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速報

ローマ法王、28日に退位へ…伊メディア報道
2013年2月11日 読売新聞

 イタリアのメディアは11日、ローマ法王ベネディクト16世(85)が28日に退位すると伝えた。

 体力的な問題を理由としている。後継の法王は、ベネディクト16世の退位後に開かれる法王選出会議(コンクラーベ)で決定されるという。

 ベネディクト16世はドイツ出身。2005年4月、前法王ヨハネ・パウロ2世の後を継いで法王に就任した。【ローマ=末続哲也】



ローマ法王が表明“職を退く”
2013年2月11日 NHK

ローマ法王庁によりますと、ローマ法王ベネディクト16世は、11日に行われた枢機卿を集めた会議で、今月28日をもって辞任することを明らかにしました。

ベネディクト16世は、その場で枢機卿たちに対し、「何度にもわたって、神に対し良心に照らして考えた結果、高齢に達しているわが身が、法王としての職務を全うすることができないという確信を持った」と、辞任する理由を説明したということです。ベネディクト16世は、85歳で、高齢に加え、健康不安がしばしば取りざたされていました。



ローマ法王、28日に退位=85歳「年齢のため」―後継者決定まで空席・バチカン
2013年2月11日 時事通信社

 ローマ法王ベネディクト16世(85)は11日、教会会議で、高齢を理由に28日午後8時(日本時間3月1日午前4時)をもって退位する考えを表明した。バチカン(ローマ法王庁)が明らかにした。法王が存命中に退位するのは極めて異例。

 1927年4月16日、ドイツ生まれの法王は、先代のヨハネ・パウロ2世の死去を受け2005年4月に第265代の法王に即位した。在位期間は8年にわずかに満たないことになる。

 教会会議で法王は「神の前で何度も自分の意思を確認した」と強調。その結果「年齢のため、もはや責務にふさわしい力を失っていると確信するに至った」と決断の背景を説明した。また、退位が持つ「意味の重さは十分、分かっている」とも述べた。【ジュネーブ時事】



ローマ法王が月末に退位 6百年ぶり、高齢で重責果たせず
2013/2/11 中日新聞

 ローマ法王庁(バチカン)報道官は11日、ローマ法王ベネディクト16世(85)が高齢のため2月28日をもって退位すると発表した。バチカンのメディアによると、法王は11日、枢機卿会議で、重責を果たせないと感じたため引退を決めた、と述べた。

 法王は前法王ヨハネ・パウロ2世の後を受け、2005年4月、法王に選出された。先代法王に続き、生命や家族の重要さを説き、保守的立場を貫いた。法王庁(バチカン)報道官によると、法王の辞任は約600年ぶり。

 法王は「体力的、心理的、精神的に務めが果たせなくなると辞任する権利と責任がある」と述べていた。【ローマ共同】



ローマ法王退位 世界に波紋
2013年2月12日 NHK

ローマ法王ベネディクト16世が法王の座を退く意向を示したことは、世界で驚きをもって受け止められており、各国の政治指導者が相次いで声明を発表したほか、カトリック信者が世界で最も多いブラジルでも波紋が広がっています。

ローマ法王ベネディクト16世(85)は、高齢による体力の低下を理由に今月28日をもって法王の座を退く意向を示し、後任の法王は来月、ローマ法王庁で開かれる「コンクラーベ」と呼ばれる会議で選ばれる見通しです。

ローマ法王が在任中にみずから座を退くと表明するのは極めて異例で、世界で驚きをもって受け止められています。

これまでにアメリカのオバマ大統領やドイツのメルケル首相らが、法王の功績をたたえる声明を発表したほか、国連のパン・ギムン事務総長も「法王は世界の貧困や飢餓の問題に取り組み、人権や平和を促進した。その英知の上に世界に対話と寛容が築かれることを希望する」という声明を出しました。一方、世界で最も多い1億2500万人のカトリック信者がいるとされるブラジルでは、ことし7月に開かれるカトリック教会の祭典にベネディクト16世が出席することになっていただけに、突然の退位のニュースは大きく伝えられています。

地元のカトリック教会は、祭典には新たに選出される法王が出席する見通しを示しており、市民からは「ベネディクト16世が来られないのは残念だが、新しい法王の訪問と祝福に期待したい」といった声が上がっていました。



ローマ法王:600年ぶり 28日での「生前退位」表明
2013年02月12日 毎日新聞

 世界約12億人のキリスト教カトリック信徒の頂点に立つ第265代ローマ法王ベネディクト16世(85)が11日、高齢を理由に2月28日午後8時(日本時間3月1日午前4時)で退位すると表明した。法王は伝統的に終身在位制で、バチカン(ローマ法王庁)関係者によると、生前退位は中世以来約600年ぶり。次期法王は法王選挙会議(コンクラーベ)で3月末までに選出される見通しで、それまで法王の座は空位。ベネディクト16世の在位期間は8年弱となる。

 法王は11日、バチカンで開かれた枢機卿会議で「高齢のため、私の体力は法王職の遂行にふさわしくないと確信するに至った」とラテン語で表明した。さらに「変化が早い現代、教会統治には心身両面の強さが必要だが、ここ数カ月で体力が衰えた」と述べた。

 法王は昨年末のクリスマス前後に疲れた様子を見せ、消息筋によると、バチカンの庭で倒れたところを目撃された。イタリアのANSA通信はバチカン機関紙編集長の話として、法王は数カ月前に退位を決断していたと伝えた。

 法王は2010年11月に出版されたインタビュー集「世界の光:ローマ法王と教会、そして時代のしるし」の中で「法王が体力的、精神的、心理的に重要な務めを果たせないと自覚した場合、辞任する権利、時には義務がある」と述べていた。

 ベネディクト16世は前法王ヨハネ・パウロ2世の死去(当時84歳)に伴うコンクラーベで05年4月19日、78歳の高齢で第265代法王に選出され即位。生命や家族の価値観を重視する保守的な立場を取り、同性愛者同士の結婚を認めない姿勢を貫いた。元執事による秘密文書漏えい事件や、神父らによる児童性的虐待などカトリック教会を巡るスキャンダルへの対応にも追われた。

 対外的には在任中にトルコ、レバノンを訪問し、アラビア語を謁見(えっけん)式の公用語に採用するなどイスラム世界との関係改善を心がけた。また、「規制なき金融資本主義」への批判を強める一方、昨年12月、インターネット上で短文を発信する投稿サービス・ツイッターで「つぶやき」を始めたばかりだった。

 生前退位は、ローマとフランス・アビニョンに法王庁が分裂し、法王3人が乱立する事態となった1415年、分裂解消などのためグレゴリウス12世が辞任を強いられて以来という。次期法王は80歳未満の枢機卿によるコンクラーベで選ばれる。バチカン報道官は「(3月末の)復活祭までには新法王が選出されているだろう」との見通しを示した。

 ベネディクト16世は1927年4月16日、ドイツ・バイエルン州マルクトル生まれ。本名はヨゼフ・ラツィンガー。ドイツの大学で神学を教え、法王庁の教理省長官を務めた。

スキャンダルの中 開かれた教会実現に腐心

 11日に退位の意向を表明したローマ法王ベネディクト16世は、バチカン(ローマ法王庁)がスキャンダルに揺れる中で退場の道を選んだ。保守的な考えを前面に打ち出す一方で、他宗教との対話やITを活用した情報発信を通じて「開かれた教会」の実現にも腐心した法王だった。

 法王デビューはつまずきから始まった。即位の翌06年にドイツの大学で講演した際、イスラム教の預言者ムハンマドが「邪悪と残酷さをもたらした」とのビザンチン帝国皇帝の言葉を引用、「ジハード(聖戦)は神に反する」と述べ、イスラム世界の反発を招いた。

 だが、その後、イスラム諸国との関係改善に乗り出し、トルコ訪問ではモスク(イスラム礼拝堂)を訪れ、大歓迎を受けた。09年にはロシアとバチカンの外交関係を樹立し、11世紀に分裂した東方正教会との和解に道筋を付けた。

 先代のヨハネ・パウロ2世に比べ、カリスマ性に欠けると言われてきた法王。バチカン高官は両者の相違について「ポーランドの純粋なカトリック社会で育った前国王に比べ、プロテスタントなどの信徒が多いドイツ出身の現国王は他宗教のことを気にかけてきた」と指摘する。

 ベネディクト16世を知る人々は法王の人柄を「優しい」「礼儀正しい」と形容する。海外からの訪問者は丁重にもてなすのが通例だ。カトリック教会の聖職者による未成年者の性的虐待が欧米で明らかになった事件では「教会内の罪」に立ち向かう必要性を強調し、被害者に謝罪した。

 だが、スキャンダルへの対応では法王の優しさが「あだ」となるケースもあった。バチカンの秘密文書を持ち出して有罪判決を受けた元執事に昨年末のクリスマス前に恩赦を与えた際には、バチカン内部からも「恩赦の必要はないのでは」と疑問の声が出た。

 最近では現代社会のあり方に警鐘を鳴らす場面が目立った。同性愛者同士の「結婚」を通常の結婚と同列視することに異を唱える立場を堅持。また、ツイッターでの情報発信を始める一方、ハイテク社会を生きる現代人が陥りがちな自己中心主義を批判するなど、グローバル化時代への対応に苦慮するバチカンの姿も浮き彫りになった。【ローマ福島良典】



ローマ法王ベネディクト16世「カトリックを見捨てない」=最後の日曜日の祈り
2013/02/24 時事通信社

 ローマ法王ベネディクト16世(85)は24日、バチカンで2月末の退位前で最後となる日曜日恒例の祈りをささげた。サンピエトロ広場に詰め掛けた約10万人の信者を前に「(退位後も)カトリック教会を見捨てはしない」と語り掛けた。信者を思い続ける気持ちを強く訴え、約8年間の在任中ほぼ毎週開いてきた祈りを締めくくった。

 広場に面する建物のテラスに姿を現した法王は「主は私が信者に一層尽くすため、山に登るよう求めているが、これはカトリック教会を置き去りにすることではない」と強調。高齢を理由とした退位後も信者と共にいると話した。

 法王は退位前日の27日、サンピエトロ広場で一般謁見(えっけん)を行う。法王として信者の前に公の場で姿を見せるのはこれが最後となる。【ローマ時事】



法王選出会議、前倒しも=ベネディクト16世が規定改正-バチカン
2013/02/25 時事通信社

 2月末に退位するローマ法王ベネディクト16世(85)は25日、後継者を選出する会議「コンクラーベ」に関し、前倒し開催できるよう規定の改定に署名した。従来の規定なら3月中旬の開催だったが、上旬でも可能になる。

 新規定は「(コンクラーベに参加する)枢機卿が(バチカンに)いることを前提に、前倒しで開くこともできる」と改正された。ベネディクト16世は法王の不在期間短縮のため、コンクラーベの早期実施を望んでいるとされる。【ローマ時事】



ローマ法王、信者にお別れ=バチカンで最後の謁見
2013年2月27日 時事通信社

 ローマ法王ベネディクト16世(85)は27日、バチカンのサンピエトロ広場で28日の退位を前に最後の一般謁見(えっけん)を行った。法王は広場に集まった10万人を超える信者らに「退位後も信者と共にいる」と別れの言葉を語った。

 信者らを前に法王が祈りをささげる一般謁見は通常、バチカンの屋内で催されるが、この日は快晴に恵まれた広場で執り行われた。

 法王はカトリック教会で起きた数々の不祥事を念頭に、「荒波や逆風にさらされた」と自らの在任期間を振り返った。ただ「神はわれわれと共に船におり、決して沈むようなことはさせない」と強調。カトリックへの信仰を持ち続けるよう呼び掛けた。【ローマ時事】



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ローマ法王、異例の生前退位表明 米「進歩的な後継者を期待」
2013年2月25日 産経ニュース【環球異見】

 ローマ法王ベネディクト16世(85)による退位表明は世界に驚きと衝撃をもたらした。事実上、終身制の法王の生前退位表明は約600年ぶりで、「高齢のため体力が自らの職務にそぐわなくなった」とする決断に対しては「教会の活性化に資する」(英紙)などおおむね好意的だ。業績についての評価には手厳しいものもあるが、各紙とも次期法王に力強い改革者を求める見解では一致している。

 ▼フィナンシャル・タイムズ(英国)

 ■革命的で勇気ある決断

 英各紙は、ローマ法王の退位表明をおおむね好意的に伝えた。特に、英紙フィナンシャル・タイムズは12日付社説で、生前の退位表明が保守的なカトリック教会の「前例」となり教会の活性化に資する可能性があるとして高く評価し、「退位表明は変化のチャンスだ」と期待を示した。

 社説はまず、「ベネディクト16世は近代化や改革を進めるというより伝統を重んじる保守的なカトリック教会の考え方を反映していた」と評したが、法王が自ら退位を表明したことは、「革命的なことで、勇気ある決断だった」と強調。

 ただ、聖職者による未成年者への性的虐待問題では「対応があまりに遅く、強い指導力を示すことはできなかった」と批判し、イスラム教を「悪」と呼んだり、ホロコースト(ユダヤ人虐殺)の存在を否定し破門されていた聖職者を教会に呼び戻したりしたとし、業績には疑問を呈した。

 そのうえで、「法王の退位は、これらの問題を再検討するチャンスである」と期待を寄せる一方、教会内の伝統派とリベラル派の対立がかつてないほど深まる危険性を指摘。「新法王は、教会内の分断の問題解決にも当たらなければならない」とくぎを刺した。

 新法王については、現、前両法王ともに保守的な枢機卿会で選出されたことから、「急進的な改革を願っている人たちは落胆することになる」とも予測。

 さらに、「発展途上国出身の新法王を推している人たちもいる。そうなれば歴史的なことだが、新法王を地理的要因で決めてはいけない。カトリック教会は、若くエネルギーあふれる指導者を必要としている。その人は強靱(きょうじん)な体力と不屈の精神力を兼ね備えた事実上の経営者でなくてはならない」と締めくくった。(ロンドン 内藤泰朗)

 ▼フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)

 ■自身が教会の良心 証明

 ローマ法王ベネディクト16世の出身国、ドイツでは保守系紙フランクフルター・アルゲマイネが12日付社説で、世界的カリスマだった前法王ヨハネ・パウロ2世と対比させる形で、生前退位を決心した法王の功績を分析している。

 冷戦時代から21世紀初頭までカトリック教会を率いた前法王が死去した際、葬儀には国際社会の首脳や要人が多く詰めかけた。社説は、普遍的な人権尊重に尽力して「世界の良心」との名声を得、その死も「公的なもの」だった前法王に対し、現法王は「異なる最終章を選んだ」と指摘する。

 青年時代から内向的な知識人だった法王は世界志向の前法王とは一線を画し、在位中の所信や職務遂行のやり方にも違いが表れていた。社説はその背景に、「最も偉大な神学者」である法王が「教会の良心」であることを義務と認識していたことがあると分析する。

 法王は信徒への文書を通じて「信仰が生きがいある選択肢」であることを示し、昨年にはイエス・キリストの伝記3部作を完結させている。社説は「前法王が『会いたい人』なら、法王は『話を聞きたい人』だ」と両者を比較し、「法王は自ら課した方針をほぼ満たした」と評価した。

 前法王は死去の前、その判断が自らのものなのか不明なほど、体力や精神力が衰退していたとされる。法王は過去、体力的な限界を迎えれば身を引く可能性を示唆し、それを実行した。社説は「退位で法王は自身が『教会の良心』だと証明した」ともたたえている。

 ただ、前・現法王が「似ている」点もあると指摘する。それは「両者とも法王庁や枢機卿の権謀に苦労したこと」だ。法王庁の内部闘争もささやかれる中、社説は「後継者はあらゆる面での改革を避けられない」と強調した。(ベルリン 宮下日出男)

 ▼ワシントン・ポスト(米国)

 ■進歩的な後継者を期待

 12日付の米紙ワシントン・ポスト社説は、カトリックの伝統的な価値観を重んじる保守派とされたローマ法王ベネディクト16世は「良くも悪くも変革に激しく抵抗してきた」と批判的に論じ、カトリック教会に変化を求める信者は、次期法王に「進歩的な後継者」が選出されることを望むしかないと強調した。

 米国社会でも宗教や社会的価値観をめぐる保守とリベラルの分断が指摘されて久しい。社説はカトリック教会の分断に踏み込み、リベラル色の強い見解を示した。

 社説は冒頭から、法王が在任8年で踏み出した「一番大胆な行動は、彼が最後に取ったものだったかもしれない」と手厳しい。

 カトリック教会の「進歩派」が聖職者の生涯独身の見直しや女性の登用を求めたが、法王は一貫して拒絶したと指摘。同性愛の権利を認める動きが世界に広がる中、法王は同性愛を「不自然」であり、容認できないと非難してきたと強調する。

 また、聖職者による未成年者への性的虐待事件への対応も「不十分」と切り捨て、カトリック信者の重心が南米やアフリカ、アジアに移り始めているのに法王は「欧州のカトリックの復興」に取り組んだとも批判的に論じた。

 結果的に法王の在任中に諸問題は解決せず、就任時と同様の「(教会を)衰退させている問題を残したまま(法王は)去っていく」と指摘。とりわけ、「過去の教義に対する譲歩なしの執着のみが、信仰を保てる」ことを力説する“保守性”を疑問視した。

 一方で、保守的な論調の米紙ウォールストリート・ジャーナルの手に掛かるとその評価は一転。12日付社説は「現代社会の腐食から伝統を守る模範」と高く評価しており、米社会の分断を映す内容となっている。(ワシントン 犬塚陽介)



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参考 法王退位後、マスコミに出演し解説した

バチカンの聖と俗―日本大使の一四〇〇日
上野 景文

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単行本: 243ページ
出版社: かまくら春秋社 (2011/8/1)

「聖」なる国家の「俗」への挑戦
前駐バチカン大使が語るカトリック総本山の体験的文明・文化論

世界一小さな独立国家バチカンの特異な「歴史」と「今」、そして「未来」を熱く語る!

宗教機関であると同時に独立国であり、卓越した外交プレーヤーでもある。そんなバチカンの本質に、前バチカン大使が鋭く切り込んだ1冊。

第I部:「バチカン・カトリック教会」について、その「容姿・風貌・特質」の観察。
第II部:バチカンから欧州・世界を眺めると、どのような景色が見えるか。
第III部:それらの観察が日本、そして日本人に投げかける意味を考察。

<著者紹介>
上野 景文 (うえの・かげふみ)
1948年東京生まれ。1970年東京大学教養学部を卒業後、外務省入省。1973年英ケンブリッジ大学経済学部卒業、のちに修士課程修了。国際交流基金総務部長、スペイン公使、メルボルン総領事、駐グアテマラ大使、国際研修協力機構(JITCO)常務理事を経て、2006年10月より2010年9月まで、駐バチカン大使、2011年4月より杏林大学外国語学部客員教授。著書に『現代日本文明論 神を呑み込んだカミガミの物語』(第三企画)ほか。論文、エッセイ多数。




上野景文 元駐バチカン大使 2011.11.11- 日本記者クラブ 


「バチカンの聖と俗」(バチカンを通して世界を見る) - 日本記者クラブ PDF資料

新著『「バチカンの聖と俗」-日本大使の一四〇〇日』発行に寄せて
上野景文 杏林大学客員教授

この7月14日に、かまくら春秋社から上梓した「バチカンの聖と俗」(日本大使の一四〇〇日)は、昨年秋迄の4年にわたる駐バチカン大使の時代の体験を綴ったものです。特に2008~2010年には、JIBOのSPECIAL REPORTS 欄に 「ZOOM UP: バチカンに考える」シリーズを連載しましたが、新著はそれらを柱にしていますので、一部なりともお読みになられた方もおられるかと思います。
全体として、「文明論としてバチカンを論じること」を主眼としており、バチカンで「発見」した様々な特質に触れました。

たとえば、
●「俗」にも根を張っていることが、 バチカンに「懐の深さ」を与えている。換言すれば、「聖」だけで成り立っていたとすれば、カトリックは他の諸宗派と何ら変わらないものになるだろう。

●キリスト教から見て本来異質と思われるものすら次々と「呑み込んで」来たことで、バチカン・カトリックは世界中に根を張ることになった。

●イデオロギーの純粋性を求めないという点で、バチカン・カトリックは、日本の「お仲間」と言える。

●一五〇〇年、一〇〇〇年の昔のことを、今日か昨日のことのように見做し、「過去にこだわる」バチカンの姿勢は、数十年前のことすら「古い」の一語で「切り棄てて」しまう今日の日本人に、反省材料を提示してくれている。

●西欧北部で進行中の「キリスト教離れ」は、時として、「神なき新たな信仰」を生んでいる。伝統的生命・家族倫理に挑戦する新思潮・新信仰は、伝統を守らんとするバチカンを困惑させており、両者の「対決」は、「ミニ文明摩擦」の様相を呈している。

●社会経済問題に絶えずコメントするバチカンの姿勢は、社会経済問題にかかわろうとしない(ように見える)日本の宗教者の姿勢と好対照をなす。
等々です。

以上の諸点をご参照の上、ご関心ありという場合には、(イタリア・欧州在留者でもアマゾン、楽天等を通じて簡単にご入手頂けますので)是非ともお読み下さい。




ローマ法王:後継選出 コンクラーベは12日から
2013年03月09日 毎日新聞

 ローマ法王ベネディクト16世の退位を受けてバチカン(ローマ法王庁)で開かれていた枢機卿会議は8日、後継を選ぶ法王選挙会議(コンクラーベ)を12日から開くと決めた。バチカン報道官が発表した。聖職者による性的虐待や不透明な資金運用などのスキャンダルで揺れる中、伝統に従ってイタリアなど欧州から後継者が出るか、改革断行のために中南米など他地域出身の次期法王を選んで新風を吹き込むかが焦点だ。

 コンクラーベには選挙資格を持つ80歳未満の枢機卿117人のうち体調悪化やスキャンダルを抱えて参加しない2人を除く115人が参加。内訳は欧州60人、中南米19人、北米14人、アフリカ11人、アジア10人、オセアニア1人。バチカンのシスティーナ礼拝堂で3分の2の77票以上の支持を獲得するまで秘密投票を繰り返す。

 候補には、イタリアのアンジェロ・スコラ・ミラノ大司教(71)、ブラジルのオディロ・ペドロ・シェレル・サンパウロ大司教(63)、カナダのマルク・ウエレット枢機卿(68)らが取りざたされているが、混戦模様だ。

 スペインのカルロス・アミーゴ・バリェホ・セビリア名誉大司教(78)は毎日新聞などの取材に「教会は世界規模に広がっており、黒人法王や中南米出身の法王が選ばれても驚かない」と述べた。

 コンクラーベは通例、法王死去後に開かれるが、今回はベネディクト16世が「名誉法王」として存命中に開催される異例のケースとなる。バチカン報道官は「前法王が存命していることが(選出に)影響を与えることはない」と説明している。【ローマ福島良典】


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