シリーズ:生活習慣を見直す05 昼休みに昼寝

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・この短時間昼寝はとてもいいらしい。ところが日本の昼休みは忙しくて、移動時間と昼食時間、プラスNHKの朝ドラ再放送を見ていると終わってしまう。もう15分昼休みが長いと日本人も健康になるのに。
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NHK-FM 日曜喫茶室「与えられた試練を生きる」

日曜喫茶室「与えられた試練を生きる」
2012年10月28日 NHK-FM 午後0:15〜午後2:00 (105分)

毎月最終日曜日、はかま満緒マスターが二組のゲストをお招きし、週代わりの常連客(ゲスト)とともに、旬の話題・活動をおしゃべりする番組『日曜喫茶室』。10月28日(日)は、ゲストにピアニストの舘野泉さんと、ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんをお迎えし、「与えられた試練を生きる」をテーマにお送りします。
自然災害、事件、病気…人生にはしばしば、自分ではどうしようもないことが起こります。与えられた環境の中で、様々な試練を乗り越え、人々は精一杯生きて、それぞれの人生を刻んでいく―。数奇な人生を歩み、困難を克服してきたお二方に、人生について、現代における生き方について伺います。

【ゲスト】舘野泉 (ピアニスト)、渡辺和子(ノートルダム清心学園理事長)

【ご常連】安野光雅 (画家)
【司会】(マスター)はかま満緒、(ウェイトレス)小泉裕美子

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・本当に久しぶりに聴いた。現在では、月一回(最終日曜日)の放送となっているようだが、スタンスは変わっていなかった。初回放送は1977(昭和52)年4月10日(日)というから長寿番組であると言える。

私にとっては舘野さんも渡辺さんも、古くから存じ上げている方なので期待して聞いた。こうした硬い題名になっているのは、お二人が生きてきた経験からつけられたのだろう。

舘野さんは、この番組に以前出演した直後に発病し半身不随となった。2004年から演奏活動に復帰し左手のピアニストして復帰した。左手のためのピアノ曲は少なく、知己の作曲家に新たに作曲を依頼しながら演奏家を続けているということだ。1962年以来フィンランドに住む。

ピアニストになりたいという意識はなかったそうだ。音楽家の両親のもとに生まれて、音楽の環境が整っていた。音楽と人生は同じものという感じだろう。

渡辺さんはノートルダム清心女子大の第3代学長に36歳で任命されたのだが、実はすでに50代の外国人シスターの後継者もいたそうだ。第1~2代の学長は外国人シスターだった。海外で学位を取って帰国した彼女が選ばれてしまい学内の雰囲気が良くなかったということだ。その後は、自分が変わることでしか何も変わらないと気づき、それを実行していく。

この番組だが、編集もなく収録されており、その点で渡辺さんに関する思いが再確認できた。最近放送されたNHK-Eテレこころの時代で語られたものを視聴していて思っていたよりも攻撃的な女性なのだ感じたが、それを再確認できた。

攻撃的とは、思ったことをズバリ語ることや、教養あるところを秘めることなく語るところがあることだ。英単語の発音はネィティブにするし恵まれた環境で育っていることも臆することなくしゃべる。雙葉では男女共学だったので生意気だったとか・・・戦前の教育だから、やはり違っている。

彼女の書かれたことは本当に素晴らしいし非の打ちどころがない。ただ、その通りの生き方ができているかは分からない。思っているよりも感情の起伏がある女性だと感じる。ただ、それを意識的に変えようとする意志力があるのだと思う。

彼女は、大学がいわゆるボランティア活動を単位認定する制度について批判をしていた。ボランティアは自発的な活動であり、それを単位認定だとか就活に利用することに疑問を感じているということだ。ただ、それを取得している女子学生からは批判もあるそうだ。つまり結果として単位となるが動機は違うと学生は言いたかったのだろう。

『置かれた場所で咲きなさい』というベストセラーについては、司会者はかま満緒も感心していた。この本についても、今まで書き溜めたものを出しただけで書き下ろしはない。この話題の書籍について、手に取って書店で見てみたが買うべきものではないと判断した。もっと深い話を期待している私としては表面的に美しい言葉だけでなく、心に転機を与える含蓄ある言葉を提供することを期待したい。心に響くだけでなく、生き方を変える洞察力を与える言葉が必要とされる時代にあるのだと思う。


舘野泉 オフィシャルサイト  http://www.izumi-tateno.com/


【左手だけで奏されるピアノの名曲】 第一次世界大戦で右手を負傷したピアニストの依頼
モーリス・ラヴェル作曲 左手のためのピアノ協奏曲ニ長調


RAVEL Left Hand Concerto BAVOUZET

Jean-Efflam Bavouzet
the Philharmonia Orchestra, conducted by Esa-Pekka Salonen

神の風景-人間と世間-105

「どんなに反省し、改めようとしても、結局人はその人らしい生き方の外には出られません。お互いそうなのですから、努力をするなら、自分を改めるよりはお互いのパターンを認め合う努力をしましょう」(藤木正三)2-125改めるよりは

・自己改造というテーマは時代を超えたものです。誰しも自分自身の現実に満足せずに、他人と比べた上で価値あると考える生き方を模索するものです。ただ、いくらあがいて模索しても結局は、その人らしさを変えることはできないのでないでしょうか。それでいいのです。

人生いろいろ:学生と「カルト」勧誘被害 大学の取り組みから

† 大学生・短大生・専門学校生など、親元を離れて下宿する学生に対してカルト団体が触手を伸ばしていることは繰り返し述べてきた。精神的なものに対する興味は波のように流行ったり廃れたりを繰り返すが、昨今の将来不安が学生に大きなダメージを与えていることは想像できるだろう。

‡ 奨学金を学生に与える日本育英会は、現在では日本学生支援機構と名前を変えている。そこが過去に出していて機関誌に月刊「大学と学生」というものがあった。ただ平成23年3月号(3月15日発行)をもって廃刊となった。このバックナンバーに目を通していたらカルト対策に著名な学者と大学の取り組みが紹介されていたので以下に記す。内容的には決して古いものではなく、勧誘の際の名称が変わっていくだけのこと。


独立行政法人 日本学生支援機構  http://www.jasso.go.jp/index.html

201009_cover.jpg
月刊「大学と学生」2010.9号から

大学におけるカルト対策‐現状と課題 (PDF:971KB)
 川島 堅二 (恵泉女学園大学/全国カルト対策大学ネットワーク)

カルト予防と学生支援 -大阪大学の事例から- (PDF:767KB)
 太刀掛 俊之 (大阪大学)


追記 マルチ商法にも・・・

子どもサポート情報 第58号   平成24年12月21日
◇発行:独立行政法人国民生活センター◇

    学生に広がるマルチ商法的勧誘に注意!    

◆事例
大学のサークルの友人に「入れば人脈が広げられる組織がある」と誘われ、組
織の人と会った。「加入して仲間を増やせば将来につながる」とアピールされ、
将来に漠然とした不安を持っていたこともあり興味を持ったが、加入するには
約50万円の資産運用ソフトを購入する必要があると言われた。「学生で支払え
ない」と断ったが、「消費者金融で年齢や職業などを偽って借りればよい」と
教えられ、借金して支払った。この組織は人を紹介しソフト購入につながれば
マージンが入るらしく、同様に勧誘を受けた知人からあやしい組織ではないか
と指摘された。高額でもあるので解約したい。(当事者:19歳 男性)

<ひとことアドバイス>
☆就職難などに悩む学生に対し「人脈が広がる」「もうかる」などと言って、
 資産運用ソフトやビジネス講座などの契約を結ばせるトラブルに関する相談
 が寄せられています。
☆友人やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で知り合った人などから
 勧誘され、他人に紹介し商品購入につながればマージンが得られるといった
 マルチ商法的手法が特徴です。
☆友人からの誘いであっても必要のない場合はきっぱりと断りましょう。また、
 友人を勧誘することによりその人との関係を壊してしまうおそれもあります。
☆消費者金融などで借金をさせて支払わせるケースも見られますが、安易に借金
 すると多重債務などに陥る危険性があります。
☆困ったときはお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)



若者をターゲット 金もうけソフト 競馬予想や投資教材
2012/10/11 中日新聞 朝刊

 大学生を中心とする若者の間で、投資を指南するDVDや、競馬の予想をするパソコンのソフトを高額で購入させられるトラブルが相次いでいる。友人の紹介がきっかけになった場合が多く、元手を取り戻すほど、もうからないことがほとんどで、国民生活センターなどが注意を呼び掛けている。 (稲田雅文)

◆多額の借金する例も

 岐阜県の大学四年の男性(21)は、高校時代の友人から「話したいことがある」と連絡があった。出掛けると、会員制交流サイト(SNS)で知り合ったという名古屋市の業者の社長を紹介された。同市内のオフィスに行くと、社長は「若いうちに挑戦しないとつまらない人生になるぞ」と、投資を勧誘してきた。

 投資は、スポーツの賭け事が対象。海外の複数のブックメーカー(賭け屋)を利用し、配当の率の差を見て賭ければ「絶対に損をしない」と説明された。投資する技術を習得するため、五十万円で講義を受けるよう勧められたが、「金がない」というと「学生ローンを組めばいい」と言う。友人はすでに五十万円を借りて始めていた。

 二時間ほど説得されたが、男性は投資なのに「リスクがない」との説明を不審に思い、何とか断ることができた。

 国民生活センターによると、「金もうけに関するソフト」関連の相談は二〇一〇年に全国で二百九十九件寄せられ、一一年度は四百二十七件に増加。今年も九月十日現在、百四十三件ある。昨年は関東地方が中心で、今年に入って関西地方の相談が増えているという。

 金もうけソフトの内容はさまざま。事例1のように、株などへの投資を指南する映像を収めたDVDのほか、事例2のような競馬用ソフトも。いずれも数万円は得られても、初期投資を回収するほどもうからないのが実態のようだ。契約金額の平均は八十四万円で、お金がない場合は巧みな話術で学生でも借金をさせるなど、悪質なケースも多い。

 同様のトラブルで共通するのは、学生を中心とした若者が友人や同僚から勧誘され、友人を紹介すると紹介料が入る仕組みがあることだ。同センターは、マルチ商法を規制する特定商取引法の「連鎖販売取引」に当たらないか、調べている。

 滋賀県と京都府などの消費生活センターは、大学生が夏休みに入る七月、国民生活センターと合同で「金もうけソフト勧誘トラブル一一〇番」を実施した。国民生活センターの担当者は「友人からの紹介でも、投資の仕組みがよく理解できなければきっぱりと断って」と呼び掛けている。


 【事例1】大学の友人から「会ってほしい人がいる」と言われ、後日喫茶店で会った。他大学の学生とともに企業や投資の話を聞き、高額な投資教材の購入契約をしてしまった。支払いは学生ローンが便利と友人に連れていかれ、二社から合計五十万円ほど借りてしまった。購入した教材はDVD一枚の中身の薄いもので、あっけにとられている。後で他の友人も、同じトラブルに遭っていることが分かった。(二十代男性学生、千葉県)

 【事例2】勤務先の先輩から「面白い話がある」と呼ばれ、先輩の友人たちと食事をした。後日、先輩に呼び出され、先輩の友人から一年間で二十万円が六、七倍になるという八十四万円する競馬予想パソコンソフトの話をされた。「金がないなら借金すれば良い」と、消費者金融二社に連れていかれ、借金してソフトを購入した。契約書を書くと「仲間を増やし輪を広げよう、友達を勧誘するように」とマルチ組織のような図を見せられた。借金の返済ができないので解約したい。(二十代男性会社員、広島県)


「頭を使え!」名門音楽大学教授による効率よく能力を高める練習法とは?

「頭を使え!」名門音楽大学教授による効率よく能力を高める練習法とは?
2012年9月25日 ライフハッカー[日本版]

Noa Kageyama氏はアメリカの名門ジュリアード音楽院で学んだバイオリニストです。卒業後はインディアナ大学にてスポーツ心理学の博士号を取得し、現在はジュリアード音楽院の教授として、本番でベストパフォーマンスを引き出す方法を指導しています。今回はNoa Kageyama氏が「最も効率良く能力を高める方法」について語ります。

「学問に王道なし」と言われますが、これは学問に限らず仕事でもスポーツでも同じことが言えるでしょう。ただ、目標を達成するのに「近道」はない一方で、練習方法を間違えれば大変な「遠回り」になるのは確かです。プログラミング、ライティング、楽器の練習など、私たちはさまざまな練習に多くの時間を使いますが、正しい練習方法を知っていれば、より効率良く、効果的にスキルを習得できるでしょう。

私は2歳のときからバイオリンを弾き始めましたが、常に思い浮かぶ疑問が1つだけありました。それは「1日何時間練習したら十分なのか」ということでした。

■音楽家の答え

その疑問に対する答えを探すため、私は偉大な音楽家たちの文献を読みあさりました。20世紀を代表するピアニスト、ルービンシュタインはインタビューの中で「誰でも1日4時間以上練習する必要はないはずだ」と述べています。彼は、もしそれだけの練習時間が必要なら、それは練習方法に問題があると言ったそうです。

バイオリニストのミルスタインは教師のアウアーに「1日に何時間練習したらいいか」と聞きました(英文)。アウアーは「頭を使って練習するなら1時間半だけでいい」と答えたそうです。

「バイオリニストの王」と呼ばれたハイフェッツでさえ「過剰な練習は練習が足りないのと同じくらい悪いこと」と言ったそうです。彼は1日平均3時間程度しか練習しておらず、日曜日には全く練習しなかったそうです。

彼らを見るかぎり、1日4時間練習すれば十分なように思えます。次に、K. Anders Ericsson博士の研究結果について見てみましょう。

■心理学者の答え

人間が能力を高める方法というテーマにおいて、心理学者のEricsson博士は世界的権威と呼べる人物でしょう。彼の研究(PDFファイル)はいわゆる「10000時間の法則」のベースになっているものです。10000時間の法則とは「どんな分野の能力でも、達人レベルまで高めるためには10年もしくは10000時間の計画的訓練が必要」という仮説です。ちなみに、私は音楽家として国際的に評価を得られるレベルになるまでには15~25年の修練が必要だと思っています。

これはとても長い時間ですが、注目するべきポイントは「計画的訓練」という言葉です。計画的訓練とは高度な技術の習得を目指すために頭を使う練習であり、それ以外の訓練(単なる繰り返し練習など)とは区別して考える必要があります。

■繰り返し型練習の種類

音楽家が練習しているところを見たことがあるでしょうか? ほとんどの練習は下の3つに分けられます。

1. 練習回数更新型
この練習は単純に同じことの繰り返しです。例として、テニスのサーブ、ピアノの小節、プレゼンテーションの予行演習などといったものです。一見熱心に練習しているように見えますが、大部分は何も考えずに同じ動作を繰り返すだけです。

2. 自動運転型
この練習は1セットの動作を自然にできるようになるまで繰り返す練習です。営業トークのフレーズを3セット通して練習する、ゴルフコースを一周するなど、一通りの動作を行います。

3. ハイブリッド型
上記2つを組み合わせたものがハイブリッド型練習です。私にとって練習とは「気に入らない音がするまで演奏し続けること」でした。気に入らない音を見つけたらすぐに演奏を止めて、その部分の小節を何度も繰り返し演奏します。気に入らない音がしなくなれば演奏を再開し、また気に入らない音が聞こえたら止める。その繰り返しです。

ただ残念ながら、上記のような「繰り返すだけの練習」には3つの問題点があります。

■「繰り返し型練習」3つの問題点

1. 時間の無駄になる可能性が高い
ただ繰り返すだけの練習は「建設的な学び」になりません。多くの場合、「何時間・何日・何週間も続けながらほとんど上達しない」という状態になってしまうでしょう。さらに問題なのは、気づかぬうちに「悪いクセ」を覚えてしまい、練習自体がマイナス効果を生んでしまうことです。また、その「悪いクセ」を取り除くのに、さらに多くの練習時間がかかることにもなるでしょう。あるサクソフォン奏者はこう言ったそうです。「正しい練習は演奏を完璧にするだけではなく、完璧な状態を持続させる」と。

2. 自信を持つ妨げになる
このような練習は自信を持つ妨げにもなります。繰り返し型練習は「完成イメージ」を持たずに練習していることが多く、もし間違いなく演奏できたとしても、心の奥には不安が残ります。厄介なことに、この不安は本番で現れてしまうのです。本番で自信を得るためには、「継続的な成功体験があること」、「偶然できるのではなく、いつでもできる状態であること」、「なぜ成功できたかわかっていること」、この3つの状態を作っておく必要があります。また、演奏するための技術も把握しておきましょう。

3. 練習が「やっつけ仕事」になってしまう
繰り返し型練習はつまらないものです。私たちはこれまで、家族や先生に「これを10回練習しなさい」とか「あれを3時間やりなさい」と言われた経験があると思います。しかし、よく考えてみれば、練習時間が多くても成功するとは限りません。必要なのは「練習時間に基づいた目標」ではなく「結果に基づいた目標」なのです。つまり、「これを3時間練習する」という目標ではなく「納得いく音が鳴るまで練習する」という目標を立てることです。

■目指すべき練習とは「頭を使う練習」

繰り返し型練習がダメなら、どのような練習を目指せばいいのでしょうか? それは「頭を使う練習」です。頭を使う練習とは、科学的なアプローチを使った練習方法のこと。繰り返し型練習のように、やみくもに行うのではなく、問題の定義、仮説の組み立て、検証などの「科学的思考プロセス」を通して練習することです。

通常、この科学的練習には長い時間がかかります。また、全体を通したものよりも細部の練習に時間をかけることになるでしょう。音楽家であれば、演奏曲が始まる最初の音に細心の注意を払い、イメージしたそのままの音が再現できるまで練習を重ねるはずです。

この練習は、科学的なので「客観性」も重要な要素です。したがって、自分のパフォーマンスを録画・録音して、継続的に改善点を探っていくことも重要になってきます。自分自身を鋭い目で観察して、どんなミスがあったのか、何が良かったのかなどを探してみてください。例えば、注目している部分の音は高すぎたのか、低すぎたのか、大きすぎたのか、小さすぎたのか、長すぎたのか、短すぎたのか...。音が「少し高く、長かった」なら、その程度はどのくらいでしたか? 自分の中にあるイメージとどれくらい違う音でしたか? それに対してどんな対策ができそうですか? 継続して結果を出すために何ができそうですか? 練習したセッションを毎回録音していたとして、最新の練習では狙った音がうまく出ていましたか? その時の雰囲気は聴衆に届きそうですか? 伝えたいメッセージはうまく伝わりそうですか? 

とても大変ですが、このように抜け目なく自問していくのが理想的です。

まとめると、何が問題なのかを把握し、なぜ起こったかを調べて、どう改善できるかを考える。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、この練習方法を理解するのに私は何年もかかりました。ただ、これは23年間のバイオリン練習の中で最も価値のある「学び」だったと思います。また、私が現役バイオリニストを引退後、新しいスキルを習得するときも、この学びは十分生かされることになりました。重要なのは、練習にかけた時間の長さではなく、どのように練習をしたかということなのです。

最後に、私が若い頃の自分に送りたいアドバイスを5つ紹介しますので参考にしてみてください。

■効率的なスキル習得に必要な5つのアドバイス

1. 集中力がすべて
練習時間は自分が集中できる長さに収めておくこと。人にもよりますが、10~20分、長くても45から60分程度でしょう。

2. タイミングもすべて
一日の中で最も元気な時間を探しましょう。朝早くかもしれないし、ランチの直前かもしれません。練習をするならこのような生産的な時間を選ぶようにしましょう。苦手な時間帯には仮眠を取るのがオススメです。

3. 記憶力をアテにしない
練習ノートを作りましょう。練習計画を立てて、目標を書き込み、練習で発見したことを記録するためです。Mihaly Czikszentmihalyi氏が言うように、練習に集中するするコツは「練習する目的を常にハッキリさせておくこと」です。練習から得たいものは何か(どんな音が弾きたいとか、どんなフレーズや言い方を試してみたいか)など、常に完成イメージを意識しましょう。もちろん、改善点を探し続ける姿勢も忘れずに。

新しく気づいたことや、解決策を思い付いたときは、迷わず書き出してください。しっかり意識を集中して練習に取り組めば、小さな改善点や発見はいくつも見つかるはずです。

4. がんばるのではなく、賢くなる
物事がうまくいかないとき、原因は単純に練習が足りないだけということもありますが、思い切って方向転換をしないといけない場合もあります。

私がジュリアーノ時代にパガニーニのカプリス第24番を練習していた時のことです。特定の音を響かせるため、私は練習に練習を重ねていました。しかし、どれだけ練習しても良い音は出ず、指から血がにじみ出るだけでした。そこで私は、明らかに効果の出ていない練習を止めることにしました。1日か2日ほど問題解決策をブレインストーミングして、アイデアが頭に浮かんだらすぐに書き出すようにしました。そして、有望なアイデアが出てきたら実際に試して検証する。これを繰り返し、なんとか壁を乗り越えることができました。

5. 常に問題解決型思考で目標達成を目指す
「繰り返し型練習」はとても簡単にできてしまうので注意が必要です。下記にある「6つの問題解決モデル」を活用して、常に頭を使って練習するようにしましょう。

1. 問題を定義する(結果はどうだったか、それをどう変えたいか)
2. 問題を分析する(何がその結果を引き起こしているか)
3. 解決案を出す(何をしたら、結果を改善できるか)
4. 解決案を検証して、効果のある案を選ぶ(どれが最も効果があるか)
5. 選ばれた解決策を実行する(練習して変化が持続するようにする)
6. 効果の確認をする(望んだ結果が得られ続けているか)

■時間は貴重なもの

上記のアドバイスは、音楽だけでなく、他のどんな分野のスキルアップにも使えます。人生は短く、時間は貴重なもの。スキルアップのために練習するなら、正しい方法で効率的に行いましょう!

Noa Kageyama(原文/訳:大嶋拓人)




The Most Valuable Lesson I Learned From Playing the Violin | Creativity Post
By Noa Kageyama, Ph.D. | Jul 28, 2012

Synopsis
The seemingly obvious lesson that only took me twenty-three years to learn.
You have probably heard the old joke about the tourist who asks a cab driver how to get to Carnegie Hall, only to be told: "Practice, practice, practice!"

I began playing the violin at age two, and for as long as I can remember, there was one question which haunted me every day.

Am I practicing enough?

What Do Performers Say?
I scoured books and interviews with great artists, looking for a consensus on practice time that would ease my conscience. I read an interview with Rubinstein, in which he stated that nobody should have to practice more than four hours a day. He explained that if you needed that much time, you probably weren’t doing it right.

And then there was violinist Nathan Milstein who once asked his teacher Leopold Auer how many hours a day he should be practicing. Auer responded by saying “Practice with your fingers and you need all day. Practice with your mind and you will do as much in 1 1/2 hours.”

Even Heifetz indicated that he never believed in practicing too much, and that excessive practice is “just as bad as practicing too little!” He claimed that he practiced no more than three hours per day on average, and that he didn’t practice at all on Sundays.

It seemed that four hours should be enough. So I breathed easy for a bit. And then I learned about the work of Dr. K. Anders Ericsson.

What Do Psychologists Say?
When it comes to understanding expertise and expert performance, psychologist Dr. Ericsson is perhaps the world’s leading authority. His research is the basis for the “10,000-hour rule” which suggests that it requires at least ten years and/or 10,000 hours of deliberate practice to achieve an expert level of performance in any given domain – and in the case of musicians, more like 15-25 years in order to attain an elite international level.

Those are some pretty big numbers. So large, that at first I missed the most important factor in the equation.

Deliberate practice.

Meaning, that there is a specific type of practice that facilitates the attainment of an elite level of performance. And then there's the other kind of practice that most of us are more familiar with.

Mindless Practice
Have you ever observed a musician (or athlete, actor, trial attorney) engage in practice?

You'll notice that most practice resembles one of the following distinct patterns.

1. Broken record method

This is where we simply repeat the same thing over and over. Same tennis serve. Same passage on the piano. Same powerpoint presentation. From a distance it might look like practice, but much of it is simply mindless repetition.

2. Autopilot method

This is where we activate our autopilot system and coast. Recite our sales pitch three times. Play a round of golf. Run through a piece from beginning to end.

3. Hybrid method

Then there's the combined approach. For most of my life, practicing meant playing through a piece until I heard something I didn't like, at which point I'd stop, repeat the passage over and over until it started to sound better, and then resume playing until I heard the next thing I wasn't pleased with, at which point I'd repeat the whole process over again.

Three Problems
Unfortunately, there are three problems with practicing this way.

1. It is a waste of time

Why? For one, very little productive learning takes place when we practice this way. This is why you can "practice" something for hours, days, or weeks, and still not improve all that much. Even worse, you are actually digging yourself a hole, because what this model of practicing does is strengthen undesirable habits and errors, increasing the likelihood of more consistently inconsistent performances.

This also makes it more difficult to clean up these bad habits as time goes on – so you are essentially adding to the amount of future practice time you will need in order to eliminate these undesirable tendencies. To quote a saxophone professor I once worked with: “Practice doesn’t make perfect, practice makes permanent.”

2. It makes you less confident

In addition, practicing mindlessly lowers your confidence, as a part of you realizes you don’t really know how to produce the results you are looking for. Even if you have a fairly high success rate in the most difficult passages, there's a sense of uncertainty deep down that just won't go away.

Real on-stage confidence comes from (a) being able to nail it consistently, (b) knowing that this isn’t a coincidence but that you can do it the correct way on demand, because (c) you know precisely why you nail it or miss it – i.e. you have identified the key technical or mechanical factors that are necessary to play the passage perfectly every time.

3. It is mind-numbingly dull

Practicing mindlessly is a chore. We’ve all had well-meaning parents and teachers tell us to go home and practice a certain passage x number of times, or to practice x number of hours, right? But why are we measuring success in units of practice time? What we need are more specific results-oriented outcome goals – such as, practice this passage until it sounds like XYZ, or practice this passage until you can figure out how to make it sound like ABC.

Deliberate Practice
So what is the alternative? Deliberate, or mindful practice is a systematic and highly structured activity, that is, for lack of a better word, more scientific. Instead of mindless trial and error, it is an active and thoughtful process of hypothesis testing where we relentlessly seek solutions to clearly defined problems.

Deliberate practice is often slow, and involves repetition of small and very specific sections of a skill instead of just playing through. For example, if you were a musician, you might work on just the opening note of a solo to make sure that it “speaks” exactly the way you want, instead of playing the entire opening phrase.

Deliberate practice also involves monitoring one’s performance - in real-time and via recordings - continually looking for new ways to improve. This means being observant and keenly aware of what happens, so that you can tell yourself exactly what went wrong. For instance, was the first note note sharp? Flat? Too loud? Too soft? Too harsh? Too short? Too long?

Let’s say that the note was too sharp and too long with not enough of an attack to begin the note. Well, how sharp was it? A little? A lot? How much longer was the note than you wanted it to be? How much more of an attack did you want?

Ok, the note was a little sharp, just a hair too long, and required a much clearer attack in order to be consistent with the marked articulation and dynamics. So, why was the note sharp? What did you do? What do you need to do instead to make sure the note is perfectly in tune every time? How do you ensure that the length is just as you want it to be, and how do you get a consistently clean and clear attack to begin the note so it begins in the right character?

Now, let’s imagine you recorded each trial repetition, and could listen back to the last attempt. Does that combination of ingredients give you the desired result? Does that combination of elements convey the mood or character you want to communicate to the listener as effectively as you thought it would? Does it help the listener experience what you want them to feel?

If this sounds like a lot of work, that's because it is. Which might explain why few take the time to practice this way. To stop, analyze what went wrong, why it happened, and how they can produce different results the next time.

Simple though it may sound, it took me years to figure this out. Yet it remains the most valuable and enduring lesson I learned from my 23 years of training. In the dozen or so years since I put down my violin, the principles of deliberate practice have remained relevant no matter what skill I must learn next. Be it the practice of psychology, building an audience for a blog, parenting, or making the perfect smoothie, how I spend my practice time remains more important than how much time I spend practicing.

How to Accelerate Skill Development
Here are the five principles I would want to share with a younger version of myself. I hope you find something of value on this list as well.

1. Focus is everything

Keep practice sessions limited to a duration that allows you to stay focused. This may be as short as 10-20 minutes, and as long as 45-60+ minutes.

2. Timing is everything, too

Keep track of times during the day when you tend to have the most energy. This may be first thing in the morning, or right before lunch. Try to do your practicing during these naturally productive periods, when you are able to focus and think most clearly. What to do in your naturally unproductive times? I say take a guilt-free nap.

3. Don't trust your memory

Use a practice notebook. Plan out your practice, and keep track of your practice goals and what you discover during your practice sessions. The key to getting into “flow” when practicing is to constantly strive for clarity of intention. Have a crystal clear idea of what you want (e.g. the sound you want to produce, or particular phrasing you’d like to try, or specific articulation, intonation, etc. that you’d like to be able to execute consistently), and be relentless in your search for ever better solutions.

When you stumble onto a new insight or discover a solution to a problem, write it down! As you practice more mindfully, you'll began making so many micro-discoveries that you will need written reminders to remember them all.

4. Smarter, not harder

When things aren't working, sometimes we simply have to practice more. And then there are times when it means we have to go in a different direction.

I remember struggling with the left-hand pizzicato variation in Paganini’s 24th Caprice when I was studying at Juilliard. I kept trying harder and harder to make the notes speak, but all I got was sore fingers, a couple of which actually started to bleed (well, just a tiny bit).

Instead of stubbornly persisting with a strategy that clearly wasn’t working, I forced myself to stop. I brainstormed solutions to the problem for a day or two, and wrote down ideas as they occurred to me. When I had a list of some promising solutions, I started experimenting.

I eventually came up with a solution that worked, and the next time I played for my teacher, he actually asked me to show him how I made the notes speak so clearly!

5. Stay on target with a problem-solving model

It's extraordinarily easy to drift into mindless practice mode. Keep yourself on task using the 6-step problem solving model below.

1. Define the problem (What result did I just get? What do I want this note/phrase to sound like instead?)
2. Analyze the problem (What is causing it to sound like this?)
3. Identify potential solutions (What can I tweak to make it sound more like I want?)
4. Test the potential solutions and select the most effective one (What tweaks seem to work best?)
5. Implement the best solution (Reinforce these tweaks to make the changes permanent)
6. Monitor implementation (Do these changes continue to produce the results I’m looking for?)

Or simpler yet, try out this model from Daniel Coyle’s excellent book The Talent Code.
1. Pick a target
2. Reach for it
3. Evaluate the gap between the target and the reach
4. Return to step one

Make Your Time Count
It doesn’t matter if we are talking about perfecting violin technique, improving your golf game, becoming a better writer, improving your marketing skills, or becoming a more effective surgeon.

Life is short. Time is our most valuable commodity. If you're going to practice, you might as well do it right.

Adapted from an article that originally appeared at The Bulletproof Musician.

澤木興道 語録22

大乗仏教は「生活態度」の問題である。(澤木興道)1-222

・これぞ核心! 信仰とは思想・信条ではなく生活態度である日々の問題という自覚が必要。

看護師の法則34

思い込みが大きな事故につながる

・仕事に慣れると思い込みや先入観が出てくるもの。そのことを理解して、初心に戻ること。

シリーズ:生活習慣を見直す04 目覚めの陽ざし

20120929 215922

・体内時計という話はよく聞くところで、このリセットには太陽光が良いという。ご来光を仰ぐ意味はそんなところにあるのだろう。また朝の決まった習慣も大事にしたいところ、あと5分早起きすることがコツだろう。

榎本栄一32

  道

師にも 友にも
妻子にも
ひそかに手をあわせながら
この辺りからは
おのずと一人になる

・この現実、つまり妻子すらも他人という現実。ただ、一番近い隣人から学ぶ。

神の風景-人間と世間-104

「確かに頼りになるのは自分だけです。しかしそれにもかかわらず、この言葉には、人間への無知の響きがあるではありませんか」(藤木正三)2-124無知の響き

・生かされている人間の事実への無知があると藤木師は語ります。自分自身さえ頼りにならないと考える人もいます。そこでも最後に大きな何かに、誰かに支えられているという事実を肯定せざるを得ません。苦悩の中でも、やはり生かされています。

宝塚式「ブスの25箇条」

宝塚式「ブスの25箇条」

1. 笑顔がない
2. お礼を言わない
3. 美味しいと言わない
4. 精気がない
5. 自信がない
6. 愚痴をこぼす
7. 希望や信念がない
8. いつも周囲が悪いと思っている
9. 自分がブスであることを知らない
10. 声が小さくイジケている
11. なんでもないことに傷つく
12. 他人に嫉妬する
13. 目が輝いていない
14. いつも口がへの字の形がしている
15. 責任転嫁がうまい
16. 他人をうらやむ
17. 悲観的に物事を考える
18. 問題意識を持っていない
19. 他人につくさない
20. 他人を信じない
21. 人生においても仕事においても意欲がない
22. 謙虚さがなく傲慢である
23. 他人のアドバイスや忠告を受け入れない
24. 自分が最も正しいと信じ込んでいる
25. 存在自体が周囲を暗くする




宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座 (講談社+α文庫)
貴城 けい

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文庫: 196ページ
出版社: 講談社 (2012/5/22)

人生いろいろ:通販三昧

† 最近、通販を利用して買い物をすることが増えてきた。従来は書籍や音楽CDなどであったが、食料品なども頼んでいる。そこで買い物依存症という病気があるが、自分自身はどうだろうかと考えてしまう。買い物依存症とは、買い物をする、つまり選んで買うという行為に耽溺してしまい日常生活が上手くゆかなくなることだろう。

‡ 荷物が届いても開封もせずに山積みになっているならば危険な状態だと思う。私は貧乏生活なので高価なものは買えないしクレジット・カードを持っていない。便利さと裏腹にココロの充足を、物質に過剰に頼るとバランスを崩すことは明白なようだ。

澤木興道 語録21

仏道修行とは態度を練ることである。(澤木興道)1-222

・日本人が好きなものは、道を究める生き方。書道・華道・柔道・・・何でも生き方の延長と捉える。

人生いろいろ:ウナギと庶民

† 今年も土用のウナギは終わり一段落したのがウナギの消費。日頃は敬遠している消費者も、この日ばかりは違った。スーパーの鮮魚売り場には、山ほどのウナギがあったが、翌日に行ってみると売れ残りはなかった。

‡ 需要・供給から、ウナギが枯渇することはないにしても庶民の食べ物ではなくなった。この影響で老舗と言われる店が廃業に追い込まれるのは寂しいこと。中国では、生魚の需要が急増しているということで韓国領海への侵犯が問題となっている。ただ日本の消費が元凶であったことは間違いないだろう。昔の人たちは根こそぎ獲ることは決してなかったし、食べ物となる動植物に対する畏敬の念を抱いていた。同じイノチを生きているものとしての自覚なしに資源保護などという名称で呼ばれることは一面的に過ぎるのではないだろうか。

シリーズ:生活習慣を見直す03 入浴

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・入浴にも目的がありリラックスしたいときと出かけるときは当然に違う。個人的にやりたくてできないのが半身浴である。温泉施設が近くにある人は、内風呂から出ることもいいかも。

人生いろいろ:民主主義は煩わしい

† 民主党のモットーは、自民党の政治手法である密室政治を打破したいという思いがあったことは間違いない。国民が知らないところで政治判断がなされ蚊帳の外にいるという強い思いが政権交代の原動力となった。そして民主党に代わってからは、民主的プロセスと称して公開して事業仕分けを行い好評を得た。

‡ ところが根回しもなく行う政治の限界が露呈し、外交・防衛と国内政治ともに行き詰ってしまった。政治家個人の思いを発表することが、かえって混乱を招き事態を複雑にしてしまった。そして、あれほど嫌っていた官僚政治だが、いつの間にか官僚主導に回帰してしまった。そして現状は、不毛な議論だけを実績作りのために行うという段階にある。民主主義が形だけのものになるならば政治に対する関心は低下し全体主義が復活することになるだろう。

神の風景-人間と世間-103

「生涯、信仰に無縁に生きる人はたくさんいます。ではそういうひとびとよりも、信仰を持つ私たちは、自然の流れに身を委せずに真剣に生きているのかといえば、そうではないでしょう」(藤木正三)2-123別の自然

・信仰という固い信念を持たない人にも信仰的な人はたくさんいらっしゃいます。藤木師の別の断想には、実業のひとに見習うべきひとが多いというものがありますが、松下、本田といった創業者には経営理念を人の生き方まで高めた教えとして受け取る方は多いですね。商人にも矜持がありました。私が信仰らしいものを持つのは、それしかなかったからだからです。

ローマ法王元執事 文書流出で有罪

ローマ法王元執事 文書流出で有罪
2012年10月7日 NHK

ローマ法王庁の内部文書がことし1月、外部に流出するという事件が起こり、バチカンの裁判所は6日、文書を盗んだ罪で法王の元執事に禁錮1年6か月の有罪判決を言い渡しました。

この事件はことし1月、ローマ法王ベネディクト16世への書簡など、ローマ法王庁で機密扱いの内部文書がイタリアのメディアに流出したことが明らかになったものです。

イタリアではこの内部文書をもとに、法王庁内での権力争いや不透明な財務状況などを暴露した本が出版され、バチカンを揺るがすスキャンダルとなりました。

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その後、文書を盗み出したとして、法王の元執事パオロ・ガブリエレ被告46歳が逮捕・起訴され、先月末からバチカンで裁判が行われていました。そして、検察側の禁錮3年の求刑に対し、裁判所は6日、ガブリエレ元執事に禁錮1年6か月の有罪判決を言い渡しました。

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判決は裁判の開始から1週間で出され、また、判決後ローマ法王庁も「元執事に法王が恩赦を与える可能性が極めて高い」と述べるなど、スキャンダルを早期に収拾させたいバチカンの思惑がうかがえるとの声も出ています。

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内部告発サイト、ウィキリークスになぞらえて「バチリークス」と呼ばれたこのスキャンダルでは、法王庁内部の権力争いが文書の流出の背後にあったという指摘が出ていますが、元執事は裁判で文書の漏えいは単独で行ったと主張し、今回の裁判でははっきりしませんでした。



・こうしたスキャンダル源は、信頼された側近の行為であったということで信頼された者が裏切るというよくあるパターンである。

記事にあるように機密文書が存在すること自体が何やら宗教とは異質に感じるのだが、全世界に影響力を持ち宗教のみならず金融に関しても不透明な側面を過去からずっと持っているバチカンだけにインパクトが大きい。

どの組織においても最も重要なことは文書化しておくことが後々に役立つから、金庫の内部に保存しておくのだろう。これも宗教の一側面として捉えておかなくてはいけない。

つまり愛を説いているだけではダメなのだと誰もが知っている。バチカンは世界各国にある教会組織から確度の高い情報を逐一得ており資金提供して活動を行っていることは周知のことだろう。

ただ、それが本当に宗教的なあり方なのだろうかという根本的な問いを発したのがイエスであったことは皮肉なことだ。元執事が、こうした実態に目覚めたのも彼の良心だったのだろうか。


バチカン機密文書漏えいで判決 法王元執事に禁錮1年6月
2012年10月7日 東京新聞 朝刊

 ローマ法王ベネディクト十六世(85)への手紙や法王庁の機密書類が相次いでメディアに漏れた事件で、窃盗罪に問われた法王の元執事パオロ・ガブリエレ被告(46)の判決公判が六日あり、バチカンの裁判所は禁錮一年六月を言い渡した。

 AFP通信によると、判決に先立ち、検察側が禁錮三年を求刑。ガブリエレ被告は陳述で「教会への心からの愛のためにやったことだ。自分が泥棒だとは思っていない」と主張。裁判官は、量刑について、被告のこうした心情や「法王を裏切ってしまった」と感じていることなどを考慮したと説明した。ロイター通信によると、法王庁報道官は、恐らく法王が被告に恩赦を与えることになると述べた。
 事件は、米公文書を暴露したサイト「ウィキリークス」になぞらえて、「バチリークス」と呼ばれ、法王の忠実な部下として評判だった被告が千部を超える書類などを持ち出したとされる。情報提供を受けたイタリア人ジャーナリストは著作で法王庁内の権力闘争や汚職疑惑を暴いた。

 先月末に始まった公判で、被告は単独犯であることを認める一方で、法王庁内には、他にも情報提供者が存在していると説明した。カトリックの世界を揺さぶったスキャンダル事件の全容は、まだ明らかになっていない。 【パリ=野村悦芳】



ローマ法王庁:元執事に禁錮1年6月 機密文書漏えいで
2012年10月06日 毎日新聞

 ローマ法王庁(バチカン)の機密文書が漏えいした事件の判決裁判が6日、バチカンの法廷で開かれ、裁判長は、窃盗の罪に問われたローマ法王ベネディクト16世の元執事、パオロ・ガブリエレ被告(46)に禁錮1年6月(求刑3年)の有罪を言い渡した。キリスト教カトリック教会の総本山・法王庁を揺るがした事件の裁判は9月29日の開始から1週間でのスピード判決となった。イタリア紙によると、法王は恩赦を与える見通しだという。

 裁判長は判決で、被告が「法王の信頼を悪用した」と指弾したうえで、犯罪歴がないことなどの情状を酌量して禁錮期間を求刑よりも短縮したと説明した。被告の弁護人はロイター通信の取材に対し、控訴しない方針を明らかにした。

 事件は「バチリークス」(バチカン機密漏えい)と呼ばれる。公共事業発注を巡る不正疑惑を法王に告発するバチカン幹部の私信コピーがジャーナリストの手に渡ったことで今年1月に発覚した。

 06年から法王の執事を務め、居室に通じるエレベーターの鍵を持っていた被告が今年5月、警察当局に逮捕された。警察当局者の法廷証言によると、機密文書は被告宅に隠され、法王が「破棄すべし」と指示を書き込んだ文書もあったという。

 被告は取り調べに、教会の「邪悪と腐敗」を暴き、「正しい道に戻すため」として漏えいを正当化。法廷証言で機密文書をコピーしたことは認めたが、窃盗罪にはあたらないと主張する一方、「息子のようにお慕いする法王の信頼を裏切ったことに罪の意識を感じている」と語った。

 法王庁のあるバチカン市国には刑務所がないため、禁錮刑が確定すれば、イタリアの刑務所に収監される。だが、法王はバチカン市国の元首として恩赦を与えることができ、イタリア紙スタンパ(電子版)は6日、法王が既に恩赦を決めていると伝えた。

 裁判の審理は4回のみで、スキャンダルの幕引きを急ぎたい法王庁の思惑が浮き彫りになった。 【ローマ福島良典】




追記 関連事件

バチカン機密漏えい「ほう助」の技師、初公判
2012年11月5日 読売新聞

 ローマ法王庁(バチカン)機密文書漏えい事件で、窃盗罪で禁錮1年6月の判決を受けた元法王執事を助けた罪に問われたバチカン国務省のコンピューター技師クラウディオ・シャルペッレッティ被告(48)の初公判が5日、開かれた。

 シャルペッレッティ被告は、元執事あての封筒が職場の机から見つかるなどして起訴された。だが、公判で被告側弁護士は、元執事がシャルペッレッティ被告がパソコンを点検するのを拒んでいたことを挙げ、両者の関係は希薄だったと強調した。【ローマ=末続哲也】



ローマ法王、禁錮刑の元執事に恩赦=機密情報漏えい事件
2012年12月22日 時事通信社

 ローマ法王ベネディクト16世(85)は22日、法王の私信など機密文書が盗まれたバチカン(ローマ法王庁)機密漏えい事件「バチリークス」で禁錮1年6月の実刑判決を受けたパオロ・ガブリエレ元執事に恩赦を与えた。元執事が家族とともにバチカン外で新たな生活を始められるよう配慮するという。恩赦を受け直ちに釈放された。

 バチカンは「法王は収監中のガブリエレ元執事と面会し、元執事が乞うた恩赦の願いの受け入れを伝えた」とする声明を発表。法王は「温情の意思表示」のため恩赦を与えたとしている。【ジュネーブ時事】



ローマ法王:元執事に恩赦 機密文書漏えいで有罪
2012年12月23日  毎日新聞

 ローマ法王ベネディクト16世は22日、法王庁(バチカン)の機密文書漏えい事件で10月6日に禁錮1年6月の有罪判決を受けた元執事、パオロ・ガブリエレ受刑囚(46)に恩赦を与えた。バチカン報道官によると、法王は収監中の刑務所に受刑囚を訪れ、約15分間、面会したという。


人生いろいろ:でんき情報

† 各電力会社はHPで電力使用状況を東日本大震災後から公表している。今夏もピーク時の最大電力量に対応するために、各家庭に節電を呼びかけていた。特に午後2~夕方にかけて、エアコンを使うことにためらいを感じると見てみた。私も地元・中部電力の該当ページをいつでも閲覧できる状態にしてある。

‡ こうした電力会社の取り組みは、ライフラインである水や食料とともに日々チェックすることで生活を見つめなおす機会になる。オール家電と声高に言わなくなったところに、新たな時代を感じる。結局、夏の電力消費は抑えられて原発再稼働の必要もなかったという結果になった。やはり意識の差であり、電力があるなしというよりも消費者の脳裏に訴える活動が必要なのだろう。

澤木興道 語録20

仏法の根本精神は「個人もちなし」(無我)ということである。(澤木興道)1-222

・何にも捉われないというよりも、無一物で生まれ死ぬという現実からくる達観。すべては所有をめぐる葛藤からくる。

「ヤマナカ」世界が注目 各国メディアから取材殺到 宗教専門紙も

「ヤマナカ」世界が注目 各国メディアから取材殺到 宗教専門紙も
2012年10月10日 産経ニュース

 ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大教授の山中伸弥さん(50)に、海外メディアの取材申し込みが殺到している。国内では、老舗の宗教専門紙が異分野に“参戦”し、生命倫理の面から山中さんに迫ろうとしている。受賞を機に「世界のヤマナカ」に対する注目度は増すばかりだ。

 京都大やiPS細胞研究所の広報担当者によると、受賞決定後、スウェーデンをはじめ英国、米国、イタリア、ブラジル、南アフリカなど世界各国のメディアから個別取材の依頼が寄せられている。

 山中さんらが対応を順次検討している状況といい、担当者は「良きライバルである海外から注目されるのはうれしいが、さばききれていない」と悲鳴を上げる。

 受賞発表のあった8日、山中さんがすべての取材を終えたのは、日付が変わった9日の午前1時過ぎだった。日本の新聞、テレビ各社の個別取材に加え、米紙のニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなど、海外有力紙の取材も相次いだからだ。

 さらに、山中さん自身が「研究者生活やiPS細胞研究の基礎を築いた」と表現する留学先で、現在も京大と並んで籍を置く米グラッドストーン研究所主催の“中継会見”が時差をぬって行われ、多くの海外メディアが出席したという。

 どんな取材にも誠実に対応する山中さんだが、「みなさんに受賞の喜びやお礼をきちんとお話ししたい。でも、僕の本職は研究者なので、来週からは本職に戻りたい」とも。

 一方、国内メディアでは週3回、京都を拠点に老舗の宗教専門紙を発行する中外日報社(京都市南区)が、9日午前の山中さんの記者会見に記者を派遣した。

 ヒトのiPS細胞から精子と卵子ができる可能性について質問。山中さんから「受精させていいのか、受精卵ができても本当に安全な胎児が生まれ、天寿を全うすることができるのか。一般の方、生命倫理の方々とともに議論を深める必要がある」という見解を引き出した。

 北村敏泰(としひろ)編集局長(61)は「小児脳死移植や尊厳死の問題など、これまでも宗教が密接にかかわる問題を紙面で取り上げてきた」と説明。

 その上で「山中さん自身が、過去にiPS細胞をめぐる自身の研究を『神の領域に入ることになる』と表現している。宗教者にも、この研究をめぐる生命倫理の問題に目を向け、見解を発信してもらいたい」と、狙いを明かした。



・山中教授の研究で、現代医療と生命倫理の問題が格段にクローズアップされた。

過去にも現代医療の進展につれて、神の手を逸脱するのではないかとして宗教界は反対の姿勢を続けている。それは宗教経典が編まれた時代には、こうした問題はなかったからだと言える。

人類の長い時間は、医学は呪いやシャーマンの手によるものであり、その後も根拠の薄い治療哲学によって細々と流れてきた。現代医学の恩恵に預かったのは僅か100年程度のことに過ぎないだろう。

医学者の願いは、山中教授の研究動機である難病治療など、日の目の当たらない疾病に対する有効な治療法の研究を進展さえたいという強い願いからだ。従来は実験動物により治験を経て人間に応用されることになってきたが、ips細胞により病変部を持った細胞を作り出すことで、薬の研究のみならず細胞そのものに対して有効な治療法を研究できる可能性が大きく拡がってゆく。

この受賞直前に、慶応大学の研究チームがヒトに対してさらに踏み込んだ実験に成功している。

記事では、倫理的な面を山中教授に問うているのだろうが、これは人類全体の問題であり研究者の知的な暴走をどう抑制し社会全体の共有価値として定着させていくのか、答えはない大きな問題を突き付けられた格好となった。


中外日報社  http://www.chugainippoh.co.jp/


〈iPS細胞の最新研究〉

人のiPSで生殖細胞の元 慶応大、国内初か
2012.10.5 産経ニュース

 人間の皮膚の細胞から作った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を培養し、精子や卵子の元になる「始原生殖細胞」に成長させることに慶応大の岡野栄之教授らが成功したことが5日、分かった。

 始原生殖細胞に特徴的に現れる遺伝子が確認できた。海外では既に作製例が報告されているが、国内では初とみられる。

 この細胞から精子や卵子を作るのが目標。生物の発生や、生殖細胞に原因がある病気の仕組み解明などの研究に貢献が期待される。

 文部科学省の指針で、人間では、こうした生殖細胞を受精させることは個体づくりにつながる恐れがあるため禁止されている。

 始原生殖細胞は、精原細胞、卵原細胞へ成熟した後、減数分裂など多くの段階を経て精子、卵子になる。



iPS細胞から卵子 世界初、マウス誕生 京大院グループ成功
2012.10.5 産経ニュース

 さまざまな組織や細胞の元になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)から卵子を作り出し、マウスを誕生させることに、京都大大学院医学研究科の斎藤通紀(みちのり)教授(発生生物学)らのグループが世界で初めて成功した。5日付の米科学誌サイエンス電子版に掲載された。グループは昨年8月にマウスのiPS細胞から精子を作製しており、理論的には、iPS細胞から作製した卵子と精子を受精させ、新たな生命を生み出すことが可能になった。

 グループは、マウスの雌の胎児の細胞からiPS細胞を作製。特定のタンパク質を加えて分化を促し、精子や卵子の元になる「始原生殖細胞」を試験管内で作った。これを、別の雌の胎児から取り出した体細胞と混合させて培養。卵巣に似た組織を体外で作った上で、雌マウスの卵巣に移植し、卵子を育てた。

 約4週間後、移植先から卵子を取り出して体外受精させたところ、健常なマウスが誕生。このマウスが親となり、孫にあたる子供を産めることも確認した。胚性幹(ES)細胞でも同様の結果が得られたという。

 ただ、受精卵から子供が誕生する確率は、ES細胞から作ると通常の約4分の1、iPS細胞ではさらにその半分程度にまで下がった。細胞分裂の過程で何らかの問題が発生している可能性が高いという。斎藤教授は「ヒトへの応用にはかなりの研究が必要。倫理的な問題や安全性の課題をクリアできるか、多方面から検討していきたい」と話している。

【用語解説】人工多能性幹細胞(iPS細胞)

 筋肉や血液、神経など、さまざまな組織や臓器になる能力を持つ新型万能細胞。通常は皮膚などの体細胞に遺伝子を導入して作る。京都大の山中伸弥教授が平成18年にマウスで、19年にヒトでの作製に成功したと発表した。



iPS細胞から卵子 生命の作製、倫理に課題 不妊治療には期待
2012.10.5 毎日新聞

 京都大大学院の斎藤通紀(みちのり)教授らの研究グループが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から精子に続いて卵子を作製し、子供を誕生させることに成功した。今後、生殖細胞(精子と卵子)の発生メカニズムや不妊治療の研究などへの応用が期待される半面、人工的に作ったヒトの精子や卵子で受精卵が作れるようになる可能性も芽生え、倫理面で新たな議論も巻き起こりそうだ。

 「不妊に悩む女性の6~7%は卵子を作れず、現在の医療では別の女性から卵子の提供を受けない限り、妊娠は不可能だ。今回の研究は、そうした患者にとって光となり得る」。今回の研究成果について、森崇英(たかひで)京都大名誉教授(生殖医学)が評価した。

 iPS細胞は、皮膚からでも作製できるのが特徴。成果をヒトに応用できれば、さまざまな細胞から卵子を作る道が開ける。さらに、卵子ができるメカニズムの解明につながれば、先天性疾患の原因究明にも可能性が広がる。

 ただ、実現にはまず技術的なハードルがある。実験動物としてさまざまな個体を人工的に作れるマウスほど、ヒトの細胞を扱う技術は進歩していないからだ。

 今回、研究グループは、iPS細胞から作った始原生殖細胞を、胎児の体細胞と混合させ、培養した後でいったんマウスの体に戻し、卵子を作ってから再び取り出す手法をとった。

 野瀬俊明・慶応大特任教授(生殖発生学)は「生体の力を借りた部分をどう体外で再現するかが、次のステップになる」と指摘する。

 iPS細胞はがん化のリスクが伴うため、世代を超えた安全性の検証も必要だ。国立成育医療研究センターの阿久津英憲(ひでのり)幹細胞・生殖学研究室長は「成長した個体とその子供で安全性の確認が重要だ」と話す。

 倫理面での検討も欠かせない。国は平成22年5月、マウスなどによる研究の進展を踏まえて、ヒトのiPS細胞を使った精子や卵子の研究に関する指針を改定。作製することは認めたが、受精は「時期尚早」として、解禁を見送った。

 一方で、精子や卵子が実際に機能するかどうかを確かめるには、受精させるのが最も確実な方法だという意見は、研究者の間で根強いとされる。

 大阪大大学院の加藤和人教授(医学倫理)は「ヒトでの基礎研究と応用の2段階で、どこまで研究を進める必要があるか検討する必要が生じている。まず何を議論すべきかを議論するところから始めなければならない」と指摘。東京大医科学研究所の武藤香織准教授(医療社会学)は「実験に用いる受精卵が不妊治療に使われる、個体が誕生する、などのあらゆる可能性を想定することが必要だ」と話している。

 iPS細胞を作製した山中伸弥・京都大教授の話
 「昨年の精子からわずか1年で卵子の作製に成功したことは、不妊症の原因解明や創薬につながる大きな一歩だ。一方で、理論的には、ヒトiPS細胞から新たな生命を誕生させることが可能になるという倫理的な問題も生まれた。今後は研究が独り歩きすることのないよう、積極的に情報発信し、一般の方々の理解を得ながら慎重に進める必要がある」




講演録

山中京大教授の講演 中日懇話会(2008年7月9日中日新聞朝刊掲載) 
2012/10/9

 第400回中日懇話会(中日新聞社主宰)で8日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の特長と課題について語った山中伸弥京都大教授。世界に衝撃を与えたiPS細胞の開発の経緯を振り返りながら「最終的には、患者の治療につなげていきたい」と、いつも患者を念頭に置いている研究姿勢を示した。

◆未来開くiPS細胞
    ◇
■期待 難病治療への有効打
 私はもともと臨床医。約二十年前までは整形外科医を志していたが、基礎医学の方が向いていると思い、その研究を続けている。医者なので最終的には患者さんの治療につながる研究をしたいと考えている。
 若年型糖尿病や脊髄(せきずい)損傷、白血病などの病気は治療が非常に難しい。何とかして有効な治療法を作りたいとの思いがある。
 糖尿病はインスリンの不足から起き、血液中の糖が増え、血管障害や神経障害、代謝障害を引き起こす。糖尿病は二種類あり、若年型は子どもに多く、国内では数十万人ほどの患者がいる。免疫の異常が原因と考えられ、インスリンがまったく分泌されない。
 このため患者は一日四回、自分でインスリン注射をしなければならない。しかし、インスリンが効き過ぎると、患者を苦しめる低血糖になる。
 一九九〇年代は臓器移植が非常に発達した。若年型糖尿病には、すい臓を移植する「すい移植」や、インスリンを作る「すい島」という部位を移植する「すい島移植」という治療法がある。
 すい移植は、脳死移植が必要で、大手術になり、危険もある。すい島移植も、脳死者や家族から提供されなければならない。家族からの移植は、親子であっても拒絶反応が出ることがある。ドナー(臓器提供者)が不足している現実もある。移植したくてもできない状況だ。
 これに対し、私たちが目指す再生医学は、臓器や細胞を人間の手で作り出し、もしくは増やして患者に移植するというものだ。
 再生医学の切り札の一つがES細胞(胚(はい)性幹細胞)。神経や筋肉などすべての細胞へ分化できる「多能性」と、ほぼ無限に増殖できるという特性がある。このため神経や心筋など各種細胞を必要なだけ作製できる。
 たとえば、糖尿病ではES細胞を増やし、それをすい島の細胞に分化させ、患者に注射して治療できる。同様に脊髄損傷や白血病、パーキンソン病、筋ジストロフィーなどさまざまな病気やけがへの治療が期待されている。
 ヒトのES細胞は十年前に作られたが、ES細胞を使った実際の治療は一例も実現していない。
 課題の一つは、別のヒトの受精卵から作るため、移植すると拒絶反応が起きる可能性がある。しかし、この拒絶反応も患者自身の体細胞の核と、ES細胞の技術を組み合わせることで克服できると言われている。ただ、マウスを使った実験は成功したが、サルやヒトの受精卵は非常に弱いこともあり、実現していない。
 もう一つの課題は、たとえ治療のためであってもヒトになる可能性を秘めた受精卵を使っていいのかということだ。倫理的な問題だ。世界的に見ると、反対する人が多く、米国のブッシュ大統領は「越えてはいけない一線を越えている」と強く反対している。

■開発 鍵となる遺伝子特定
 私たちは、ES細胞のいい点だけを生かして問題を回避できないかと考え、研究を始めた。受精卵からではなく、皮膚など患者自身の体細胞から直接ES細胞に類似したものを作れないかと。
 皮膚細胞とES細胞は、まったく違うが、私たちは可能と考えた。細胞の設計図はどれも一緒だからだ。設計図は核の中にある遺伝子で、約二万個ある。そのうち、どれが働くかで、できる細胞が違ってくる。
 最初にやったのは、ES細胞で活躍する遺伝子を片っ端から探すことだった。二十四個に絞り、一つ一つマウスの皮膚細胞に入れたが、成果は出ない。半ばやけくそで、一気に全部入れた。すると、ES細胞としか思えない細胞ができた。
 では、二十四個のどの組み合わせがそうさせたのか。二十四個から一個ずつ取り除き、細胞に入れる実験をした。本当に大切な遺伝子が欠けると、細胞は変化しない。これで最終的に四つ、中でも三つの遺伝子が大事だと分かった。
 これらをマウスの皮膚細胞に同時に入れるとES細胞そっくりの細胞ができ、iPS細胞と名付け、二〇〇六年に報告した。マウスだけで満足するわけにいかなかった。昔、私が医者になり、亡父はとても喜んでいた。だが、臨床から離れ後ろめたい思いがあった。
 世界の研究は、マウスのES細胞の作製からヒトでの成功まで十七年かかったが、iPS細胞は一年でできた。ヒトでもマウスと同じ四遺伝子を導入すればいいことが分かった。ヒトES細胞の研究成果がずいぶん蓄積されていたおかげだった。
 iPS細胞の能力はES細胞に匹敵する。最初の皮膚細胞は三十六歳の白人女性のほおから取った。そういう細胞からドッキドッキと拍動する心臓や神経、それに脂肪なんかの細胞もできる。

■展望 特許蓄積が実用への道
 今、いろいろな病気の患者の皮膚細胞からiPS細胞を作る研究を進めている。iPS細胞をどんどん増やした後、神経、すい島細胞などを作る。そういう細胞は、病気の原因解明や、薬の開発・副作用の検証に非常に役立つ。
 たとえば、高い確率で致死性の不整脈が起きるQT延長症候群。遺伝的に起こる人もいるし、抗生物質や風邪薬などの薬で誘発されることもある。今までは、患者の心電図を取りながら実際に薬を使ってみる検査しかなかったが、非常に危険だ。iPS細胞から収縮する心臓の細胞を作れば、調べたい薬を投与して検証できる。
 もう一つは細胞移植。慶応大との共同研究では、まだマウス実験の段階だが、神経細胞の基になる神経幹細胞が作れることが分かった。脊髄損傷のマウスにiPS細胞から作った神経幹細胞を移植すると、運動能力が完全ではないが回復した。
 脊髄損傷したマウスの場合、けがをして九日目に移植しなければ治療効果はがくんと下がる。おそらく人間でも十日目前後に移植しなければだめではないか。一方、iPS細胞を作るのに一カ月かかり、そこから神経幹細胞を作るのにもう一カ月かかる。あらかじめ多くのボランティアからiPS細胞を作り、細胞に分化させておくのが現実的だ。
 血液バンクと同じようなものをつくり、そこから取り寄せればいい。拒絶反応をどう避けるかだが、移植用細胞にも四種類の血液型と同じような型があり、ある研究によると、日本人なら五十種類も作ればカバーできる。
 iPS細胞は、海外でも研究が進んでいる。実用化には一つの特許ではどうにもならず、数十、数百と組み合わせなければならない。米国も毎週のように論文を出しており、おそらく多くの特許申請をしている。iPS細胞はわが国発の技術。私たちも、こつこつ知的財産を積み重ねることが日本での治療応用には大事だ。


<iPS細胞とは> ヒト皮膚細胞から作製成功/多様な細胞に成長
 皮膚などの体細胞に数種類の遺伝子を導入することで、多様な細胞に成長できる能力を持たせた細胞。従来の万能性がある胚性幹細胞(ES細胞)と異なり、育てば赤ちゃんになる受精卵(胚)を材料にしない点で倫理問題を回避できるのが最大の利点。山中伸弥京都大教授らが2006年、マウスの皮膚細胞から作製、07年11月、ヒトの皮膚細胞からの作製にも成功した。
 患者自身の細胞からつくったiPS細胞は患者と同じ遺伝情報を持つため、再生医療に使った場合、拒絶反応がない。病気の仕組み解明や薬の開発、副作用試験の応用も期待される。

 山中教授は、万能細胞として開発されていたES細胞の中で活発に働く因子(タンパク質)をつくる4個の遺伝子を特定し、その4個の遺伝子を「レトロウイルスベクター」と呼ばれる遺伝子の運び屋に入れて、皮膚の細胞に送り込むことでES細胞と同じ能力を持つiPS細胞を作製した。現在、3個の遺伝子でも作製に成功している。レトロウイルスベクターは、細胞のDNAに割り込ませるため、もともとあった細胞の重要な遺伝子が失われ、細胞ががん化する恐れもある。現在、レトロウイルスベクターを使わないiPS細胞の作製法が研究されている。



山中夫妻会見 一問一答 
2012/10/9 中日新聞

 山中伸弥さん(50)・知佳さん(50)夫妻の記者会見の一問一答は次の通り。

 -今の気持ちを。

 山中さん 感謝と責任の二つ。取材が終わったのは午前二時ごろだったが、学生が研究所で喜ばせよう、気持ちを和ませようと待ってくれていた。こういう学生や仲間に恵まれたのが、今回の受賞につながったとあらためて感じた。

 奈良先端大で初めて研究室を持ち、そのメンバーがiPS細胞を作ってくれ、今も主要メンバー。昨夜は米国の研究仲間とネット画面を通して話し、お祝いの言葉をもらった。米国の多くの仲間にも支えられている。

 今週は日本の皆さんに私たちの今の研究について、多くの人に現状を話して正しく理解していただくことを一生懸命したい。来週からは科学者としての仕事もたくさんあり、今回かじ取り役に任命されたとも思っているので、気持ちを切り替えて、研究開発の現場に戻りたい。

 野球だと三割で大打者だが、研究は一割打者なら大成功。一回成功するためには九回失敗しないと成功がこない。実際は何十回トライしても失敗も起こる。やめたくなる二十数年だった。そこで家族の存在、家に帰ったら笑顔で迎えてくれる。英語も分からないのに、米国にも家内は自分の仕事を中断して一緒にきてくれた。家族がなければ研究を続けてこられなかった。これからも家族や友人に支えられ、ノーベル賞にふさわしい仕事だったと思ってもらえるように頑張っていきたい。

 知佳さん たくさんの方に支えられ、このような日を迎えて、心から深く深くお礼申し上げます。たくさんの方に喜んでいただけることがうれしいです。ありがとうございました。

 受賞の一報をいただいたとき、主人は洗濯機の修理をしていて、私は冬用の布団にカバーをかけていて、娘はソファでうとうと。主人が電話で英語で話し、「サンキュー」「サンキュー」と言っていたので、大変なことになったのではないかと娘と顔見合わせ、言葉も出ませんでした。しばらくたってから「良かったね」と言葉を掛けた。

 -家族が支えになったエピソードを。

 山中さん 研究の一番基礎になっているのは米国留学の三年余り。当時の研究がiPS細胞につながったし、研究の本場で基礎や厳しさも学んだ。日本では研究もし、夜の診察や土日は当直もあり、家に帰れなかったが、留学中は研究しているか家にいてるか。研究以外の時間ができて、子どもの成長をすぐ横で見て、子育てに携われた。研究でいろいろあっても、家に帰って子どもの笑顔を見ることがずっと私の支えだった。

 -山中さんの普段の様子は。

 知佳さん ごく普通の父親、主人です。普段はとっても忙しいが、休日は家族のために進んで手伝ってくれています。どうしても研究の競争があり、声を掛けるのもはばかられるほど集中している時があった。どうサポートしていいか分からないこともあったが、たくさんの方に支えてもらった。

 -山中さんは愚痴を言うか?

 知佳さん 愚痴は言いません。ただただ走りにいって体動かしてリフレッシュしている。

 -山中さんに注文は。

 知佳さん 疲れているのに、あえて走ろうとするところ。街で走るのを見かけたら、ほどほどにするように言ってください。

 -山中さんにとってマラソンとは。

 山中さん 中学の時から体動かすのが大好き。器用じゃないので、球技をやっても活躍できないもどかしさがあった。柔道はそれなりに頑張ったが、その中でマラソンを走るのは速いと気付き、向いてるのではないかと。奈良先端大時代では毎朝、田んぼの中を走っていた。京都に来るとすぐ横に鴨川があるので昼休みに抜けて走るようになった。

 マラソンしてるときはできるだけ頭の中を真っ白にして、鳥の声とか音楽を聴いて、精神のリフレッシュのつもりで走ってる。マラソンはペース配分は大切。研究も速く走りすぎて途中で失敗することのないように、何十年という長い道のりなので走っていきたい。今回の受賞でさらに頑張らないとダメという期待をいただいて、責任を強く感じているが、実力以上にペースあげると必ずばてるので、よく考えたい。

 -受賞する予感はあったか。山中さんが重圧を感じている様子を具体的に。

 知佳さん たくさんの人から期待してもらう声は聞いていたが、二十年、三十年先なら良いなと思っていた。今回は予想していなくて、和やかな秋の中でただびっくりした。外国とのやりとりは時差がありリラックスする時間が限られている。家にいても電話していることが多く、もう少ししっかり休んでほしい。

 -受賞を機に力を入れたいことは。

 山中さん 四つの目標に向かってきた。技術を確立し、iPS細胞のストックを作る。臨床研究を今後、八年以内にスタートさせ、難病の方々のために薬をつくること。この四つを粛々と進めていきたい。多くの種類の病気があり世界の難病患者にメード・イン・ジャパンの薬を提供することを目標に、今後も研究を続けたい。

 -三年間、米国に行く決意をした理由は。ノーベル賞受賞で、山中さんは変わったか。

 知佳さん 米国生活が始まった時、私も楽しみにしていた。受賞で何か変わったかどうかは、ちょっと寝不足かなというくらいしか分からない。

 -生命倫理上の課題や宗教観への期待は。

 山中さん マウスではiPS細胞で作った精子と卵子から新しい生命を誕生させる状況になった。人間のiPS細胞から作った精子、卵子を受精させてどこまで経過をみるのか。子どもとして誕生する可能性まで認めるのか。受精卵ができても、正常な胎児、赤ちゃんになり八十歳まで生きられるのか、確証を得ることは非常に難しい。研究者と一般の方々が、いつ完成するかもしれない、あり得ない技術について、先延ばしにせずしっかり議論すべきだ。

 -開発から六年余りで選ばれた理由は。

 山中さん ジョン・ガードン先生は核の初期化という、細胞が分化した後も情報をすべて保持していることを明らかにした。私たちは簡単な方法でその情報を引き出すことに成功したが、そこで終わりとは思っていない。今後の技術を使って、ノーベル医学賞としてもふさわしかったと何十年後に思ってもらえるよう、これからが勝負。早く研究の場に戻りたい。



山中教授の記念講演要旨
2012/12/8 中日新聞

 山中伸弥京都大教授のノーベル賞受賞記念講演の要旨は次の通り。

 【はじめに】

 50年前、私の生まれた年に細胞核の初期化の分野を開拓したジョン・ガードン氏とノーベル医学生理学賞を受賞できることを光栄に思います。

 【研究者への道を歩み出した頃】

 整形外科医から基礎医学に転向した私は「予期せぬ結果」と「素晴らしい師」と出会えた2点でとても幸運でした。

 大阪市立大では、大学院生として三浦克之先生の指導のもと、三浦先生の仮説を確かめる実験をしました。血圧を下げないだろうと予想される物質を犬に投与したところ、予想に反して血圧が下がりました。驚いて三浦先生に報告したところ、自分の仮説が外れていたにもかかわらず一緒に喜び、研究を続けることを励ましてくれました。

 1993年に博士号を取得し、米グラッドストーン研究所のトーマス・イネラリティ博士のもとで研究を始めました。ここでも、イネラリティ博士の仮説を証明すべく、「APOBEC1遺伝子」を過剰に発現させると、コレステロール値が下がることを期待して実験しましたが、予想が外れ、この遺伝子が肝細胞がんに関わることが分かりました。しかしイネラリティ博士はその結果に興奮し、研究を続けることができました。

 私には2タイプの師がいます。一つ目は三浦先生やイネラリティ博士のような研究者としての師です。彼らのようになりたいけれど、なかなか苦戦しています。二つ目は、自然そのものです。自然は時に予想していなかったことを私に教えてくれ、新たなプロジェクトへとつながりました。

 【iPS細胞に至る研究】

 APOBEC1遺伝子の研究過程で、NAT1という遺伝子が見つかり、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)にとって大切なことが分かりました。ES細胞にはほぼ無限に増殖する能力と、さまざまな細胞に分化する能力がありますが、NAT1は後者の多分化の能力に重要であることが分かりました。

 このころ、米国から日本に帰り「帰国後うつ」という病気にかかりました。マウスのES細胞の研究が患者さんの助けになるのか、研究の方向性について悩んでいましたが、二つの出来事によって回復しました。一つは、米国のジェームス・トムソン博士のヒトES細胞の樹立というニュースです。もう一つは99年、37歳の時に奈良先端科学技術大学院大で研究室を持ったことです。

 私は「受精卵からではなく、患者さん自身の体の細胞からES細胞のような幹細胞を作り出すこと」を研究室の長期目標として掲げることにしました。それまでに明らかにされていた研究の流れから、理論的には可能だと思っていました。

 20年、30年かかるか、あるいはそれ以上か見当もつきませんでしたが、2006年にはマウスで、07年には人でiPS細胞の樹立に成功。四つの因子で細胞核を初期化できることを示すことができました。

 この成功は私だけのものではなく、3人の若い科学者、高橋和利君、徳沢佳美さん、一阪朋子さんの努力なしには成し遂げられませんでした。また、iPS細胞に至る三つの道筋をつくった科学者たちにも感謝したいと思います。

 体細胞の核を卵に移植することによる体細胞の初期化研究の流れ。ガードン氏や多田高京都大准教授らによる成果。

 単一の転写因子によって細胞の運命を変える研究の流れ。

 ES細胞など胚からの未分化細胞による多能性に重要な因子の同定の流れ。

 【iPS細胞の可能性】

 私は京都大iPS細胞研究所の所長であり、グラッドストーン研究所の上席研究者でもあります。iPS細胞の応用には三つの可能性があり、その研究を推し進めています。

 一つ目は、患者さんからiPS細胞を作製し、それを患部の細胞に分化させ、病気を再現することで、病気の解明や薬剤の探索に活用することです。

 例えば筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんに体細胞を提供していただいてiPS細胞を作り、神経に分化させ、病気の状態を探る研究をiPS研究所の井上治久准教授が行っています。

 二つ目は、iPS細胞から分化させた細胞で薬の副作用を調べることです。三つ目は再生医療です。(共同)



iPS実用化、着実に 山中教授に聞く 
2013/10/6 中日新聞

◆ノーベル賞から1年

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授(51)がノーベル医学生理学賞を受けてから一年。本紙の単独インタビューに応じ、iPS細胞を使った臨床研究の開始を「大きな一歩」と評価。再生医療の今後の見通しについて「ゴールは遠いが着実に進んでいる」と語った。

 -ノーベル賞の受賞決定から一年。

 去年は賞の発表日が祝日で、自宅で落ち着いて連絡を受けることができた。授賞式のあったストックホルムに家族のほぼ全員が行けたことも良かった。僕自身は気が動転していて、あまり記憶がない。ストックホルムもゆっくり楽しめず、もう少し食事も味わいたかった。

 -この一年でiPS細胞研究は新たな段階へ。目の疾患「加齢黄斑変性」で世界初の臨床研究が始まった。

 ヒトiPS細胞を発表した二〇〇七年、理化学研究所の高橋政代先生が「五年で(臨床研究を)やる」と言い、その後、着々と進めてきた。僕は「ビジョンとハードワークが大切」とよく言うが、まさにその通りで「チーム高橋」に敬意を表したい。

 人工的につくられた細胞が誕生から六~七年で臨床現場で試される。画期的で大きな一歩。「ゼロ」と「一」の違いは非常に大きい。ただ、これを「百」くらいにしないと。まだまだ長い道のり。今回は五、六人に限定して安全性を検証する臨床研究で、本当に安全かを確認していく。

 -他の疾患については。

 いくつかの疾患で臨床研究の前段階まで進んでいる。京大の研究所だとパーキンソン病の治療、他機関では、心不全に対する心筋の移植や脊髄損傷。網膜の視細胞や角膜の移植も五年以内に臨床研究が始まると期待している。iPS細胞からつくる輸血用の血小板や赤血球の安全性は極めて高く、実用化は早いだろう。

 時間がかかりそうなのは(膵臓(すいぞう)の細胞が壊れてしまう)1型糖尿病。iPS細胞から膵臓の細胞をつくる技術が未完成だ。腎臓も時間がかかるかもしれない。

 -今後の課題は。

 再生医療では安全性や効果の面で中止になることがあるかもしれないが、日本は世界のトップを進んでいる。iPS細胞技術を使った創薬は、より強力に進めたい。何百という病気が創薬対象になる。既に百以上の疾患の研究報告があるが、創薬の過程は長く、まだ一つもできていない。企業や他の研究者への技術の普及や細胞の供給にも取り組みたい。

 -患者や家族にメッセージを。

 加齢黄斑変性以外の病気やけがでは臨床研究も始まっておらず、一般的な治療になるには長い年月が必要。できるだけ早くと思っているが、常に安全性を考慮し、十分に注意して進む必要がある。

 ゴールは遠いが着実に進んでいる。ちゃんとペース配分して走れば到達できる。患者や家族のために最後まで一歩一歩、進みたい。僕自身、この一年で恩師や友人などを亡くし、悲しみに直面した。病気の解明や治療に貢献したい気持ちがより強くなった。

(京都支局・芦原千晶)

 <iPS細胞> 神経や筋肉など、さまざまな細胞になる能力を持つ人工多能性幹細胞。皮膚や血液など体の細胞の中に、山中教授らが見つけた特定の遺伝子などを人工的に組み入れるだけで、誰からでもつくれる。患者本人からiPS細胞をつくり、望みの細胞に変えて移植すれば、拒絶反応のない治療が可能になるほか、患者のiPS細胞を使った難病の解明や創薬への応用が期待されている。
 <やまなか・しんや>神戸大医学部卒。研修医を経て大阪市立大大学院博士課程を修了。2004年から京都大教授。06年にマウス、07年にヒトのiPS細胞の開発を発表し、12年にノーベル医学生理学賞を受賞。現在、京大iPS細胞研究所長。


シリーズ:生活習慣を見直す02 睡眠

20120929 21591

・それぞれ各人に眠り方の作法のようなものがあり、それをしないと寝付けないことがある。反対に言うと、そうした習慣を作り上げることが良眠のコツなのかもしれない。

榎本栄一31

  ダルマさん

もしも私が
小賢しい
手足引っ込めたら
ダルマさんみたいに
たのしくコロリコロリ

・たのしくコロリコロリと、そのままになることが・・・

神の風景-人間と世間-102

「見られているように、人生は見ねばなりません」(藤木正三)2-122戒

・何かしら自分の方から人生を見ていると藤木師は語ります。第3の目というべき視点は必要でしょう。

人生いろいろ:美坊主ブーム

† 美坊主ブームであるという。素人写真集が売れているということで、一過性の流れだろう。また僧侶を扱ったコミックも人気であるという。美神父・美牧師はブームになるのだろうか。

‡ こうしたブームでモデルになった僧侶の皆さまの心境はいかがなものだろうか。自分自身に酔っている人はいないと思うが、これが仏教ブームにつながることもないだろう。それは表面でなく内面を見つめるという宗教の要請であるからだ。確かに仏教も危機にあることは違いないだろうがピントが外れているように感じる。


お慕い申し上げます 1 (ヤングジャンプコミックス)
朔 ユキ蔵

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コミック: 208ページ
出版社: 集英社 (2012/4/10)



美坊主図鑑~お寺に行こう、お坊さんを愛でよう
日本美坊主愛好会

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単行本: 198ページ
出版社: 廣済堂出版 (2012/3/1)


人生いろいろ:西欧楽器と日本の職人

† 先日、テレビ東京系の情報番組で、クラシック音楽の名門演奏団体・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団でなくてはならない日本製の楽器とは何かという企画があった。正解はフルートであり、4人いる奏者のうち首席奏者は三響楽器、そして残りは村松フルートが一名、ヤマハが二名と全て日本製のフルートを使用しているということだった。ちなみに首席奏者の楽器は総金製で800万円という芸術品。

‡ 実は、日本の楽器製造技術は一部の楽器では世界トップ水準を維持している。もともと西欧楽器のノウハウがない一からの出発であったが、日本人の器用さと手堅い仕事で好評のようだ。特にプロ仕様となると厳しい査定があり、それを乗り越えて演奏会で使用してもらうことは凄いことでもある。だから入門・中級レベルの楽器も、その恩恵を受けることができる。モノづくりに信頼感がある日本人は誇りを持ってもいいのだ。

澤木興道 語録19

ちょっとうっかりしておると、人間「食うこと」だけが大騒ぎとなってしまう。忙しい忙しいと言うて、何のために忙しい。――食うために忙しい。――ニワトリも忙しそうにエサを食うているが、あれは「人間に食われるために」食うておるのじゃ。(澤木興道)1-123

・ニワトリに人間を見る達観。そのユーモアある姿に我を見る。もう、けっこー。

インドで亡命チベット人の臨時総会

インドで亡命チベット人の臨時総会…28日まで
2012年9月25日 読売新聞

 インド北部ダラムサラで25日、世界各地から集まった亡命チベット人の代表約400人の臨時総会が始まった。

 28日までの4日間、近く次期指導部が選出される中国との交渉再開などについて討議する。

 臨時総会開催は、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が2008年11月に招集して以来。11年にダライ・ラマが亡命政府に政治権限を委譲してからは初めてとなる。今回ダライ・ラマは、総会最終日の宗教行事のみ出席する予定だ。

 25日の総会では、亡命政府のロブサン・センゲ首相が「亡命チベット人の不満を解消し、国際社会の支持を得るための具体的な行動計画が必要だ」と語った。首相は、中国の枠内で「高度な自治」を求めるダライ・ラマの「中道路線」継承を表明している。【バンコク=田原徳容】



・チベット関連記事

シリーズ:生活習慣を見直す01 食べる

20120929 2159

・食べ過ぎによるエネルギーの過多が問題だと指摘する方は多い。つまり余ったエネルギーは悪さをする力にもなるということだ。それが肥満になったり考えすぎという違った方向に向かっていくことになる。

神の風景-人間と世間-101

「生命の実感を表現する言葉はなんでしょう。それは、暖かさだと思います。正しく、高く、清く生きてさえすればよいのだと考える心を恥じ入らせしめるような暖かさが、生きていることの味わいなのです」(藤木正三)2-121生命の実感

・生命の実感、それは包まれるような暖かさだと藤木師は語ります。生命の実感なんて、なかなか感じられるものではないです。自分の小さな頭の考えがなくなり、ただ在る時に感じられる情景です。私は若い時期、危機状況にあったすぐ後に、お任せという時が静止するような時間を経験しました。あれが暖かい味わいというものなのでしょうか。人間の思考すべてをはぎとったときに浮かび上がる実相でした。
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