人生いろいろ:今でもあるんだ新聞勧誘

† 昔は野球のプラチナチケットとか家電製品とかあったらしい。ご承知の通り、新聞勧誘員と新聞販売店は委託関係があるくらい。強引な勧誘が一時問題となっているが、昨今あまり耳にしなかった。

‡ 新聞購読をしない若者が激増しており大手新聞社の危機感は強い。ただ内容が一様になり日和見批判を繰り返すマスコミに対する不信感強まっており、紙面の充実しか部数維持はできないだろう。


見守り新鮮情報 第131号  平成24年3月6日
発行:独立行政法人国民生活センター

   断っているのに帰ってくれない!新聞勧誘

 新聞の勧誘員が家に来た。「今取っている新聞で不満はないから」と断って、
ドアを閉めようとしたが無理やり玄関に入ってきた。何度も断っているのに
「何で断るんだ!」と怒っているような口調で言われたかと思うと、今度は
「頼むからお願いします!お願いします!」と泣き落としのように頼み込まれ
たりしてあまりにしつこいので、仕方なく3カ月間の購読契約をしてしまった。
やはり2紙も必要ないので解約したい。(80歳代 女性)

<ひとこと助言>
☆新聞の勧誘員から強引に購読を勧められたという相談が寄せられています。
☆事例の他にも、購読開始時期が「1年後の○月から」といった数カ月~数年先
 の契約をさせられるケースも目立っています。認知症の高齢者などの場合、
 配達が始まって初めて契約していたことに周囲が気づくこともありました。
☆訪問販売でクーリング・オフができる期間は契約書を受け取ってから8日間で
 す。それを過ぎると、「○年○月~○年○月」などと期間が決まっている購
 読契約は途中でやめることが難しいので、注意が必要です。
☆ドアを開ける前に業者名と用件を聞き、必要なければきっぱりと断りましょ
 う。
☆困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)


スポンサーサイト

洗脳体験をナラティヴに32

「わたしが感知することは、他人から与えられた公式にも、自分で編み出した公式にも当てはまらない。言葉にすることはできないのだ。では、師は何ができるのだろうか。現実をわたしに示すことはできないが、現実でないものをわたしに気づかせてくれる」(アントニー・デ・メロ)3-91

† 自分の感じていることと教えられていることの相違があることがある。つまり、AというのはBということだと教えられてきた。しかしCという感じがするというものだ。また、個人にも思い込みがあり、頑なな見方しかできなかったら本当に見られないだろう。

‡ その際に、師ができることは限られてくる。つまり「愛する」ならば、愛でないことの例示に留まるのだ。「愛」が説明できないからくることなのだ。愛とは○○と語る、自称・宗教家たちの危険がそこにある。

魂の言葉31

ロマンチックな恋だけが恋ではありません。
本物の愛とは、オートミールを混ぜる行為のように、平凡であたりまえのことです。(ロバート・ジョンソン)

・たまにはロマンチックもいいけど、平凡な毎日のなかに発見を見つけることがいいね!

神の風景-人間と世間-83

「ねたみの苦しさから自由な人はいないでしょう。優越するものに素直になれない敏感さです。数々ある人間の問題のうち最深のものをこれに見ているのが、宗教なのです」(藤木正三)2-101ねたみ

・人間を比較地獄と言った人がいます。それぞれの花を咲かそうということは素直にならないのです。

人生いろいろ:悪質震災商法

† 昨年は震災に振りまわされた年となった。放射能の影響が、だんだんと公表されてきている。それも、危険を察した民間団体や個人が行った検査によるところが大きい。つまり、公的機関の行うサンプリングは杜撰であるということ。個人で線量計を購入する人を笑えない状況である。

‡ 加えて、以下のように震災にからめて詐欺を行う人たちもいる。手口は古典的であっても、組織的になり将来不安に絡めて、一儲けできるという誘いに人間は弱いらしい。くれぐれも周りの高齢者らに注意喚起を!


<知りたい!>悪質震災商法ご用心 「老人ホーム、被災者殺到」「風力発電未公開株」
2011年9月3日 毎日新聞

 ◇全国で相談相次ぐ

 東日本大震災の被災者支援や有望ビジネスをうたい、有料老人ホームの利用権や未公開株の購入を持ちかけ、トラブルになるケースが頻発している。国民生活センターや消費者庁は、震災絡みの問題商法が全国に広がる恐れがあるとして注意を喚起している。その「手口」とは?【浦松丈二】

 「神奈川県箱根町に開設される温泉付き有料老人ホームのパンフレットを送りたい」。九州北部に住む60代の男性にある日、そんな電話がかかった。承諾すると、間もなく資料や申込書が届いた。

 後日、別の人物から電話で「パンフレットが届かなかったか。震災で困った人たちが入居したいと応募が殺到している。利用権を購入すれば転売も可能」と、高値での買い取りをもちかけられた。怪しんで断ると「ニュースを見て何も感じないのか。人でなし、悪いことが起こるぞ」。そうすごまれ、電話を切られた――。

 震災後、同様の報告が相次ぎ、国民生活センターが箱根町に問い合わせると、老朽化した元保養所の建物は存在するものの、ホーム開設に必要な町との事前協議が行われていないことが分かった。

 センターによると、この「商法」にはホームの運営業者と販売業者、買い取り業者の3者が登場。販売業者が消費者に接触するタイミングに合わせ、買い取り業者が「利用権を半年後に1・6倍の価格で買い取る」などと持ちかける。利用権は1口20万円程度で、申込書には「配当金(利払い金年6~8%)」などの記述も。ところが実際は、指定口座に金が振り込まれた後も業者が買い取りに応じたケースは確認されておらず、連絡すら取れないことも多い。

 温泉付き老人ホームの利用権を巡り全国の消費生活センターに寄せられた相談は、3月から8月11日までに423件。既に金を支払ったのは72件で、500万円以上が3割を超える。国民生活センターは全件数中、少なくとも54件が「震災」を口実にしたケースと確認している。

 担当者は「高値で買い取るなどのうまい話は信じないで」と呼びかける。

    ◇

 「福島第1原発事故の影響で、今後は風力発電が注目される。政府高官も視察に行くような有望な会社の未公開株を特別優待で安く買える」。未知の業者から勧誘の電話を受けたのは千葉県在住の70代の女性。40万円を支払うと、証券会社を名乗る業者から「1・5倍で買い取るので、買い増しを」と追加購入を迫る電話が何度もかかるようになった。女性は消費生活センターに相談。アドバイスを基に業者と返金交渉を続けているという。

 「被災地を支援する会社の未公開株を買わないか」。そう電話で誘われ、株を買った埼玉県の70代女性も。

 震災関連の未公開株を巡る相談は48件(8月11日現在、以下同)。代金を支払ったのは23件で、平均695万円と高額だ。11月末には、改正金融商品取引法が施行され、無登録業者による販売契約は原則無効となる。「施行が迫るにつれ、悪質な勧誘・販売が駆け込み的に増えると予想される」(国民生活センター)

 一方、福島第1原発事故による放射線被ばくへの不安に乗じた商法も多い。広告で「放射能が除去できる」と宣伝する浄水器や線量計など、関連の相談は全国で3428件も寄せられている。特に通信販売はクーリングオフの対象外とされており、慎重な判断が求められる。


人生いろいろ:「架空請求」は、とにかくとにかく無視!

† 架空請求の被害も続いているようだ。ハガキ一枚に、小難しい言葉を並べて裁判を起こすと脅してくる。それも、それらしい公共的な団体名を名乗っているので紛らしいということ。もらった人は公共的な団体と勘違いして、連絡を取るとさらに脅されるという仕組みだ。

‡ こうした団体そのものもダミーであったり存在しないものだったりする。とにかく無視!は大正解なのだ。ただし、身に覚えがあるのならきちんと対処するのは言うまでもない。


見守り新鮮情報 第130号  平成24年2月17日
◇発行:独立行政法人国民生活センター◇

    「架空請求」は、とにかく無視!

 「以前契約した訪問販売及び寝具販売業者に対して未納料もしくは契約不履
行があり当該会社が裁判所に訴訟を起こした」といった内容のはがきが届いた。
全く身に覚えがないが「このまま連絡せずに放置すると裁判所に出廷すること
になり、給料や財産が差し押さえられることもある」などと書いてある。覚え
がない場合は早急に連絡するよう赤字で書かれているが連絡するべきだろうか。
(80歳代 女性)

<ひとこと助言>
☆はがきや封書、電子メールなどで、身に覚えがない請求を受けたという、い
 わゆる「架空請求」に関する相談が、いまだに寄せられています。
☆「訴訟を起こした」「給料や財産を差し押さえる」など、過去に利用した業
 者に未払いがあったのかと勘違いさせる言葉を並べ、不安にさせる手口です。
☆「早急に連絡してください」などと書かれていても、絶対に連絡してはいけ
 ません。連絡したところ「訴訟取り下げのために必要」などと様々な理由を
 つけられて数十万円を請求されたケースもありました。
☆請求された内容に不明な点があったり、不安を感じたりした場合は、相手に
 は連絡せずに、まずお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談くださ
 い。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)


榎本栄一30

  浄土のとなり

この古い畳の上で
しずかに いのちのながれに
心耳(みみ)をすまし
ここが私の
一ばんだいじな棲処(ところ)としり

・心耳、すべてに心が添えればいいなぁ!

健康サプリ名に「神」など使用禁止へ、中国で規制強化

健康サプリ名に「神」など使用禁止へ、中国で規制強化
2012年3月21日 ロイター

中国の国家食品薬品監督管理局は、健康サプリメントに「セックス」や「神」、「不死」などの言葉を使った製品名を認めない方針を決めた。新華社が20日に伝えた。同業界では迷信などを利用して商品を販売しようとする業者も多く、こうした状況を改善する狙いがあるという。

報道によると、当局は問題となる言葉が「これ見よがしで、迷信につながる」と判断し、「神」などのほか「魔法のような効果」や「奇跡的」といった言葉も禁止される。いつから禁止されるかは不明。

中国では長年、食品や薬品の品質に関する問題が絶えず、消費者からの苦情を受けて政府も規制強化に乗り出している。

2007年7月には、元国家食品薬品監督管理局長が収賄罪と職務怠慢の罪で有罪となり、死刑が執行されている。[北京 20日 ロイター]



・宗教を忌み嫌う共産主義のイデオロギーかと思いきや、効能に神がかりな期待を抱かせないという消費生活上の注意喚起。

中国製品には、ご存じ海外製品のパクリがたくさんあり、健康サプリメントも例外ではないはずだ。海外の人たちがMade in Japanに信仰を持つのも、やはり粗悪品が横行していることが背景にあるだろう。

記事の最後に官僚の死刑が記されているが、とにかく公開処刑など見せしめ的なものが多い。だから、日本に出張してまで犯罪を犯す理由がある。日本ほど汚職が少なく刑罰も軽く刑務所ライフも快適な国は他にないだろう。

洗脳体験をナラティヴに31

「実は、自分の体験を正確に伝えることのできる言語は、人間の言葉にはない。その体験や音楽や詩や絵で伝えようと試みるかもしれない。しかし、心の中では、自分が見て感じたものをそのとおりに理解してくれる人はひとりもいないとわかっている」(アントニー・デ・メロ)3-89

† 言葉と概念は密接に関わっている。言語の発達・獲得とともに概念化することで、文化・文明を切り開いてきたのが人間の歴史であるといっても過言ではない。しかしである、本当は言葉の無力さを知っているからこそ、人間は体験や経験をも重視してきている。

‡ 愛することの理解はできても、愛に生きることは至難の業なのだ。その愛という概念も、いくら厳密に考えても分からないものだ。それを補足する意味で、芸術というツールを使って伝えようとするのも人間の営みなのだ。

相田みつを が命名&デザインしたお菓子

相田みつを が命名&デザインしたお菓子
2012年3月6日 exciteコネタ

昨年、野田首相が就任した頃、「どじょうのように泥くさく、国民のために汗をかきたい」という発言から、「どじょう内閣」が通称となった。言わずと知れた、書家の相田みつを氏の作品「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」からの引用である。

この発言以降、東京・丸の内にある相田みつを美術館の来館者数が急増したという報道も当時、目にした記憶があるけど、野田内閣が増税路線を打ち出す中、現在の来場者数はどうなのだろう? と気になるところ……。

ところで、最近ある物産展でこんなお菓子を発見した。栃木県・宇都宮銘菓の「チャット」というお菓子である。昭和から変わってなさそうなレトロな書体、小鳥をあしらったパッケージがなんともかわいい。実はこれ、相田みつを氏が命名&デザインなどを手掛けたものなのだとか(!)。

製造元の「うさぎや」さんにお話を伺ってみたところ、「チャット」は1960年代に発売されたお菓子で、その当時、相田みつを氏は今でいうコピーライター的な仕事をしており、ネーミングや包装紙のデザイン案を手掛けるなどしていたのだとか。「チャット」とは、ネット用語でいう「お茶のみ話、気らくなおしゃべり」と同じ意味で、そんな楽しいティータイムにいつもそばにあるお菓子であれば……という想いを込めて命名。小鳥の意匠も、原案はみつを氏が考案したものという。

相田みつをはあまりにも有名すぎて、説教臭く苦手な世界観なのでは……と食わず嫌いだった私。が、実際に読んでみると結構共感できるところがあったりして、こんなモダンなネーミングとデザインの原案もつくっていたとは……やるじゃん、みつを。とひそかにファンになった次第。

中身は白あん入りのおまんじゅうで、プレーンとチョコ味の2種類があり、宇都宮の百貨店やお土産屋さんの他、ネット通販などでも手に入る。

「うさぎや」さんによれば、みつを氏の故郷である栃木県には他にもいくつか彼が手掛けたお菓子があるそうで、たとえば足利の「香雲堂」というお店の「古印最中」のパッケージやしおりもみつを作品とか。

「相田みつを美術館」では、年に一度、これらのお菓子を集めた催しなども開かれているそうで、こちらも気になるところ……。

春に向け、ダイエットが気になる季節だけれど、食欲にはどうしても勝てない。だって、人間だもの。と、開き直りつつ、ぜひ皆さんも宇都宮銘菓「チャット」を食してみてはいかがでしょう?
(まめこ)



・相田みつを さんの隠れた一面。彼のことばを理解する時に、お説教臭く感じるのは、ことばを生きた形で把握していないからだろう。

こうしなさい、というメッセージではなく、こんな面も自分自身にはあると気づかされることが大事なこと。そこで、初めて生きたことばとして応用が効くことになる。


宇都宮銘菓チャット

ug-0001.jpg

E13306948.jpg

<チャット>
 ・材料:白練餡、小麦粉、卵、バター、砂糖、膨張剤、香料
 ・発売元:うさぎや商店 創業大正4年
 ・誕生:昭和36年 (1961)
  チャット(chat)の名付け親は、詩人の相田みつを氏。

神の風景-人間と世間-82

「人が人を理解できるということは、極めて稀な、例外的ケースと心得ましょう。ですから、わかりもしないのにわかってしまおうと、割り切ることのないように慎みたいものです」(藤木正三)2-100稀なこと

・藤木師との話で分かったことは、人間を理解するということの絶望的ともいえる困難さである。私は心理学が、それを助けると信じていた時期があった。一般的な答えでなく、目の前の人を相手にしては、その困難さは測りがたい。想像しても分からないものとして対することのほうが、より真実ではないかと感じます。

ナビゲーション 誰にも言えない ~精神疾患の親を持つ子どもたち~

ナビゲーション 誰にも言えない ~精神疾患の親を持つ子どもたち~
2012年5月18日 NHK名古屋(中部7県向け)

妄想や幻聴などにより理解できない行動をとる統合失調症。100人に1人が発症する可能性のある脳の病気です。その統合失調症を患う親と暮らす子どもは、これまで偏見から病気の正しい知識を教えてもらえず、サポートもないまま孤立してきました。そんな中、三重県で精神疾患の親を持つ子どもを支援するグループが立ち上がりました。番組では、親の病と向き合う子どもたちの姿とその奥底に抱える悩み、その取り組みについて伝えます。



*MEMO*
制作:NHK津放送局

キャスター:長野 亮
ゲスト:西田寿美(児童精神科医、三重県立小児心療センターあすなろ学園長)

VTR出演:中村ユキ(漫画家)、土田幸子(三重大学医学部看護学科助教)

悩みの特徴
 1.自信がもてない
 2.対人関係が築けない
 3.自立へのためらい


精神障がい者の親と暮らす 親&子どものサポートを考える会 (土田幸子代表)
  http://www.oyakono-support.com/

NPO法人 多摩在宅支援センター円(えん)  http://zaitakuen.or.jp/


・新しい視点で考えさせられて興味深かった。精神障がい者の運動の中心は、その親であり本人の代弁をすることで権利の拡張を推進してきた。精神障がいとなった親を持つ子どもたちへの心情を考えることは今までなかったと思う。

漫画家・中村ユキさんの本は10万部の売り上げをあげているという。彼女の母親に対する思いが全国的にも共感を得ているという。

精神障がいは人間関係の病であるので、その家庭に育った子どもたちも影響を受けることは理解できる。また親の症状についての了解可能性やサポートができるだけの力がない以上は、受け身の立場で生きていくことになる。

この問題とは関連はないが、親や肉親に自殺された子どもたちも深い傷をおっているということに対して当事者たちが声を上げている。この場合も誰かに話すこともためらわれることになるだろう。問題となるのは、こうした生育環境で成人した場合に何らかのダメージを受けるか否かだろう。

多摩市の事例は、訪問看護ステーションが利用者だけでなく家族にまでサポートの手を差し伸べている例である。調べたところ、このNPO法人は総合的に取り組める基盤があり成功している例なのかもしれない。単に訪問看護師だけの努力ではない。

土田さんの取組みは、自助運動になるのだろう。こうした取り組みは、ネット社会になり可能性が増しているように思える。三重県に住んでいなくても、やり取りができることは大事なことだ。

ゲストの児童精神科医は、サポートの鍵は行政にあるという発言をしていた。彼女は調べると県立施設の園長という立場でもあるが、特に保健所の役割が期待されていながらも十分に機能できていないことや専ら自殺対策のみに重点が置かれている現状をどのように考えるのだろうか。

加えて、放送では主に統合失調症の話になっているのだが、他の精神疾患の親を持つ子どもの環境も似たようなものかもしれない。それを家族ぐるみでサポートするには、理想的にはネットワークを作り支援しようということになるのだが期待はできないのが現状である。


わが家の母はビョーキです

20120518

中村 ユキ (著)
単行本(ソフトカバー): 167ページ
出版社: サンマーク出版 (2008/11/18)



学校と連携へ 親が精神障害の子を支える三重のグループ
2012年1月20日 朝日新聞

 精神障害の親を持つ子どもを支援する三重県の「親&子どものサポートを考える会」が、学校現場との連携に取り組み始めた。これまでは成人した子どもに親の障害について対話し情報交換する場を提供してきたが、中高生など未成年の支援のあり方を模索する。

 「思春期の子がいる親子にアプローチしていくため、今後も連携させていただきたい」。1月17日、津市役所で、同会を立ち上げた三重大医学部看護学科の土田幸子助教(47)がスクールカウンセラーら約20人に会の活動内容を説明し、協力を呼びかけた。

 これに対し、参加したスクールカウンセラーからは質問や意見が相次いだ。津市立橋北中と高茶屋小を受け持つ米田奈緒子さん(47)は「子どもと接していて、はっきり『お母さんは病気では』とは言えないが、『お母さんのお手伝いをしているの?』などと声をかけることはできる」と提案した。

 土田助教はこれまで、精神障害を持つ親と暮らしてきた成人同士が思いを語り合うサロンを12回開くとともに、佐賀県や関東など全国の成人26人にインタビューしてきた。

 その結果、親の病気について説明されないまま疑問や自責の念にさいなまれた体験や、周囲が無関心だったり親ばかりが優先して支援されたりする中で、孤独感を抱えていた体験を持つ人が多いことがわかったという。

 ある女性の母親は統合失調症で、妄想があったり何度も同じことを言ったりなどの症状があり、いつも横になっていた。女性は中学生のころから、父親に「我慢しろ」と言われ、母親のケアで休む暇がないなどの負担があった体験から、30代になった現在も病気で起き上がれないこともあり、引きこもりがちだという。

 こうした研究をもとに、土田助教は実際に家庭内で孤立している中高生らに支援を広げようと、市町教育委員会や学校など関係機関に会の趣旨を周知する活動を始めた。スクールカウンセラーへの説明会は、この一環だ。今後は、学校教員の学習会や研修会にも参加するなど、さらに説明の機会を持ちたい考えだ。

 土田助教は「学齢期の子は、支援が必要でもなかなか手を挙げにくい。まずは学校の先生や地域の人など身近な大人に相談に乗ってもらえるよう、現状を知ってほしい」と話している。(高浜行人)

〈親&子どものサポートを考える会〉
 統合失調症などを患う精神障害者の子どもは、劣等感や絶望感など発達上の問題を抱えて社会から孤立しがちで、精神障害者本人に比べると、支援が行き届かない現状がある。そこで、こうした子どもたちを支援しようと、土田幸子助教が2009年9月、会を立ち上げた。精神障害者の子どもに焦点を当てた取り組みは、全国的にも珍しい。



追記

精神障害の親助け、孤立防ごう 支援団体が意見交換
2014/6/7 中日新聞 朝刊

 子育てをする精神障害者の支援や、精神障害の親がいる子の支援をしている団体のメンバーが先月、名古屋市内で集まり、支援の課題などを話し合った。呼び掛け人の鈴鹿医療科学大看護学部准教授土田幸子さん(精神看護学)によると、精神障害者の子の支援に絡む団体が一堂に会するのは、おそらく全国初という。土田さんは「何らかの形で二回目を開きたい」と話す。

 「情報交換会」には、北海道から広島県まで、全国十五団体の四十四人が参加した。

 会に出席し、精神科訪問看護などのサービスを提供している東京都立川市のNPO法人、多摩在宅支援センター「円」理事長の寺田悦子さんによると、精神疾患のある親は、病気ゆえに対人関係がうまくいかず、子育てで苦労する人が少なくない。「自分のせいで子どもがつらい思いをしている」と自分を責める親と、親の病気に振り回される大変さを他の人に言えず、孤立する子。双方に目を配った支援が必要という。

 会場では、各団体が取り組みを紹介した。

 精神障害者らが昆布の加工・販売などをし、一緒に生活している北海道浦河町の地域活動拠点「べてるの家」の創始者、向谷地生良(むかいやちいくよし)さんも駆けつけ、べてるの家などが取り組む子育て支援を説明した。

 べてるの家では精神障害者同士の恋愛も活発で、子をもうける当事者は多い。精神疾患で自虐的に自分を追い込み、子育てに苦労するメンバーもいる。そうした人を支援するため、浦河町では、べてるの家や病院、保健所、学校の連携が緊密になった。個別のケースごとに関係機関が集まる「応援ミーティング」が月一度あり、障害者本人も同席して解決策を探る。

 子育て経験のある地域の主婦を交え、子育てに苦労する障害者らが集まる定期的なミーティングもある。親として社会参加する難しさなどを話し合い、より良い物事のとらえ方や意思疎通の方法を考え、練習する。いずれも、親を助けることで、子どもを間接的に支援しようという考えだ。

 円も、子育てで苦労する精神障害の親を対象に、ミーティングを開いている。専門職を交えて、悩みを打ち明け合うことで、苦労しているのは自分だけでないと孤立感が和らぐ。同時に、子どもは別室で遊び、心の負担を軽くする。ミーティングで出た課題を訪問看護に生かすため、スタッフによる会議も開いている。

 土田さんが世話人代表を務める「親&子どものサポートを考える会」は、津市で、精神障害の親のいる成人が集う交流会を毎月開いている。親の病状に合わせて生活するうちに、自分を大事に思えなくなったなど、子の立場ゆえの経験を話し合う。類似の体験談を聞くことで、心のわだかまりを解消する人もいる。

 意見交換では、行政や一般市民との連携が課題といった意見が出された。子を支援する児童養護の部門と精神保健の部門など、行政機関内での連携もないといった指摘もあった。

 土田さんによると、参加者からは「同じ問題意識を持つ人がたくさんいると知り勇気づけられた」「親子の支援という切り口でネットワークができれば」との感想が寄せられた。

 土田さんが昨年九月に視察したドイツでは、精神障害の人の子の支援に関わる百近くの機関がネットワークを形成。年に一度集まり情報交換をしている。国内でも、親や子の支援をする団体があり、それらが情報を共有することが有効と考え、会の開催を呼び掛けた。土田さんは「これをきっかけに、精神障害の親とその子の支援が必要という認識が、社会に広がれば」と話した。 (佐橋大)


NHKクローズアップ現代 人生の最期 どう迎える?~岐路に立つ延命医療~

NHKクローズアップ現代
人生の最期 どう迎える?~岐路に立つ延命医療~
No.3199
2012年5月17日

今年3月、日本老年医学会は「患者本人のためにならない場合には治療の差し控えや撤退も選択肢」とするガイドラインを発表した。特に議論となっているのは食べられなくなった患者のお腹に穴を開け、胃に直接栄養を流し込む「胃ろう」。寝たきりで意思表示もできないまま何年も生きる患者を前に、「本人は生きることを本当に望んでいるのか?」と悩み、胃ろうの中止を希望する家族が出てきている。患者本人の意思を確認できない中で、医師や看護師は患者の人生や家族の願いにどう寄り添えばいいのか。模索する現場を取材し、変容する終末期医療の現状と課題を探る。

出演者: 新田國夫 (医師) 米原達生(NHK生活情報部・記者)



・胃ろうをめぐる問題に焦点が当たっているが、広く終末期医療のあり方を考えることになる。ガイドラインは、その論点整理のものであり拘束力を持つものではない。

番組では、胃ろうの判断を巡っての家族の疲れ・葛藤を通しての現状を伝えた。番組でとったアンケートでは、胃ろうをして良かったと分からない・悪かったという家族の反応が拮抗していた。このあたりの数字が現状であると思う。つまりどちらにも配慮すると思考停止になるということだろう。

本人にとって最善の選択を代行することができるのか否か。特に胃ろうが長期になり容態が改善しない場合は、何のための延命だろうという疑問は起こるに違いない。

特に判断能力がない・できない状態においては、家族が最終的な判断をする立場となる。それに対してサポートしようという立場で医療者が取り組むことはあるだろう。胃ろうを中止するという選択が、即、延命しないという結果になるだけに難しい。

こうした状況に対して、生前からの意思確認をするという動きは拡がっているように感じる。胃ろうだけでなく、緊急事態における対応などの医療処置、連絡してほしい人たち、財産の処分等々の問題は平時から考えておいてもよいことだ。

生命に対する医療技術の進歩はめざましく、その倫理的な規範はない。だからこそ宗教的な見方も必要であり、生命の永遠性や死に対する不安の軽減、家族に対するフォローなどが期待されるところである。

胃ろうの問題は、こうした生と死という問題の延長線上にあり、これを契機として自分自身のいのち、家族のいのちにも配慮していくことしかないだろう。個別の問題だけに答えはない。折に触れて身の処し方を話し合っておくことがベター。

番組では触れられなかったが尊厳死法案が超党派で国会に提出される予定もあり、責任の問題も議論されることになる。特に難病を患う障がい者団体の反発があり実現が困難な状態にある。


【参考資料】
①平成23年度 厚労省老健局老人保健健康増進等事業
高齢者の摂食嚥下障害に対する人工的な水分・栄養補給法の導入をめぐる意思決定プロセスの整備とガイドライン作成」 PDFファイル
平成 24年3月 日本老年医学会

日本老年医学会  http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/

②平成23年度 老人保健事業推進費等補助金
「終末期の対応と理想の看取りに関する実態把握及びガイドライン等のあり方の調査研究」報告書 PDFファイル
2012.04.13 全日本病院協会

全日本病院協会  http://www.ajha.or.jp/


新田國夫(医師)の発言

●判断に苦悩する家族
恐らくそこをやめるということは、即、死につながるわけですね。そうすると、どんなに本人が意思を持ったとしても私がそのようなことをしていいのかという、その思いは誰しもあって、私が決定をしていいのかどうかということも家族の問題で、それはあると思いますね。

胃ろうをつける経緯は、さまざまな場合があるんですが、最初は例えば脳卒中等で急性期に入院しますよね。いわゆるそのときに救命救急が、医療が行われる。ところが実際は、そこで即、じゃあ食べることができるかというと、そういうわけにはいかない。すると1週間もすると、あるいは10日ぐらいするとですね、そこから、病院から出なければいけない。それは現在、医療システムがありますね。

一方では、社会学的な問題として、それをつけないと、次の施設へ行けないということがありまして、それで胃ろうをつけようかという話で、病院の医師は家族に言うわけですね。

救命と延命というのは、裏腹の関係ですよね。救命はしたんだけども、それが長く、長く生きる。そうするといわゆる延命行為だといわれるわけですね。そうすると家族にとってみれば、本人の意思、あるいは尊厳を、それでいいのかっていう思いに絶えず悩むわけですね。

●胃ろうの中止 医療現場では
胃ろうの中止の条件というのは、最初3つあるわけですが、1つは本人の意思が明確であること。それで家族が代行判断ってあるんですが、その代行判断は、本人の意思を尊重した判断であること。そして最後に最善の医療という、2つがない場合、最善の医療があるかということですよね。

その最善の医療っていうのはこれまた難しいんですが、医学的な知識と手段だけではなくて、それ以外に今のその人が持ってきた文化的な問題、文化的な資産、あるいは社会的な状況、家族関係、トータルを含めて最善の医療判断をするという、その中で決めてくというそこがまた難しい、誰が決めるのかという難しさがあります。(一人一人の生存権と尊厳の両立、あるいはぶつかりあいは)もちろんあると思います。

●患者にとって“最善の医療”とは
これは一番難しいのは、先ほどの運ばれる、救命救急で運ばれる、その医療者が最善の医療を判断できるかというと、最善の医療というのは、医療手段と知識のみで判断されるものでない以上はそれは難しいだろうなと。

そうすると、それにまつわる、それに近くにいる、例えば地域の掛かりつけの医師とか、そういった人たちがそこに一緒になって家族と考えるということがまず必要になるだろうと思いますし、もう一つ、現実に行われているのは、そこでいわゆる急変する、それで病院に運ばれる、そして救命されてそして延命する、さらにまた戻ってくる、それを繰り返す。

そういう中で、ご本人の意思、いわゆる尊厳というのは、置き去りになってきてるわけですよね。そのことの中でだんだん本人は、いわゆる僕は意思のなくなった終末期に、終末期って非常に定義が難しいんですが、そこにみとりの医療があるべきだろうなというふうに思うわけですね。そこが本人の意思を尊重したものであって、そこのところがこれから求められるんではないかなと思います。



追記

胃ろうの導入で学会が指針
2012年6月30日 NHK

患者の胃に穴を開けチューブで栄養や水分を送る「胃ろう」などの人工的な栄養補給について、日本老年医学会は生活の質が損なわれる場合には、本人の意向によって導入を差し控えることができるとする指針をまとめました。

食べることができなくなった患者の胃に穴を開け、チューブで栄養や水分を送る胃ろうについては、延命の効果がある一方、終末期の高齢者では必ずしも本人の利益につながらないという声があがっています。

このため、日本老年医学会は医療や介護の関係者が胃ろうなどで人工的に栄養を補給する際の指針をまとめました。指針では自分で食べることができないか十分に検討したうえで、延命効果が期待できても生活の質が損なわれる場合には、本人の意向によって胃ろうなどの導入を差し控えたり、中止したりできるとしています。

本人の意思が確認できない場合は、家族と十分に話し合い、本人にとって最善の選択を行うとしています。また、医療関係者には医学的な情報だけでなく、胃ろうなどで生活がどう変わるのか十分説明し、患者や家族が納得のいく選択ができるよう支援することを求めています。

20120630

学会の理事長を務める東京大学の大内尉義教授は「胃ろうを導入すべきかどうかの参考にするだけでなく、どうすれば患者さんが満足できる人生を全うできるか、医療や介護の現場で考えるきっかけにしてほしい」と話しています。



胃ろうなど人工栄養中止可能に、医学会が指針
2012年6月28日 読売新聞

 日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は27日、高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、導入や中止、差し控えなどを判断する際の指針を決定した。

 指針は医療・介護関係者向けに作成されたもので、人工栄養補給を導入する際は、「口からの摂取が可能かどうか十分検討する」などと指摘。さらに、胃ろうなどの処置で延命が期待できたとしても、本人の意向などにそぐわない場合、複数の医療関係者と本人・家族らが話し合った上で合意すれば差し控えが可能とした。

 人工栄養補給を開始した後でも、苦痛を長引かせるだけの状態になった場合などは、再度、話し合って合意すれば、栄養分の減量や中止もできるとした。

 医療側に対しては、患者側が適切な選択ができるよう、情報提供することを求めている。

 国内では近年、口から食べられなくなった高齢者に、おなかに小さな穴を開け、管を通して胃に直接、栄養分や水を送る胃ろうが急速に普及。認知症で、終末期の寝たきりの患者でも、何年も生きられる例が増えた。一方でそのような延命が必ずしも本人のためになっていない、との声が出ていた。



胃ろうの導入でガイドライン- 老年医学会
2012年07月05日 キャリアブレイン

 日本老年医学会(大内尉義理事長)はこのほど、「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」をまとめた。ガイドラインは、高齢者ケアの過程で、胃ろうなどの人工的水分・栄養補給法(AHN)の導入をめぐる選択をしなければならない場合に、適切な意思決定のプロセスをたどれるよう策定された。医療的妥当性よりも、倫理的妥当性の確保を重視している。

 ガイドラインは、「医療・介護における意思決定プロセス」「いのちについてどう考えるか」「AHN導入に関する意思決定プロセスにおける留意点」の3項目で構成されている。

 「医療・介護における意思決定プロセス」では、医療・介護・福祉従事者が、患者本人およびその家族などとのコミュニケーションを通じて、関係する皆が共に納得できる合意形成を行い、それに基づく選択や決定を目指すとされている。

 ただし、合意形成に向けた患者本人の意思確認ができない場合や、ぎりぎりまで解決できない場合の考え方なども示されている。

 「いのちについてどう考えるか」では、「生きていることは良いことであり、多くの場合本人の益になる」といった価値観に基づいて、医療・介護・福祉従事者が、個別事例ごとに患者の人生をより豊かにすることを目指し、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の保持・向上および生命維持のために、どのような介入をするのか、あるいはしないのが良いのかを判断する上での考え方を示している。

 「AHN導入に関する意思決定プロセスにおける留意点」では、AHNの導入、減量、中止に関して特に配慮する点として、▽経口摂取の可能性を適切に評価し、導入の必要性を確認する▽導入に関する諸選択肢(導入しないことも含む)を、本人の人生にとっての益と害という観点で評価し、目的を明確にしつつ、最善のものを見いだす▽本人の人生にとっての最善を達成するという観点で、家族の事情や生活環境についても配慮する―の3点を挙げている。

 この中では、AHNに延命効果があっても、本人の人生にとって有益とは言えない場合などに、本人の意向によってAHNの導入を控えたり、AHNを導入した後も、必要なQOLが保てなくなるなどの理由で、本人にとって有益となるか疑わしい場合などに、中止したりする判断もあり得るとしている。【大戸豊】



胃ろう造設者の受入「上限あり」施設が7割- 特養ホームを良くする市民の会が調査
2012年08月23日 キャリアブレイン

 胃ろうを造設した人を受け入れる際、人数に上限を設けている特別養護老人ホーム(特養)は、全施設の約7割に達することがNPO法人特養ホームを良くする市民の会の調査で分かった。また調査では、特養の半数以上が入居定員の2割以下しか胃ろう造設者を受け入れない方針であることも明らかとなり、胃ろうが施設入所の大きな“壁”となっている現実が改めて浮き彫りとなった。

 市民の会では、昨年10月から今年7月にかけて、全国各地の特養1008施設に対しアンケート調査を実施。465施設から有効回答を得た。

 胃ろう造設者の入居申し込みが増えているかどうかの質問では、71.8%の施設が増えていると回答。一方、胃ろう造設者の受け入れ数について上限があるかという質問に対しては、70.8%の施設が上限を設けていると答えた。

 受け入れの上限数について尋ねた質問では「入居定員の1割」が37.9%で最も多かった。以下は「上限なし」が24.7%、「2割」が16.4%、「3割」が1.8%、「その他」が19.2%で、定員の2割以下しか受け入れないという施設だけで半数以上に達した。

■7割超の施設で「造設部位の皮膚トラブル」などが発生

 胃ろう造設者に発生した疾患やトラブルについて尋ねた質問(複数回答)では、「造設部位の皮膚トラブル」が74.4%で最も多かった。次いで多かったのは「痰がらみ」の73.1%、や「誤嚥性肺炎」の62.6%で、以下は「発熱」が56.8%、「嘔吐」が47.1%、「下痢」が36.6%などとなった。

 また、胃ろう造設者の日中の過ごし方で特に配慮していることを尋ねた質問(複数回答)では、「清潔」が90.3%で最多となった。それ以外では「コミュニケーション」(89.0%)や「離床の機会」(85.4%)、「整容」(68.2%)、「音楽をかける」「居住環境」(いずれも63.0%)などに配慮しているという回答が多かった。本間郁子理事長は、「胃ろう造設置者が特養でどのような生活を送っているかという情報は、これまであまり明らかになっていなかった。今回の調査結果は、患者はもちろん、胃ろう造設に携わる医師にも参考にしてほしい」と話している。



社説:視点・胃ろうと尊厳死 よい人生のため考える
2012年09月14日 毎日新聞

 高齢になって口からものを食べる機能が落ちると、胃に穴を開けて管を通し人工的に栄養分や水分を送り込む処置をすることがある。「胃ろう」という医療行為で、現在約30万人が胃ろうを受けている。無理に口から食べさせようとして誤って食べ物が気管に入り肺炎を起こす例は少なくない。鼻から栄養を入れる経鼻栄養、心臓近くの太い静脈から点滴で栄養を送る中心静脈栄養という方法もあるが、患者の体力を考えて胃ろうが選択されることが多いという。

 一方、回復の見込みがない人にまで安易に延命処置されるケースが多い、人間の尊厳や生活の質がなおざりにされている、という批判も強い。胃ろうにした方が介護がしやすいため福祉施設や家族から歓迎されるという複雑な事情もある。胃ろうそのものを否定することはできないが、もしも回復の見込みがないことが間違いなければどうすべきだろうか、重い課題だ。

 回復の見込みがなくても人工呼吸器や胃ろうを付けていれば生き続けられるということは、それを外す行為が罪に問われかねないリスクを医師側に課すことになる。先進各国で尊厳死や安楽死の法制化を求める動きがあり、日本でも超党派議連が尊厳死法案を国会に提出する準備を進めている。適切な医療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近と判断される状態を「終末期」と定義し、15歳以上の患者の意思が文書などで提示され、2人以上の医師が終末期と判断することなどを条件に、延命処置をしなくても法律上の責任を問われないとすることなどが検討されている。

 ただ、どこまでが「適切な医療」でどこからが延命目的の処置なのか。死期が間近なことをどのような基準で判断するのか。特に難病患者や重度障害者からは安易に「回復の見込みがない」と判断される恐れがあるとの批判が以前から繰り返されてきた。個別性の強いことを法律で画一的に定めなくても、厚生労働省や学会が示したガイドラインに従って現場では延命治療を行わずに末期患者をみとっているというのも事実だ。

 安楽死を合法化して10年がたつオランダでは法に基づいた安楽死や自殺ほう助が増え、現在は年間3000件を超える。かかりつけ医への国民の信頼が高く、司法の介入も原則的にないこと、安楽死を取り上げたドキュメンタリー番組がよく製作され国民の間で議論が活発なことなどが背景にある。日本とは社会事情が大きく異なり、単純に比較することはできないが、参考にすべき点は多いと思う。



介護現場の胃ろう利用1140人
'12/10/2 中國新聞

 島根県は1日、胃に通したチューブから栄養を取る胃ろうの患者が、特別養護老人ホーム(特養)など高齢者の介護現場で1140人(昨年10月末)に上るとする初の調査結果を明らかにした。調査対象者の4・1%に達しており、県は「決して少なくない数字」と、胃ろうを処置できる介護職員の育成支援に乗り出す。

 従来の医師と看護師に加え、介護職員にも胃ろう患者の処置を認める4月施行の法改正に合わせて調べた。特養、老人保健施設やグループホームなど介護保険が適用される275施設の入所者と、一般家庭の要介護者計2万7219人を対象とした。

 回答があった245施設のうち、胃ろうなど口の代わりにチューブを通じて栄養を取る患者は114施設の955人。在宅要介護者の326人も含め、計1281人に上った。内訳は、胃ろうが最多の1140人と89・0%。鼻を通じた経鼻栄養が111人(8・7%)腸を通じた腸ろうが30人(2・3%)と続いた。

 県によると、県内の介護職員計約2千人に対し、胃ろうの処置資格を得る研修の受講希望者は約470人に上る。11月までに約400万円を投じて3回の研修を開き、160人を受講させる。県高齢者福祉課は「職員不足を理由に患者の入所を断る施設もある。胃ろうには賛否あるが、受け皿を整備することは重要」としている。



関連追記

終末期の人工透析、中止も選択肢に 学会が提言案
2013年1月30日 朝日新聞

 人工透析が必要な患者が、回復の見込みがない終末期を迎えた場合、本人や家族が透析を望まなければ、中止も選択肢とする提言案を日本透析医学会がまとめた。人工呼吸器や栄養補給の中止までの手順を定めた日本救急医学会などの提言に続き、本人の望みに反した延命を減らすことにつながる動きだ。

 重い腎不全で、人工透析をしないと生命が維持できない患者は国内に約30万人。新たに導入する患者の平均年齢は68歳で、80歳以上は約2割を占める。

 人工透析の9割以上を占める血液透析は週3、4回、専門の医療機関などで行う。血液を体外に取り出し、機械を使って体にたまった余分な水分や老廃物を取り除く。

 提言案では、自分で意思を決めることができる患者が「自然な形が良い」などと透析を拒否した場合、医療チームと十分に話し合い、合意すれば家族に伝え、合意内容を文書にして「透析の見合わせ」を決める。本人が意思を決めることができず、家族が透析を拒否した場合は、家族と十分に話し合い患者の意思を推定できれば、その決定を尊重する。透析の継続が体に悪影響を及ぼすと考えられる患者も対象にする。患者や家族の思いが変われば、透析を再開する。

 透析を中止すれば、通常、1週間から1カ月で、亡くなるという。

 案を学会ホームページ(http://www.jsdt.or.jp)で公表、3月末まで意見を募り、6月に最終案を発表する予定。

 終末医療を巡っては、日本救急医学会が2007年、条件付きで人工呼吸器の中止ができる提言をまとめた。12年には日本老年医学会が、胃ろうなど人工栄養の中止も選択肢とする指針をまとめている。 【辻外記子】



介護はお世話からリハビリへ 「普通の生活」基本に
国際医療福祉大学大学院教授 竹内孝仁氏
2013/2/1 日経新聞 集まれ!ほっとエイジ

 おむつゼロ、自力歩行などの「自立支援介護」に力を入れる介護施設が増えている。それを推進しているのが国際医療福祉大学大学院教授の竹内孝仁氏だ。家庭で介護できなくなった人が入る特別養護老人ホーム(特養)について、竹内氏は「終(つい)の住み家ではない。要介護度の高い高齢者の自立を助け、自宅に戻す役割が求められる」と強調する。介護は「お世話」から「リハビリ」へと変わろうとしている。

■1日に1500ccの水と1500~1600キロカロリーの食事を

 たけうち・たかひと 1941年東京に生まれる。66年日本医科大学卒業。日本医科大学教授(リハビリテーション科)を経て、04年より国際医療福祉大学大学院教授(医療福祉研究科)。この間73年より特別養護老人ホームに関わり「離床」「おむつゼロ」などを実践。80年代後半より高齢者在宅ケア全般に関わる。著書に、「医療は『生活』に出会えるか」(医歯薬出版)、田原総一朗・竹内孝仁共著「認知症は水で治る」(ポプラ社)などがある。

――竹内先生は、特別養護老人ホームなどの施設を対象に介護力を向上させる講習会を開かれているとのことですが、どんな講習をなさっているのでしょうか。

竹内 特養の全国団体で、全国老人福祉施設協議会(老施協)という組織があるのですが、そこが施設介護の質を向上させようということで、全国の特養に呼びかけて、毎年110~120、多いときは180の施設を集めて開催しています。もう9年間、開催していますので、受講生は数千人になります。年6回、1回あたり1泊2日で徹底した事例研究をやっています。

 高齢者ケアには、基本ケアというものがあって、それを教えています。まず、状況を改善するのは水なんです。高齢者の場合、1日1500ccくらいの水をちゃんと飲んでもらう必要があります。次に、エネルギー源になる食事も1500~1600キロカロリーくらいはしっかり取ってもらう必要があります。しかも、常食(健康な人が日常生活で食べているような普通食)がいい。第3に、便秘にならないようにしなければなりません。便秘は消化機能を反映しています。便通が体調をかなり左右しています。4つ目が運動。要介護の人たちにとって一番いい運動は歩くことです。全国に40くらいある、おむつを使う入居者が1人もいない特養に行くと、入居者をすぐ歩かせるようにしています。要介護度4の人はほぼ全員、歩けるようになります。要介護度5の人がどれくらい歩けるようになるかは、その施設の技術水準次第と言えます。

■少しの支えで寝たきりの人も1カ月で1人でトイレに

――要介護度4とか5とかいうのは「寝たきり」といったイメージですが、歩けるようになるのですか。

竹内 介護度5というのは一番、介護度が重い人ですから、人の手を借りないと寝返りさえ打てません。そういう人がつかまり立ちで、だいたい5秒くらい、なんとか倒れないでいられれば歩けるようになります。5秒、倒れないでいられたら、即刻歩行器を使います。

 初めは寄りかかっているのですが、寄りかかると歩行器は前のほうに進みます。そうすると足が引きずられていって、歩行運動が自然にできるようになります。朝昼晩、食堂に行くときに「途中まででもいいですから、がんばって歩きましょうか」と言って、歩行器を使うようにすると、2週間くらいで、歩行器を使って歩くことができるようになります。完全に寝たきりだった人が1カ月くらいで、少し支えてあげると、手すりにつかまって、そろりそろりとトイレに行けるようになります。

 なんで歩くことに重点を置くかというと、歩くことが自立につながるからです。病院に行ってすぐにおむつをされるのは歩けないからです。トイレまで歩ける人はおむつは要りません。歩くと便通が良くなります。そして、「歩けた」というのが生きる励みになります。歩けるようになるとあらゆる活動が活発になります。

■流動栄養物では食べる楽しさ失う

――食事をできるだけ常食にするというのはどんな効果があるのですか。

竹内 ミキサーで砕いたものや、刻んだものはおいしくありません。胃ろう(口から食事のとれない人に対して、直接胃に栄養を入れる方法)によって流動栄養物を取る方法は、食べる楽しさを失わせます。いま、各地の特養で常食化の大運動が始まっています。そして、胃ろうゼロという特養も出始めています。

 食事をベッドで食べていたお年寄りに、食堂で食べるようにしてもらったところ、お年寄りが生き生きとしました。食事は普通、家族や親しい人としますね。会食の楽しみが大事なのです。

 お年寄りみんなが食堂で食べるようになりコミュニケーションが活発になると、女性はお化粧を始めます。そして「○号室のおじいちゃんはちょっといいね」といった艶っぽい会話も出てきたりします。

――水を飲むのが基本というのはどういうことなのですか。

竹内 ふつう水を意識しないで介護していると、水が足りていないことが多いです。そうすると脱水症が起こってくるのですが、一番最初に出てくる症状は意識の低下です。意識障害が起きると、子どもが寝ぼけておねしょをするような感じになります。尿がたまっても尿意を感じないのです。尿がたまったなと分かっても抑制がきかないでトイレにいく前に漏らしてしまう。水をしっかり取ると意識がはっきりして、尿意や便意を感じて我慢ができます。

■要介護の人もできるだけ「普通の生活」を

――要介護の方でも普通の生活に近いことをするのがいいということなのですね。

竹内 私が進めている「自立支援介護」は「普通に戻れ」と言っているだけのことです。高齢化社会の問題が深刻になっているのは、自分のことを自分でできなくなっているお年寄りが増えているからなんです。だから介護が必要だし、家族がそれによって大変な思いをします。仮にすべてのお年寄りがすべて自立できると介護保険は要らないわけです。

 行きたいところに行き、食べたいものを食べる。そういう生活ができるわけです。要介護でないことはQOL(quality of life、生活の質)を高めるので、私はお年寄りの自立を目指しています。

――先生の著書「医療は『生活』に出会えるか」で、褥瘡(じょくそう)、いわゆる床(とこ)ずれを防ぐのに一番効果があったのは、お年寄りを座らせることだった、と書かれていますね。

竹内 あれは世紀の大発見です。もともとは体位交換を盛んにしていたのですが、体位交換をすると褥瘡が増えてしまうんです。落とし穴は「お年寄りは寝ている生活が当たり前だ」という発想でした。寝ているなかで褥瘡を予防したり退治したりするのは難しかった。普通の生活では寝ているばかりではなくて、座っておしゃべりしたり、テレビをみたり、食事したりするものです。そういう普通の生活をさせると褥瘡が治ったのです。

■ケアの基本は水分・栄養・お通じ・運動

――歩いたり食事を改善したりすることが寝たきりのお年寄りに効果的というお話ですが、認知症の場合も「普通の生活」をすることが大切なのでしょうか。

竹内 興奮したり、わめいたり、なかにはティッシュペーパーを食べてしまったりする異常行動がなければ、認知症になっても普通のぼんやりしたお年寄りに戻るわけです。そういう異常行動を治そうとすれば、やはり水分、栄養をとり、お通じを快適にするというのが大事になります。そして、世界の研究が一致して示しているのが運動の大切さです。ケアの基本は同じです。

――脳の問題ではないのですか。

竹内 高血圧という病気がありますね。血圧が上がるというのは血管と中を流れている血液の関係の問題ですね。けれども高血圧の原因は何ですかと聞かれたときに、塩分の取りすぎとか、肥満だとか、喫煙だとかが原因だというわけです。血管は絡むのだけれど根本的な原因というのはそういうものなのです。

 認知症も、例えば遠くの町から越してきたお年寄りがあっと言う間に認知症になるとか、お嫁さんが家にやってきて仕事がなくなったお姑さんが認知症になるとか、そういうエピソードはいっぱいあるわけです。脳だけを見て、すべて回答が出るかというと、そうではない。非常に多くの心理的、社会的な要因が絡んでいる。そういう病気だと考えないと認知症を正しく理解できないんです。

■異食も基本ケアで3分の2は治る

 紙を食べてしまう異食といった症状は、水分、食事、お通じ、運動の基本ケアで3分の2は治ってしまいます。認知症というのは認知障害が起きる病気です。ここがどういう場所で、自分とどういう関係があって、だから自分はどうしたらいいかということが普通はぱっと分かるのですが、認知症の人は分からない。

 認知力が低下していく原因のなかに、体調があります。水、食事、快便、運動はすべて体調に関係しています。それを立て直すと、異食をしていても3分の2くらいは治ってしまうのです。残りの3分の1は別の理由があるので固有のケアを追加していきます。

――先生が取り組まれているような介護は、まだ十分には広がっていないと思います。どのようにすれば広がるのでしょうか。

竹内 最終的には教育の問題になると思います。今の介護職の学校教育では自立支援介護教育はされていません。私が研修会でやっている研修では、学校でやるべき内容も半分教えなければなりません。だから2日間の研修を6回もやらなければいけないのです。

■低い介護職の待遇 看護師並みの賃金を

――自立支援というよりも、単にお世話をするという感じになっているのでしょうか。

竹内 現状ではそうですね。ですから介護の専門学校を卒業して特養に行くと、おむつをしている人を自立させるのではなくて、まずおむつ交換をさせられる。それから食事の介助。自分で好きなものを食べられるようにするようには持っていきません。

――先生がお考えになるプロの介護は自立支援を目指すものなのですね。

竹内 介護士と看護師がいたときに、世間の人たちは、看護師は専門家と見ます。けれども、介護士を専門家とは見ません。それが介護職の待遇の低さに関係していきます。介護職の賃金を看護師並みにしたいと私は思っています。特養などでは30歳前後の看護職と介護職の年俸は100万円くらい差があります。世間の人が介護の人もこんなに素晴らしい専門性を持っていて頼りになるんだと思ったときに介護職の給料は上がると思います。

■現行制度の矛盾 要介護度下げると報酬は減少

――自立支援介護で要介護度を下げると介護報酬が下がるという制度の矛盾もあります。

竹内 現状はその通りなのです。がんばって自立させると要介護度が下がって報酬が減ります。ところがおむつがゼロになった瞬間におむつ代が年間数百万円節約できる。胃ろうを外したり、ペースト食、ミキサー食を普通食に変えても、相当コストが下がります。

 一方、要介護度5でおむつをしていた人が立っておむつが外れても、いまのチェック方式だと、要介護度2にはなりません。なかには要介護度3くらいになる人も出てきますが、トータルで見ると減収にはなりません。

 自立支援介護などの努力をしたくない人が、「頑張ると介護報酬が下がるからやらない」と言っているだけです。“治す介護”にもっと前向きに取り組んでほしいと思います。

――施設に入っても自宅介護と同様に、「お世話される」だけならば、自宅介護のほうがいいわけですが、施設に入って治してくれるならば、施設介護の優位性が高まりますね。

竹内 私が考えている自立支援介護は、こういうイメージです。「要介護になったら施設にいらっしゃい。テキパキ治してあげるから。そうしてまたお家へ戻りましょう。要介護になったらまたいらっしゃい」――。出たり入ったりする。

 “在宅復帰特養”になれと言っています。いま在宅で要介護認定を受けたばかりの人が1年後に要介護で4や5に重度化する例は多いです。年間21万人くらいが自宅で重度化しています。病気をした人が入院した後、老人保健施設や回復期リハビリテーション病院へ行って家に帰るというルートはあるのですが、家にいたまま要介護度が高くなる人は病院では受けてくれません。ですから特養にそれを受けたらどうかと言っています。

■自立支援介護の推進が離職者増に歯止めかける

――現状、特養は入居待ちの人が42万人もいると言われています。

竹内 それは家に戻さないからです。特養は終の住み家ではありません。だいたい3カ月あれば、要介護度4や5でも、ほどほどのところに持っていけます。

――今後、介護のプロと呼べる人材を増やしていくことはできるのでしょうか。

竹内 5人で10人の介護をするのがいまは精一杯ですが、自立支援でふんばると5人で15人をみることができるようになります。でも5人を8人にするのは大変ですね。

 それと自立支援介護に価値を見出した人は離職しなくなっています。自立支援介護に力を入れることで離職者が出やすい環境を改めることはできます。

――介護保険法は、自立支援を目的にしているのですか。

竹内 「要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする」という一文がありますが、その大事な理念が実現していません。

――竹内先生が孤軍奮闘では、困りますね。

竹内 私の考えを継ぐ人間はたくさん出てきていますので大丈夫です。すでに事例の指導などは私がやる必要はなくなっています。

(ラジオNIKKEIプロデューサー 相川浩之)

[ラジオNIKKEI「集まれ!ほっとエイジ」9月26日、10月3日放送の番組を基に再構成]



終末期の透析、中止も選択肢=患者意思を尊重、学会が提言案
2013年2月18日 時事通信社

 糖尿病や腎臓疾患で人工透析が必要な患者が終末期を迎え、透析を望まない場合は、治療見合わせも選択肢に入れるとの提言案を、日本透析医学会が18日までにまとめた。一般からの意見募集を行い、6月の学会総会を経て正式決定する。

 透析は血液を体外の装置に送って老廃物や水分を取り除く治療で、中止すれば通常は1~2週間で死に至る。

 受けている患者は全国で約30万人。治療を始める年齢は、平均68歳と高齢化が進んでいる。医療現場では、患者側から中止を要請されるなどの例があるとして指針を求める声が上がっていた。



「延命処置望まず」も意思表示は僅か
2013年5月14日 NHK

千葉県が独自に行った終末期医療に関する意識調査で、86%の人が延命処置を望まないと回答したにもかかわらず、そうした意思を書面で用意している人は5%にとどまっていることが分かり、千葉県は本人が望む形で終末期を迎えられるよう意思表示の仕組みや、啓発の方法について検討していくことになりました。

この調査は、終末期医療を巡る意識を探ろうと、千葉県がことし2月に初めて行ったもので、40歳以上の県民1万人余りが回答しました。

この中で、自身に死期が迫ったときに胃に穴を開けてチューブで栄養を送るなどの延命処置を望むかという質問には56.8%の人が「望まない」と回答し、「どちらかというと望まない」と回答した人と合わせると、全体の86%に上りました。

一方で、そうした意思を書面で用意していると答えた人は5.3%にとどまり、70歳以上の人に限っても8.3%でした。

終末期医療を巡っては、病気などで意思の疎通が難しくなった患者の場合、延命処置を続けるか家族や医師が難しい選択を迫られることがあります。

このため千葉県は「本人が望む形で終末期を迎えられるよう、今年度中に終末期医療ついて自身の意思表示をしやすい仕組みや、啓発の方法について検討を進めていきたい」としています。



終末期、脱「胃ろう」進む 広島県の基幹病院、件数2年で35%減
'13/6/16 中國新聞

病気などで食べられなくなったときに胃にチューブで栄養を送る「胃ろう」を、終末期に利用する患者が減っている。広島県内の基幹病院32病院では、2012年度の胃ろうの造設手術の件数は計1070件で、2年前より588件(35.5%)減少したことが15日、中国新聞の調べで分かった。(余村泰樹、平井敦子)

望まぬ延命に拒否感
広島県の基幹病院件数2年で35%減望まぬ延命に拒否感胃ろうは優れた栄養補給法として高齢者を中心に急速に普及してきたが、一度近設すると栄養補給の中止が難しい。意識がなくなり延命を望まない状態になっても、長期間生き続ける状況が生まれかねない。医療機関や介護施設で、胃ろうによる終末期の延命を選択しない人が増えている。

県内の公立病院とJA、済生会などの公的病院計32病院に10~12年度の胃ろうの造設手術件数を尋ねたところ、10年度は計⊥658件▽11年度は計1422件で、年々減少。9割の29病院で、12年度の件数が10年度より減っている。

12年度の件数が最も多かった国立病院機構28・2%減。JA広島総合病院(廿日市市)は104件で30・2%減。このほか、福山市民病院(福山市)は12件で72・7%減、JA吉田総合病院(安芸高田市)は29件で59・7%減と、大きく減った。

市場調査会社アールアンドディ(名古屋市)によると、メーカーが全国に出荷した造設キット数は10年前から増加傾向が続いてきた。しかし、12年は11万3100セットで、前年より14%減った。

胃ろうの普及に取り組んできた「広島胃瘻と経腸栄養療法研究会」の代表幹事を務めるJA広島総合病院の徳毛宏則副院長は「胃ろうは正しく使えば再び食べるための支援になる。しかし、安易に造設すると望まぬ延命にもつながる。患者や家族が判断するための情報提供をしっかりするべきだ」と話している。

問い直される役割
胃ろうが減少したのはそのその役割は何か、見つめなおす人が増えたからだろう。

本来フタタ部食べられるようになるまで栄養面で支えるなど生活の質を向上させることが目的。約15分の内視鏡手術で簡単に増設でき、ほかの人工栄養法より患者の苦痛や負担も小さい。2000年ごろから広がった。

全日本病院協会は10年の利用者を約26万人と推定する。しかし、利用者の4割は85歳以上。老衰でたべられなくなったために使う患者が増えた。意思疎通ができなくなり家族が「もう逝かせてあげたい」と思ってもなお、胃ろうによって人生の幕を閉じられない場合もある。それは本人が望んだ姿だろうか。

「尊厳を損なう可能性がある」として、日本老年医学会は昨年1月、高齢者の終末期の胃ろうなど経管栄養の導入は「慎重にすべきだ」と立場表明。

自然に任せて穏やかに死ぬことを進める医師の著作も相次ぐ。終末期の延命への意識が転換期を迎えている。



胃ろうの6割、回復見込みないまま装着 漫然とした実態
2013年9月16日 朝日新聞

 口から食べられなくなったお年寄りらの胃に直接栄養を送る胃ろう。本来、回復する見込みのある人への一時的な栄養補給手段だが、実際には約6割で回復の可能性がない人につけられていることが、医療経済研究機構の調査でわかった。

 厚生労働省の補助金を受けて、昨年12月~今年1月、全国約800の病院、約1360の介護施設から回答を得て分析した。胃ろうにした1467人の患者情報が集まった。約2千人の家族から回答があった。

 胃ろうをつけた時点で将来、口から食べるよう回復する可能性があったのは24%で、可能性なしは59%を占めた。つけた後にはのみ込みの訓練が必要だが、訓練を受けた患者は全体の49%にとどまった。【辻外記子】



20131112
中日新聞 県内版 2013/11/12



胃ろう患者回復に診療報酬を加算 積極的なリハビリ促す
2013年12月11日 東京新聞

 厚生労働省は11日、腹部に開けた穴から管で胃に栄養を送り込む「胃ろう」の処置を受けた患者にリハビリを施し、口からの食事ができるまで回復させた医療機関に対し、診療報酬を上乗せする方針を示した。2014年度の診療報酬改定に盛り込む。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提示した。

 厚労省は積極的なリハビリを促し、食べ物や水分を飲み込む機能を取り戻した患者をできるだけ増やし、患者の生活の質を向上させたい考えだ。(共同)



資料 外部リンク
終末期医療に関する意識調査検討会報告書及び人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書の公表について
平成26年4月2日 厚生労働省 医政局指導課在宅医療推進室


国も動いた 「胃ろう大国」日本からの脱却
.2015年4月14日 dot  ※週刊朝日 2015年4月17日号より抜粋

 終末期のお年寄りの胃に直接栄養を送り込む「胃ろう」を巡って賛否の声があるなか、再び口から食べることで生きる意欲を取り戻してもらおうという“挑戦”が介護現場で始まっている。

 胃ろう本来のメリットは栄養状態を改善する効果が高く、体力が戻って再び口から食べられるようになることだ。しかし、その趣旨は次第に変容し、口から栄養を取れない高齢者が一日でも長生きできる治療、つまり延命措置ととらえられるようになった。胃ろうの実態について調査し、共著『老い方上手』(WAVE出版)で、そのデメリットも含めて指摘した東大大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理講座の会田薫子特任准教授が言う。

「ここまで普及した背景には、経営面で入院日数を短縮させたい医療機関側がまだ口から十分に食べることができない患者に早期退院を促そうと勧めたり、介護施設側が食事の手間を減らし誤嚥(ごえん)のリスクを避けるために入所者に提案したりするケースが増えたことも影響しています」

 結果、日本は世界のトップを走る長寿国ながら「胃ろう大国」と呼ばれるようになった。こうした現状に専門家が異論を唱え始めたのが2011年ごろから。特養などを運営する法人で構成する「全国老人福祉施設協議会」(東京都千代田区)はモデル事業「胃ろう外しプロジェクト」に乗り出した。参加した施設の一つが青森県弘前市の特別養護老人ホーム「サンアップルホーム」だ。

 総括主任介護職の大里めぐみさん(42)によると、施設に入居する経管栄養の延べ46人について11年6月から14年10月まで調査したところ、34人が1日2~3食を普通食に戻せた。食べる訓練を始めて1カ月以内で戻せたのが15人、1カ月以上は19人に達した。 モデル事業の責任者である竹内孝仁・国際医療福祉大大学院教授は、慢性的な人手不足の施設が介護の効率化をはかるために、とりわけ食事介助を短時間で済ませようと、のみ込み困難な人に流動食を与えてきた歴史があると語る。

「こういう考え方が咀嚼(そしゃく)や嚥下機能を低下させて胃ろうの誘因になった面があります。プロジェクトの目的は胃ろうを外すのではなく、『最期まで好きなものを自分の口で食べたい』というお年寄りの思いをかなえるのが狙い。そのためには介護者のケアの質を向上させる必要がある」

 たとえば高齢者が食事する際、多少時間がかかっても、介護職はその人ののみ込みや食べ終えるのを待つという姿勢を貫く。

 サンアップルでは食事中にお年寄りがむせると、職員はその原因を必ず確認し、対策を講じる。また寝たきりにならないよう、入居者に水を少しずつ飲ませて膀胱に尿をため、そこに職員が定期的に排泄介助に入り、ポータブルトイレを使えるようにしたり、おむつを外したりする。

 とはいえ、すべての人が胃ろうを外せるわけではない。病気によっては経管栄養に頼らざるを得ない人がいるのも事実だ。脳梗塞などの脳血管障害やパーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病、脊髄小脳変性症がこれに当てはまる。それでも最近では安易な胃ろう造設に歯止めをかけようとする声や、「口から食べる喜び」を取り戻させようとする流れが強まっている。

 日本老年医学会は12年1月、「高齢者の終末期の医療およびケア」に関する「立場表明」を10年ぶりに見直した。その骨子は、すべての人は人生の最終段階で最善の医療及びケアを受ける権利を持つと位置づけた上で、胃ろうを含む経管栄養などについて「患者本人の尊厳を損なったり苦痛を増大させたりする可能性があるときには、差し控えや撤退も選択肢として考慮する必要がある」と明記した。厚生労働省も昨年4月、胃ろうを外せる患者を増やすために、局所麻酔で10~15分程度で胃ろうが造設できる「PEG」手術の診療報酬を4割下げ、胃ろうが本当に必要かを調べるためののみ込み機能の検査や術後のリハビリへの加算を手厚くした。


神田橋 語録13

過去の事は過去のこと、今の事は今の事とする脳の状態ができると楽。 (神田橋 條治)Here & Now

・つまり脳をパソコンの中心部である処理装置に例えると、いろいろな処理を複数並行して行うことは単一で処理を行うよりも非効率となるということ。非常に稀に一度にいくつものことをできる人間もいるだろうが、目の前にあることに集中した方が楽だ。未来のことは、もちろん未来に。

売買される「宗教法人」ネットオークションで1億円の例も

売買される「宗教法人」ネットオークションで1億円の例も
2012年5月5日 NESポストセブン ※週刊ポスト2012年5月4・11日号

 日本には約18万の宗教法人があるが、そのうち約4000団体が「休眠宗教法人」である。 宗教法人には「税制優遇」があるため、脱税や節税を目論む業者が休眠状態の宗教法人格を手に入れるためにあの手この手を駆使し、売買を仲立ちする「宗教ブローカー」まで存在する。

 最近ではネット上に「税金対策」と銘打って買い手を募るサイトも登場した。2009年にはある宗教法人がネットオークションに出品した宗教団体に1億円の値がつき、当局が調査に乗り出す事件も起きた。こうした状況に宗教法人を監督する文化庁はお手上げ状態だという。

「対策としては休眠法人の合併や解散を促すことですが、政治の宗教介入という問題が絡むために、強制力のない『助言』しかできません。また、休眠状態かどうかを調査する費用も乏しいので整理が進んでいないのが現状です」(宗務課)

 宗教問題にくわしい紀藤正樹・弁護士はこう指摘する。
「休眠状態になった団体を自動解散にするか、売買そのものを違法とするような法整備が必要です。近年、檀家離れや後継者難で休眠状態になる宗教法人が増えているので、一刻も早い対策が必要です」



・休眠宗教法人問題。日本の宗教法人は約18万、そのうち約4000団体が「休眠宗教法人」である。その売買をめぐって闇の世界が動き回るという現況だ。

宗教活動と強弁して、経済活動を行う団体は山ほどある。何でも宗教ということで免罪符なのは、戦前の厳しい統制の反動である。手の出せない状況だ。

その一方で、消費税増税とあいまって消えては現れるのが宗教法人課税の問題。

週刊ポストはGW特集号で、現代日本の新宗教の経済問題を特集している。刺激的な内容だが、宗教票と絡めて、宗教団体の持っている巨額な収益・資産課税を持って、政権奪取の切り札にもなりかねない。

海外であれば宗教色を前面に出して政党を組織しても何ら問題ないだろう。政治と宗教は分離できるものではないからだ。日本では政治に宗教が介入しないという建て前を維持しているだけに、厄介にことだ。

以上、活動していなくても解散させられない宗教法人。収益を貯めこんでいても課税されない宗教法人。この問題の病根は同じところから発し手をつけられない状態が続く。それを使ってゲームを楽しむ人たちの狩場なのだ。


<参考>

宗教法人課税強化議論 小沢氏失脚で立ち消え公明党命拾いか
2012年4月26日 NEWSポストセブン ※週刊ポスト2012年5月4・11日号

 消費税増税を巡って激論が巻き起こっているさなか、朝日新聞に掲載された記事が波紋を呼んでいる。「耕論 宗教法人なぜ非課税」(2012年4月3日付朝刊)と題されたオピニオン記事だ。「政府は増税にやっきと思いきや、宗教法人に課税する話は最近耳にしない。やっぱり、聖域なの?」と提起し、3人の識者の意見を載せている。課税に慎重な立場をとる識者もひとり含まれているが、残り2人は課税推進派だ。「課税すべし」の論調が色濃い。

 消費税増税の旗振り役だった朝日新聞が、これまで黙殺していた宗教法人課税問題を突然持ち出したのはなぜなのか。

 ある公明党関係者は「記事の背景に財務省のカゲが見え隠れする」と話す。民主党増税派と自民党増税派の談合で消費税法案を成立させようとしている財務省にとって、ネックとなるのが公明党だ。

 同党は自公政権時代には「消費税率引き上げはやむを得ない」という立場だった。しかし、支持母体の創価学会では野田政権の増税路線に批判が強く、税と社会保障の一体改革法案には慎重な姿勢を取っている。

 前出の公明党関係者も「野党なのに民主党の増税に加担して批判を浴びるなど冗談じゃない。増税法案を廃案にして、野田首相を解散・総選挙に追い込む方が選挙も有利になり、最も望ましい展開」と増税反対を明言している。

 それでは財務省は困る。自民党の増税推進派議員が語る。
「公明党を賛成に転じさせなければ自民党も法案に乗りにくい。そこで財務省は学会のアキレス腱である宗教法人課税問題を大新聞に提起させ、“国民の批判に火をつけるぞ”と公明党を揺さぶりに出た。朝日の記事はほんのジャブだ」

 国民は消費税増税に怒っている。そこに大新聞が「宗教法人は税制優遇を受けてぬくぬくしている」と煽れば、怒りの矛先が宗教法人に向かうのは明らかだ。

 もっとも、今回の記事は、財務省が背後にいようといまいと公明党・創価学会には打撃が大きい。事実、宗教法人は税制面で手厚く保護されており、しかも、もともと「宗教法人に課税すれば、消費税を上げなくてもいい」と主張していたのは、宿敵の小沢一郎・元民主党代表だからである。

 小沢幹事長時代の鳩山政権下、2009年10月の政府税制調査会で、増子輝彦・経済産業副大臣(当時)と峰崎直樹・財務副大臣(当時)は「宗教法人に対する課税の在り方を見直すべき」と問題提起した。民主党内には「宗教と民主主義研究会」(池田元久・会長)も発足し、宗教法人課税強化に向けた議論が進められた。しかし、一連の裁判によって小沢氏が失脚したため、その動きは立ち消えとなった。

 公明党は命拾いしたわけだが、いまだもっとも恐れるタブーであることに変わりないのである。


洗脳体験をナラティヴに30

「そして、公式を手にしたとたん、わたしは他人の考えというふるいにかけられた現実を手にすることになる。わたしは衰えてゆき、ついには自分自身で見ること、学ぶことの意味を悟らないまま死んでしまう」(アントニー・デ・メロ)3-89

† 他人の公式とは、与えられた概念でものを考えるようにということだ。こうした生き方をしないさいとばかりに、自らもできないような教えをする自称・宗教家らには、できないことを押し付ける方が自らの立場を強固な立場にするということを知っている。

‡ その結果として信者らは思想・信条に殉教していくのだ。真に大事なことを語らない、いや語れない自称・宗教家に注意すること。それ以上に自分自身の目で見ることの意味を知らなければならないだろう。

人生いろいろ:AVや児童ポルノ等の購入者を告発という詐欺

† こうした裁判絡みの詐欺が横行しているので注意されたい。特に内容が内容だけに、興味本位で手を出している中高年者男性も多くて、家族や職場に知られるとまずいと勘違いしてしまうケースもあるだろう。一方でまったく身の覚えのない人は詐欺だと分かる。

‡ 振り込め詐欺の被害が、これだけ周知されていても相次ぐのが現実。こうした被害にあわないためには特に新聞の家庭・生活欄を必ず見る習慣をつけてほしいことだ。新聞に報道される頃には被害が拡がっているのが通例だが、手口はそれほど変わるわけではない。以下の告発状の例を見ると動揺するかもしれないが、冷静になって誰かに相談してみるといいだろう。


「アダルトDVDや児童ポルノ等の購入者を告発する」という手紙にご注意!
2012年5月2日 国民生活センター

最近、全国の消費生活センターに、「違法なアダルトDVDや児童ポルノ等の購入者を告発する。告発を取り下げてほしい者は期日までに必ず連絡するようにという内容の文書が届き不安だ。どうしたらよいか」といった内容の相談が急増している。

20120512 223716
20120512 223722

 そこで、迅速に消費者への注意喚起を図るため、「アダルトDVDや児童ポルノ等の購入者を告発する」といった内容の不審な文書が届いた場合には、慌てて相手に連絡せずに、消費生活センター等に相談するよう情報提供する。

相談件数

 全国の消費生活センターへの相談は、2011年には数件であったものが、2012年2月に急増し、同年3月には103件にまで達した。同様の相談は4月に入ってからも引き続き寄せられている。また、相談件数の地域別分布を見ると、この短期間に全国各地で相談が寄せられていることが分かる。

相談の特徴

 1.同じような内容の文書に関する相談が、短期間に全国各地で多数寄せられている。文書の内容は、「違法わいせつDVD等を購入したことに対し告発することとした。告発を取り下げたい者は、期日までに必ず連絡すること」というものである。
 2.文書の送付先は男性のケースがほとんどであり、相談者は送付先となっている男性本人やその配偶者等である。また、相談者の年齢は40歳代から60歳代が多い。
 3.これまでのところ、相手に連絡を取る前に相談をしている。文書を送付されて不審に感じたり、不安に思って相談をしてくるケースがほとんどで、相談者は「身に覚えがない」と申し出ていることが多いが、中には相手に連絡を取ってしまい、金銭の支払いを要求されたケースもある。

【事例1】 身に覚えがなく不審
 「わいせつDVDを違法に購入したため告発する」という封書が届いたが、DVDは購入した覚えがなく不審だ。どう対処したらよいか。
 (相談受付:2012年4月、相談者:60歳代、男性)
【事例2】 送付先男性の配偶者からの相談
 「わいせつなDVDを製造販売した者が摘発されたので、購入者に対しても告発する。取り下げたいなら連絡するように」という書面が夫宛てに届いた。今後の対応方法を知りたい。
 (相談受付:2012年4月、相談者:60歳代、女性)
【事例3】 電話連絡したところ金銭の支払いを要求された
 「購入したDVDが違法わいせつ物で購入者も告発される」という文書が届き、怖くなったので、相手に電話をしてしまった。約40万円の請求を受けたが、今後どう対処したらよいか。
 (相談受付:2012年3月、相談者:50歳代、男性)

消費者へのアドバイス

 ●「告発を取り下げたい者は期日までに連絡するように」などの内容で不安をあおられても、決して相手に連絡をしない。
 ●不安に思ったり、対処に困った場合には消費生活センター等に相談する。
 ●相手に連絡を取ってしまい、金銭の支払いを要求されたケースもある。万が一そのような要求をされた場合でも、絶対に支払ったりせず、消費生活センター等や周囲の人に必ず相談する。



追記

「児童ポルノ法違反で告発します」 架空の弁護士から届く「告発通知」にご注意を
2013年6月28日 弁護士ドットコム

実在しない弁護士やNPO法人を名乗る団体から「告発通知」が送られてきた、という報告があいついでいる。「あなたが以前に購入した違法なわいせつ物について、警察に告発する。もし告発されたくなければ、電話をするように」といった内容のことが書かれている。新手の振り込め詐欺とみられ、日弁連は「安易に連絡をとらないように」と注意を呼びかけている。

●実在しない弁護士から「告発通知」が届いた

「こんな告発通知がきたんですが、どうすればいいでしょうか」。広島市で開業する山下江弁護士のもとにそんな相談がきたのは、今年の春だ。実際に届いた文書を見ると、「NPO法人 明日への扉」という団体の「顧問弁護士 向井俊和」を名乗る人物から発せられたものだった。

「告発通知には、過去に購入した違法わいせつ物について、製造・販売していたグループが警察に摘発されたため、購入者も告発すると記されています。しかし、反省すれば告発を取りやめてもよいので、期限までに当団体に電話するようにと促しているのです」

ところが、日弁連に登録している弁護士のなかに「向井俊和」という人物は存在しない。つまり、架空の弁護士の名前を使って、こうした「告発通知」を送りつけているのだ。

「指定された番号に電話すると、『お金を支払えば告発をとりやめる』という話があるようです。こうしてお金をだまし取ろうというのです」と山下弁護士が指摘する。実際に、このような架空の告発通知をきっかけにして「振り込め詐欺」にあってしまった被害者のケースも報道されている。

また、この告発通知では、無修正映像や児童ポルノ動画といった違法なわいせつ物を購入すると、児童ポルノ禁止法7条や刑法175条に違反すると記しているが、仮にそのようなわいせつ物を購入したとしても、購入者が処罰されることはないという。

「これらの条文は、違法わいせつ物を売買目的で製造・販売した提供者を対象にするもので、購入者を罰するものではないからです。違法わいせつ物の単純所持をめぐっては、奈良県や京都府が規制するなど地域レベルでの動きはありますが、いまのところ(2013年6月現在)、告発通知にあるように『法律』で購入者が罰せられることはありません

●「必ず電話でご連絡ください」という一文が強調されていたら要注意

しかし、そうはいっても、このような告発通知が届いた場合、どうしたらいいか不安になってしまう人もいるだろう。どのように対処するのがいいのだろうか。

「やはり、無視することが一番です。弁護士を名乗る人物からの連絡ですから、すぐに詐欺だと見抜くことは難しいかもしれませんが、『必ず電話でご連絡ください』という文言が強調されていたら、要注意です」

ネットでは、架空の弁護士やNPO団体をかたった「告発通知」については、情報をまとめるサイトもできているので、あやしい告発通知がきたら、そのサイトに掲載されたリストと照らし合わせてみるのもいいだろう。

ただ、児童ポルノの単純所持はいまのところ処罰対象ではないが、5月末に国会に提出され、継続審議となっている児童ポルノ禁止法の改正案が成立すると、製造・販売だけでなく、単純所持も罰せられることになる。そうなると、それに便乗した「架空の告発通知」が不特定多数に送り付けられる可能性が大きい。今後も、この手の告発通知におどらされないように、注意が必要だろう。(弁護士ドットコム トピックス編集部)



関連事案

見守り新鮮情報 第176号    平成25年11月1日
◇発行:独立行政法人国民生活センター◇

  「告発する」と脅されて300万円支払ってしまった!

亡くなった夫宛てに、NPO法人を名乗る団体から「告発通知」という文書が届い
た。驚いて差出人に電話をかけると、「あなたの夫がポルノビデオを買ったの
で告発される。今なら告発を取り下げることができるので、お金を払うように」
と言われた。心当たりはないが故人の名を汚したくないと思い、5回にわたって
合計約300万円を郵送したが、その後も、「まだ足りない。あと150万円支払え」
などと電話がある。どうしたらよいか。(60歳代 女性)

<ひとこと助言>
☆NPO法人を名乗る団体や弁護士などから「違法なわいせつビデオ・DVDの購入
 者を告発する。取り下げてほしい場合は連絡すること」などと書かれた文書
 が届いたという相談が依然として寄せられています。
☆「違法」「告発」などと不安をあおって電話をさせ、取り下げ料などの料金
 を請求する架空請求の手口です。
☆本人だけでなく、事例のようにすでに死亡している配偶者や同居していない
 息子の宛名で送付され、確認が取れず一層不安に駆られる場合もありますが、
 心当たりが「ある」「ない」にかかわらず、絶対に連絡してはいけません。
☆連絡してしまい、金銭を要求されても、決して支払わないようにしましょう。
☆不安に思ったり、対処に困ったりした場合には、お住まいの自治体の消費生
 活センター等にご相談ください。

イラスト入りリーフレット(PDF形式)


神の風景-人間と世間-81

「相手に対する不真実は決して小さいことではありません。軽蔑よりも憎悪よりも決定的に、交わりを裂きます」(藤木正三)2-99不真実

・愛を破壊するものに不真実があると藤木師は語ります。不真実に溢れているのが昨今の現状です。偽装は食品ばかりではありません。

NHKこころの時代~宗教・人生~「人生に光あり」

こころの時代~宗教・人生~「人生に光あり」
2012年5月6日 Eテレ

3・11の大震災に見舞われた日本にただよう、先行きの見えない不安感の中で、私たちは、どう生きるべきなのか? エッセイや法話で人気の尼僧・青山俊董さんに、釈尊以来2500年にわたって伝えられた仏法によって、「光」を見いだす生き方の具体例を聞く。

20120512

愛知専門尼僧堂 堂長…青山俊董  きき手:金光寿郎
(無量寺にて収録)



・尼僧としては有名な方であり、土地柄からも御縁がある。表情を変えずに淡々と話をされるが、的確な引用と解釈で分かりやすい話である。ただ現代人にとっては、教訓的な話だが、自分自身との関連が分からないので難しい面があるだろう。青山師も企業研修などでも話をされるようだが、なかなか伝わっていないことを感じておられる。

★話の核心

本当のことを自覚するには気づきが必要。それには教えに出会うことが必要。前提として悲しみ・苦しみの経験という上でアンテナを張っていないと難しい面がある。

自覚した瞬間を持つ → 教えに出会う ←悲しみ・苦しみ

気づきは、自分の持ち合わせの寸法しか得られない。その寸法を拡げてゆくしかない。具体的な生活の中で気づいたことを暖めていく。それが縁が熟するということ。

では、何に気づくのか。食欲や眠りなども授かりもの。与えられている、いのちの働きに気づく。そのためには、修・証、つまり実践と悟りが必要。実践とは身近なところにあるもので、いま・ここに、仰せのままに限りなく一歩を踏み出していく。悟りは結果であり、悟りを追い求めることは筋が違う。

自分のことを深く知ると自分はダメだと思っている人が多いが、実は自分ダメであると気づいたことがは仏の目を持ったことであり自己嫌悪する必要はない。

★印象に残った逸話

澤木興道老師は、言づけ仏教(仏はこう仰った…と教えを垂れるのみ)、立見席の仏法と言われ戯論(けろん)を排したものを追求された。

青山師が尼僧の修行者に対して話していること
「水と氷」・・・他人のこころの氷は気づきやすい。仏の教えに照らされて、私のこころが氷であったことに気づく。教えと煩悩は、裏と表。どこに行っても教えのど真ん中。

肉眼は他の非が見え、仏眼は自己の非に目覚める (川瀬和敬)

以上、私的な要約

さて今回は禅宗からの教えであったが、キリスト教でも同様のことを説いていることが分かる。イエスにしてもブッダにしても、気づきを得ることで自ずから生き方が変化するということを説く。

その気づきとは、いのちの自覚に他ならない。生かされていることが本当に分かったときに、自分という狭い枠で縛られている自分自身に反省し、同時に、共に生かされている隣人や生物、自然にまで思いが至る。

ただ当たり前に与えられている、いのちの自覚が簡単にできるわけでもない。青山師の話にあるように、人生に対する苦しみ・悲しみという体験が必要である。それは自分自身のこころに向き合うことができるからだろう。

特に禅なのでは系譜というものがあり、誰々について修行したことは立派な証言ともなる。今回も、いろいろな師匠の名前が出てきて逸話が語られた。それはそれでいいのだが、自分自身の気づきとは教訓めいたものでないものが相応しいと思う。

なぜなら、そうした師匠や賢人にまみえる機会が誰にもあるわけでもない。一方で自分自身が日常から気づいたことには嘘がない。そして誰でも自分自身を掘り下げていけば、丁寧に見てゆけば分かることなのだ。

こころの時代でも、宗教者の話は経典や逸話の類に縛られてしまうことで堅苦しくなり現代人には生き生きと感じられないことがある。一方で芸術家や職人などの話は理屈よりも対象を細かく把握しており、そこに信仰を感じられることが多い。

もともと言語で把握できることの限界・危険を知っているはずの宗教家が、気づいたことを言語でしか伝えらないもどかしさがある。加えて論理形式や証明により普遍化し、人間の感情や欲望といったナマの思いを封じてしまっていることに配慮しない。

芸術家や職人はモノを制作することで、相手に応じて柔軟に対応しつつ一定の制約中で、モノを活かし、かつ最上の美や利便性を追求する。普遍化よりも個別に、一つ一つに納得する仕事を通していく柔らかさのようなものがあるのだろう。また人間のようにコロコロと変化するものでないことも幸いしている。

人間の頭脳は精緻であり、惑星の運航を計算し探査衛星を飛ばして帰還させる技術を持つに至った。科学の対象とするものは証明が可能であり理屈が立てられる。ただ人間は、その存在そのものがよく分かない。特にこころというものがよく分からないのである。

宗教というものが、もっと個別に吟味され自分のこととして考えられることが必要であり何か大きな知識体系というものを把握すれば安心・納得できるものでもない。ただ残念ながら、気づくことに生きることは誰でも可能であるが持続することは困難なのだ。目に見えないことなど知覚に把握できないことは特に難しい。だから繰り返し繰り返し分かった人は説かなければならないのだ。

その点では、この番組も含めてインタビューする側の在り方が大きく作用し、出演者も気づいていないことを汲み取り、視聴者に分かりやすく伝えることに努力している。金光寿郎さんも、ご自身よく分かっていながらも巧みに話の構成を考えて的確な質問をされる。いくら師匠が良くても弟子がダメなら仕方ない。良い弟子の役割を演じている金光師にも頭が下がる。


〈金光 寿郎〉
1927年、岡山県に生まれる。京都大学経済学部卒業。1954年、日本放送協会(NHK)に入局。札幌、室蘭、京都、名古屋、東京で勤務し、その間、主として教養番組、特に人生・宗教番組を担当。1984年、定年退職。以後もNHK「こころの時代」など、人生・宗教番組の制作を手伝って現在に到る。

エンディングノート作成を

エンディングノート作成を
2012年4月11日 読売新聞

山形のNPOが冊子「死と生き方考えて」
 死後や、認知症などになり自分で判断できなくなった時に備え、自分の希望や個人情報を周囲に伝える書き込み式の冊子「エンディングノート」を、山形市のNPO法人・やまがた市民後見サポートセンターが作成した。同センターでは、「死を考えることで、自分がどう生きていくのかも考えるきっかけになれば」と話し、20日に第1回書き方講座を山形市内で開催する。

 エンディングノートは、数年前から本屋で特集コーナーが設けられるなど注目され、東日本大震災後は死を身近に感じる人や家族に自分の思いを書き残したいと考える人が増え、ますます広まっている。

 同センターは、認知症や障害など、自分で判断できなくなった時に身の回りの世話や財産の管理を行う後見人の役割を法律関係者だけでなく、市民も担っていこうと、昨秋に発足。勉強を重ねる中で、介護が必要になった時や死期が迫った時、葬式など死後の対応について、あらかじめ自分の希望を伝えておくことの重要性を実感した。

 そこで、同センターは、市販のノートではあまりない介護についての記述を充実させた独自のノートを作成するとともに、書き方も教えながら浸透を図ることにした。「エンディング」という言葉に抵抗がある人のために「わたしの安心ノート」と名付けた。

 ノートはA4判40ページで、「私の生い立ち」から始まり、誕生時の状況や父母のこと、友人、仕事などについて書く欄を設定。続いて、「医療と介護」の欄には、延命処置をどうするか、介護の必要になった時の費用をどうするか、自宅で過ごしたいのかなど、詳細に記述できるようになっている。財産については、保険や年金、所有する不動産を一覧化できるほか、葬儀やお墓の希望を記せるようにした。

 同センターの金田七夫理事は、「自分の気持ちを整理するきっかけになれば。一度に書くのは大変なので、少しずつ書き進めてほしい」と話している。問い合わせは同センター(023・645・6040)。



・こうした関連書籍が多数発行される時代になった。自分史というものも一時ブームになり、その延長としてのエンディングノートと考えるとスッキリとする。

今の時代は、過去と違い映像でいくらでも記録を残せるから、書くことが面倒な人はビデオカメラで残しておくこともできるだろう。

問題は、書いたことを適時修正していく作業をしないと自分の意思を反映できないことになる。新たな治療法が発見されて不治の病でなくなっている可能性も出てくるのが現代だから、紋切り型のことばは止めたい。

加えて財産処分に関しては、きちんとした遺言書を作成しないと有効にはならないので注意したい。

人生を振り返ることも必要であるが、自慢話を羅列した自伝などを見ているとゲンナリしてします。つまり、この人は自分の人生を振り返ることができなかったと感じてしまうからだ。

そして、果たして残しておくべきことがあるのかを自問自答しつつ生きることが大事なのであり、記録を残しておくことが大事なのではないだろう。


NPO法人やまがた市民後見サポートセンター http://yamagatasiminkouken.com/

神田橋 語録12

コミュニケーションは言葉のやり取りではなくて、気持ちが分かりあうことだ。(神田橋 條治)精神療法のコツ

・コミュニケーションにおいて、言語の役割よりもボディランゲージの要素、つまり全体から感じる要素の方が大きいということは周知だ。ただ、その礎は相手に伝えたい思いがあるか否かだろう。

弘前東照宮が破産 重文の本殿、売却の見通し

弘前東照宮が破産 重文の本殿、売却の見通し
2012.4.19 産経ニュース

 青森県弘前市笹森町の弘前東照宮が地裁弘前支部から破産手続き開始の決定を受けたことが19日、分かった。国の重要文化財に指定されている東照宮本殿は今後、競売などで売却される見通しという。神社の破産は全国で2例目。

 県神社庁によると、破産したのは神社を運営している宗教法人「東照宮」。負債は約2億円。東照宮は、先々代の宮司の時代に隣接地で運営していた結婚式場への過大投資などで経営難に陥り、20年には社務所や拝殿などが競売にかけられた。以降、東京の不動産会社が社務所などを所有、東照宮が本殿を所有する形が続いている。東照宮は、19年以降は宗教活動を停止。休眠状態になっていたが、その後も債務整理は進まなかったという。

 東照宮は、元和3年(1617年)に弘前藩2代藩主・津軽信枚が創建。寛永元年(1624年)に現在の場所に移転した。本殿は寛永5年(1628年)の建立で、昭和28年に重要文化財に指定された。



・神社の破産は珍しいということらしい。寺社は多いのかな。この宗教法人はすでに活動を停止しているが解散するのだろうか。

地元新聞の報道が詳しく、今後とも重文である本殿がどのようになっていくのかね。神社の過大投資ということが原因らしい。



青森の「東照宮」が破産、本殿売却へ
2012年4月19日 時事通信社

 青森県弘前市にある国の重要文化財「東照宮本殿」を所有する宗教法人東照宮(同市)が青森地裁弘前支部に自己破産を申請し、6日付で破産手続きの開始決定を受けていたことが19日分かった。本殿は売却される見通し。

 帝国データバンクによると、負債は約1億2700万円。結婚式場への過大投資などで経営難に陥る中、神社資産への抵当権をめぐる訴訟で敗訴、2007年以降は宗教活動を停止していた。

 

弘前東照宮が破産手続き
2012年4月19日 東奥日報

 弘前市笹森町の宗教法人・東照宮(工藤均代表役員)は18日までに、青森地裁弘前支部に破産手続きの開始申し立てを行い、同支部から開始決定を受けた。工藤代表役員によると、負債総額は2億円超。決定は今月6日付。神社本庁(東京)によると、神社の破産は、2003年の伊勢山皇大神宮(横浜市)に続き全国で2例目という。国重要文化財(重文)になっている東照宮の本殿は今後、競売などにより売却される見通し。また、東照宮は宗教法人格を債権者集会が行われる7月9日以降に消滅させる予定。

 東照宮は先々代の宮司が結婚披露宴会場の経営に窮し多額の債務を抱えたため、08年、境内に加え、拝殿や社務所などが競売にかけられた。以来、本殿は東照宮が所有し、土地は東京都の不動産会社が所有するという状態が続き、境内は荒廃が進んでいた。

 東照宮代表役員の工藤氏はもともと県神社庁の参事。東照宮と不動産会社の抵当権設定をめぐる裁判が決着した07年に、東照宮清算のために代表役員に就任した。

 工藤代表役員によると、東照宮は弘前藩とゆかりがあり、全国に数ある東照宮の中でも古く、約400年の歴史がある。工藤代表役員は「痛恨の極み」とした上で、破産申請については「(存続に向け)やることはやった。選択肢がない中で、やむを得なかった」と苦渋に満ちた表情で語った。

 一方、3月30日に青森地裁弘前支部に提出した破産手続き開始申立書では「重要文化財であるなどの事情もある」などと取り扱いに配慮を求めていた。

 今後、東照宮は競売にかけられる可能性もある。文化庁によると、重文の競売は数は多くないが、過去に例があるという。同庁参事官建造物担当の冨田文雄登録係長は「現時点では、破産開始手続きの情報収集に努めている。破産管財人や新しい所有者に文化財保護法や制約を説明することになる」と語った。

 県教委文化財保護課の稲葉克徳総括主幹は「文化庁、弘前市と連携を図りながら、債権者集会の状況を見守る」と話した。

 東照宮の破産管財人の三上和秀弁護士(弘前市)は今後、資産調査をした上で、財産を確定させる。債権者集会は7月9日、青森地裁弘前支部で開かれる。



追記

東照宮買い取りめざし募金
2012年07月25日 NHK青森放送局

破産手続きが進む弘前市の宗教法人、「東照宮」が所有する本殿の建物を市民の募金で買い取ろうと、弘前青年会議所などが活動を始めました。

弘前市笹森町の宗教法人「東照宮」は、およそ2億円の負債をかかえことし4月、裁判所から破産開始の決定を受け、国の重要文化財に指定されている本殿の建物など資産の処分方法が検討されています。この問題について弘前青年会議所と弘前商工会議所青年部の代表者が25日記者会見を開き100万円を目標に募金を始め、本殿の建物の買い取りを目指すことを明らかにしました。
弘前青年会議所の藤田あつ志理事長は「市民の宝は市民が守らなければならないと考えた」と募金を始める理由を説明しました。

本殿を取得できた場合、弘前市に無償で譲り渡し、文化的な遺産として適正な保存管理を求めたいということです。

破産管財人の弁護士によりますと東照宮の本殿をめぐってはすでに東京の不動産会社が買い取る考えを示していて、複数の買い取り希望があった場合入札になる可能性が高いということです。


洗脳体験をナラティヴに29

「しかし、ほんとうに重要なこと、つまりいのちや、愛や、現実や、神について、わたしに何か一つでも教えられる人は、ひとりもいない。他人ができるのは、わたしに公式を授けることだけである」(アントニー・デ・メロ)3-89

† こうした指摘ができる宗教家が今、果たして何人いることだろうか。それぞれの自称・宗教家たちは自分の作った公式を金科玉条にし、こう生きなさいと言う。しかし、デ・メロ師の語るように、大事なことを教えることは実は無理なのだ。

‡ いのちが何なのかは分からない。愛が何なのかは分からない。そうなのだ。それを分かったように説明し信者に課すことの愚かしさを知らなければならない。

私の自己反省19

「自分は、個人主義的な思想から脱皮できないで、学校でも会社でも人に負けまい・人に勝とうとするあまり、人を押しのけても偉くなろうとして、対人関係が敵対的となり、調和に欠けることろがあったのではないか」(水谷啓二)

・水谷氏の生活した頃は、まだ日本人の和が実感できる時代にあった。だから調和という日本人の美徳と結びついた生き方が無理ないものと考えられたろう。ところが、最近では個性的であることや自分だけということが流行のようだ。ただ、それが果たして個人主義なのだろうか、個々人がバラバラにされているだけなのだろうか。

神の風景-人間と世間-80

「能力も違い、役割も違うのです。強そうな人が簡単なことで弱さを曝し、清そうな人がつまらぬことで醜態を演じるのであって、お互い似たり寄ったりでもあるのです」(藤木正三)2-98似たり寄ったり

・ここから比較し合う人間の性向を洞察するように藤木師は語ります。確かに人間はいろいろいますが、動いて食べて寝るということは変わりませんね。今日はいつもと違った行動をすることもありますが、誰もが負わされた役割を能力の範囲でこなしているだけです。

人生いろいろ:腕時計

† 父の腕時計が壊れた。バンド支柱の亀裂であり修復はできないだろう。それに安物だからそこまですることもない。腕時計を外すことがなく、お風呂もジャブジャブとしながら使用している。

‡ 腕時計にお金をかける男性も多いが実用に問題なければ気にしない。文字盤だけのシンプルなものが好ましく、日付や秒針すらもないほうがいいね。

ローマ法王 キューバで大規模ミサ

ローマ法王 キューバで大規模ミサ
2012年3月29日 NHK

カリブ海の社会主義国キューバをローマ法王として14年ぶりに訪れているベネディクト16世は、首都ハバナで大規模なミサを執り行いました。

今回の訪問でローマ法王は、宗教の自由の促進と共に人権問題の改善などを求めたことから、キューバ政府が、今後、どのように対応するのかが注目されます。

ローマ法王はキューバ訪問の最終日となる28日、首都ハバナでミサを執り行い、会場には国内外から数十万人が詰めかけ、アメリカ南部のマイアミからも、およそ300人の亡命キューバ人が、帰国の特別の許可を得て参加しました。

この中でローマ法王は「キューバでは、宗教活動を自由に活動できるようになりつつある」と述べて、1992年までは宗教活動が禁じられていたキューバでの変革に一定の評価を示したうえで、さらに教会の役割を強化するよう取り組んでほしいとキューバ政府に求めました。

ミサのあと、ローマ法王は、キューバ革命の指導者、フィデル・カストロ前国家評議会議長と30分にわたって会談しました。

詳細は明らかになっていませんが、地元の通信社は世界平和に向けてキューバと教会との協力の在り方について話し合ったと伝えています。

今回の訪問でローマ法王は、キューバ側に宗教の自由の促進と共に反政府活動を理由に大勢の政治犯が服役していると欧米諸国が主張する人権問題の改善などを求めたことから、キューバ政府が、今後、どのように対応するのかが注目されます。



・キューバでは道路が整備され直されるなど、法王を迎えることについては各国とも神経を払っている。

こうしたことは世界のカトリックという勢力が政治・経済に大きな影響を与えることを物語っている。宗教と折り合いの悪い一党独裁政権だが、まだ寛容なようで対立よりも協調し利用しようという意図があるのだろう。

宗教組織もきちんとしたヒエラルキーを持つわけで、政治と宗教が分離しているのか統合しているかの差に過ぎない。


法王 キューバ訪問前に体制批判
2012年3月24日 NHK

ローマ法王ベネディクト16世は、初めてのキューバ訪問を前に、マルクス主義はもはや現実に対応しておらず、キューバは新しい体制を見いだすべきだとの考えを示し、波紋が広がっています。

ローマ法王、ベネディクト16世は、23日からメキシコを、26日からはキューバをそれぞれ初めて訪問することになっていて、23日、現地に向かう機内で同行の記者団と会見しました。

この中でベネディクト16世は、社会主義理論の柱となるマルクス主義について「もはや現実に対応していないのは明確だ」としたうえで、キューバを念頭に「新しい体制を忍耐強く、建設的に見いだすべきだ」と述べました。

ローマ法王が訪問先の国の政治体制に言及するのは異例のことです。

この発言に対し、キューバ内外の反体制グループは「ローマ法王が社会主義の今の体制を批判し、変革を求めたものだ」とこぞって歓迎しています。

一方、法王を歓迎する準備が進められているキューバ国内では、市民から「法王の訪問の目的はわれわれを祝福することであり、政治に首を突っ込むことではないはずだ」といった困惑の声が聞かれました。

キューバのロドリゲス外相は「ローマ法王の話を敬意をもってうかがいたい」と述べ、静観する姿勢を示しました。


神田橋 語録11

あたりちらすと一時的に気分が良いのは自己治療だからなのです。(神田橋 條治)暴力

・感情を押えすぎると鬱屈し内包して負のエネルギーを溜めてしまいます。一時的に当たり散らして感情を保つことの方が大事な時もあります。それは子供っぽいことではないのです。

NHKスペシャル 木嶋被告 100日裁判

NHKスペシャル 木嶋被告 100日裁判
2012年4月15日 NHK

裁判員制度は3年が経過し、制度の検証が始まろうとしている。「人を裁く」という重い現実と向き合わなければならない裁判員たち。今年1月からその究極とも言える裁判が進んでいる。100日にわたる長期審理となった木嶋佳苗被告の裁判だ。男性3人が連続して不審死したこの事件で、検察は被告による連続殺人だと主張。一方、被告側は無罪を主張して真っ向から対立している。決め手となる直接的な証拠はなく、あるのは間接的な状況証拠のみ。専門家ですら判断の難しい事件で、市民から無作為で選ばれた裁判員たちが決断を迫られた。いったい裁判員たちは何に悩み、どんな議論を重ねたのだろうか。実際の評議は「守秘義務」というベールに包まれ、裁判の後も一切明らかにされない。NHKでは、これまで様々な事件で裁判員をつとめた経験者たちに木嶋被告の裁判の傍聴を依頼。裁判記録も読み込んでもらった。そして、裁判映画「それでもボクはやってない」の周防正行監督が経験者たちと議論し、裁判について考えていった。そこからは「人が人を裁くことの重み」や、裁判が大きく変わる可能性も浮かび上がってきた。木嶋被告の裁判を通じて、制度の課題と可能性を見つめる。

周防正行(映画監督)堀部敏男(NHK記者・社会部司法キャップ)

【キャスター】三宅民夫
【語り】伊東敏恵



・裁判員裁判に関する議論が盛んなのは、制度発足から3年後に見直しが行われるためである。

この木嶋被告裁判は世間の注目を浴びるとともに、裁判員裁判上でも長期の裁判と物証のない裁判として判決の行方が注目された。

この番組では、6人の過去に別の裁判員裁判に出廷した市民に、開示されている情報をもとにし模擬裁判を実施し、その経過を推測しつつ判断のする上での困難さを見せてくれた。

日本の裁判員裁判では、有罪無罪の判断とともに量刑の重さをも職業裁判官とともに協議するという制度を作り上げた。つまり、今回のような死刑判決にも一般市民が直接かかわることになってしまった。

この裁判については、極めて物証が少なく間接的な事実をつなぎ合わせてストーリーを作り上げていくしか検察には手段がなかった。それは、事件が起きた当時には自殺・事故と判断されて十分な鑑識活動がされていないことが一因となっている。

加えて、量刑の重さについても求刑通りに死刑にするのか、無期懲役などに減刑するのかといった問題もあったことだろう。

番組に参加した6人の市民は、自営業者から主婦や学生といった人たちであり一般的な市民層を反映していた。参加者にとっては、検察官が作り上げたストーリーを、もう一度検証して納得できるものかを確かめる作業といってよい。

その点で、検察官のストーリーをほぼ鵜呑みに判断を下していた職業裁判官とは自ずから視点が違うことが大事な点である。

一般の報道でもあるように、特にワイセツ事件などで厳罰化の判決が多く出されており、被害者に対する同情ということが問題とされている。ただ、女性の裁判官が少なかったことから女性の裁判員裁判が増えていることからも当然の結果ともいえるだろう。

NHKでは過去にも裁判員裁判に関して機会を得ては報道しており、否定的な見方は一切していない。誰もが裁判員に推薦されるのだから、こうしたことに関心を持つことは重要だ。

お昼のワイドショーなどにあるような噂の真偽ではなく、被告の人生や被害者・家族の人生をも左右されるだけに真剣に向き合いたい。


<以下参考>

作家・佐野眞一氏 木嶋被告を「史上最強の女犯罪者」と評す
2012年6月16日 NEWSポストセブン

「これは東電OL事件を超える事件だ」――。東電OL事件の冤罪を当初から指摘していたノンフィクション作家・佐野眞一氏は、“婚活詐欺女”による首都圏連続殺人事件のことをそう語る。裁判員裁判としては異例の長さとなった100日裁判を傍聴し、『別海から来た女』(講談社)を上梓した佐野氏の目に、木嶋佳苗被告(37)はどう映ったのか。ノンフィクションライター・柳川悠二氏が、佐野氏に聞いた。
 * * *

――佐野さんは、日頃から「犯罪者にも位階がある」と口にしていますが、木嶋被告という犯罪者の“位”は高いですか。

「高いよ! 突出して高い。東電OL殺人事件が純文学的要素のある事件とするならば、被害者との関係が希薄で、無機的に殺人を繰り返した首都圏連続不審死事件は愚劣な女が引き起こした三文小説的事件という人もいるかもしれない。でも私は違うと思う。
『山より大きな猪は出ない』という言葉があるけれど、木嶋が“キ○ガイ”猪だとしたら、この猪を産みだした山というのは現代社会なんだよ。3.11の瓦礫が片づかず、原発問題も解決していないのに再稼働してしまうような愚かな社会の反映が木嶋でもあるわけだ。だから、木嶋に理解を示す誰かのように、この事件をフェミニズムで語ろうとすると、ものすごくチープな事件になってしまう気がする」

――被害者と加害者という違いはありますが、『東電OL殺人事件』(新潮社)と『別海から来た女』。読み比べれば比べるほどに、それぞれの主人公の渡辺泰子と木嶋被告は対極な女ですよね。慶応卒にして東電OLという「エリート人生」を歩んだ渡辺と、働かずに逮捕された「ニート」の木嶋被告。世間の耳目を引く凶悪犯罪は、ある意味で時代を投影する鏡でもあります。

「東電OL事件が起こったのが15年前ですよね。この間のアナログ社会からデジタル社会への変遷が、ふたりの“身体性”に現れていると思う。
 渡辺は東電のエリート社員として昼間は働き、夜になれば円山町で売春行為に走った。雨の日も風の日も、足を挫いた時も松葉杖をつきながら円山町に立ち続けて肉体を男に預けるわけです。渡辺は身体性の塊だったといえるでしょう。
 一方、木嶋は身体性がゼロの女です。働くことをせずに、男を騙し、金銭を得ようとしていたわけですから。木嶋という女は殺意の沸点が異常に低い。殺人を犯す人間には殺意が絶対条件としてあるわけだけど、木嶋は本当に殺意があったのかと思うぐらいに、まるで子供がオモチャに飽きて放り投げるように簡単に男を殺害している。
 悪魔に魂を売り、身体性のかけらも感じられない彼女は、この無機質なデジタル社会が生み出した毒婦だと思います」

――『別海から来た女』では、木嶋を早々に「サイコパス(反社会性人格障害)」と結論づけています。

「東電OL殺人事件の渡辺はファザコンだったと思うんです。私は東電に勤務していた彼女の父・達雄氏の元同僚などから話を聞くことができて、いかに達雄氏が娘を溺愛していたか証言が得られました。
 その父を渡辺は慕っていたんです。ところが、名家出身の妻はどこか達雄氏をバカにしていた節がある。父を亡くした渡辺は、いつしか母に対する復讐心が芽生え、それが年上男性との売春行為に走らせた。これが私の解釈なんです。
 フェミニズム論者、もうはっきり言っちゃうけど、『毒婦。』(朝日新聞出版)を書いた北原みのり氏なんてのは、木嶋にもファザコンの気があったというけど、そう決めつけるには材料が足りない。虐待などの過去のトラウマによって犯罪に走った可能性も彼女は示唆しているけど私はそうは思えない。100日裁判を傍聴し、詐欺被害者の声をいくら聞いても、最後まで私には木嶋を犯罪に走らせた動機がわからなかった」

――だからこそ「史上最強の女犯罪者」と。

「そう、動機が見えない犯罪者ほど、恐ろしいものはない。状況証拠しかないとはいえ、死刑廃止論者でもない限り、100人が100人とも『死刑』と判断するような事件だけど、裁判を傍聴してもなぜ木嶋が殺害せざるを得なかったのかが分からない。取材しても分からない。だから、最初から人間が壊れていたんじゃないかと思うようになった」

――首都圏連続不審死事件は裁判員裁判によって、木嶋被告に死刑判決が下されました。判決後の会見で、27歳の裁判員が「達成感があった」と話したことを、佐野さんは「欺瞞に見えた」と書いています。

「その若い裁判員の言葉だけじゃなく、判決文にしても、そして裁判中の木嶋の発言にしても、この裁判で使われた言語のすべてが平べったくて、どこかにあった文章をコピー&ペーストしたかのようだった。事件の全容もそうだけど、100日裁判自体がフラットでリアル感が欠落していたと思います」


洗脳体験をナラティヴに28

「日中目ざめている間ほとんどの時間、人々をなだめすかし、機嫌をとって過ごしている自分の姿を見つめる。わたしは彼らの規範に従って生き、彼らの標準に自分を合わせ、彼らの仲間づきあいを求め、彼らの愛を望み、彼らの嘲笑を恐れ、彼らからの拍手喝采を夢見、彼らの課す罪悪感にすなおに屈している」(アントニー・デ・メロ)3-84

† デ・メロ師の書いていることに異議を唱えることは簡単である。人間は集団で生きる生物であり、それが長い生存競争を生き延びた要因であるということだ。だから、他人にどのように見られるかや振る舞うかは死活問題とも言える。ただ、そのことのみで生きるならば人間に与えられた個性は必要ないだろう。

‡ 神や仏をたてることで、人間を相対化することが宗教の目的の一つではないだろうかと考えている。人間のみ、また、組織(人間のかたまり)のみだけではエゴの闘いに終始してしまう。そこから別の視点を得て生きることが、狭いエゴからの脱却には必要とされるだろう。
↑