょうの話。そちらの方が単純に分かりやすいとも思える。

日本を代表する作品といことも言えるだろう。


登場人物
 つう…与ひょうの女房、実は鶴の化身(S)
 与ひょう…百姓(T)
 惣ど…ずる賢い村の男(B)
 運ず…惣どの相棒(Br)

あらすじ
全1幕 夕焼けに染まる雪景色にぽつんと建つ一軒家

与ひょうはいろり端で眠りこけている。子どもたちがわらべうたを歌いながらやって来て、「おばさん、おばさん、歌をうとうてけれ、遊んでけれ」と声を合わせる。つうが出かけているので与ひょうは代わりに子どもたちの相手をする。つうが戻り皆一緒に遊び始める。

物陰で強欲な惣どと運ずが密談をしている。二人はつうの織る珍しい織物で金儲けをしようと企んでいるのだ。しかし、つうには彼らの話す「お金」や「儲け」という言葉が理解できない。ただ鳥のように首を傾けて部屋の中に入ってしまう。二人はつうの仕草や機織り部屋に鶴の羽根が落ちていたことを思い出し、つうが鶴の化身なのではないかと思い始める。

与ひょうが戻ると、二人は彼につうの織る布を買いたいと申し出る。しかし、与ひょうは、布を織るとつうは痩せるし、もうこれきりと告げられたと言って断る。惣どと運ずは、いつか鶴を助けたことはないかと与ひょうに尋ねる。与ひょうは、矢に当たった鶴を確かに助けたことがあると答える。

鶴の千羽織りと呼ばれるその布は、都で何百両もの値がつくと言われていた。惣どと運ずは与ひょうを説得して布を織らせる約束をさせる。

何も知らないつうは夕飯の仕度をし、夫婦は仲良く食べ始める。与ひょうはおずおずとつうに布を織るよう頼むが、つうは約束を忘れたのかとあきれて断る。しかし、与ひょうは人が変わったように頑なに金が欲しい、都に行きたいと言い張ってつうを困らせる。ついに、出て行くとまで言う与ひょうを引き止めるため、つうは仕方なくもう1枚だけ布を織ると約束する。

つうは眠っていた与ひょうを起こし、もう1度だけ布を織るが決して機屋をのぞかないようにと念を押す。惣どと運ずが来て機屋をのぞき、そこに鶴を見つけて驚く。その様子を見た与ひょうも我慢ができずについに機屋をのぞいてしまう。そこには鶴が1羽いるだけだった。つうがいなくなってしまったと思った与ひょうは、ひとり雪の中にさまよい出る。

惣どと運ずが行き倒れていた与ひょうを助けて家に連れ戻る。機の音が止み、やつれ果てたつうが2枚の布を抱えて現れる。与ひょうはつうを見つけて大喜びする。だが、つうは与ひょうが約束を破って機屋をのぞいたことを知る。つうは泣きながら別れを告げ、2枚の布のうち1枚は決して売らずに側に置いてくれと頼む。化身は人に見られると人間の姿を保っていられないのだった。

子どもたちが訪れてつうを呼ぶが、もうその姿はない。子どもが空を行く鶴を見つけて指さす。与ひょうは残された布を抱きしめてつうの名を呼ぶ。しかし、飛ぶ鶴は次第に夕焼けの空に消えて行くのであった。

マリの世界遺産「被害は予想以上」

マリの世界遺産「被害は予想以上」
203年6月9日 NHK

ユネスコ=国連教育科学文化機関は、西アフリカのマリで反政府武装勢力によって破壊された世界遺産トンブクトゥの遺跡の現地調査を行い、多数の貴重な古文書が焼失するなど、被害が予想以上に深刻であることを明らかにしました。

マリでは、偶像崇拝を禁止するイスラム教の教えを厳格に捉える反政府武装勢力が去年、北部の都市トンブクトゥを支配下におき、ユネスコの世界文化遺産に登録されている遺跡を破壊しました。

マリ政府はフランス軍の支援を受けて、ことし1月、反政府武装勢力からトンブクトゥを奪還し、現地の治安が改善したことから、ユネスコでは先月28日から今月3日にかけて遺跡の現地調査を行いました。

その結果が7日、明らかになり、15世紀から16世紀に作られた宗教指導者の墓が完全に破壊されたほか、保管されていた4200点余りの貴重なイスラム教の古文書も焼失したということです。
被害の状況について、調査団の責任者は「予想していた以上に深刻な状況にある」と述べています。

ユネスコではことし2月、遺跡の復元作業や現地で遺跡保護に当たる専門家の育成などに、およそ1100万ドル(日本円で10億円余り)を拠出する方針を示しており、今後調査団の報告をもとに、遺跡の修復や復元を急ぐことにしています。



・アフリカでは列強国支配が済み民族紛争が絶えない。そして急進的な宗教を信奉する人たちにより記事にあるような宗教施設の破壊が行われる。

これは過去にもあることで、特に偶像礼拝を厳しく解釈する人には何らかの象徴たる像や建物は破壊すべしということになる。

それが文化遺産であっても国家の観光資源であっても同様である。嘆かわしいというよりも、自分たちの主張のみに酔いしれれてしまうことに人間の限界を考える。

破壊されてしまったものの修復は困難であり、文化破壊はダメージが大きい。

例えば、戦時中に米国が京都などを大規模に爆撃しなかったのは(ただ実際には京都も5回爆撃され民間人死者も出ている)文化に対する理解と戦後の占領戦略があったとされている。


仏・マリ軍が世界遺産都市を奪還、武装勢力放火で歴史資料焼失も
2013年1月29日 朝日新聞

 西アフリカのマリに軍事介入したフランス軍とマリ政府軍は28日、イスラム武装勢力が支配していたマリ北部の世界遺産都市トンブクトゥを奪還した。

 仏軍とマリ軍は26日、昨年から武装勢力に支配されていた北部の主要都市ガオを制圧したばかり。トンブクトゥでは武装勢力からの抵抗はなかったが、仏・マリ両軍は今後市内に潜伏している武装勢力がいないかどうか、慎重に調べることにしている。

 仏軍のスポークスマンはトンブクトゥ市内での戦闘を回避したと発表したが、同市の市長はロイターの取材に対し、イスラム武装勢力が4日前に市内の図書館を放火したことを明かした。この図書館には2万冊以上の学術的な書物が収められており、中には13世紀の文書もあったという。この施設で働く男性はスカイニュースに対し、3000冊以上が焼けたと証言した。

 一方、もう1つの主要都市キダルは、イスラム武装勢力が支配していたが、同国の北部独立を目指す遊牧民トゥアレグ人の反政府勢力「アザワド解放国民運動(MNLA)」が28日、イスラム武装勢力に代わって支配したと発表した。仏・マリ軍がキダルの奪還も目指すかどうかは今のところ不明。[ガオ(マリ) 28日 ロイター]


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